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2005/12/26

出生数試算のインチキ-皇室典範に関する有識者会議報告書反駁-

目次 1.要旨
   (有識者会議の試算は結婚後5~6年ぐらいでの離別・離婚を前提としたもの)
     2.完結出生児数による試算のほうが合理的
     以上今回掲載
(次回予定)補説「少子化」問題の分析と対策についての疑問

川西正彦(平成17年12月26日)

 1.要旨

 皇室典範に関する有識者会議報告書はきわめて悪質なものである。人を騙そうとするインチキな論述がやたらと多い。順序にこだわらずその例を列挙し、一つずつ叩き潰していきたい。
 有識者会議は「少子化」(註1)問題を強引に結びつけて、男系継承では皇位が安定的に継承されていくことは極めて困難と断定しているが、その際出生数の試算に用いられているのが合計特殊出生率 1.29-2004年というデータである(註2)。報告書は「一般社会から配偶者を迎えるとするならば、社会の出生動向は皇室とも無関係ではあり得ない」として合計特殊出生率による確率論を展開するがこれは全くインチキだ。そもそも一般社会の出生動向と関連させて論じる前提についても疑問がないわけではないが、仮に有識者会議の発想を肯定して人口統計学上の指標を参考にするとしても、それは完結出生児数(結婚持続期間15~19年の夫婦の平均出生子ども数2.23-2002年)や、合計結婚出生率(夫婦の平均出生児数1.9水準といわれている)ではないのか。皇位継承資格者に限らず、ある社会階層に属するある家系(同族)の出生数試算としては、1.29という数値はあまりにも低すぎて合理的なものではない。
 合計特殊出生率は夫婦の出生力を示す指標ではない。非婚・既婚・離別者いかんにかかわらず女性の年齢別出生率を15~49歳にわたって合計した数値で、女性がその年齢別出生率にしたがって子どもを生んだ場合、生涯に生む平均の子ども数に相当するとされているが、結婚の動向により左右される。合計特殊出生率が低下している重要な要因は20代~30代の有配偶率の低下、独身者の割合が高くなっていることである。
 大江守之(註3)の分析では、「かつてクリスマスケーキに例えられ、『25を過ぎると売れない』などと言われた女性の結婚行動は近年大きく様変わりした。20代後半女性の未婚率は1975年までは20%前後で推移してきたが、1985年には31%、1990年には40%、そして1995年には48%まで上昇し、結婚適齢期概念は消滅したと言える。これに対応して男性の未婚率も、1975年から1995年にかけて20代後半では48%から67%へ、30代前半では14%から37%へと上昇している。なお、この晩婚化を牽引しているのが、1960年代以降に生まれた世代であることは重要なポイントである。」
 荻田竜史(註4)の分析によると、「1970年に初めて結婚した女性の65%は20歳代前半であったが、2000年には約半数が20歳代後半、28%が20歳代前半、15%が30歳代前半であった。この間に女性平均初婚年齢は24.2歳から27.0歳へ2.8歳上昇しているが、全体的に晩婚化が進んだだけでなく初婚年齢の分散が大きくなった。」つまり結婚適齢期信仰の崩壊があり、皆婚型の社会から、西欧型の未婚率の高い社会に変質してきたことである。地域的には東京都が1.0と低く、沖縄県は1.72(2003年)というように地域差もある。
 (どうして未婚化が進んだのかここでは論旨が錯綜するので、今回は立ち入らないが、社会経済的要因、とくに女子と労働市場の関連、見合い結婚の衰退などの文化的要因については次回以降分析しますのでみてください。)

 従って合計特殊出生率は人口予測に必要なデータであるが、たとえば皇位継承資格者の、あるいはこれこれの家系(同族)の、出生数を試算するためにこのデータを用いることに論理性は全くないと考える。

有識者会議に対抗して私も試算してみました。
有識者会議は男子の産まれる確率を2分の1で計算しているが、人口統計では正確にいうと男子の産まれる割合は女子の105~106%であるから、私の試算では0.513を掛けることとする。有識者会議〔参考15〕 PDFの試算と比較してください。
 
現世代を5人(男性)と仮定した場合に誕生する男系男子の子孫の数

有識者会議の試算-インチキ!
(合計特殊出生率1.29-2004年)
有識者会議報告書参考資料〔参考15〕PDF
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/houkoku/sankou.pdf
1世(子) 3.23 (5×1.29×1/2)
2世(孫)  2.08 (3.23×1.29×1/2)
3世(曾孫)1.34 (2.08×1.29×1/2)

私の試算
(完結出生児数2.23-2002年)

1世(子)  5.72(5×2.23×0.513)
2世(孫)   6.54 (5.72×2.23×0.513)
3世(曾孫) 7.48 (6.54×2.23×0.513)
(なぜ完結出生児数-国立社会保障・人口問題研究所第12回出生動向調査2002年の数値2.23かは次章で論述する)

有識者会議の試算は曾孫の世代で男系男子は1.34人 男系継承では皇位が安定的に継承されていくことは極めて困難と断定するが、私の試算では、確率論でいうと男系男子の皇位継承資格者は増加します。曾孫の世代で7.48人になります。
 巷で髪型が話題になっている姉歯秀次氏の証人喚問をニュースでみました。偽装の手口としてこういうことを言ってました。構造計算ソフトに通常1.0を入力するところを0.5とか0.6とか具体的な数字は失念しましたが、そういう数値を入力して偽装するのだと。
有識者会議の偽装の手口もそれと似てます。本来なら2.2ぐらいの数値を入力すべきところ、1.29というどう考えても小さな値を入力して偽装した。

 
 (有識者会議の試算は結婚後5~6年ぐらいでの離別・離婚を前提としたもの)

 1.29が小さすぎる理由をひとつ述べます。こういうことです。国立社会保障・人口問題研究所第12回出生動向調査2002年のⅢ夫婦の出生力「表Ⅲ-2-1結婚持続期間別にみた平均出生子ども数」をみてください。有識者会議の数値1.29は、結婚持続期間5~9年の夫婦の平均出生児数の1.71より小さく、結婚持続期間0~4年の夫婦の出生児数より0.75より大きい数値です。ということは有識者会議の試算はだいたい結婚後5~6年ぐらいで離婚又は離別することを前提とした出生数の計算になります。これはどう考えても合理的なものではありません。

結婚持続期間別にみた平均出生子ども数

出所-国立社会保障・人口問題研究所第12回出生動向調査Ⅲ夫婦の出生力表Ⅲ-2-1http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou12/chapter3.html#31

結婚持続期間 1982  1992 2002
 0~4年      0.80 0.80 0.75
 5~9年      1.95 1.84 1.71
10~14年     2.16 2.19 2.04
15~19年     2.23 2.21 2.23
20~24年     2.29 2.23 2.30

 このように皇室典範に関する有識者会議(座長吉川弘之元東大学長)は御皇室を、国会議員や国民をこのような見え透いたインチキで騙そうとしているのです。非常に悪質だと思います。

(註1)「少子化」の定義については大江守之「いま、なぜ少子化を考えるのか」参照。http://www.gpc.pref.gifu.jp/infomag/gifu/99/oe.html

(註1)有識者会議報告書http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/houkoku/houkoku.htmlはこうです。(私がインチキもしくは疑問視している部分が、赤色の部分とくに晩婚化に関する認識の問題など逐一反駁する予定だが、論点が錯綜するので今回は出生数試算のインチキに限定してとりあげる)。

「近年、我が国社会では急速に少子化が進んでおり、現行典範が制定された昭和20年代前半には4を超えていた合計特殊出生率(一人の女性が、一生の間に産む子供の数)が、平成16年には1.29まで低下している。皇室における出生動向については、必ずしも、社会の動向がそのまま当てはまるわけではない。しかし、社会の少子化の大きな要因の一つとされている晩婚化は、女性の高学歴化、就業率の上昇や結婚観の変化等を背景とするものであり、一般社会から配偶者を迎えるとするならば、社会の出生動向は皇室とも無関係ではあり得ない〔参考14〕。戦前、皇太子当時の大正天皇が結婚された時のご年齢が20歳、その時点で妃殿下が15歳、昭和天皇のご成婚時(同じく皇太子当時)には、それぞれ22歳と20歳であったことを考えると、状況の変化は明らかである。現に、明治天皇以降の天皇及び天皇直系の皇族男子のうち、大正時代までにお生まれになった方については、お子様(成人に達した方に限る。)の数は非嫡出子を含め平均3.3方であるのに対し、昭和に入ってお生まれになった方については、お子様の数は現時点で平均1.6方となっている。
 男子・女子の出生比率を半分とすると、平均的には、一組の夫婦からの出生数が2人を下回れば、男系男子の数は世代を追うごとに減少し続けることとなる(注)。実際には、平均的な姿以上に早く男系男子が不在となる可能性もあれば、逆に男子がより多く誕生する可能性もあるが、このような
偶然性に左右される制度は、安定的なものということはできない。
 このような状況を直視するならば、今後、男系男子の皇位継承資格者が各世代において存在し、皇位が安定的に継承されていくことは極めて困難になっていると判断せざるを得ない。これは、
歴史的に男系継承を支えてきた条件が、国民の倫理意識や出産をめぐる社会動向の変化などにより失われてきていることを示すものであり、こうした社会の変化を見据えて、皇位継承の在り方はいかにあるべきかを考察する必要がある。
(注)試みに、仮に現世代に5人の男系男子が存在するとして、現在の社会の平均的な出生率(平成16年合計特殊出生率1.29)を前提に、将来世代の男系男子の数を確率的に計算してみると、男子・女子の出生の確率をそれぞれ2分の1とすれば、子の世代では3.23人、孫の世代では2.08人、曾孫の世代では1.34人と、急速な減少が見込まれる(出生率を1.5としても、曾孫の世代では2.11人となる。)。〔参考15〕

(註3) 大江守之「いま、なぜ少子化を考えるのか」

http://www.gpc.pref.gifu.jp/infomag/gifu/99/oe.html
(註4) 荻田竜史 「コラム少子化対策において直視すべき不可避な未来」
http://www.mizuho-ir.co.jp/column/shakai040824.html

2.完結出生児数による試算のほうが合理的

 一般社会の人口動態、統計の指標、「少子化」問題を安易に皇位継承資格者問題にむすびつけるのは適切でない。
先に引用した国立社会保障・人口問題研究所の第12回出生動向基本調査(2002年)http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou12/chapter3.html#33aでは「1960 年代生まれの世代が20 歳代の終わりに達した頃から夫婦の出生力が低下していること」を指摘する(このことが合計結婚出生率の低下の要因となっている)一方、20 歳代の若い層では低下に歯止めがかかっていることも指摘されている。
 出産ペースが落ちているのは経済的理由であるとして、子育て支援が少子化対策とされることが多いが、一般社会の文化的・社会経済的状況と皇位継承資格者の出生数の予測とは基本的は無関係である。また一般社会では避妊や人口妊娠中絶により出生を抑制する傾向があるが、これも同列に論じられない。それでも、有識者会議は一般社会の出生の動向と結びつけたいというから、ここではその図式に乗って内容の是非を検討したいと思う。
 
 国立社会保障・人口問題研究所の少子化情報ホームページの「こちら」をクリックすると合計特殊出生率の説明があるのでみてください。http://www.ipss.go.jp/syoushika/
「女性の年齢別出生率を15~49歳にわたって合計した数値で、代表的な出生力の指標です。その値は、女性がその年齢別出生率にしたがって子どもを生んだ場合、生涯に生む平均の子ども数に相当します。(中略)、子どもを生む年齢に変化が生ずると、仮の生涯と実際の生涯の数値に違いが生じます。とりわけ最近の日本のように、女性の出産年齢が世代ごと遅くなっている場合には、仮の生涯の子ども数すなわち合計特出生率は、実際の生涯の子ども数より少ない値となることが知られています。それではなぜ、実際の生涯の子ども数を指標としないのでしょうか。それは、今子どもを生んでいる人たちの実際の生涯の子ども数は、最短でも15~20年待たなければわからないからです。昨年の出生指標が20年後に発表されても、統計としてあまり役に立ちません。合計特殊出生率がその年の子どもの生み方を示しているのは確かですから、上手に使えば年次比較や地域比較にとても役立ちます。ただし、「生涯に生む平均子ども数」という解釈をうのみにすると、実情に対する誤解の元となります。」
 「生涯に生む平均子ども数」という解釈をうのみにしないでとわざわざ書かれています。つまり誤解されやすいんです。たぶん報告書の原案をつくった官僚は誤解されやすいところを利用して人を騙す、官僚の悪知恵ですね。いかにも統計学的に合理性があるようにみせかけているが、実はこれほど非論理的な説明はないと思います。

 古川貞二郎有識者会議メンバーや柴田雅人皇室典範改正準備室長といった厚生省官僚はこのへんのことをよく知っているはずだ。もし古川や柴田が合計特殊出生率による試算が論理的とあくまでも強弁するなら、皇居は千代田区、赤坂御用地は港区、常陸宮邸は渋谷区東、桂宮邸は千代田区三番町だから東京です。皇后、皇太子妃をはじめ貞明皇后や香淳皇后も御実家は東京ですから、東京都の合計特殊出生率1.0で試算するのがより論理的ともいえます。5人の男系男子が現存したとしても、子の世代で2.5、孫の世代で1.25、曾孫の世代で0.625と言う試算になり、男系は駄目だというならこちらのほうが明確ですねという皮肉のひとつも言いたくなります。
 
 ちなみに国立社会保障・人口問題研究所の第12回出生動向基本調査(2002)のⅢ夫婦の出生力http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou12/chapter3.html#31aをみてください。平成16年の少子化白書http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2004/html-h/html/g1130050.htmlでもこう述べています「ほぼ子どもを生み終えた結婚持続期間15~19年の夫婦の平均出生子ども数(完結出生児数)は、戦後大きく低下した後、1972(昭和47)年調査(1950年代半ばに結婚した世代)において2.2人となり、以後30年間ほぼこの水準で安定して推移している。最新の第12回調査(2002(平成14)年)でも、結婚持続期間が15~19年(1980年代半ばに結婚した世代)の夫婦の完結出生児数は2.23人と、同様の水準を維持している。したがって、この間の合計特殊出生率の低下は、もっぱら初婚年齢の上昇や未婚化の進展によるものであり、すでに結婚した夫婦が一生の間に生む子どもの数には変化がなかったことがわかる」
 
 国立社会保障・人口問題研究所の第12回出生動向基本調査(2002)の完結出生力http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou12/chapter3.html#31a

 表Ⅲ-1-2の完結出生児数と図Ⅲ-2-1の結婚持続期間別にみた出生子ども数別子ども割合(2002年)をみてください。

 結婚持続期間と子ども数(2002年)
  年   0人 1人 2人 3人以上
 5~9 10   24  51   14  %
10~14  5   16   52   26  %
15~19 3.4  8.9 53.2   34.4  %

 夫婦の最終的な子ども数は2人または3人が8割以上を占めてます。一人っ子が増える傾向は指摘されていますが、合計特殊出生率が1.29とか東京の場合は1.0をきっているわけですが、一人っ子が普通になったということではないです。東京は未婚化が進んでいるから低い数値になる。私自身も人口統計学は素人ですから錯覚しやすい。錯覚しやすいのを承知で有識者会議は利用しているんです。この情報操作というかインチキによって出生数を試算し男系では安定性を欠くという結論を引き出している。日本の歴史人口学などは世界でも最高水準といわれてますので、できればそうした専門家に反駁してもらいたいのですが、しかし素人でも容易に見破ることのできる見え透いた実にいいかげんなものです。有識者も恥じることもなく、よくもこんないいかげな計算を出してきたなと思うわけです。
 
 そこで A 完結出生児数(註5) B 合計結婚出生率(註6) C 合計特殊出生率(註7)の数値を示します
       
         A        B        C

1940  4.27              4.12

1952  3.50              2.98

1957  3.60              2.04

1962  2.83              1.98

1967  2.65             2.23

1972  2.20              2.14

1977  2.19    2.17    1.80

1978            2.13    1.79

1981            2.16    1.74

1982  2.23    2.14    1.77

1983            2.16    1.80

1984            2.13    1.81

1985            2.24    1.76

1986            2.16    1.72

1987  2.19    2.08    1.69

1988            2.06    1.66

1989            2.05    1.57

1990            2.02    1.54

1991            1.95    1.53

1992 2.21     1.91    1.50

1993            1.91    1.46

1994            1.89    1.50

1995            1.93    1.42

1996                      1.43

1997  2.21              1.39

1998                      1.38

1999                      1.34

2000                      1.36

2001                      1.33

2002  2.23              1.32

2003                      1.29

     (27日に数値の誤植訂正)

   

   私は人口統計学は素人だから、統計学的に皇位継承者の出生数試算にどの数値をあてればよいかはわからない。たんに勘にすぎませんが、しかし常識的に考えて、あえて一般社会の出生動向と関連させるとすれば30年間2.2水準で安定した数値である完結出生児数による試算が合理的に思える。その理由を簡単に述べます。
  問題は合計結婚出生率が1.9水準に低下していることである。合計結婚出生率はある期間(通常は1年)に観察された夫婦の結婚持続期間別出生数を分子に、当該夫婦数を分母にして計算される結婚持続期間別出生数を合計したもので、その期間の夫婦の出生率を前提とした夫婦一組から生まれる平均出生児数にあたる。1.9水準に低下したというのは未だ完結出生力に達していない夫婦の出生ペースが落ちていることを示す。出産ペースが落ちているのは社会経済的文化的要因がありそれを分析しなければならないし、晩婚化による高齢出産忌避もあるかもしれませんが、一般社会の経済的文化的状況と皇室を同一視できないのでこの傾向を格別重視しなくてもよいのではないか。
 但し雅子妃が29歳半という高齢での結婚であることが問題になる。下記のデータのとおり1997年の調査で初婚年齢29~30歳の完結出生児数は1.78であり、置換水準を下回っている。歴史上、鳥羽后藤原泰子、堀河后篤子内親王といった高齢で初婚-立后のケースもあるがいずれも政治色の濃い立后例で、満29歳半は歴代后妃のなかでも晩婚といえる。

国立社会保障・人口問題研究所 『調査研究報告資料第13号(1997年人口問題基本調査)第11回出生動向基本調査-第Ⅰ報告書-日本人の結婚と出産』1998 18頁
第11回出生動向基本調査. 結婚と出産に関する全国調査PDF 9頁
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou11/doukou11.pdf

妻の初婚年齢別完結出生児数
初婚年齢 1982 1987  1992  1997
19歳未満 2.50 2.46
19~20歳 2.34 2.38 2.51 2.35
21~22歳 2.27 2.28 2.25 2.34
23~24歳 2.25 2.15 2.27 2.21
25~26歳 2.22 2.15 2.15 2.24
27~28歳 2.09 2.03 2.20 2.15
29~30歳 1.89 1.85 1.81 1.78

妻の最終学歴別
         1982  1987 1992  1997
中学校   2. 24 2.22 2.22  2.19
(%)      39.5 27.2 13.8   5.8
高校     2.23 2.15 2.22 2.20
(%)      50.1   60. 6   64. 6  61. 5
短大高専 2. 26  2. 16   2. 20    2. 25
(%)          6. 3    7. 3   12. 2    21. 4
大学以上 1. 93  2. 32   2. 12    2. 19
(%)          2. 9   3. 8     6. 8    10. 3

夫の現在職業別完結出生児数
            1987  1992  1997
農林漁業      2.41  2.73   2.64
(%)            4.3  2.2  1.6
非農自営    2.46 2.27 2.27
(%)         19.1 15.8 16.3
ブルーカラー  2.18 2.25 2.26
 (%)        21.8 16.2 14.2
ホワイトカラー 2.08 2.18 2.17
 (%)        49.7 63.9 63.2

 八幡和郎氏は「皇室は親戚がほとんど東京大学出身といった、秀才のDNAを入れることにこだわりすぎているのではないか。」(註8)との婚姻政策に関する疑問が呈されているがが、よくぞ言ってくれたと思う。雅子妃以外で当時マスメディアでお妃候補として取りざたされていた、旧皇族の息女に関していえば年齢的にはかなり若かったように記憶している。どうして皇室は若い女性を選択しないのか不思議に思っていた。しかし、婚期が遅れたとも解釈できるし、いずれにせよお妃候補が29~30歳でなければならないという理由はなく、雅子妃のケースゆえ1.78まで下げる必要はないと判断した。
 家系維持の婚姻戦略としては20代前半の女性がより望ましい。しかし上記の初婚年齢別完結出生児数からすると27~28歳までの結婚なら2.1以上、25~26歳までの結婚なら、2.2以上の出生を想定できるのである。27~28歳の初婚年齢でも置換水準を上回っており、婚姻戦略としては29歳以上にならない、置換水準を上回る出生数を想定できる年齢の女性をお妃候補とすればよいということなので難しくはない。
 また雅子妃はハーバード卒、東大中退の超エリートですが、ダイアナ妃が保母だったように婚姻戦略として大卒にこだわる理由はないと私は考えるが、仮に大卒としても統計によれば 2. 19という置換水準以上の出生を想定できるのである。
 桂宮のように独身のケースもありうるし、不慮の事故により男系男子が確実に15年以上持続する結婚の保障はないという見方もできるが、一般社会の結婚というのは心理的充足が第一義の場合が多く、子づくり、家系維持の跡継ぎにこだわる結婚でないケースが少なくないこと、一般社会のように経済的理由による出生数調整、避妊や中絶による出生数のコントロールはあまり必要ないと考えられるから、平均値を採用することにより、そうした不確定要因を相殺できると判断した。もし皇室の出生力をホワイトカラーより非農自営に準拠できるとするならば2.27という数値でもよいわけである。いずれにせよ、有識者会議の1.29という数値に論理性はなく、出生数試算としては低すぎて説得力のある試算とは到底いえない。

(註5)国立社会保障・人口問題研究所第12回出生動向調査http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou12/chapter3.html#31b
(註6)国立社会保障・人口問題研究所 『調査研究報告資料第13号(1997年人口問題基本調査)第11回出生動向基本調査-第Ⅰ報告書-日本人の結婚と出産』1998 20頁
(註7)国立社会保障・人口問題研究所 一般人口統計 表4-3 女子の出生力及び再生産力に関する主要指標:1925~2003年
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2005.asp?fname=04-03.htm&title1=%87W%81D%8Fo%90%B6%81E%89%C6%91%B0%8Cv%89%E6&title2=%95%5C%82S%81%7C%82R%81%40%8F%97%8Eq%82%CC%8Fo%90%B6%97%CD%8By%82%D1%90l%8C%FB%8D%C4%90%B6%8EY%97%CD%82%C9%8A%D6%82%B7%82%E9%8E%E5%97v%8Ew%95W%81F1925%81%602003%94N
(註8)八幡和郎『お世継ぎ◆世界の王室・日本の皇室◆』平凡社2005 235頁

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