SASインスティチュートの企業文化との比較(4)
政府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会に全面的に反対する。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071218-00000028-jij-pol http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071218-00000029-jij-pol 「就労か出産・子育ての二者択一構造の解消」に大反対、事実上特定階層の女性を優遇する政策だ。二者択一でいいんですよ。
某ママドル歌手みたいに、結婚したい。子どももほしい。仕事も続けたい。外タレと不倫もしたいこれもあれもというのは女の欲張り。底なし沼のようなも女の欲望を許すわけにはいかない。
1970年代までは、女性は多くの場合、高卒で就職しと持参金を蓄えたうえ、25歳を曲がり角として寿退社していたわけですが、その時代は少子化の懸念はなかったわけです。
70年代は大手都市銀行は高卒女子を採ってたんですよ。それが80年代になって短大卒にシフトしたこれが大きな間違いでした。少子化の要因の一つだと思います。高卒就職、25歳を曲がり角にして退職、結婚生活にはいるのがあたりまえだった時代に戻せば少子化なんて一発で解決します。二者択一にした方が問題は解決する。
アメリカは1993年家族・医療休暇法(50人以上雇用する使用者は出産、養子の受け入れ、子・配偶者・親の重大な疾病、本人の重大な疾病のために1年間に12週の無給休暇取得を与えるもの)だって猛烈な反対があって、ブッシュ父が2回拒否権を発動して、クリントン政権になってようやく立法化したんです。
それ以上に女性を甘やかすことは全米女性機構もたぶん反対すると思いますよ。だって全米女性機構は男性と同じ土俵で働きたい主義ですから。あまり女性を保護・優遇すると、会社は女性の雇用を控えるようになりかえって不利益という主張です。そちらのほうがまともでしょう。
ところが我が国では男も育休を取れとか有給休暇完全消化せよとか異常にあつかましいです。それを数値目標にするとか言ってますが、規制廃止の数値目標ならともかく、特定の偏った価値観にもとづく働き方を強要することを数値目標とする政策ほど不愉快なものはありません。
有給休暇完全消化なんてふざけるな。そんなとろいことで競争環境を生き残れるか。東京都のような地方公務員はぬくぬく完全消化する人が多いですが、民間では40代になって成果も出せない人は会社で居場所がなくなるようなところだつて少なくないはず。本当に一生懸命仕事に励まなければならないのですよ。大体、日本人はアメリカ人より働くなくなった、(鈴木敏仁氏の「仕事中毒のアメリカ人」を見て下さいhttp://www.retailweb.net/2005/09/)。私がウォルマートの企業文化を称賛するのは、コミットメント、仕事に励むこと、粉骨砕身働く価値、モラールを再興させた意味です。仕事中毒でで正しいんですよ。
そういう価値観を否定するのは、反道徳、反倫理的なものであるから絶対容認できません。
そもそも有給休暇は米国では1920年代のウェルフェア・キャピタリズム、従業員福祉の重視で組合の組織化を防止しようという、組合不在企業の政策の一つとしてはじまりました。しかし1980年代になると、株主主権論、リエンジニアリング、ダウンサイジングの流れがあって、90年代には従来なかったホワイトカラーのレイオフも行われるようになった。有給休暇のような福祉は縮減がトレンドと見てよいでしょう。有給休暇は減らして労働時間は増やすべきです。
従業員に優しい企業の典型とされ、エンジニアのパラダイスとも言われるSASインスティチュートでも「平均勤続年数16.7年で24.5日の休暇を取ることができ、そのうち9日は有給で、それ以外に2.7日の休みを取れた」(伊藤健市「SASインスティチュート社の人的資源管理」伊藤・田中・中川編著『現代アメリカ企業の人的資源管理』税務経理協会2006年)とされ、有給は9日ということです。
アメリカではファミリーフレンドリーとされる企業でもそんなもんだということです。
SASインスティチュートみたいに卓越した特別の社風で知的財産の蓄積で生産性の高い企業でもその程度ということですよ。国を挙げて意識改革、有給休暇を完全消化なんて狂気の沙汰としか思えません。
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