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2017/02/13

松本伊代線路立ち入り事件について思ったこと

 「書類送検された松本伊代と早見優、2人は鉄道ファンの見せしめにされた!?」という記事がありますが、線路立ち入りといえば、昭和三八年一二月の動労の全国七拠点の二時間スト(マスピケ事犯)の判例を研究したことがありますが、覆面とアノラックを着用した動労組合員が尾久とか、糸崎とか、鳥栖といった拠点で軌道上にスクラム組んだり、列車を止めているわけです。
 当時の毎日新聞みましたが一面に大きな写真があって尾久駅で動労組合員が黒磯行き普通列車の進行方向に蹲って発車を止めていて、ホームでは支援者や政治家が拍手を送っているという今から思えば異様な光景がみられますが、動労本部中央執行委員らは、約350人のピケ隊を組織し、上野発黒磯行525列車(11両編成で乗客約1200人が乗っていた)の尾久駅入構を待ち受け、ホーム一杯に押しかけ、約150人を線路上に降ろして列車の前方軌道上にスクラムを組んで、うずくまることなどし、また乗務員を職場大会に参加させるためその腕を抱えるなどして強いて下車させ、20時頃から20時44分頃までの間列車の発進を不能ならしめたのである。通勤時間帯であり乗客にとってはたまったものじゃない。
 一審は、威力業務妨害罪、共同正犯(刑法234条233条60条)S被告人懲役四月執行猶予二年、他の2名は罰金5千円。二審、最高裁も有罪である。
 ところが、糸崎と鳥栖は同様に列車を止めているのに、一審無罪でした。二審では久留米駅事件方式をとって、有罪になりましたが、鳥栖駅事件では、長崎発京都行き急行玄海、佐世保発大阪ゆき急行平戸を止めてます。
 一審無罪だったのは藤木英雄東大教授の「可罰的違法性」の理論の影響のためでする。違法であっても労働基本権の行使として処罰するに値しない行為にしてしまう理論です。この理論のおかげで労働組合はあるていどの有形力の行使ができる特権が与えられたのでした。私は悪い理論だと思います。これは昭和四八年の久留米駅事件判決で実質否定されましたが、とにかく線路内でスクラム組んで列車を止めても無罪とした時代があるんです。昭和四〇年代はしょっちゅう鉄道ストがあったから、線路を歩いて通勤することもあった。
 そうすると、松本伊代の線路立ち入りなんてものは悪質なものではありませんから、国労や動労がマスピケで列車を止めていた時代にくらべれば、たわいない事件のように思えます。これこそ可罰的違法性の理論を適用してもよさそうです。

2017/02/12

法定婚姻年齢は英国や合衆国の多くの州のように男女共16歳に引き下げるか、ドイツのように配偶者の一方が18歳なら16歳の結婚も可能なあり方とすべきだ。修正版 その1

 軽輩にもかかわらずこのように長文のメールを送り付ける厚かましい無礼をお許しください。これだけは納得がいかない法改正なので、国民の一人として声をあげないのは後悔すると思い土壇場の状況ですが意見具申させてください。(ほとんどガス抜きです)このメールはできるだけ多くの国会議員に送付する趣旨なので即刻削除されてけっこうです。もし興味があればご笑覧いただけれると幸甚に存じます。
 1996年法務省法制審議会民法改正の答申は法定婚姻最低年齢を男18最、女16歳と規定する民法731条を男女とも18歳とする改正案を示したが、日本会議をはじめ根強い反対のある夫婦別姓とのパッケージだったため、これまで棚上げされてきた。しかし、政府は今の通常国会で成人年齢を18歳に法改正と同時に、民法731条の法定婚姻年齢も男女ともに18歳とし、19歳以下でも父母の同意を必要としないあり方に改正する方針である。反対者は少ないようだが、これは結婚し家庭を築く権利という憲法13条の幸福追求権に深くかかわる問題であり、安易に16歳、17歳女子の婚姻資格をはく奪することは人道的配慮に欠くものとして強く反対する。反対理由は以下のとおりである
 1. 成人年齢引き下げも反対だが、大勢は動かないだろうから関連法案の問題点だけに絞る。それが民法731条だ。
  私は、成人年齢引下げ自体反対である。そもそも国民投票法を円満に成立させるさせるために、自民党中川政調会長が成人年齢18歳を公約としていた民主党との取引で、選挙権等を引き下げる方針にしてしまったことが、今日のような事態となっている。
 与野党の政治の駆け引きの道具として使われたことが発端である。国民投票法の趣旨それ自体に反対しないし、憲法9条の改正にも賛成する。しかし、成人年齢引下げは国民の7割が反対であり、若者が求めていたわけでもない。明治9年の太政官布告で満20歳に定められ、私法においては、満20歳の成年制度で長い間安定しており、140年も安定していた法制度をいじる格別の理由はない。サイレントマジョリティーの国民の意見を無視しており、政治家の自己満足のための法改正として非難に値すると考えるものである。1
 米国はコモンローの成年は21歳であるが、ベトナム戦争の際、学生運動が盛んになり、18歳以上21歳未満の者は徴兵されるのに選挙権がないのは不当だとの主張がなされ、1971年に選挙権を18歳に引下げた。ドイツも兵役義務が18歳からなのに選挙権が21歳なのは不公平だとの主張により1970年に18歳に選挙権が引下げられた。それは激しい学生運動を懐柔させる政策だったのである。(国会図書館調査及立法考査局「主要国の各種法定年齢」『調査資料』 2008-3-b)、 しかし徴兵制のない我が国で選挙権を18歳に引下げる理由はないにもかかわらず、政治家だけの思惑で選挙権が引き下げられた。私は全くばかげていたと思う。
 選挙権の次は成人年齢だが、米国では45州が18歳、コロラド、ミネソタ、ミシシッピが21歳、アラバマ、ネブラスカが19歳である。私はコロラド、ミネソタ州のように選挙権とと成人年齢が違っていてもいいと思う。喫煙・飲酒年齢と同じことだ。ミネソタとコロラド州の見識に倣うべきである。
 しかし、もはや国会議員の大勢は引き下げだろうから、今更反対を叫んでも無意味だろう。したがって、成人18歳引き下げを前提とする議論とする。つまり関連法案の調整の問題点のみをとりあげる。それが民法731条である。
2.この際男女平等でもよいが、男女とも16歳で結婚可能とするのが妥当
 私は民法731改正にも全面的に反対である。女子婚姻年齢18歳引き上げは30年以上前から日弁連女性委員会や婦人団体が主張していたことで、だ形式的平等を達成する狙いであった。
 しかし当時の加藤一郎法制審議会民法部会長ですら合理的差別とする学説であるように、積極的な改正する理由はないと思う。
 法制史的には、ローマ法、古典カノン法、コモンローが男子14歳、女子12歳、現教会法が男子16際、女子14歳、大唐帝国永徽令、日本養老令男子15歳、女子13歳、明治民法男子17歳、女子15歳であり、2歳の年齢差は自然なものと認識できるのである。
 宗旨替えはしないし、女性活躍の社会政策が叫ばれていることに追従するつもりはさらさらないが、諸般の事情から、私のように差別を残す考えは少数派だろうからこの際、形式的男女平等に異論を唱えないこととしたい。
 しかし、女子を18歳に引き上げ、16際・17歳女子の婚姻資格をはく奪する暴挙に反対なのである。。
 法定婚姻可能年齢の形式的平等の達成は、次のような案でも達成だからだ。
(1)男女共16歳に引き下げ、16歳・17歳の場合は従前どおり父母の同意を要するものする。
 合衆国の33州、イングランドがこれに該当する。なおスコットランドでは親の同意がなくても16歳で結婚可能である。
(2)男女共18歳を基準としつつも配偶者の一方が18歳以上である場合は、一方の配偶者が16・17歳であることを妨げない
 つまり16-16歳の結婚は不可だが、18-16歳の男女如何にかかわらず合法とするもの
 ドイツがこの方式である。
(3)男女共18歳を婚姻適齢とするものの、父母の同意と裁判所の許可により18際未満の結婚を妨げない
 カリフォルニア州がこれに該当する
 私は(1)か(2)が妥当であり(2)が受け入れやすい案と考える。(3)もありうるが例外事例を裁判所の関与で救済するのは我が国の婚姻慣習になじまないと考える。
 したがって、外国の立法例を参考にすると形式的平等の達成は、政府案のように18歳の新成人年齢にそろえる以外の選択肢もあるのだが、それ以外の選択肢についての議論がほとんどないのが問題である。
 18歳にそろえるのはソ連の婚違法制がモデルであり、いわば社会主義国モデルであり、外国の立法例で18歳未満の結婚を全面的に否定するという例は少ない。なぜソ連モデルでなければならないか。それは日弁連や婦人団体が古くから主張していたことで、メンツを立てるためにもそれ以外の選択肢はないということで思考停止状態になっているためである。
 なお、16.17歳女子婚姻資格はく奪に反対している専門家としては、滝沢聿代 「民法改正要綱試案の問題点(上)」『法律時報』66巻12号1994年11月がある。
3.1996年法制審議会の「婚姻年齢18歳は世界的趨勢」は偽情報であり国民をだましている
 女子婚姻年齢18歳引上げの理由として法制審議会の理由の第1は、「婚姻年齢18歳は世界的趨勢」は嘘である。
 イギリスは男女とも16歳で、イングランドは16・17歳は親の同意がいるが、スコットランドは不要である。
 ドイツは配偶者の一方が18歳以上なら、16歳で結婚できる。
 合衆国については、コーネル大学ロースクールのhttps://www.law.cornell.edu/wex/table_marriageに一覧表がありますが、
 おおまかにまとめると次のようになる
婚姻年齢男女共16歳以上 33州とコロンビアDC
婚姻年齢男子18歳女子16歳 デラウェア、オハイオ、ロードアイランド
婚姻年齢男女共15歳以上 ハワイ
婚姻年齢男女共17歳以上 ネブラスカ
婚姻年齢男女共17歳以上【特殊な事情で】 インディアナ、ワシントン、オレゴン
婚姻年齢男子17歳女子16歳 アーカンソー
婚姻年齢15歳以上 ミシシッピ
婚姻年齢15歳以上【特殊な事情で】ミズーリ
婚姻年齢男女とも原則18歳以上 カリフォルニア、ケンタッキー、ルイジアナ、ウェストヴァージニア
婚姻年齢男子14歳女子12歳マサチューセッツ【コモンローと同じ】
婚姻年齢男子14歳女子13歳ニューハンプシャー
 アメリカでは1970年より前は男子18歳、女子16歳とする州が多く、我が国の戦後法改正はアメリカ法に倣ったものであるが、二つの事情で婚姻年齢の多くが男女とも16歳とする州が多くなった。現在33州。ただし、16歳未満でも裁判所の許可で可能としていの州は少なくない。
 一つの理由は、統一州法全国委員会の統一州法モデルが男女とも16歳を基準としており、16歳未満でも特殊な事情があれば裁判所の許可で結婚可能とするモデルを提示したためである。(村井衡平「<資料>統一婚姻・離婚法(案) : 一九七〇年八月六日公表第一次草案」神戸学院法学 5(2/3) 1974-12 )、もうひとつは男女平等憲法修正条項(ERA)が1972年に議会で各州が批准の過程で、多くの州が男女平等に法改正したことである。もっとも38州の批准が必要なところ、現在35州しか批准していないので憲法は修正されず、いまだ日本と同じく男女に年齢差を設けている州も少ないがある。
 18歳を原則とししている州も4州あるが、18歳未満でも裁判所の許可などで救済できるシステムがある。
 このように主要国では16歳で結婚可能であるから、18歳を婚姻年齢とすることが世界的趨勢とする法制審議会の見解は事実に反する、国民をだましているから悪質だ。
 とくに統一州法モデルや英独のような主要国を全く無視しているのは民法学者の偏向を物語る。それほどまでして日弁連女性委員会のいいなりになるかという思いである。
4.高校教育の必要性は全くナンセンス
 男女とも18歳とする第二の理由が高校教育が国民的教育機関となっていることだが、義務教育でない以上、高校に進学するか否かは、親の監護教育権、本人の意思決定の自由な領域であって政府がパターナリズム的に干渉する余地などない。かりに高校教育が望ましいという観点をとっても単位制高校など家庭生活と両立も可能な履修システムもある。
 その人にとっては上級学校に進学するか、結婚するか、仕事につくか幸福追求のための人生設計は自由であるべきである。
 
5. 野田愛子氏の見解を無視すべきでない
 野田愛子氏ような家庭裁判所の実務家の見解(戸籍時報419号)も示唆に富んでます。「私の家庭裁判所判事当時の経験に照らすと、16、7歳の虞犯の女子がよい相手と巡り会って、結婚させると落ち着く、という例も数多く経験しています。あながち、男女平等論では片付づかない問題のように思われます。」と改正に反対である。家庭環境に問題があり「非行」に走る少女も結婚すると落ち着くということです。結婚が解決策になるのです。人間学的に言えば、喜びと苦労を分かち合うことで喜びは倍になり、苦しみは軽減され、人生の困難を乗り越えていくことができるのです。従って必ずしも恵まれていない環境にある若い女性から法定婚姻資格を剥奪するのは過酷であると私は考えます。
 90年代に16・17歳女子の結婚は年間3000組程度あった。それは世の標準より若いかもしれないが、例外的状況でも対応できるようにしておくのが法のあり方である。特定の社会階層の考え方を国民に押し付けるなといいたい。

清水富美加に松本伊代

清水富美加の突然の芸能界引退に、「和田アキ子、アッコにおまかせで清水富美加に言及!「きれいにしてからお辞めになった方が」」と批判したとか。もっともではあるが、「人肉を食べる人種」役や水着仕事に不快感とも報道されており、このご時勢、仕事がいやなら勝手にやめたことを批判したくない。
 米国では、解雇自由が原則なので、被用者側も勝手にやめる自由があって労使対等という考えだから過労死しない。勝手に契約して勝手にやめるから自由人、いやならやめるのが自己責任。ナポレオン民法も期限の定めの無い役務賃貸借契約は、一方の契約放棄で解消されちゃうから、近代社会の基本原則ともいえる。
 しかし英国は主従法が廃止されたのちも予告義務の法理があって、職種によってやめる一定期間より前に、退職の予告義務というのがある。しかしこれはストライキ対策で、一方的契約義務違反、予告義務法理に反するという理由でストライキ参加者を解雇できる。
 古い時代のコモンローでは、奉公人は少なくとも1年間雇用する義務があり、九月三十日雇用期間満了まで退職できなかったこともある、主従法では勝手な仕事の放棄は罰則があった、それは古い時代の話だ。
 日本は使用者側に労基法に解雇の予告義務があるが、被用者側にはない。公立学校の教師が退職金を減らされる前に駆け込み退職をしたのが教育の放棄として批判されたことがあったが、予告義務はないのである。
 わたしは自己責任で心筋梗塞になるまで働いたが、さすがに朝方発作が続いてニトロを飲んでも痛みが引かなくなってヤバイと思ったので病院に行った。結果的に緊急手術させられて、休むことになったが、本当にヤバイとおもったときはやめますよ。
 発売中の週刊新潮2月16日号で電通過労自殺につい塩崎厚生労働大臣による国策捜査を批判する記事があり、その女子社員は自殺の前日に彼氏と破局したという。メディアは国策捜査に加担してこの事実を伏せているという。過労だけが自殺の要因じゃないのでは。
 テレビがさかんに偽情報、オールタナティブ・ファクトを批判しているが、真実を報道しないメディアのほうがよっぽど問題だ。
 松本伊代と同じく、線路内に入ることが鉄道営業法違反だなんて知らなかった。本数の少ない山陰本線だろ違法行為だが、騒ぐほどのことではない

2017/02/05

横綱土俵入りの疑問

 ベースボールマガジン社の大相撲名力士風雲録10号双葉山のDVDを買って43番すべてみました。横綱になる前の映像というのは残ってないようです。
 打っ棄り双葉といわれたように双葉山の足腰が強かったのは、回漕業の家に生まれて、舟を漕いでいたから。西鉄の稲尾和久も舟を漕いでいたといわれるし、初代若乃花も室蘭で沖仲士をやっていたというが、そういう経験がないと本当に強い力士は出ない。
 年少労働をやらなくなったから、日本人よりモンゴル人が強いのはある意味当然ともいえるのである。
 双葉山の土俵入りだが、せり上がりの四股を踏む直前の動作、左手をのばすが手のひらを返さないのに気がついた。最近の横綱は左手を伸ばし手のひらを返して四股を踏むが、たぶん双葉山のやり方が正しいのだと思う。いつのまにか余計な動作が加わってしまったと考えられる。
 

法定婚姻年齢は英国や合衆国の多くの州のように男女共16歳に引き下げるか、ドイツのように配偶者の一方が18歳なら16歳の結婚も可能なあり方とすべきだ。政府の方針に強く反対。

 1996年法務省法制審議会民法改正の答申が法定婚姻最低年齢を男18最、女16歳と規定する民法731条を男女とも18歳にそろえる改正案を示したが、夫婦別姓などとのパッケージだったため、これまで棚上げされてきた。
 しかし政府は、今の通常国会で成人年齢を18歳に引き下げるのと同時に、民法731条の法定婚姻年齢も18歳にそろえ、19歳以下でも父母の同意を必要としないあり方に改正する方針である。反対者は少ないようだが、これは結婚し家庭を築く権利という憲法13条の幸福追求権に深くかかわる問題であり、安易に16歳、17歳女子の婚姻資格をはく奪することは人道的配慮に欠くものとして強く反対する。反対理由の要旨は以下のとおりである。

 

1. 英国では男女とも16歳が法定婚姻年齢で、合衆国のほとんどの州は、統一州法全国委員会の統一州法モデルにそって16歳が法定婚姻年齢であり16歳未満でも裁判所が認めれば結婚できるとする州が多い。ドイツは18歳を原則としつつも、配偶者の一方が18歳以上なら、16歳でも結婚できる規定である。やはり先進国では、結婚年齢を男女平等でそろえる場合で、伝統的に身体的に性的に成熟した女子は婚姻適齢としていたため、16・17最の婚姻資格ははく奪しないきめこまかい配慮があるのである。法制審議会のいう18歳を婚姻年齢とするのが世界的趨勢というのは虚構であり国民をだましている。   なお、アメリカ合衆国の50州及びDistrict of Columbia and Puerto Ricoの法定婚姻適齢については、コーネル大学ロースクールLIIのMarriage lawsのサイトを見てくださいhttp://topics.law.cornell.edu/wex/table_marriage。各州の婚姻適齢の一覧表があるので見てください。

2. 18歳にそろえる発想はソ連の法制がもとになっており、中国が少数民族に特例のあるほか18歳でそろえているが、要するに社会主義国モデルなのである。日本は英米仏独のような先進国の法制をモデルとして改革すべきである。

3. 高校教育の必要性の主張は義務教育でない以上、全く論理性はない。百歩譲っても単位制高校など家庭と両立できる通学方法もありうる。

4. 同趣旨で16.17歳女子婚姻資格はく奪に反対している専門家としては、滝沢聿代 「民法改正要綱試案の問題点(上)」『法律時報』66巻12号1994年11月。90年代に16・17歳女子の結婚は年間3000組程度あった。それは世の標準より若いかもしれないが、例外的状況でも対応できるようにしておくのが法のあり方である。特定の社会階層の考え方を国民に押し付けるなといいたい。

5.  野田愛子氏のような家庭裁判所の実務家の見解(戸籍時報419号)も示唆に富んでます。「私の家庭裁判所判事当時の経験に照らすと、16、7歳の虞犯の女子がよい相手と巡り会って、結婚させると落ち着く、という例も数多く経験しています。あながち、男女平等論では片付づかない問題のように思われます。」と改正に反対である。家庭環境に問題があり「非行」に走る少女も結婚すると落ち着くということです。結婚が解決策になるのです。人間学的に言えば、喜びと苦労を分かち合うことで喜びは倍になり、苦しみは軽減され、人生の困難を乗り越えていくことができるのです。従って必ずしも恵まれていない環境にある若い女性から法定婚姻資格を剥奪するのは過酷であると私は考えます。

6.  日弁連女性委員会や婦人団体は古くから女子も18歳に引き上げて男女平等にと主張してきた。しかし圧力団体のメンツをたてることよりも声なき国民の人権のほうが重要である。若くして家庭婦人におさまってしまう女子に対する敵意なのだろうか、フェミニストの方針にしたがって16・17歳での結婚をあきらめないさいと強要する法案は、憲法13条国民の幸福追求権をないがしろにし、結婚したい男女に待婚を強要する人道上の配慮にも欠くと強く非難したい。

7.  やれLGBTの権利だ、障碍者の権利だ、外国人の権利だと「人権」にうるさい人々も、なぜか16・17は女子の婚姻資格はく奪という暴挙に対して冷淡であるのは不思議だ。理想主義者は真善美に妥協しない。ミルトンは16歳のメアリー・パウエルに一目惚れして結婚、エマソンも17歳の女性の結核を患っていたが美女と結婚している。理想主義者は若い女性が好きなのである。あなたがたは「娘十八番茶も出花」ということわざを知らないのか。トランプ大統領就任式で国歌独唱した16歳ジャッキー・エヴァンコは全く成熟した女性に見えた。米国民ではほとんどの州で16歳は結婚年齢である。持統女帝は13歳、光明皇后は16歳で結婚、近世の皇族の成女式も16歳である。どう考えても16歳女子は結婚適齢だ。16歳で結婚した三船美佳が離婚したのは遺憾であるが「おしどり夫婦」評判だった。それが悪いとはいえないのである。
  私の経験からすると社会人になってからは全く女性にもてなくなったので未婚である。異性がよりついてきたのは小・中・高校までである。同級生や近隣の女性に決めて早いうちに結婚を決めてしまった方がよかったと今では後悔している。

                          *

 私は現行制度維持が最善と考えます。ローマ法・古典カノン法・コモンローの婚姻適齢は男14最女12歳、大唐帝国永徽令・日本養老律令は男15歳・女13歳。東洋は数え年なので実は東洋も西洋も結婚年齢の基準は同じでした。現代のカトリック法でも男16女14歳である。2歳の年齢差は合理的なものと考える。しかしここまできた以上、妥協せざるをえず、男女平等とする案にこの際賛成に転じます。
 ただし、英国や合衆国のほとんどの州と同じ男女共16歳か、配偶者のどちらかが18歳以上なら、16歳でも結婚を認めるドイツのような法制の修正案を国会議員は提案すべきです。
 スコットランドのように16歳で親の同意なくして結婚できる国もありますが、この場合未成年者16~17歳は父母の同意を要することは現行制度で同じでよいと思います。

2017/02/02

人生敗北宣言はしません

日本の醜い政治に辟易している。安倍の顔を見るのも不快なのですが、人生敗北宣言はしません。厭世気分ですがこのまま死ぬということはきないです。実はここ二年間糖尿病でした。ヘモグロビンa1cで7,8まであがりました明らかに体調は悪かったです。医者がうるさくて嫌いなので逃げまくっていたのですが、インスリン注射をするようになって6・8まで下がりました。前よりは調子はよくなっているのでこれからまだ頑張りたいと思います。
 ゴーサッチ指名の感想について述べておく。トランプ大統領はスカリア判事死去による穴埋めとして二ール・ゴーサッチを指名したが、アメリカの全テレビが生中継したとか。結局アメリカは司法国家ということだ。印象としては司法自制主義の裁判官のようだが、スカリア判事とケネディ判事を尊敬しているとか。ロサンゼルスタイムズを機械翻訳で読んだが、スカリア判事ほど反リベラルの情熱のある人物ではないのではとのことだ。スカリア判事はクリエーションサイエンスも支持していましたがそれほど保守的ではないのかもしれない。ただ最高裁判事はカトリックに偏りすぎていた。ゴーサッチは聖公会ということでプロテスタント主流派を入れるのはバランスとしては悪くない。
 スカリア判事は超大物だった。私が特に評価するのは表現の自由の判断である。星条旗焼却処罰-違憲、ヘイトスピーチ禁止条例-違憲、暴力的ビデオゲームの規制-違憲なのである。一年前に死亡したが、まったく惜しい人物をなくしたものだ。ケネディ判事も男色行為処罰違憲判決等のみ意見が異なるだけでほかの主要事件の判断は支持できる。スカリア判事もケネディ判事も好きである。
 ただ自分はプライバシー権や実体的デュープロセスに肯定的なのでその点スカリアよりずっとリベラルな考えである。ロー対ウエード判決のブラックマン判事はニクソン任命の共和党で、穏健な共和党員は妊娠中絶には反対していなかったからである。
 

2017/01/29

重ねて、残業時間上限規制政府案に反対   2

自民党に字数制限の短縮バージョンで出しました

 

マスコミが政府の残業の上限規制案を一斉に報道しているが、月60時間の残業というのは、平日毎日2時間の残業と土曜日の出勤が2回で終わってしまう計算になる。平日3時間の残業なら土日は1日も出勤できない。それは平時の経常業務だけの残業時間といえるが、非経常業務の量が増えたり忙しい時期には対応できない。せめて月70時間平均にしないと、仕事のクオリティを維持は無理だ。

 実際「残業時間と会社の株価はやっぱり比例する?」という記事では株式会社ヴォーカーズが上場企業2341社を対象に行なった残業時間と株価上昇率の関係性に関する調査によると、「平均残業時間が月間60時間以上ある企業の株価上昇率が最も高い」とある。

 成長にはハードワークはつきものだ。ジョブズがマッキントッシュを開発した頃「週80時間労働、大好き」というシャツを着せて、休日なし毎日11時間労働、3年間仕事漬けだった。リチャード・フロリダ『クリエイティブ資本論』ダイヤモンド社2008によると、優秀な人ほど長時間労働になるのは周囲から頼りにされ支援を求められるため、業務をしばしば中断するからとのこと。クリエイティブな労働者が長時間働くのは、仕事そのものが好きだから、10人中7人が仕事の楽しさを平均ないしそれ以上としている。クリエイティブな労働者が長時間労働を好むということは明白である。

重ねて、残業時間上限規制政府案に反対

 
マスコミが政府の残業の上限規制案「残業時間の上限を繁忙期も含めて年間720時間、月平均60時間とし、忙しい時には月最大100時間、2カ月の月平均80時間までの残業は認める」という数字を一斉に報道しているが、60時間の残業というのは、平日毎日2時間の残業と土曜日の出勤が2回で終わってしまう計算になる。平日3時間の残業なら土日は1日も出勤できない。それは平時の経常業務だけの残業時間といえるが、非経常業務の量が増えたり忙しい時期には対応できない。せめて70時間平均にしないと、仕事のクオリティを維持していくのは難しいのではないか。
 市川染五郎がテレビのトーク番組で休みなしで興行するスタイルが調子を落とさずよいとベテランはみないっている。週休2日なんてありえないといっていたように、土日も出てきてやったほうが実は効率がいいし、現実だと思う。実際「残業時間と会社の株価はやっぱり比例する?相関関係を調べてみた」という記事ではhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170128-00000003-zuuonline-bus_all 「株式会社ヴォーカーズが上場企業2341社を対象に行なった残業時間と株価上昇率の関係性に関する調査によると、「平均残業時間が月間60時間以上ある企業の株価上昇率が最も高い」ということが分かりました」。とある。
 やっぱり、林=プレスコット説で明らかなように、労働時間を減らしたことが失われた10年の要因なのである。60時間残業あたりまえという企業でないと、株価が上がる優良企業とはいえないのである。
 どんな企業でも成長にはハードワークはつきものだ。熱中して仕事しなければ技術革新も生まれない。スティーブ・ジョブズがマッキントッシュを開発した頃「週80時間労働、大好き」というシャツを着せて、休日なし毎日11時間労働、3年間仕事漬けだったという有名な伝説がある。アメリカ中西部では1920年頃まで鉄鋼業が休日なし毎日12時間労働だった。重筋労働でも決して限界というわけではない。ウォルマートの社風がそうであるように、コミットメント、粉骨砕身働く価値は一貫して重んじられている。ウォルマート本社でバイヤーは6時半に出社し退社は午後5時から7時の間、すべてのホワイトカラーは土曜は朝7時から午後1時まで働くという。そうするとホワイトカラーなら週57時間ぐらい働くのは普通ということだ。(チャールズ・フィシュマン著中野雅司監訳『ウォルマートに呑み込まれる世界』ダイヤモンド社2007年)
 なおロー対ウェード判決で著名なブラックマン判事の控訴審時代の仕事ぶりは、平日10時間土曜7時間、日曜は教会の礼拝の前後に4時間で、週60時間である。知識労働者ならそれは普通だろう。
 ちなみにリチャード・フロリダ/井口訳『クリエイティブ資本論』ダイヤモンド社2008、193頁によると、優秀な人ほど長時間労働になるのは周囲から頼りにされ支援を求められるため、業務をしばしば中断するからとのこと。クリエイティブな労働者が長時間働くのは、仕事そのものが好きだから、10人中7人が仕事の楽しさを平均ないしそれ以上としている。長時間働くのは「夢のため」という人もいる。クリエイティブな労働者が長時間労働を好むということは明白である。日本のような長時間労働否定の政策は、クリエイティブな労働者を疎外するだろう。

2017/01/28

2016年のアメリカ合衆国労働組合組織率

 合衆国労働省は毎年1月下旬に労働組合組織率の統計を発表してます。今年は1月26日でした https://www.bls.gov/news.release/union2.nr0.htm       http://www.cnbc.com/2017/01/26/disorganized-union-membership-hit-an-all-time-low-in-2016.html
 労働組合加入率 2016年には10.7%で、2015年から0.4%ポイント低下しました。.
2016年の労働組員合は1460万人で、2015年から240,000人減少しました。
 公共部門の組織率は34.4%、民間企業は6,4%でした。
州別のランキング
労働組合加入率が低い順〔大統領選挙結果〕
1位サウスカロライナ1.6%〔労働権州・トランプ〕
2位ノースカロライナ3.0%〔労働権州・トランプ〕
3位ジョージア 3.9%〔労働権州・トランプ〕
3位アーカンソー 3.9%〔労働権州・トランプ〕
5位テキサス 4.0%〔労働権州・トランプ〕
6位ルイジアナ 4.2%〔労働権州・トランプ〕
7位バージニア 4.3%〔労働権州・クリントン〕
8位アリゾナ 4.5%〔労働権州・トランプ〕
9位ユタ 4.7%〔労働権州・トランプ〕
10位サウスダコタ 5.2%〔労働権州・トランプ〕
労働組合加入率が高い順
1位ニューヨーク 23.6%〔クリントン〕
2位ハワイ 19.9%〔クリントン〕
3位アラスカ 18.5%〔トランプ〕
4位コネチカット 17.5%〔クリントン〕
5位ワシントン州 17.4%〔クリントン〕
6位ニュージャージー 16.1%〔クリントン〕
7位カリフォルニア 15.9%〔クリントン〕
8位ロードアイランド 15.5%〔クリントン〕
9位イリノイ 14.5%〔クリントン〕
10位ミシガン 14.4%〔労働権州・トランプ〕
 近年、特に組合員を減らしている州としてはウィスコンシンがあげられます。http://www.dailymail.co.uk/wires/ap/article-4165372/Union-membership-nearly-40-percent-Wisconsin.html2011年にウォーカー知事が公務員の団体交渉権を剥奪しましたが、それ以来40%組合員が減りました。2017年は8.1%だが、近隣のイリノイ州、ミネソタ州、ミシガン州が14%台を維持していることから比較すると明らかに低くなったといえます。
 なお、2017年1月7日ケンタッキー州が27番目の労働権州になりました。”Right-to-Work ( RTW ) Law”とは組合加入と組合費の支払いを義務づける組合保障協定を否定するものである。端的にいえばユニオンショップとエージェンシーショップの禁止である。南部で労働権州になっていなかったのはここだけでした。http://www.nrtw.org/news/national-right-to-work-foundation-launches-kentucky-task-force-to-defend-and-enforce-new-right-to-work-law01102017/
 近年、インディアナ、ミシガン、ウィスコンシンといった州が労働権州となっています。次はミズーリ州といわれてます。

2017/01/26

働き方改革 時間外労働時間の上限規制に強く反対 (修正版)

 

  時間外労働の上限規制に強く反対

            

 

 

 

 

 

 契約自由、私的自治、自己責任という近代市民社会の原則、自由企業体制の維持という観点から、また労働時間規制を契約の自由の侵害とした、1906年ロックナー判決の趣旨に賛成する思想的立場から、社会民主主義的な労働政策に反対し、これ以上政府が雇用判断に干渉する政策に反対であり、労働時間上限規制に強く反対する。またEU労働時間指令のような勤務間インターバルの設定にも強く反対である。

 

 すでに政府案は上限を月80時間、月平均45時間とするため半年で270時間と毎日新聞(1/25)が報道しているが。これでは日本経済にとって致命傷になる。

 

 私は絶対反対、すでに首相はやるといっているから後退できないというなら、例えば上限月130時間、月平均70時間、半年で420時間ぐらいでないと勤労者の士気をそぎ勤労意欲を萎縮させかねない。またホワイトカラーなどは必要ないと思う。職種によって、あるいは個人の意思確認で上限規制の適用除外が必要だ。

 

 首相は欧州並みというが、EU大陸諸国の協約自治、コーポラテイズムと我が国は体質が異なる。欧州型の社会民主主義ではなく、政府が雇用判断にできるだけ干渉しない英米型の自由市場路線が望ましい。それとは真逆の政策だけに容認しがたいのである。理由は以下のとおり。

 

 

 

 

 

 

 

一 外国の政策、慣行との比較

 

 

 

(一)イギリスが経済好調だったのは労働時間規制に一貫して消極的だったことにある

 

 

 

 イギリスでは、サッチャー・メジャー政権の自由市場政策で児童年少者法以外の一切の労働時間規制を廃止した。EU労働時間指令にも反対し、適用除外(opt-out条項)の権利を勝ち取った。

 

 ブレア政権はEU労働時間指令を受容し1998年週当たり48時間の労働時間規則を制定したが。適用除外(オプト・アウト)制度も導入され、労働者により署名された書面による個別的オプト・アウトの合意により、法定労働時間の規則の適用を排除することができるのである。

 

 2004年の『海外労働情報』によると労働者の3割が法定労働時間適用除外にサインしており、事実上労働時間規制はない。なおイギリスでは時間外労働の割増賃金を法制化されてないからホワイトカラーや専門職の残業は無給と考えられる。

 

 イギリスの16年連続景気拡大は、労働時間規制が実質空洞化し、日本のような愚かな時短政策をとらなかったこともある。EU離脱の背景には適用除外に反対する大陸諸国への反発、政府が労使関係に干渉しないボランタリズムの伝統によると考える。この点イギリスは大陸諸国より健全だったのである。

 

 私は、新自由主義的なオーストラリアの自由党やニュージーランドの国民党の労働政策、サッチャー・メジャー時代のように成人の労働時間規制全廃が望ましいと考えるが、我が国の政策はそれと反対の方向に向かっていることを強く懸念する。仮に上限規制をするとしても、英国の例にならい労働者の個別意思で適用除外可能な制度が望ましい。

 

 

 

(二)ハードワークが成長企業のアメリカの伝統

 

 

 

 どんな企業でも成長にはハードワークはつきものだ。熱中して仕事しなければ技術革新も生まれない。スティーブ・ジョブズがマッキントッシュを開発した頃「週80時間労働、大好き」というシャツを着せて、休日なし毎日11時間労働、3年間仕事漬けだったという有名な伝説がある。アメリカ中西部では1920年頃まで鉄鋼業が休日なし毎日12時間労働だった。重筋労働でも決して限界というわけではない。ウォルマートの社風がそうであるように、コミットメント、粉骨砕身働く価値は一貫して重んじられている。ウォルマート本社でバイヤーは6時半に出社し退社は午後5時から7時の間、すべてのホワイトカラーは土曜は朝7時から午後1時まで働くという。そうするとホワイトカラーなら週57時間ぐらい働くのは普通ということだ。(チャールズ・フィシュマン著中野雅司監訳『ウォルマートに呑み込まれる世界』ダイヤモンド社2007年)

 

 私が思うに金曜に終わらなかった仕事は土曜日に出勤してこなすほうが仕事は能率的だと思うし、休日なしも生活のリズムがくずれないので実は能率的だと思う。

 

 なおロー対ウェード判決で著名なブラックマン判事の控訴審時代の仕事ぶりは、平日10時間土曜7時間、日曜は教会の礼拝の前後に4時間で、週60時間である。知識労働者ならそれは普通だろう。

 

 ちなみにリチャード・フロリダ/井口訳『クリエイティブ資本論』ダイヤモンド社2008、193頁によると、優秀な人ほど長時間労働になるのは周囲から頼りにされ支援を求められるため、業務をしばしば中断するからとのこと。クリエイティブな労働者が長時間働くのは、仕事そのものが好きだから、10人中7人が仕事の楽しさを平均ないしそれ以上としている。長時間働くのは「夢のため」という人もいる。クリエイティブな労働者が長時間労働を好むということは明白である。日本のような長時間労働否定の政策は、クリエイティブな労働者を疎外するだろう。

 

 米国では公正労働基準法が割増賃金の支払い義務を定めているが、我が国の36協定のようなものはない(なお米国では協約を強要すると憲法違反の疑いがある。そもそも日本の36協定は民法の相対効に反するという点で市民法原則に反する)。公正労働基準法の立法趣旨は大恐慌時代のワークシェアリングにあり、あくまでも失業者増大に対応した非常時の立法であり、それが平時でも続いているだけ。しかも今日、米国は民間企業の労働組合組織率は6.7%しかないのであり、会社が関与する従業員代表制度は否定されているので、大多数の会社が個別契約である。外資系は過半数代表との協定が企業風土になじまないばかりか、それに上限規制が加わると我が国はビジネスしにくい国の烙印を押されることになると思う。

 

 ちなみに米国では法定有給休暇はない。12週無給の家族医療休暇があるだけ、ワークライフバランスは、個別企業の従業員政策としてやるもので、政府が音頭をとるような考えはない。新しい労働長官となる人物は規制反対なので、オバマ政権の公正労働基準法(FLSA)に関する行政規則改正[残業代支給対象から除外する、年収を現在のほぼ倍となる47476ドルとする]は見直されるはず。トランプ政権は保護主義といわれるが、国内の労働政策は自由市場路線と考えられる。日本はそれと逆のことをやっている。

 

 

 

 

 

 

 

二 失われた20年の原因の一つは労働時間の減少にある

 

 

 

(一)やり過ぎ感の強い労基署の監督指導攻勢

 

 

 

 労基署の監督指導攻勢によるビジネスモデル崩壊の危機については昨年の週刊ダイヤモンド12/17号で特集があったが、近年は、野村證券の投資銀行部門をはじめ、監査法人の会計士、証券会社のアナリスト、シンクタンクの研究員など、ホワイトカラーでエリート企業、長時間労働が当然の知識労働者にも労基署のメスが入り、6時から8時の間に退社させるようになったという。

 

 知的肉食といわれる有能な社員がバリバリ働けなくなり、高業績システムが維持できず、競争力の低下は必至とされ深刻な事態だと思う。

 

 そもそも1990年代末に自民党は日経連の全ホワイトカラー裁量労働制、労基法の罰則撤廃という自由市場路線の政策に賛成していたことを考えると、それと正反対の安倍-塩崎の政治路線は左傾化した政策の推進者となっているものと考える。

 

 もはや若者を低賃金でこきつかうイメージのある「ブラック企業」対策の域をこえている。高給の本来なら残業代適用除外でもいいようなホワイトカラー攻撃になってしまっている。

 

 だいたい労働基準法の月45時間とか年間360時間という残業の基準が、厳しすぎる。

 

 月45時間の残業というと、土日出勤なしで平日に2時間程度しか残業できず、あまりにもとろ過ぎる働き方だといわなければならない。

 

 ちなみにリチャード・フロリダ前掲書190頁によると、アメリカでは専門職・技術・管理職の4割が週49時間以上働いており、熟練ブル-カラーは3割である。週49時間というのは月40時間程度の残業に相当する。

 

 熟練ブルーカラーでも3割近くが働いている労働時間が上限なんて厳しすぎるのである。

 

 重筋労働ではないのである。仕事は熱中すれば楽しいし、クァルコムが夜食やクリーニングのサービスをしたり、Googleが食事を提供したりするのは、できるたけ長く働いてもらいたいため。6時から8時までに退社などというのは、男性に女性なみの働き方を強要するもので侮辱だ。 

 

政府がやろうとしているのは、特別条項でも月間80時間の残業である。これでは非経常業務が重なる事態に対応できないと思う。

 

 経常業務でもホワイトカラーなら、先に述べたウォルマート本社社員のように、平日最低10時間、土曜日7時間の残業が基本だとすると、月間60時間以上の残業が標準のように思える。月45時間に規制されたら、生産性は明らかに低下するとみるべきだ。

 

 

 

(二)労働時間の減少こそ、90年代以降の経済低迷の要因だ

 

 

 

 林=プレスコット説は失われた10年の要因の一つを時短とみなしている。つまり、90年代の日本では二つの重要な展開があった。一つはいわゆる「時短」により週当たりの雇用者平均労働時間が、バブル期前後で44時間から40時間に低下したこと、もう一つは、生産の効率性を図るTFPtotal factor productivity)の成長率が,90年代の中ごろから低下したことであるという説であるがあまりにも軽視されていることが問題だ。

 

 つまりジャパンアズ№1といわれた1980年代の日本人の働きぶりはすごかった。日本の企業内組合は欧米の産業別組合のような制限的職場規則がないことが利点だった。日経連・大企業は「職能給と属人給との組み合わせによる併存型職能給」を選択し、その能力要素部分のウエイトを高めていく方向を打ち出し、ME技術革新の下で職務構造、職能要件の変化に対応したフレキシブルな配置により、国際競争力を強化したのだ。

 

 80年代日本の労務管理の特徴として、長時間労働、サービス残業、生産現場の高い労働密度、出向、配転などに見られる企業戦士のような凄まじい働きぶりがあった。当時は年間300時間以上のサービス残業はふつう行われていたとされている。

 

 90年代に週休2日制導入で、日本人の働き方が鈍ったのが経済低迷の要因のひとつである。さらに拍車をかけたのが、今世紀にはいってから労基署の働きによるものである。連合など労働組合や共産党が不払い残業是正キャンペーンを行い(これは日経連が全ホワイトカラー裁量労働制、労基法の罰則廃止という規制緩和を主張したことに対抗するものである)、それを背景として中基審が2000年11月に「労働時間短縮のための対策に対する建議」を行い、厚生労働省が「労働時間の短縮促進に関する臨時措置法」の改正を労政審に諮問し、森内閣の坂口力厚労相のもとで2001年2月に同法改正を閣議決定し、それまでは労使間の問題として政府が積極介入しなかったあり方をやめ、サービス残業は労働基準法違反で、悪質な企業は司法処分を辞さないという労働基準局長通達(基発339号)を出し、「サービス残業規制政策」が開始されたことの影響が、労働者の士気をそぎ、萎縮させた。

 

 まず電機大手が集中的に狙われたのである。 まずNECが基準監督署の指導で主任以下の調査を行い過去2年分の残業代を支払わされた。本社田町の100人以上について平均150時間約4500万とされている。日立製作所でも未払い残業代が支払われ、三菱電機で是正勧告、係長級に導入していた残業手当の定額支給も見直された。その後の展開については省略するが、新自由主義的な立場で不要なものともいわれていた労基署が次第に力がつよくなってきて不愉快な状況になっている。

 

 つまりそれまでは、定額の残業代とか、一定時間で超勤打切りは普通に行われていたし、事実上のコア時間の長い裁量労働制だったのである。労基署が活発に動き出したことにより、労基法が建前でなくなったことにより、労働者もせちがらく実働時間の超勤手当を請求するようになったと考える。逆にそのことが長時間労働は生産性が低いという口実にされるようになった。

 

 労基法が時代遅れ(8時間労働原則なんていうのは、重筋労働が主だった19世紀末松から20世紀初期の労働運動のスローガンにすぎない)なのに、オーバーホールされず、強行規定の運用が厳重になっていったのである。

 

 労働時間は今世紀にはいっても明らかに減少している、その後もワークライフバランス政策、ブラック企業対策、女性活躍のため男性中心の働き方改革、過労死ゼロ政策といった時短の口実となる政策が次々と止まることなく打ち出され、当初は不払い残業だけが摘発されていたのに、残業代を払っても労使協定をこえる長時間労働が摘発されるようになった。

 

 アベノミクスの第三の矢は規制撤廃ではなく、規制の厳重化で、このうえ、労働時間上限規制がなされるなら経済低迷から抜け出すことは困難、外資系も中韓に逃げていくだろう。

 

 むろん、職務設計の見直しで、能率的でない部分の長時間労働をさける工夫をすることは必要かもしれないがそれは労使間の問題で、政府が音頭とるべきことではない。

 

 

 

 

 

 三 法改正の目的がいかがわしすぎる

 

 

 

() 男性中心の働き方改革

 

 

 

 性的役割分担の定型概念の打破をめざすジェンダー論者によって、男性の長時間労働が攻撃の標的にされ、これをなくすことにより、性別役割分業をなくし、女性にとって活躍としやすい社会変革をしていこうとするものである。男性は仕事することをひかえ、家事や育児にいそしむべきだというものである。

 

 このような偏った思想を公定イデオロギーとするのは適切でない。そもそも婚姻家族とは性的分業を特徴としている。性的分業がなければもはや婚姻家族ではない。人類学者が明確に言っていることである。家長-主婦という性的分業がないなら結婚の意味はない。私は夫がロード(領主)でありバロンでなければならないという伝統的な婚姻家族観をもつが、宗教の自由が保障されている以上、女の頭は男であるというパウロ書簡の教えに忠実でありたいし、どのような結婚観をもとうが国民の自由なはずであるが、政府がジェンダー論の実現のために、労働政策を行うのは偏りすぎているし、男性から仕事を奪って育児と家事をおしつけるのは虐待であり、特定の価値観の強要は社会主義国のようだ。

 

  もっと単純に云ってしまえば、楽園を追放された時、神の宣告により罰として男性は労働しなければ生きていかれなくなった。それが苦しくても楽しくても、神の宣告という根拠に基づいて、男性は労働に励まなければならないというのが、西洋文明2500年の規範である。

 

 

 

() ワークライフバランス

 

 

 

 男性にとって職業上の地位が社会的威信である。仕事が重要である。勤勉に働くことを奨励することは、17世紀からコモンローのパブリックポリシーであり、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神を持ち出すまでもなく、粉骨砕身、懸命に働くことは近代市民社会の美徳であり、それを変える必要など全くないのである。仕事ぶりで評判を高め、成果をあげ達成感のある仕事を遂げることは、その人にとったプラスに働くのはいうまでもない。仕事に対するコミットメント、熱中が非難されるのはおかしい。

 

 すでに女性には、育児休業、セクハラ、マタハラ防止等、過保護とも思えるほど特典が与えられているうえ、女性活躍推進法により昇進でも男性より有利な環境になってきている。

 

 アメリカで妊娠差別禁止法とは、疾病・外傷による一時的労働不能状態の労働者と同等に処遇することであり、妊娠女性に特典をもたらすことではない。妊娠女性は12週無給の家族医療休暇を利用できるが、それ以上の休業は政府が保障するものではないから、出産後1011週で職場に復帰して働くのが普通である。日本のように1年後復帰というほど甘くはない。そのうえ今度は労働時間規制である。どこまで女性に奉仕すれば気が済むのか。

 

 むろん米国にはワーキングマザーにとって働きやすい会社というのはあるが、それは企業が独自に従業員福祉としてやっているたけの話で、政府が音頭をとってすべてにやらせるというのは行き過ぎなのである。

 

 そもそも、定時退社というのは遵法闘争の戦術であって、最近ではワークライフバランスと称して、ノー超勤デーなどがさかんに行われているが、結果論としてそれは仕事を先送りするたけで、仕事をかたづけて早く帰りたくない日に、仕事を積み残すためにやっているので全く無意味である。

 

 

 

(三)少子化対策

 

 

 

 時短先進国のドイツの出生率は日本より低い、イタリアは日本とほぼ同じ。というデータを示すだけで十分であり、根拠など何にもない。

 

 

 

()過労死ゼロ政策

 

 

 

 過労自殺がさかんに報道されているが、適応障害はありうることで、ゼロは不可能である。大学だって適応障害で休学する人もいるのである。アメリカでは解雇自由原則の裏返として、勝手に退職するのも自由なので、いやなら辞めるし、それは自己責任の問題となるのではないか。20世紀の初めごろまで労災補償などなく、自己責任というのが本来の近代資本主義であるはず。

 

 さかんに過労死ラインなどといっているが、適応障害を起こす人のために契約自由・私的自治という近代資本主義の原則が否定される理由はない。一番運動できない児童にあわて体育の授業を行うようなもの。

 

 

 

 結論として時間外労働の上限規制、休暇取得推進、長時間労働 の是正政策のすべてに反対である。

 

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