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2007/06/18

『パブリックスの「奇跡」』について(4)

 パブリックスの特徴のもう一つは、従業員利益分配制度と持ち株制度である。つまりパブリックスはウェルフェア・キャピタリズムの経営手法を採用しているともいえる。ウェルフェア・キャピタリズム(産業温情主義ともいう)とは非組合型労使関係が浸透した1920年代の労務管理手法のひとつであリ、全米製造業協会の反労働組合の保守主義的な政策、レイバーインジャンククションで労働組合を抑え、アメリカンプラン(クローズドショップを雇用機会の自由を妨げる非アメリカ的なものとして徹底的に排除する)のオープンショップ運動とは対照的に、体系的管理運動、福利厚生事業や、雇用安定、内部昇進、労働組合に代わる従業員代表制などで労働組合主義を排除していく経営手法の系譜のことである。
 この点は古い経営手法といってよいと思う。つまり利益分配制とは会社の業績が良ければボーナスで従業員に分配するやり方だが、非組合企業が採用する手法のひとつで、もともと賃金問題から労働者の目をそらすことから始まったともいわれる。持ち株制度は1920年代には資本家と労働者に友好的な関係を構築し、ストライキの脅威をなくし、共産化を阻止する実用的な手段として賞賛されていたものだった。但しパブリックスで従業員持ち株制度をはじめたのが1958年からとされている。現在パブリックスの50~60%は従業員の持ち株といわれている。但し株式を売却する市場はない。会社が買い戻す先買権を有している。著者は従業員のやる気を刺激していると論じているが、会社への忠誠度を高めるための制度のように思える。
 パブリックスの管理職の給与は明らかに高い、従業員の提案についても金銭的報償で応えている、気前の良い給与と充実した福祉で、組合の組織化を阻止する非組合企業の手法は古臭いやり方で感心しないが、それでも非公開企業で株主から文句を言われる筋合いはないし、業績が良いから問題はない。フロリダという購買力のある環境で古い手法でも安泰なのは恵まれているともいえる。
 ウェルフェアキャピタリズムは別名雇用官僚制ともいわれるように、官僚制が肥大化する悪弊も見られるわけである。この点、パプリックスは州外に進出するまで60年もかかっており、本部体制がスリムなフラットな組織で企業哲学を経営者と従業員が共有する企業文化構築に成功したため、悪弊が見られないのだろう。

参考文献

スチュアート・D・ブレンデス、伊藤健市訳『アメリカン・ウェルフェア・キャピタリズム』関西大学出版部2004年

平尾・伊藤・関口・森川編著『アメリカ大企業と労働者-1920年代労務管理史研究』北海道大学出版会
1998年

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