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2007/11/11

ロックナー判決マンセー論(11)

承前

 ロックナー判決マンセ-の含意は、労働者保護立法への敵意・憎悪、古典的自由主義を殺害した進歩主義、階級立法への敵意・憎悪の表明というだけではないです。多数者の横暴によって悪法を作りだす民主政体への不信感も含んでいる。
  混乱した記述になってますが、それは純粋に憲法理論や契約の自由の問題をとりあげてるわけではないからである。
 雇用契約における英国コモン・ローの被用者の黙示的義務条項は合衆国憲法判例であるロックナー判決とは直接的には関係ない。契約の自由の脈絡とは別の事柄であるが、しかし、ここでは労働時間規制、オーバータイムの問題を扱っているから被用者の黙示的義務も絡めて論じなければならない。
 例えば東京都水道局の三六協定拒否闘争(超過勤務拒否闘争)というものがあるわけですよ。年末とか年度末のような繁忙期に大きな闘争になると1週間とか10日とか設定されるわけですが、組合役員が大声で号令をかけて、定時退庁を指令し、デッドラインが迫っていても管理職も仕事を放り出しても止めろということで、退庁しろととか指示してくるわげてす。これは非情に不愉快だ。
 今年からやっているノー超勤ウイークもこれと基本的には同じです。管理職主導で争議行為類似行為をやっているわけです。残業といったって、営業所の徴収関係や庶務課の事務職は上司が命令して何時まで拘束して仕事させるということは私の経験ではないです。任意の自発的な残業なんですよ。超勤の予算は配分で決まってますから。私は8時間コアタイムの実質裁量労働制でいいと言って、超勤予算は組合員で分けて下さいということで営業所ではカラ超勤一律支給を止めてから超勤を請求してないです。庶務経理で係長がどうしても請求しろとか言うから気が進まないけどやったら、一旦超勤請求すると凄まじい毒気仕事させない攻撃をやってきますから、口実を与えることになるから止めたんです。
 要するに、残業は組織の一員として事業を円滑にすすめていく道徳的責任として、業務を遅滞させず遂行しているためのコモンローでいえば黙示的義務条項でいう協力義務、黙示的誠実労務提供義務としてやっている信頼関係を維持するための良心的なものです。指揮命令監督下の超勤ではないんですよ。
 仮に義務ではないとしても責任感、コミットメントとして良心的なものです。お前はペイペイの平で、スタッフではなくラインの人間だから義務感持つ必要ないと言ったってデッドラインを超えて、他部署に迷惑かけて、怒られるのは担当者だから、後始末のリカバリーに時間がかかるし、仕事が遅れるとツケを回すことになるから自己の立場も悪くなるし、顧客の苦情対応もあるんですよ。途中で放り出せない仕事も少なくない。仕事は後回しと指示する監督職員は最低です。繁忙期や育児休業者とかが出てそうした分のカバーも含めると月曜13時間、火曜12時間、水曜11時間といったペースでやっていかないと追っつかない時もある。仕事を先延ばしにして苦労するのは自己自身だから。
 私はペイペイの平ですが年収700万近くあります。これは全勤労者の上位20%の年収で、平均400万よりずっと良い収入ですから、献身的に働いて当然だ。そのうえ超勤手当請求をして東京都にコストをかけるようなことはしたくはないということもあります。良心的なのだから非難される理由はない。
 前にもブログで書きましたが、これは苦情でなくて、偶々、新入女子職員が、引っ越しの受付で水道番号を間違えて受付たために、よそ様の使っている水道料金を口座から引落としてしまったのを発見したケースですが、こういう場合はきちんと謝って、余計にいだだいたお金は即刻還付する。残業してもその日のうちに解決しておかないと、話がこじれて顧客を怒らせたりすると、局の信用にかかわりますから。
 顧客第一主義のウォルマートですが、サンダウンルールというのがあるんですよ。問題はその日のうちに解決して先延ばししない。そういうと東京都水道局の管理職はそんなの関係ねえこの野郎と組合の闘争に協力する(実例は次回としましょう)のが管理職のお勤めだ第一義だとたぶん言うでしょうが、それが東京都水道局の非情に悪い職場風土の要因になっている。
 三六協定拒否闘争というのは残業拒否だけでないんです。いわゆる昼の休息・休憩時間の窓口(料金支払等)、電話受付業務も拒否するので、その間、ふだん実務をやっていない管理職が動員されて、昼休みの実務をやるんです。経常業務である昼当番(輪番制)の業務を故意に阻害してます。昼当番の業務量は決して無視するほど少ないものではありません。少なくとも普段やっている仕事をやらないということは非協力的なものであるとはいえる。たぶん組合は昼当番は8時間を超えて拘束するから超勤対応で1時間分に値するという考えからだと思いますが、私は昼当番をしても超勤請求はしてません。
 唐津博のイギリスのコモン・ローの雇用契約における黙示的義務条項についての専論によると、1972年の遵法闘争の控訴院の判例から、争議行為の一環として就労しながら使用者の業務を故意に阻害する、もしくは使用者に非協力的行為をとること、業務がそのあるべきように運行しないほどの混乱を生み出すような手段を採るならば、つまり労務の不完全な遂行は、労働の〈提供〉とは言えず、契約違反の責任を負い、賃金に対しての権利を発生させないとする(註1)。
 つまり遵法闘争はコモンローでは黙示的義務条項の協力義務違反なのである。
 それは、イギリスの判例法だというかもしれませんが、理屈のうえでは正しいですよ。
 すなわち東京都水道局の管理職は、そのような遵法闘争を、昭和63年最高裁 第一小法廷北九州市交通局三六協定拒否闘争事件判決〔民集42巻10号〕は三六協定拒否闘争を争議行為とみなしていますが、当局は経常業務の昼休みの窓口受付業務拒否もある態様であるにもかかわらず争議行為でないとしています。
 争議行為であろうとなかろうと、非協力的行為は奨励されるべきものではなく、違法行為を是認しているわけですね。 
 そして私のように争議行為に反対する人間を叩こうとする。
 
(註1)唐津博「イギリス雇用契約における労働義務-労働義務の履行に関する若干の考察」同志社法学33巻5号

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