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2007/06/13

『パブリックスの「奇跡」』について(3)

 ということは、たぶんパブリックスには職務記述書はないのだろう。社内的に役職を笠に着た対人関係を構築しない方ということも著者は記しているが、従業員にフレンドリーで官僚主義的でない社風が成功している事例といえるだろう。 もっとも私は、職務記述書による管理を否定するものではない。よくアメリカでは、人に職務をつけるのでなく、職務に人をつけるとよくいわれますが、それ自体は理解できるし公正な在り方のようにも思います。日本的雇用慣行はフレキシブルな面もあるが人に仕事を与えるとかつけるやり方は後述するように恣意的になりがちで良くない面もあるから。
 高橋俊介(註1)によるとアメリカでは「職務記述書」はIT業界では使われなくなったが、古い業界では今でも使われていると言います。これは、それぞれのポストについてこの仕事はこういうことをやる。必要な能力は何である云々といったことが、4~5枚びっしり書かれていて、職務記述書により難易度、部下の数など職務評価していくやり方。特に1964年公民権法タイトル7で人種・民族・宗教・性による差別が禁止されたため、差別リスクが大きくなり、その対応策として、ジョブサイズを科学的に評価したポイントファクター型職務等級制度が普及したのだという。
 この制度では職務記述書の難易度、ジョブサイズからこれは253点とか182点とポイント化し、ポイントにより賃金から、自室の有無、机の大きさ、飛行機のクラス、ホテルのランクまであらゆることが決まる。人事院が昔やろうとした職階制というのも類似したものだろう。
 高橋は、この制度の欠点としてヒラメ人材、官僚的で内向きの組織になる。激しい変化に対応できない。職務分析し記述書を作成する人事課の仕事自体がコストになるといったことを挙げている。
 要するに従来の職務記述書管理のやり方では、ダイナミズムは生まれないし変化に対応できない。それで80年代から目標管理で自発性や意欲を引き出し、目標達成度を賞与や賃金にリンクする成果賃金が広がった。日本では90年代後半から民間から普及していったものである。
 一方、職務記述書とは対極的な業界もある。例えばIT企業で著名なサンマイクロシステムズの社風(註2)ですが、長時間勤務で永遠に終わらない仕事を抱え込むことを耐えられない人間は振るい落とされるハードワーク主義とみなされてますが、「全員がコピーとり、ホチキス留めから高度な判断までなんでもこなす」「ちゃんとしたプロセスを踏むことは反体制的とみなされる」「人を押しのけてもよいオープンな環境」「みんなプロセスを非常に嫌ってほとんどやりたい放題」「何かやる際にほとんど制約はないし、どうやってよいかという指針もない。中心になって影響を及ぼしたい人間にとっては最適の場所」とされている。
 要するに良い意味での放任主義ですが、本当にやる気のある人材はポストやジョブサイズにこだわらず仕事をしたいのであって、細かく職務を規定しないほうが活力になるようである。

(註1)高橋俊介『ヒューマン・リソース・マネジメント』ダイヤモンド社2006年
(註2)カレン・サウスウィック著山崎訳『サン・マイクロシステムズ-世界的ハイテク企業の痛快マネジメント』早川書房2000年

続く

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