未完成原稿シリーズその3-東京都の組合活動の規制はもっと必要
あまりにも推敲されてない拙劣な文章だが、人生は短いので公開する。
まず当局は、ながら条例改正にともなう見直しいかんにかかわらず、事前承認を得ないで、職場を離席し、組合活動に当たることを黙認している実態がある。組合活動については、事前承認の有無いかんにかかわらず職務専念義務の違反行為、労働供給義務の提供拒否行為とみなさないというのが職場慣行になっているこれが問題だと思うし、たんに有給での組合活動容認範囲を縮減すれば改善になるということではないということである。例えば収納係のBについていえば勤務時間中事前承認を得ている部分だけで組合活動をしているわけではない。承認をえないで、組合集会に出ているケースや、自席で組合会計の処理をしているケース、共用パソコンで組合文書を作成しているケースがあり、本来の職務を行っている時間は9月以降は半分以下なのではないだろうか。収納係Aについては、承認を得て支部委員会に参加しているケースと、承認を得ないで支部委員会や分会執行委員会、総会参加のために離席しているとともに、ほとんど毎日、現場出張しなかったときと、当日待機のケース以外は、毎日4時40分頃から5時頃まで風呂に入っている。これは多分、5時20分以降に全支所長のSが風呂に入るので、支所長とダブらないためだと思うが、組合役員特権として当然のこととしてなされている。★それがあたりまえ。又ストライキ体制に入って争議行為の期間中においても、当局が違法行為として認定しているのが庁舎構内における2~3割動員をかけて行われる職場集会が限定されていることが問題だが、これについても監視活動や解散命令を発することはない。さらに、争議期間中であるにもかかわらず、頭上行為と称する勤務時間中の報告集会・演説やオルグ活動として来所した組合幹部の演説を黙認するのみならず、争議期間中の組合活動に伴う離席、勤務時間中の支部・分会組合集会も黙認し、会議室使用の便宜供与もしている。このほかにビラ貼りや立て看設置等のさまざまな問題がある。ビラ作成についても営業所のパソコンに既に雛形があって勝手に作成し、コピーマシンも勝手に使ってビラ貼りをしているのである。問題はたんに組合活動にとどまらない。みだりに離席しても監督職員は黙認するという慣行から、勤務時間中に休憩室に滞留する慣行があり、勤務時間中風呂に入る者や、各係を徘徊し職務無関係のおしゃべりをする女子は少なからず存在し、あるいは男と庁有者を使って遊びに外出する女子すらいる。そうした勤務時間中の離脱で本来離脱者がとるべき電話なども離脱しないでまじめに働いてしる職員がカバーしているわけだが、監督職員に不満をいっても一切無視し、職員の離脱は認容されるべきだというになっている。むしろ仕事の分担を増やしたり恫喝するなど報復さえ受けるのである。職務に専念して無駄なことをしていない人が叩かれて、不真面目な人の違法行為を容認するのみならず、増長を促し、そちらの人の方が威張っており厚遇もされるのである。石が流れて木の葉が沈む価値が転倒した状況が、私の職場環境に対する最大の不満であるけれども、その根本原因は、承認されていない組合活動も勤務時間中に広範に許されているという慣行にあると考える。つまり監督職員はポカ休についてうるさく言う傾向があることは知っているが、それはたぶん対象がたまたま少数労働組合員であったりするためで、基本的に組合活動による職場離脱を職務専念義務の違反行為、労働供給義務の提供拒否行為としてはとらえない。黙認というか事実上容認ということにあると思う。それが当然であるとされている。不真面目な職員は、勝手に離席しても何もいわないということで、増長していくわけである。増長しても黙認する。目に余る事態まで放置され、今度はそれに不満を持つ真面目な職員を叩いて、事実上職務専念義務の違反行為、労働供給義務の提供拒否行為を支援するという悪循環になり、問題が解決しないうちに管理職などは転勤してまうから、いつまでたっても職場規律は回復しないということになっている。江東営業所で支部の女子委員会が、他の営業所から来た者も含めて3時半頃から女子全員が離脱して集会を行う慣行があったが、組合活動にあまり関与してない比較的まじめな女子が、承認をえないで離脱してよいのかと青年部の役員に質問したところ、3時以降は組合活動での離席自由との慣行であると答えていた。千代田営業所においても分会総会が3時すぎから勝手に離脱した行われているので、要するに現状では組合活動いかんにかかわらず、離席者を注意することは監督者はやっていない。何もしないし、職場集会などの解散命令監視活動もしないばかりか、監視活動もしない、争議期間中の組合員多数が押し掛けて怒鳴りちらすなどしてやっている所長交渉にしても、解散命令を発するべきだろうが、勝手にやらせてる。そういうことだから、完全になめられているのである。
この実態は、国労札幌ビラ貼り判決のいう企業秩序が定立されていない、混乱状況というほかなく、職場環境を適正良好に保持し規律のある業務の運営態勢は全く確保されていないことの管理者の責任は極めて重いものと私は考える。この際根本的に見直し、ノーワーク・ノーペイ原則・監視活動・や解散命令を徹底し、正当な組合活動とそうでないものを明確にして、適切ででない組合活動を徹底的に規制すべきであるとう。
そういうと、局長は組合活動を是非は管理者が判断することで、お前がとやかく言うことでないと仰せになるかもしれない。たぶん、こうお考えなのだと思う。とにかく勤務時間中のアジ演説であれ、オルグ活動であれ無許可集会であれ、なんであれ認めるんだ。水道局は、立て看闘争、万国旗式ビラで、七夕まつりの笹に組合要求の短冊の吊り下げがあって楽しくていいじゃないか。なんでもありというのが我が社風だよ。勤務時間中無許可集会であれ団結みそ汁、署名活動なんであれ認めるんだ。やみ専従状態の職員がいてもいい。たとえ、電話がリンリンなっても団結みそ汁づくりが優先するんだ。職務より組合活動優先だ。スト権投票のために台帳室なり宿直室の便宜供与をするんだ。パソコンでのビラづくりも御勝手に、勤務時間中の風呂は組合役員特権として当然だ。管理職が組合の業務確立闘争に荷担して、非能率に仕事をするよう指導するのは当然だ。お前らは労働者階級の下の集合人格にすぎないのであり組合役員のいうことさえきいていればよい。一人当たりの受付件数を増加させて生産性を向上させるなていうのは建前にすぎないんだよ。そんなこともわからないのか。お前なんかヒューマンリソースマネージメントの対象外であり、ナレッジワーカーでもないのに、ウィンドウズノートパッドさえ使わせない、イントラネットは使わせない、さわらせないという方針に不満をいってるのはけしからん、はじめから実務能力向上なんて期待してないし、組合の方針に従ってペーパーワークを増やして非能率に仕事をやれとでも仰せになるのかもしれない。要するに黒い者でも白と判断したっていいんだ。組合活動の是非は管理職の判断でお前がとやかくいうことではないと仰せになるのだろう。もし局長はそんなに組合支援の立場ではないということなら、その旨を示してください。といっても電子メールは届かないし社内文書も見てはいけないことになってます。アメリカの有名企業ではCEOが社員全員に就任退任の挨拶を電子メールを送るのが普通のようだが、非組合企業のインテルのように社員の誰がだれに質問しても全く自由というフレンドリーな企業とは全く反対に労組役員が跋扈する陰鬱な雰囲気の企業でトップの顔が全くみえない構造の企業だから、結局のところ局長も組合とつるんでるのかなと推論するしかないわけです。
人間にとって我慢ならないこととは無規範状態であります。人間は石が流れて木の葉が沈むような価値の転倒した社会が最も耐え難いものなのであります。善行により功徳を積んでいくのが人生だと倫理的な生き方が基本の人間にとっては、労働倫理に反することを強要されるのがもっとも不愉快なのであります。管理職が組合の下請けとなって、非能率に仕事をするよう強要するような状況は打開されるべきです。繰り返し私は言ってきた。使用者のために業務を遅滞することなく誠実に業務を遂行するという、被用者にとっての義務、労働倫理の基本を果たしたいということを言っているだけだ。英米のコモンローがそうです。我が国でも労働契約の基本は誠実労働義務にある。むかしから洋服師は途中で仕事を放棄し、背広を仕立てなかったら処罰されます。当然のことです。しかし水道局では能率的に仕事をすることを許さないのです。一昨年自席にデスクトップパソコンがあるにもかかわらず、ウィンドウズノートパッドという最も基本的なソフトすら使ってはならぬということがあり、別室の共用パソコンを使用するようし向けられました。組合営業部会常任の玉木が、パソコンの汎用ソフトを抜きたいと言ってました。OA職場は良くないんだ。パソコンは悪だ違法職場集会で演説しております。相当な威圧になっているが、目の前のマシンがあって使えないということはストレスが溜まると言っても絶対に管理職は理解することはない。---グループウェアで電子メールアドレスがもらえるのは監督職員だけです。イントラネットは全社員が活用できる環境でなければ意味がないというのが常識なのに、設計思想から間違っているわけです。管理職は暇潰しにイントラネットでもながめておもちゃにして楽しいだろうが一般職員にはパソコンにふれさせない。イントラネットの入り方も教えないということで非常に陰険な職場になっております---別室で作業するため電話をとることができないので隣の人が年輩でできるだけ電話をとりたいのですが、これでは係の協力体制がとれないし、他の人に迷惑がかかる労働倫理に反することを強要されました。しかもそれは所長会議で徹底させるとの方針で、所長会議が組合の反OA闘争の下請けになっているのです。労働倫理に反し、他人に迷惑をかけることはできないということで、自席にあるデスクトップマシンを使いたいと抗議したところ、所長はデスクトップマシンをパソコンとして使うこうは許さないとして四度にわたって叱りつけたのですが、勤務時間中に風呂に入ったり、承認を得てないで組合活動のために離席したりすることは一切黙認しながら、それはいいんだということで職場規律の維持という本来の職務を放棄し、組合の業務規制闘争に反する者を叩くとことに狂奔しています。異常です。ところがそれを異常と思わないのが組合の走狗となることを恥とも思わない都の管理職です。組合が業務遂行方法に不当に干渉し団結強制に従って、管理職自ら業務確立・規制闘争ら加担し、できるだけ非能率に仕事をするようしむけられていること、争議行為に巻き込まれるようしむけられていること。我慢の限界であるとということは自力救済による解決も辞さなかったことで、そのことはよくご存じだと思います。停職期間中に私が保存していた文書は削除されていました。ただ係長がバックアップをとっていたのでなんとかなりましたが、これは異常なことだと思います。この経緯はどうしてなのか分かりませんが組合の業務妨害ではないでしょうか。そんな些末なことはこのさいどうでもよい。
例えば所長席前に役員が陣どって勤務時間内事務所内の職場集会が日常的にあります。そのために庁内放送のボリュームも下げて行われたりします。こんなのをどうして認めるのか。業務に集中できる環境でありうるはずがなく、適正な職場環境とはとてもいえない。囚われの聴衆として職場集会に半ば参加を強制されているようなもので、これを事実上認めることにより、職員は争議行為に巻き込まれるようしむけられている。常に組合の示威行為により威圧を受けている常態です。例えば、組合の方針に従わず能率的に仕事をやっている営業所は締め付けるという発言などであります。事実上の管理職による争議行為支援でありゆゆしき問題だと思います。賃金はカットしていると言いますが、役員は高額の組合費を収奪しているのですからこたえない。警告し、解散命令を発するべきであるが何もしないで積極的に容認している。これは後述する全運輸近畿支部事件判決でも明らかなように、たんに集会の司会や、交渉の経過報告、がんばろうと音頭をとっただけでも、戒告処分として正当なものであります。戒告処分でも定昇延伸などで抑止効果があると思うが、それすらしない。水道局で行われているのはたんに報告のみならず、オルグ活動としてのアジ演説、闘争スケジュールの伝達、スト権投票の執拗な呼びかけ、違法集会への動員の執拗な呼びかけ、団結により闘い抜こうといった、違法行為をあおり、そそのかすことがほぼ日常的になされているのですから、全運輸の事例より悪質なことがまかりとおっている。そもそも国は庁舎構内での集会は認めてないから、全運輸も昭和48年から構内での集会はやらなくなっているのです。
そこで論点を移しますが、局長が仮に組合活動を広範に認めたい、従来どおり組合天国でいいんだとしても、やはり国との組合活動規制との落差が大きすぎて納得できないのであります。これをどう説明してくれますか。
私は仕事上法人登記を調べるために、九段第二合同庁舎をしばしば訪れます。東京法務局、麹町税務署、東京航空局など複数の官庁が同居しているビルですが、正面玄関に立て札が二つあって、記憶だけで正確な記述ではないですが庁舎構内での集会・演説・座り込みこれに類する示威行為、旗・幟・プラカード・ゼッケン・腕章・拡声器・凶器の持ちこみ、着用、その他管理を妨げる行為などを禁止すると明確に書かれてあります。しかし私がこれまで勤務した都の庁舎ではそういう立て札はありません。基本的に国は庁舎構内での組合集会・示威行為を認めていないのです。
しかし水道局はそうではありません。江東営業所の事例ですが、他の営業所から動員して正面玄関前に役員が陣取りお立ち台を置いてアジ演説をなすなど、午後2時から職場集会をしていました。赤旗が3本ぐらい掲揚され、自動ドアなどの窓にビラがびっしり貼られ、中に入ったところは、万国旗式のビラが吊り下げられているほか壁面にもビラが貼られ、集会参加者は庁舎内をシュプレヒコールで練り歩く、昭和40年代型の組合集会がなわれていました。監視活動や中止命令は一切ないわけです。組合は来客の通行を妨害してないと言いますが、来客は驚くし、あたかも組合が占拠しているかの外観を呈しており明らかに業務を阻害しているわけであります。
千代田営業所においても昨年の2~3月まで支所統合合理化反対闘争で、動員して集会がなされました。支部長のSがもう一人をつれて階段の一階から上までビラを貼らせていました。午後1時すぎのことです。2時頃から駐車場で開催されるのですが、普段は水道局に出入りする業者の営業車を主として来客の駐車場であり、ここに200人くらい集まった。やはりビラや赤旗の掲揚があり、たぶん拡声器を使って集会がなされてました。むろん監視活動はない。さらに支所統合反対・ストライキで闘うぞとの文面の立て看(黒板ほどの大きさ)が、1ヶ月近く放置されてました。最初は白い布をかぶせたりしてましたが、闘争期間に入るとそれもしなくなり放置され、スト配置の日までです。江東営業所でも業務手当闘争のときに立て看が出現しましたが、管理職が撤去要請し、出しては引っ込めることを繰り替えしていましたが、朝みたものが、昼には引っ込められているケースが多く、けっこううるさく言っていたことがわかります。しかし千代田はそうでないです。支所長は明らかに怠慢であると思う。撤去命令をしたかどうかも定かでないが、命令を発しても撤去してないから配水分会の名がはっきり書かれているから関係者を処罰すべきです。そもそもこの集会は来客の駐車を妨害しており、悪質なもので即刻解散命令が出されるべきだと思う。このように、国とは違って水道局は事実上庁舎構内での組合集会。示威行為を是認しています。
そもそも、国の公共企業体の組合活動は、昭和32年岸内閣の石田博英労相は吉田内閣の池田蔵相がとった公労委仲裁裁定不履行の慣行をあらため、33年より仲裁裁定完全実施政策に転換するとともに組合側も公労法を厳守せよとの態度をとった。違法組合活動は厳罰というアメとムチの政策といわれる。中労委命令も勤務時間内集会や無許可集会などは基本的に認めなかったし、水道局ではあたりまえとされている組合本部役員によるオルグ活動についても、組合事務所の立ち入りはよくても、事務所に入室することは許されてなかったわけである。昭和39年春闘における池田首相-太田議長トップ会談により、官民格差解消路線に転じた。組合は違法な争議行為により味をしめたことになるが、池田首相が招請したILOのドライヤー報告を受けて国家公務員については勤務時間内活動やチェックオフについて規制が強化されたとされている。特に全逓については早い時期から組合活動が非難され、労使関係の正常化のためにノーワークノーペイ原則の徹底、組合集会の監視や解散命令を組織をあげて行われた。国家公務員の組合活動はかなり以前に改善されているわけである。東京都のように勤務時間内活動や庁舎構内・事務室内の職場集会が常態であったり、組合役員がふんぞりかえって威張っている。ビラ貼り闘争が行われたりしている実態は35年以上の落差があるわけである。つまりこの間、都のお偉方は労使関係、組合活動の正常化の努力をなしていなかったわけで、都議会にいわれて初めて「ながら条例」を見直すというところまで腐敗していたことになる。
せめて、国家公務員並に組合活動を規制してくださいと言ってはいけないんですか。そこで私の提言ですが、判例理論に準拠して勤務時間内組合活動を規制することはどうでしょうかと言います。
冒頭に述べたことと同じです。庁舎構内の組合活動として認容するのは最高裁判例が認容している、始業時前もしくは昼食時間における平穏にして休憩を妨げないかたちのビラ配りのみとし、勤務時間内組合活動は原則として禁止し、会議室使用も許可しない。ストライキ体制に入った場合はいかなる集会も認めない。むろん頭上報告も認めないし、無許可集会は監視と解散命令によって厳格に対処する。ビラ貼りや立て看も監視活動を強めて規制するべきであることを上申します。もしそれが不可能だというなら、従来どおり組合活動をのさばらせおくしかない・きたいというなら不可能な理由を説明してほしい。
私も含めて職員は団結強制と業務規制闘争の圧力により組合に虐げられている現状をなんとか打開していただきたい。アメリカの有力企業の多くはリエンジニアリング、アウトソーシングはかなりすすんでいるわけです。基幹的技術者、ナレッジワーカーは有能な人材を確保するが、事務員などはできるだけ非正規雇用もしくは、アウトソーシングを進めていくのが普通のありかたになっている。日本の大企業ここ数年、家電メーカーをはじめとして、大規模なリストラはかなり進んでいるようだ。近年は同じ傾向にあるとみてよい。しかし一方で全米自動車労組はクライスラーと協約有効期間中のアウトソーシングは認めない協約を結んでいる。賃上げよりも下請け化による人減らし阻止をやっている。それは、全米自動車労組が強いからできるだけのことであって、米国の民間の組合組織率が一割をきっている以上、それが一般的なのではない。主力銀行は昔からそうですが、今日我々がよく知っているアメリカの主力企業、ウォルマート、インテル、シスコシステムズ、マイクロソフト、IBM、ヒューレットパッカード‥‥というように非組合企業である。連邦公務員にしても、ブッシュ大統領が連邦労働力の半分にあたる85万人を競争入札による民間委託化計画を発表している(実は、連邦公務員を半減するのではなく、25%減らしたうえで85万人分を民間委託とするので実質的には25%連邦労働力の雇用増とする計画なのだが、人は増やすが全体の予算は圧縮するとの計画である。あと数年で大量に連邦公務員が退職するので実現性は高く、ブッシュはラッキーだと報道されている)。
そうすると、民間委託化が必然とすれば、高コスト被用者であるわれわれは、実務能力を向上させて基幹社員として生き残っていくほかないわけで、労働組合は民間委託化を阻止できる力もないのに、業務確立闘争と称して非能率な業務遂行方法に固執し、団結強制により、無意味に時間をかける仕事を一般職員に強要している。結局被害を蒙っているのは一般職員である。組合役員はふんぞりかえって威張っていて、デスクトップパソコンの内蔵ソフトの使用禁止、イントラネットをパソコンに繋げさせないなどの締め付けをやりわれわれをIT棄民にさせてほくそ笑んで喜んでいるが、前の分会書記長だった加藤は毎週のように京都だ新潟だとわざわざ宿泊旅行で飲み食いをしながら競馬をやっている。高額の組合費収奪は安泰で左うちわなのかもしれないが、しかし、われわれ一般職員は組合のいいなりになって、イントラネットもワープロも操作してはいけない。ペーパーワークをできるだけ残す。社内文書すら閲覧するのはけしからん。というのでは実務能力も向上できない。民間委託に代替できる生産性の低い見込みのない人間になっていくだけでは将来はないということは多くの人がわかっている。労働組合の弱体化により社風を刷新しなければ希望がみえてこないのであります。
争議行為の警告・解散中止命令を徹底して行うべきだ。
組合活動については平常時における正当な組合活動と適切でない組合活動を仕分けすることと争議行為とを区別して論ずるべきなので、まず争議行為についていいます。資料1に3年前の記録を載せましたが、争議行為が違法であることはS63.12. 8 最高一小 昭和56(行ツ)37 北九州市交通局超過勤務拒否闘争事件判決で司法で確定していることであるから、当然のこととして(超過勤務闘争も重大な問題だが、今回は主題からはずして次ぎの機会に上申する)既に述べたように、いわゆる頭上報告と称している勤務時間内事務室内職場集会を規制すべきであります。これは集会であり勤務時間中に囚われの聴取の状況で集会に無理矢理参加させているものであり、拍手の要請や決議文朗読がなければよいという次元の問題ではないと思います。実際司会者は演説者のいうことに集中してくださいといっているから業務遂行を阻害しているものである。江東営業所では技術員が工務係前のふつうは業者が申請のために待つための長椅子を占拠して行われており、業務の阻害があることはいうまでもない。電話が頻繁にかかってきてもアジ演説で客の声がききとれなくなることも同じである。のみならず、ストライキ投票の呼びかけ、高率批准で団結の強さを示そうとか、動員の呼びかけ、超過勤務拒否闘争の呼びかけ、オルグ演説が付随するので、違法行為をあおり、そそのかしているから、事実上の違法行為なのである。そこで、この問題について参考になるリーディングケースとして次の判例を取り上げる。
昭和60・11・8 最高二小 昭和57(行ツ)77 大阪陸運局職員戒告(全運輸近畿支部)事件 民集39巻7号1375頁
被告局長らは、原告らが勤務時間内にくい込む職場大会に参加した点において国公法98条2項前段の争議行為をなした場合にあたるとし、あいさつ、経過報告、決議文朗読、演説を行い、がんばろう三唱の音頭をとった点において同項後段「あおり」「そそのかし」の行為に当たるとした戒告処分につき適法とした判例。最高裁は本件職場大会における上告人らの行為が国公法九八条二項後段に規定する「あおり」「そそのかし」に該当するとした原審の判断は正当であるとした。
第一審判断は以下のとおりである(第二審も事実認定で若干異なるが第一審を認容する)
昭和54・8・30大阪地裁判決(要点のみ)
(事実)
全運輸近畿支部は、昭和44年10月23日から、同25日にかけて、全運輸指令第1号に従い、全分会において本件統一行動(実力行使)に対する賛否を問う一票投票を実施した……賛成意思を投票した組合員の比率が75・2%であり……さらに、同年11月7日から10日にかけて全運輸指令第二号に従って実施された本件統一行動に対する参加決意署名が行われた。「私は左記の国公統一賃金要求を勝ち取るため11・13統一行動日に全運輸指令に基づいて『早朝から勤務時間に29分くい込む職場大会に参加します』」と記載し、「賃上げを5月から実施すること」等要求事項を列挙したものであったが、右署名の結果は組合員数386名中362名が署名した。
10月23日総理府総務長官は国公共闘議長に対し、公務員の自覚と反省を促し、違法な行動を行うことがないよう自重を求める旨の警告を発すると共に談話を発表し、同年11月12日、運輸政務次官は、全運輸中央執行委員長に対違法な行動を行うことがないよう自重を求める旨の警告を発した。
さらに同月8日から10日にかけて被告局長から近畿支部長である原告二瓶に対し、大阪陸運局総務局長から本局分会長宮川に対し(同局管内陸運事務所については略す)、それぞれ「伝えられるところによれば、貴組合においては来る11月13日勤務時間内職場集会を計画している模様であるが、いうまでもなく国家公務員には、かかる争議行為は法令で禁止されているところであります。当局は貴組合がもし伝えられるような違法行為をとった場合には、関係法令に基づき必要な措置をとらざるをえないので、貴組合の自重を強く要望します。」と記載した警告書を交付し、 さらに、当局は、同月8日から11日にかけて各職員に対し、同月6日付運輸事務次官名による本件職場集会に参加しないようにとの内容を含んだ「職員のみなさんへ」と題した警告書を交付した。これに対し、近畿支部及び傘下各分会は、右警告書をあえて受取らず、或いは交付したものを分会役員などにおいてまとめて当局に返還するという状況であった。右に加えて、和歌山県陸運においては、同月12日の所長交渉の際、原告祐成から翌13日に勤務時間に食いこむ職場大会を中庭で行う旨通告があったのに対し、同所長は違法であるのでとりやめること、庁舎管理規程に基づく目的外使用の許可を受けることについて口頭で警告し、奈良県陸運事務所においては、同月12日、所長交渉の際、同所長から原告川上らに対し、ストライキをとりやめるよう重ねて警告し、本件ストライキが実施されれば処分問題が生ずる旨伝え、兵庫県陸運事務所においては、同月11日、所長交渉の際、本件職場大会による実力行使の通告がなされたのに対し、違法である旨回答し、右同日、全職員に対し、総理府総務長官か国公共闘議長あての前記警告文を回覧閲読させ、大阪陸運局(本局)においては、同月11日、原告二瓶から本件職場大会実施の通告があったのに対し、当局から違法であるからとりやめるよう警告すると共に勤務時間中は職務に専念する義務がある旨強調し、さらに同月12日、同局総務局長から原告二瓶に対し、再度勤務時間にくい込む本件職場大会を中止するよう説得した。又、大阪陸運局及び管内各府県陸運事務所において、同月12日、当局は全職員に対し、勤務時間は午前8時30分から午後5時まで(本局においては9時5分から5時20分まで)であること及び勤務時間内にくい込む職場大会に参加することは違法である旨伝えた。
同月12日、近畿支部執行部は、常任中央闘争委員会から「ボーナス抜6月実施の閣議決定に断固反対し、11・13むは早朝時間内くい込み職大の実力行使は実施せよ。ただし、くい込み時間については追って電話にて指令する」との電報による全運輸指令第3号を受け、さらに同夜半、本局分会はくい込み15分、その他の分会は20分とするとの電話指令を受け、右指令を傘下各分会に伝達した。
《職場大会の状況については一部要約》
和歌山分会の職場集会
和歌山県陸運事務所宿直室前の中庭において、午前8時30分頃から同45分頃ま16名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、近畿支部奥田執行委員の司会で進められ、まず原告祐成が分会長として、一・二分あいさつをした後、高瀬副分会長らからのメッセージ、祝電の紹介がされるなどし、決議文朗読、岡本書記長が要求項目の確認を提案して全員一致で確認され、最後に奥田執行委員長が閉会のあいさつをして右大会を終了した。その間、赤居和歌山県陸運事務所長は、午前8時40分頃、分会長である原告祐成を呼び勤務時間にくい込んでおり、許可のない場所で行われているので、解散するよう命じたが、従わなかった。
奈良分会の職場大会
奈良県陸運事務所宿直室において、午前8時25分から同50分頃まで17名で行われた。奥西書記長の司会で始まり、まず分会長でいる原告川上が全運輸本部及び近畿支部のメッセージと祝電を朗読し、その後加納中央闘争委員(近畿支部副支部長)が11・13闘争の意義についてのべ、近藤副分会長が所長交渉り経過を報告、奥西書記長が閉会を宣言して解散した。牟礼輸送課長は午前8時40分頃、原告川上をはじめとする大会参加者に対し、勤務時間内の無許可集会であるから解散するよう口頭で命じた
兵庫分会(本所)の職場大会
兵庫県陸運事務所玄関前横庭
において、午前8時20分頃から同42分頃まで47名の組合員が参加して行われた。開会宣言にはじまり、分会長原告北谷があいさつ及び職場大会の意義について約7分演説し、書記長から経過報告、メッセージの紹介、闘争宣言の朗読、かせんばろう三唱、労働歌合唱で終了した。尾仲総務課長は、分会長原告北谷に対し、午前8時25分頃「この大会は無許可であるからすぐ解散せよ」同35分頃「時間内にくい込む集会は違法だからすぐ解散しなさい」と各解散命令を口頭で伝え、さらに同40分頃、全参加者に対し、プラカードに解散・職場復帰命令を記載して伝達した。
兵庫分会(姫路支所)の職場大会
姫路支所構内入口横の空地において、午前8時33分頃から50分頃まで15名の組合員で行われた。建石副分会長の開会の言葉に始まり、副分会長である原告中橋が所長交渉の経過について演説すると共に決議文を朗読し、その後メッセージ朗読、がんばろう三唱、労働歌合唱で終了した。青木正姫路支所長は、8時35分頃、建石副分会長に対し組合旗が立ててあること及び勤務時間にくい込む大会は違法であると口頭で注意し、さらに同49分頃、参加者全員に対し、解散するよう口頭で命じた。
京都分会の職場大会
京都府陸運事務所玄関前広場において、午前8時20分頃から49分頃まで33名で行われた。桜井執行委員長のあいさつ、伊藤書記長の経過報告、決議文朗読、要求スローガン朗読、来賓あいさつ、労働歌合唱と進み、最後に分会長原告供田が音頭をとって団結がんばろうの三唱をした後閉会した。大堀総務課長は、8時25分頃、分会長である供田に対し、解散命令書を手交しようとしたが、同原告はこれを受領するのを拒否し、同36分頃、同課長が参加者全体に対し、解散命令及び職場復帰命令をプラカードに記載して掲出し、同45分頃、原告供田に対し、解散命令書を手交したが、同原告はこれを受領することを拒んだ。
大阪分会(本所)の職場集会(略))
本局分会の職場集会
大阪陸運局自動車部事務室において、午前8時45分頃から9時17分頃まで82名の組合員が参加して行われた。本局分会書記長中尾の開会宣言に始まり、本局分会長宮川があいさつと経過報告を行った後、近畿支部長原告二瓶があいさつし、人事院勧告に対する閣議決定の不当性を説明し、メッセージ等の紹介、大会宣言を拍手で採択した後閉会のあいさつをもって終了した。その間、大会参加者に対し、午前8時51分頃、奥西総務課長が「無許可集会に付き直ちに解散せよ」との局長命令を大声で二度くり返して伝え、9時4分頃、高須人事課長が「9時5分が勤務時間であるから直ちに解散して勤務に就くように」との局長命令を二度にわたり大声でくり返し伝えた。
(判断-要点のみ)
本件職場集会は、「賃上げを5月から実施すること」などの統一賃金要求を貫徹するために、勤務時間内において、公務員として負担する職務専念義務に違反し、労働供給義務の提供を拒否したものということができ、右のような態様における職務専念義務の違反行為、労働供給義務の提供拒否行為(同盟罷業)は、それ自体必然的に業務の正常な運営を阻害する行為ということができるから、現に業務の正常な運営を阻害したかどうかを問うまでもなく、国公法98条2項所定の争議行為に該当するというべきであり、単なる団結活動・組合活動であるとの原告らの主張は何ら根拠のない主張といわなければならない。
原告らは国公法98条2項所定の争議行為は、長時間かつ大規模な職場放棄を行ったため、右業務に大混乱が生ずる場合である旨主張するのであるが、公務員の行う争議行為である限り、同法条項に規定する争議行為に該当し、その規模状況等によって区別すべき理由はないことは明らかである(最高裁昭和48年4月25日大法廷判決参照)。よって右主張には理由がない。
次に、原告らの行為が国公法98条2項所定の争議行為の「あおり」「そそのかし」行為に該当するかどうかについて考察する。国公法98条2項所定の後段所定の「あおり」「そそのかし」とは、国公法98条2項前段に定める違法行為を実行させる目的をもって、他人に対し、その行為をなさしめるようし仕向ける行為を総称し、必ずしもこれによって現実に相手方が影響を受けること及び業務の正常な運営を阻害する行為が行われることを要しないものと解すべきである。
本件職場大会は、給与に関する人事院勧告の完全実施などの要求貫徹を目的として行われた国公法98条2項に違反する違法な大会であるところ、同大会参加者はいずれも右大会の目的及び右目的貫徹のために勤務時間にくい込んで右大会を行うものである旨の意思を確認したうえで右大会に参加しているのであり、又、原告らは近畿支部及び分会において同支部等の指導者或いはこれに準ずる地位を有し、右地位にあるものとして右各行為をなしていること。本件職場大会において、原告祐成が分会長としてあいさつをした行為、原告川上が分会長としてメッセージと祝電を朗読した行為、原告北谷が分会長としてあいさつと職場大会の意義について演説した行為、原告中橋が副分会長として所長交渉の経過について演説し、決議文を朗読した行為、原告供田が分会長として団結がんばろう三唱の音頭をとった行為、原告上原が分会長としてあいさつした行為、原告二瓶が支部長としてあいさつし、人事院勧告に対する閣議決定の不当性を説明した行為は、いずれも国公法98条2項後段所定の争議行為の「あおり」或いは「そそのかし」行為に該当するものである。
原告らは本件職場大会における原告らの行為は、労働組合としての団体行動であるから、右行為について個人責任或いは幹部責任は問うことができないと主張する。
しかしながら、集団的労働関係の場である争議行為の場においても個別的労働関係が解消されるものではないから、当該違法争議行為における組合員の個人的行為の側面でとらえたうえで、そのことを理由に組合員に対し、個別的労働関係上の責任である懲戒責任を追求することができる。本件において、原告らは、前記のごとく違法な争議行為である本件職場大会にに参加し、支部長、分会長等としてそれぞれ当該大会における主たる役割と目される行為をなしたものであるから、これをもって国公法98条2項に反し同法81項1号に該当するとして懲戒処分の対象となし得るものといわなければならない。
原告らは、原告らの行為はいずれも組合中央からの方針、指令に従い、組合員としての当然の義務を果たしたにすぎないから、原告らを特に選択して懲戒処分に付する合理的理由はないとも主張するが、既に説示したごとく本件職場大会は国公法に違反する争議行為であるから、仮に組合の指令があったとしても、それは国公法に優先するものではないこと当然というべきであり、右指令に従ったことをもって違法な争議行為に参加したなどの原告の行為を何ら正当化するものではないし、前記のような役割をした原告が他の組合員と区別して本件各処分を受けるに至ったとしても、何ら不合理なものということはできない。
原告らは、本件各処分が職場大会を開催するについて権限のない分会長に対してなされたことをもって失当と主張する。しかし、本件各処分が分会長であることの故をもって、或いは分会長が本件職場集会開催の権限があり、開催したことの故をもってなされたものではないことは前記説示から明らかであるから、右主張は失当である。
上記の判例により、勤務時間中の職場集会において、たんに一~二分の挨拶、交渉経過報告その他の朗読、演説、あるいはがんばろうの音頭とりだけのことであっても、それが「あおり」「そそのかし」に当たるとされているのである。この点東京都をはじめとして、地方は概して対応が甘過ぎるという心証が拭いきれない。例えば北九州市水道局(50年闘争)事件福岡地判裁昭和59・9・26『労働判例』441号カードは、自治労の昭和50年2月賃上げ等の要求を掲げたストライキを実施の決定を受け、北九州市職労は市労連とともに5月9日、6月7日、6月14日、9月26日、10月16日にストライキを行った。右各日に水道局本庁、各営業所、各浄水所等ピケを張って職員の入庁を阻止し、勤務時間にくい込む集会を行ったり、職場離脱をする等した。という事例で、懲戒処分に付されたX1は統一ストの批准投票を実施し、また自治労の方針どおり実力行使を行うことを決定せしめ、さらに右勤務時間にくい込む集会を主宰して当局との団体交渉の経過及び今後の展望について演説して本件各争議行為を企画・決定・指導した。X2らは他組合員とピケを張って職員の入庁を阻止し、また右勤務時間にくい込む等集会を主宰し、今後の闘争方針につき演説するなどした。というもので組合執行部のみのの、X1は市職労副執行委員長、X2らは市職労執行委員ということで、組合執行部しか処分されてないわけである。同判決においても「争議行為が集団的行為であるからといって、その集団性ゆえに争議行為参加者個人の行為としての側面が当然に失われるものではないから、地公法三〇条以下の服務規律を適用して同法29条1項に基づく懲戒処分を行うことは許されるというべきものである(最高裁判所昭和53年7月18日最高裁第三小法廷判決)」としているから、支部・分会長クラスが処分されてもよかったはずだが、それはやってない。
これに対して、運輸省の例では、組合員15~6人程度の分会長クラスが処分されており、国の方が厳格な対応をしているとみるべきである。北九州はともかく東京都水道局では現場が処罰されないから、同じことを繰り返す悪弊に陥っているわけである。この点けじめをつけるべきだ。
水道局においては、ストライキや当局が頭上報告と区別している勤務時間内職場大会について、庁内放送で自重を求める示達がなされているが、たった1回にすぎない、しかもこれが違法行為であるとは明確に言わないのである。運輸省の場合は事務次官名の文書が各職員に交付されるのであり、組合役員には再三にわたって警告をしている。水道局では警告文書が交付されることはないし、職場集会の監視や解散命令はないので明らかに明らかにぬるいものになっている。全運輸近畿支部事件では、奈良陸運事務所の職場大会につき原告側の主張によると、牟礼輸送課長が入ってきて、ほんの一、二秒「川上君この集会は違法だからやめて下さい」と一言述べてにこっとと笑って出ていったとされ、前日の分会との交渉で上局より職場大会中、三、四回位警告せよと言われているものを、一回だけにとどめたのは分会との話し合いどおりのものだった。しかし、他の管内陸運事務所では、口頭もしくは大声、プラカードの掲出、解散命令書の交付といったかたちで、再三、解散命令、中止命令を発しており、概ね上局の指示どおり管理職は任務を遂行している。である。それをやるべきだ。
企業施設利用の組合活動の是非(ビラ貼りと集会)
ここでは争議行為としてではなく、平常時も含めた企業内組合活動の是非を論ずる。指導的な判例としては、国労札幌地本ビラ貼り事件判決(最高裁第三小法廷昭和54・10・30『労働判例』329)小である本判決の意義はプロレーバー学説の、受忍義務説と違法性阻却説を明確に否定したことにあり、この判決により無許可ビラ貼りと無許可の集会等の施設利用は原則的に否定された。プロレーバー学者は一斉に非難の大合唱となったわけだが、そもそも、労働基本権が使用者の施設管理権を制約するというプロレーバーの受忍義務説が労働組合を増長させるための、むちゃくちゃな学説であって、プロレーバー学説の影響を受けていた下級審判例の混乱を収拾し、組合活動規制といて一定の意義を認める。この点での労働組合の勤務場所内活動の指導判例としての意義を認めるものであるが、結論を先にいうと結局、許諾説というものであって、労働組合が使用者の許諾を得ればよいという逆の見方ができるので労働組合活動規制として満足していない。つまり私の考え方は労働組合活動は勤務時間は内の組合活動は原則禁止がベターであり、ビラ貼りについては許諾いかんにかかわらず全面禁止がベターであるから、決して満足はしていない、その理由は後述することとし、しかしながら、少なくとも無許可ビラ貼りや無許可集会については水道局長に対し本判決の趣旨に照らし、厳格に警告、中止・解散命令、懲戒処分を求めるのは当然のことと考える。
後続する札幌地本判決を引用した最高裁判例には次のようなものがある。
★昭和63・7・19最高三判 池上通信機救済命令取消事件【参考判例に掲載】
組合結成以来、工場の食堂を会社の許可を得ないで職場大会のために利用してきたことに対し食堂を使っての無許可職場集会・警告書・中止命令が不当労働行為に当たらないといた。
★平成元・1・19最高一小判 日本チバガイギー救済命令取消事件【参考判例に掲載】
就業時間中の団交報告集会の食堂・野外集会開催不許可は不当労働行為に当たらないとした。
★平成元・12・11 最高二小判 済生会中央病院救済命令取消事件【参考判例に掲載】
慣行化していた無許可職場集会への警告が一審、二審とも病院の業務に直ちに支障が生ずるものではない、事実上の休憩時間にされたか昼休みに終了しないため若干労働時間に食い込んだにすぎない、参加者は業務に支障のない者であり、参加した者も途中業務に支障が生ずれば自由に退出するなどしていたことなどを理由として不当労働行為としたが、最高裁は原審を覆し、まず「労働者は、労働契約の本旨に従って、その労務を提供するためにその労働時間を用い、その労務にのみ従事しなければならない。したがって、労働組合又はその組合員が労働時間中にした組合活動は、原則として、正当なものということはできない。また、労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の所有し管理する物的施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないことが当該物的施設につき使用者が有する権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては、当該物的施設を管理利用する使用者の権限を侵し、企業秩序を乱すものであり、正当な組合活動に当たらない」として札幌地本事件を引いたうえで、本件は労働時間に、病院の管理する物的施設(元空腹時血糖室、テニス・コート)を利用して開かれたものである。病院の権利の濫用であると認められるような特段の事情があるとも解されないので不当労働行為に該当しないとした。
★平成7・9・8最二小判オリエンタルモーター事件『労働判例』679
勤務時間外における会社食堂の利用につき、会社が外部団体の入場については総務部長の許可を得ること、支障のないかぎり組合大会開催のため食堂の使用を許可するなどといった提案をしているにもかかわらず、あたかも組合に利用権限があることを前提として、会社が施錠するまで無許可利用を繰り返していた事例であるが、食堂使用についての施設管理権を前提とした合理的な準則を定立しようとして、施設管理権を無視する組合に対し使用を拒否し、使用条件について合意が成立しない結果、自己の見解を維持する組合に対し食堂を使用させない状態が続いていたことも、やむをえないとし、食堂利用拒否は不当労働行為にあたらないとした。
以上のように、無許可企業施設利用の組合集会は使用者の権利の濫用にあたる特段の事情がある場合を除き認めないという最高裁の姿勢は一貫しており、特に勤務時間内のケースは、まず使用者の権限の濫用とはみなされなことはない。時間外のケースにおいても、組合が施設管理権を無視して使用することは認められないのである。
そこで、水道局のケースをみてみるならば、昭和14年9月27日千代田営業所組合分会の総会が午後3時半より会議室を利用してなされ、私が現場出張から帰ってきた3時50分頃には工事・工務は席に着いている者がなく、検針・営業もまばらだった。収納係では、
しかしながら、最高裁はビラ配りのある種の態様においては、国労札幌地本判決を引用せずに容認もしている。
私は上記の判例について賛同するものではなく、ビラ配りについても批判的な見方をとるが、最高裁判例がある以上、始業時以前における平穏な態様におけるビラ配り、昼休みにおける休憩を妨げない範囲における平穏な態様のビラ配りについては、容認するにやぶそかではない。しかし、無許可集会と無許可ビラ配りはそうはいかない。最高裁判例が確定している以上、事理に即して、厳格な対応を望むことは当然のことである。
現状において東京都水道局では無許可の勤務時間内集会その他の示威行為につき、警告も中止命令もなにもしてないのだから、札幌地本判決にある「職場環境を適正良好に保持し規律のある業務の運営態勢を確保しうる」企業秩序の定立にが全くなされていない混乱状況にあるのであって、当然改善していくべきである、この点について水道局長はこれまでどおり無許可集会も事実上ヤミで容認して放置したい。労働組合の示威行動や勤務時間内集会をやらせたいんだ、おまえがいくら業務阻害になっている、業務遂行に集中できる職場環境ではなく敵対的職場環境だ、組合の示威行為をみせつけられることにより、争議行為に巻きこむプレッシャーが相当なもので殺気だった状況で尋常な神経で業務を遂行することの妨げになっているといくらわめいたって関係ない。それは、おまえが判断することではなくて、管理者である私であるとおっしゃるのだろう。しかし、局長がいかに組合の示威行為、集会を認めたくても、議会の立法趣旨を無視する判断はできないと思う。なぜなら、それは「ながら条例」改正の立法趣旨である勤務時間内組合活動の正常化の要請に反するからである、議会の立法趣旨、勤務条件法定主義に反し、これまでどおり、無許可勤務時間内組合活動を放置するならば、それは議会、ひいては住民に対する背信行為となる。水道局長の管理責任が問われて当然である。従って、それは最低限の要請として妥当なものであると考える。この点について、さらに下級審判例も検討したうえで論究したい。
無許可集会や無許可ビラ貼りについては、古川陽一「一〇・三〇判決以降の組合活動に関する判例動向『労働法律旬報』1517号2001・12・25の32頁以下の判例一覧がある、下級審判例は必ずしも国労札幌地本ビラ貼り判決を引用もしくは同趣旨で無許可集会・無許可ビラ貼り等を否定しているわけではない。この点で下級審判例はなお問題があると思うが、最高裁判例では始業時以前もしくは昼休みの平穏な態様でのビラ配りを除いて、無許可集会は基本的に否定している。下級審判例を含めたビラ貼りについて古川の分析では、札幌地本判決以後、正当性を認めたのは25件中2件にすぎない。無許可集会については25件中5件が正当性を肯定しているにすぎない。ということで、ここでは、国労札幌地本ビラ貼り判決を引用もしくは同趣旨で無許可集会・無許可ビラ貼り等を否定している判決がリーディングケースとして望ましいと判断する。次ぎのような事例である。
★全逓新宿郵便局中央郵便局事件・最高裁第三小法廷-昭和58・12・20『労働判例421号は、昼休み中の無許可職場集会に対する解散命令・監視活動は不当労働行為を構成しないとした。
★全逓長崎中央郵便局事件・長崎地裁判決-昭和59・2・29『労働判例』441号カードは地下食堂及び地下男子休憩室の無届利用行為につき国労札幌地本ビラ貼り判決を引用し、即刻解散を命じたことは不法不当なものということはできないとした。
★東京城東郵便局事件・東京地裁判決昭和59・9・6『労働判例』442号は、合理化反対闘争(内容は後述)
★ミツミ電機事件・東京高判昭和63・3・31『労働判例』516号は争議中の集会・デモ・泊まり込み・ビラ配布、赤旗掲揚に理由とする懲戒解雇を是認した。
以上は、争議行為と関連した組合集会についての事例であるが、本質的には平常時、争議行為時いかんを問わず
。河上和雄(法務省刑事局公安課長)
、ように当該物的施設を管理利用する使用者のる
指導判例であるので、が認めればすむんだという安易とういう
本判決の判旨は、労働者は企業施設利用は、労務提供に必要な限りでかつ企業秩序に服した利用にとどまり、労働組合も使用者の許諾なく企業施設を利用する権限はなく、本来団体交渉による合意ににもとづいてなされるべきもので、使用者は労働組合による企業施設を受忍する義務を負わない。使用者の権利の濫用にあたる特段の事情がある場合を除き、許諾のない施設利用による組合活動は使用者の権限を侵し、企業秩序を乱すもので正当な組合活動とはいえない。というものであるが、この判決では施設管理権という言葉は使わず、企業秩序論という論理構成になっている。つまり物的管理利用を施設の所有権(ないし占有権)のみから結論づけるのではなく、業務命令権との総合で導き出す。「企業は、その存立を維持し目的たる事業の円滑な運営を図るため、それを構成する人的要素及びその所有し管理する物的施設の両者を総合し合理的・合目的的に配備組織して企業秩序を定立し‥‥その構成員に対してこれに服することを求めうべく」と判示するところが、それである。河上和雄によれば、実定法上の権限を総合した社会的機能を営みうるひとつの権限と解釈されている。
本判決の意義はプロレーバー学説の、受忍義務説と違法性棄却説を明確に否定したことにある。「労働組合による企業の物的施設の利用は、本来、使用者との団体交渉等による合意に基づいて行われるべきものである‥‥利用の必要性が大きいことのゆえに、労働組合又はその組合員において企業の物的施設を組合活動のために利用しうる権限を取得し、また、使用者において労働組合又はその組合員の組合活動のためにする企業の物的施設の利用を受忍しなければならない義務を負うとすべき理由はない」と明確に受忍義務説を否定した。又、違法性阻却についても「使用者の許諾を得ないで‥‥企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないことが当該物的施設につき使用者が有する権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては」正当な組合活動ではないと判示して否定した。
。
受忍義務説というのは、私から言わせれば、無責任で悪質なのものであり、このようなプロレーバー学者が組合活動を増長させ社会を混乱に陥れた責任は重いと考えるが、下井隆史*1によれば、主な論者は以下のとおりである。
林迪広「施設管理権と組合活動-ビラ貼り行為を中心に-」『法学教室』第二期3号は「団結権が保障されたその限りにおいて、所有権ないしその社会的機能としての施設管理権は本質的に制約を受けなければならない」とし、「業務に現実の支障を生じることなく、また施設の維持や管理上特別に差支えない程度のものであるときは、一般に団結活動による受忍の限度内のものと考えられ」、「そのような組合活動はまさに『正当』なものである」
本多淳亮『業務命令、施設管理権と組合活動』は、施設管理権とは組合活動抑圧の意図を秘めた政策的概念とし、「組合の90%までが企業別組織の形態をとるわが国の現状では」、「組合活動が使用者の施設管理権と密接な接触と関連をもたざるをえない」のであって「労働者の団結権や団体行動権は、その国その時代における歴史的具体的内容をもつものとして把握しなければならず」、「その意味において、憲法の団結権、団体行動権の中には、一定の範囲における施設利用権を含むと解せざるをえない」。このほか受忍義務説論者としては、籾井常喜、片岡曻、門田信男、近藤富士雄である。要するに憲法28条は使用者の施設管理権を制約する、労働基本権を拡大解釈し、ビラ貼りなどの施設利用につき使用者は一定の範囲で受忍義務を負うという労働組合を増長させるための学説である。私はビラ貼りに限らず組合の示威行為が容認されている企業というのは勤労者にとっても不快な職場環境であるのみならず、来客者の心証も害する。会社の信用にかかわる問題だと思うが、ビラ貼りが労働組合の権利とするような悪質な学説は葬られて当然だろう。
違法性阻却説とは、憲法28条が施設管理権(所有権)を制約する規定がないなどとし受忍義務説を批判するが「労働組合の活動の大部分が展開される場であるという事実に基づき一定の程度のものであれば違法性が阻却される」(下井隆史「労働組合のビラ貼り活動と民事上の責任」判例タイムズ326)というもので、実質的には、態様に即して組合の
施設利用を認めようとするのであって、受忍義務説と大差ないものと解釈できるが、これも明確に否定した。
ビラ貼りの問題は今後精査して別に提言することとして、本判決はたんにビラ貼りの問題にとどまらず、労組の企業施設利用全般にかかわる指導的判例であるので、労組の集会活動等の企業施設利用の問題に論点を移したい。
1 東京城東郵便局事件判決の意義
リーディングケースとして東京城東郵便局事件判決(東京地裁昭59・9・6判決『労働判例』442号)をまずとりあげる。本件は、不許可集会の強行、欠勤暴行を理由とする郵政職員2人の懲戒免職を有効としたものだが、この判決の意義は札幌国労判決を引いたうえで、無許可集会は正当な組合活動として許容されるべきものいなく、解散命令に従わず、集会を強行した原告の責任はかなり重いと評価され、懲戒処分の根拠として認めたことである。
(1)城東局における労使関係
昭和41年当時、城東局では郵便物の大幅な遅配が続き、一日三千ないし四千通の遅配の滞留が常態であった。吉田局長は同年7月着任後、このような状態の原因を調査した結果、当時同局においては、始業・終業の時刻を守らない者、麻雀をしている者がいる等の職場規律の乱れがみられ、これが前記業務遅滞の原因となっているとの結論を得た。そこで同局長は、右職場規律の乱れに対し、賃金カット等を含む厳然たる態度による是正策を講ずることとし、同年8月17日城東支部三役に対し、(一)勤務時間の厳守(二)不就労に対してはノーワーク・ノーペイの原則で対処する。(三)局内での麻雀は厳禁する旨通告し、かつ全職員にその旨通知させた。局長は右是正策を実行に移すため、管理に職員の勤務状態や始業時間の遵守状況を点検させる等の体制を採るようになった。
また、同局長は、本来当局の責任で行うべき業務運営に対し、組合が不当に介入しているとして、組合の介入を排除する対策を採ることとした。まず、城東局においては、正規の団体交渉の他に各職場において管理者とその職場の組合員との間で行われる職場交渉というものが慣行的に確立しており、これが各職場単位における日常的な苦情の処理あるいは正規の団体交渉での決定事項の具体的運用の協議の場としての機能を果たしていたが、同局長は、職場交渉を認めないとし、各課長が個別に組合と話し合うことを禁止した。更に同局長は、正規の団体交渉についても、交渉事項はいわゆる三六協定と二四協定の締結に関するものに限られるとして、それ以上の議題を制限し、また交渉人員の数制限にも制限を加えるようになった。このような中で、城東支部は「組合として反省すべき点は反省する」と言明をとていたけれども、同局長の前記のような措置に対して内部から不満の声が出るようになり、同年九月頃からは「既得権奪還」のスローガンを掲げて吉田局長追放運動を展開するようになった。そして、同年の年末年始における超勤命令拒否、物だめ闘争を経過した後、翌42年に入ると、同支部は、同年春期闘争、集中処理局設置に伴う合理化反対闘争において、同局長追放運動とからませて業務規制闘争を行うようになった。
(2)原告久下(昭和42年10月当時城東局集配課主任、全逓城東支部書記長)の
行為(一部略)
①昭和42年5月11日の集会
城東支部執行委員会は、昭和42年5月2日、全逓中央本部からの指導により、当時全逓が取り組んでいた合理化反対闘争等に向けての団結を強めるため、各課単位で集会を開催することを決定し、これに基づき、郵便課、保険課等で順次集会が開催され、集配課分会
においても右の集会を開催するため、同月9日、同課分会清水執行委員名義で、吉田局長に対し、いずれも組合業務を目的として城東局会議室を同月11日及び12日に使用したい旨の庁舎使用許可願を提出した。同局長は、これに対し、全逓が同月10日の指令第31号により、同月17日に2時間、24日に半日の各ストライキを決行する体制を確立すること。及び同月16日以降業務規制闘争に突入することの闘争指令を発したため、東京郵政局の指示に従い、右指令は公共企業体等労働関係法17条1項に違反するとして、前記許可願いも許可しないこととし、同月11日午前中に、同局庶務会計課主事内海信直を通じて清水執行委員及び原告久下に対して、その旨および理由を通知した。
このような経緯で会議室の使用が許可されなかったにもかかわらず、同日午後4時7分頃から5時16分頃まで、同会議室において、集配課員約40名による職場集会が開催され、小久保青年部長がこれを司会した。原告久下もこれに参加したが、この中で、原告は、開会後間もなく無許可集会として解散命令を発した貝藤課長に対して抗議し、更に午後4時36分頃、集合した集配課員に対し、「中に入ってやろう」と言って全員を集め、同課長らの再三にわたる解散命令を無視して集会を続行した。
②同月12日の事件
同月11日の集会において前記認定のような混乱があったため、清水執行委員は、翌12日に予定していた集会を開くべきかどうかを城東支部長大塚勝三及び東京地本の井上章執行委員に相談したところ、二人とも集会を開くよう指示をした。そこで、同月12日においても、会議室の使用が許可されていなかったにもかかわらず、同日午後0時33分頃から同51分頃まで、同局会議室において、集配課員約60名による集会が開催され、小久保青年部長がこれを司会し、原告久下もこれに参加し、解散命令を発した吉田局長、貝藤課長に対して抗議し、右両名の再三の解散命令に従わない態度を示し、また参加者全員に対して会場使用の説明をし、更に「青年婦人部長の指揮で歌を歌って終わることとする」と指示するなどした。
③同年8月7日の事件
原告久下は同月7日午後0時30分頃、東京地本の井上、松本、光瀬各委員及び集配課員等50ないし60名とともに、城東局長室前廊下において、同局郵便課の野本孝が同月5日付で保険課へ配置転換されたことについて、吉田局長に面会を求めて局長室内に押し入ろうとし、これを阻止しようとして局長室内に集まった管理職数名の解散命令を無視して騒ぎたて、同50分頃管理職の阻止を突破して集配課職員約20名と共に局長室内に乱入したが、その際佐久間課長に対し、右ひざを一回蹴るなどの暴行を加えた。(他の事件と原告塚本の行為は略す)
3 判断(一部略-要所のみ)
① 無許可集会について
郵政省就業規則十三条七項は、「職員は、庁舎その他国の施設において演説もしくは集会を行い、又はビラ等のちょう付、配布その他これに類する行為をしてはならない。ただし、これらを管理する者の事前の許可を受けた場合は、この限りでない。」と定めていることが認められ、郵政局庁舎管理規程度7条は、「庁舎管理者は、庁舎内において、演説、ビラ等の配布、これに類する行為をさせてはならない。ただし、庁舎等なにおける秩序維持等に支障がないと認められる場合に限り、これを許可することができる。」と定め(中略)城東局における「庁舎管理者」は吉田局長であることは明らかであるから、結局、同局長が会議室の使用を許可しなかった当否が問題となる。
国の庁舎の管理者は、公物たる庁舎の存立を維持し公務の円滑な遂行を図るため、その庁舎につき合理的・合目的的な秩序を定立し、公務員その他の者に対してこれに服すことを求めうべく、その一環として、その物的施設を許諾された目的以外に利用してはならない旨を、一般的に規則をもって定め、又は具体的に指示、命令することができ、公務員でこれに違反する行為がある者がある場合には、その任命権者は、その者に対し制裁として懲戒処分を行うことができるものと解するのが相当であり、また、公務員の労働組合又はその組合員が、庁舎管理者の管理する庁舎であって定立された秩序のもとに公務の運営に供されていたものを、その管理者の許諾を得ることなく組合活動のために利用することは許されないものというべきであるから、右の労働組合又は組合員が庁舎管理者の許諾を得ないで庁舎を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対し使用を許さないことが当該庁舎の管理者が有する権利の濫用であると認められる特段の事情がある場合を除いては、職場環境を適正良好に保持し規律のある公務の運営体制を確保しうるように当該庁舎を管理利用する庁舎管理者の権限を侵し、公務の秩序を乱すものであって、正当な組合活動として許容されるところであるということはできない(最高裁昭和54年10月30日第三小法廷判決民集33巻6号)。
以上の見地に立って本件について検討する。前記集会が行われた会議室は吉田局長の管理する庁舎の一部であり、郵便局の業務のため使用されるべきものであって、全逓やその組合員が当然には使用を許されていないものであると認められるところ、吉田局長が会議室の使用を許可しなかったのは、全逓が同年5月10日、ストライキを決行する体制を確立すること及び及び業務規制闘争に突入することとの指令を城東支部に発したため公共企業等労働関係法17条1項に違反するとしたためである……このような指令が発せられた場合において吉田局長が、城東支部に対し施設の利用を許諾することは違法行為を助長する結果となるおそれが大きいと判断したことについては相当な理由があるべきであるから、同局長が会議室の使用を許可しなかったことについて権利の濫用であると認められるような特段の事情がないというべきである。昭和42年5月の各課単位の集会は既に郵便課等集配課以外の課については5月11日以前に実施され、吉田局長もこれらの集会のために庁舎を貸与することは許可していたことが認められるけれども、その後前記のような時化令が全逓から発せられたのであるから、従前庁舎使用を許可していたからといって、集配課分会の会議室使用を許可しなかったことをもって権利の濫用とすることもできない。従って、会議室使用の許可を得ないで開催された同年5月11日と12日の各集会は正当な組合活動として許容されるものということはできないというべきである。よって……原告の行為は、庁舎管理者の許可なく開催された集会に参加し、管理権者の解散命令に従わず、かつ、集会の開催について積極的な役割を果たした点において、国家公務員法82条1号及び3号に該当するということができる。
② 個人責任の不存在の主張について、原告らは本件処分理由たる原告らの各行為は、いずれも、東京地本の指令に従った城東支部執行委員会での決定に基づいて行われ、あるいは全逓中央本部から同支部執行委員会の決議に基づき同支部として行った活動であるから、これらにつき原告らの個人責任を問うことはできない旨主張するが、仮にそのような事実があったとしても、原告らの行った行為が正当な組合活動として認められるものでないことは前記認定の事実から明らかであって、原告らが、それに基づく責任を負うのは当然でありね右の主張は到底採用することができない。
類似の無許可集会に関する判例(古川陽一「一〇・三〇判決以降の組合活動に関する判例動向『労働法律旬報』1517号2001・12・25の32頁以下の判例一覧がある)としては主なものとして、次ぎのとおりである
★全逓新宿郵便局中央郵便局事件・最高裁第三小法廷-昭和58・12・20『労働判例421号は、昼休み中の無許可職場集会に対する解散命令・監視活動は不当労働行為を構成しないとした。
★全逓長崎中央郵便局事件・長崎地裁判決-昭和59・2・29『労働判例』441号カードは地下食堂及び地下男子休憩室の無届利用行為につき国労札幌地本ビラ貼り判決を引用し、即刻解散を命じたことは不法不当なものということはできないとした。
★東京城東郵便局事件・東京地裁判決昭和59・9・6『労働判例』442号は、合理化反対闘争(内容は後述)
★ミツミ電機事件・東京高判昭和63・3・31『労働判例』516号は争議中の集会・デモ・泊まり込み・ビラ配布、赤旗掲揚に理由とする懲戒解雇を是認した。
以上は、争議行為と関連した組合集会についての事例であるが、本質的には平常時、争議行為時いかんを問わず敷地内の無許可集会は規制できるし、監視・解散命令を出すべきだが、東京都は基本的になにもしないのでせ、著しく組合を増長させている。
(未完成推敲不十分)
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