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2007/12/02

SASインスティチュートの企業文化との比較(2)

直接的に論題と関係はないが、バックグラウンドの説明としてノースカロライナの近年の情勢について簡単に述べます。かつては工場町の州でした。繊維、家具、室内装飾、タバコが重要な産業でした。しかしニュースオブザーバー(ローリー)の次の記事Manufacturers adapt, prosper  http://www.newsobserver.com/2659/story/589669.htmlなどを参考に述べますと、1990年には25%が製造業で働いてました。しかし今日では8人に1人です。ノースカロライナは2002年と2005年の間に7万2千も生産ジョブを失いました。製造業の雇用は減りました。
しかしノースカロライナは製造業州としての基盤がありなお希望を持ちたいと思います。2005年に、メーカーはノースカロライナの州民総生産の19.4パーセントを占めていました。1990年の30%より後退してますが、なお重要な産業であることを示してます。
  グリーンズボロを本拠とするVFコーポレーションは世界有数のアパレル企業ですが地元の工場を閉鎖するなどのリストラにより業績は好調です。代表的なブランドは、Lee http://lee-japan.jp/、Wrangler  http://www.wrangler.co.jp/index1.html、Riders http://www.ridersjeans.com/、Nautica http://jp.nautica.com/、、JanSport  http://www.jansport.com/js_home.php、The North Face  http://www.thenorthface.com/ap/index.html、Reef  http://www.reef.com/ など。
かつては州内各地でジーンズを生産しましたが、現在は州内で生産せず、契約者に生産を渡しました。
技術革新で成功している企業もあります。バーリントンの近くのGlen Raven Millsはパンティーストッキングのメーカーでしたが、もう作ってません。SUNBRELLAというブランドなどで日除け、天蓋で色のあせることのない高度な織物を開発してます。こうした技術の進歩でノースカロライナは5200万ドルの織物を昨年中国に輸出しています。http://www.glenraven.com/ndex.php?lang=en&page=news-events&yr=2007&rss=20070910
シャーロットを本拠とするNucorは製鉄業を変革しました。「ミニ工場」が古い車、冷蔵庫、および他のスクラップを鉄鋼に効率的に、そして有益に変えました。Nucorの株価は2000年の7.50ドルの安値から2007年に69.25ドルまで上昇しました。ニュースオブザーバーの次の記事Nucor turns scraps into profitを見て下さい。http://www.newsobserver.com/2659/story/589719.html
  カロライナは東海岸の地理的有利と、労働力の質と技能があります。ダ-ラムが近年メルク(ニュージャージーを本拠とする)のワクチンプラントを誘致しました。3億ドルが投資されます。メルクは、16の州の100を越える候補地の中からダーラムを選びました。http://www.siteselection.com/ssinsider/incentive/ti0401.htmhttp://www.newsobserver.com/104/story/470933.html2006年にはウェーク郡ホーリースプリングスにノバルティス(スイス・バーゼルを本拠とする)のワクチンプラントの誘致に成功しました。http://www.newsobserver.com/104/story/461695.html http://www.hollyspringsnc.us/news/2006/novartis.htmイーズリー州知事は、ノバルティスの投資が少なくとも2億6700万ドルになり結局6億ドルに達するとしています。今年はグリーンズボロにホンダジェットhttp://www.honda.co.jp/tech/new-category/airplane/の誘致が発表されました。州東京事務所によると「ホンダの米子会社ホンダ・エアクラフトは、2月に発表済みであるノースカロライナ州Greensboroの飛行機組立て工場への1億ドルの投資に続き、Burlingtonのジェットエンジン組立て工場の建設に2700万ドルを投じると発表しました。」http://www.nctokyo.com
 
 ノースカロライナには州全体で840万、日本で言うと東北地方6県ぐらいの人口規模ですが、人口百万超の三つの中心都市圏があります。

トライアングル地域(州都ローリー 、ダーラム、チャペルヒル)http://triangle.bizjournals.com/triangle/index.html http://triangle.dbusinessnews.com/ http://www.rtplinks.com/

ピードモントトライアッドTRIAD(グリーズボロ、ウィンストンセーラム、ハイポイント)http://triad.bizjournals.com/triad/ http://triad.dbusinessnews.com/

シャーロット大都市圏(ガストニアとサウスカロライナのロックヒルを含む)http://charlotte.bizjournals.com/charlotte/ http://charlotte.dbusinessnews.com/です。

トライアングルというのは三都市のハイレベルな大学、チャペルヒルのノースカロライナ大学(U.S. News & World Reportのランキングで28位)、ダーラムのデューク大学(ランキング8位)、ローリーのノースカロライナ州立大学(ランキング85位)の三角形をさすと見て良いでしょう。6,900エーカ-の敷地を有する世界的に有名なリサーチトライアングルパークhttp://www.rtp.org/main/ があります。ここにはIBM、グラクソ・スミスクライン、ノーテルネットワーク、シスコシステムズ、Sony Ericsson Mobile Communications、バイエルクロップサイエンス、DuPont iTechnologiesその他、日本企業では住友電工、エーザイなど。政府機関では米国環境保護庁、国立環境健康科学研究所が進出してます。最盛期には5万人働いてました。マイクロエレクトロニクス、バイオテクノロジー、医療など先進的な地域となっています。(従業員の規模は少し古い資料ですがこれhttp://www.teer-rtp.com/bbreloct.htm) もっとも産学官連繋はよその州でもまねしているため、もはやカロライナはハイテクを牽引する州とはいえなくなったという評価もありますが。
リサーチトライアングルパークは1965年にIBMが進出したことでハイテク拠点と成功したといえるでしょう。最新のデータでもIBMが州内で1万3千人を雇用してます。IBMはカロライナの発展に貢献しました。パソコン開発のヘッドクォーターはカロライナでした。このためレノボの米国本社はカロライナになりました。まだニューエコノミー景気が持続していた1998年にリサーチトライアングルパークにはIBMで1万4千、ノーテルが3千人、シスコが2千5百人働いてました。カロライナは田舎ですが、人材を引きつけました。
ただ上記に挙げた企業は州外や外国に本拠のある企業です。
地元のハイテク企業というとトライアングル地域では例えばCree IncというLEDのソリッドステートの照明、半導体のメーカーとか、私は全くなじみがありません。リナックス開発のレッドハットも一般にはなじみがない。
 そうした中でSASインスティチュートは非上場企業ですがカロライナが誇ることのできる地元企業といえるでしょう。

SASの所在地であるケアリー(Cary)は人口10万ほどで、州都ローリーとリサーチトライアングルパークに隣接します。知識労働者のベッドタウンです。
ローリー-ケアリー地域がフォーブスの全米で仕事に適した都市ベスト25の第1位になっております。意外でした。トライアングル地区はなお成長するという認識でしょうか。アリゾナのフェニックスあたりかと思ってましたが。http://www.forbes.com/home/2007/02/15/best-cities-jobs-leadership-careers_cx_hc_0216cityjobs_slide_2.htmケアリーは住宅地として高く評価されてます。http://news.bigg.net/lang/ja/n67995-Cary_North_Carolinas_Borders_Bulge_as_More_Find_Nirvana_within_City_Limits.html

元々、ハイテク企業は従業員に優しいとされる社風の企業が多い。
SASも従業員を大切にする。人当たりが良く、フレンドリーということで基本的には非組合企業のウェルフェアキャピタリズムの系譜を継承する社風といえる。ハードワーク主義を採らないのは、新興企業が人材を確保するための差別化戦略と見ることもできます。シリコンバレーのようなストックオプションやフリーエージェント制、契約時のボーナスはないわけです。35時間制はその埋め合わせでしょう。専門職は雑務を嫌いますが、雑務をなくして創造的な執務環境を与えて高い意欲を持った状態(リテンション)を持続させ、職場環境の良さとフレンドリーな社風で人材を引きつけ離職率を低くして、福祉・教育訓練投資のコストを低減させる手法である。
一日8~9時間はとろいと思う。猛烈に働きたい人はよその会社に就職したてほうが良いかもしれない。
SASインスティチュートの自発的離職率は4%という低い数値を示しているが特別のものではない。斎藤智文の「『働きがいのある会社』は,財務的にも成功を収めている」http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070608/274140/という論説では過去5年間の自発的離職率についてシスコシステムズが 2~5%、マイクロソフトが4~6%、クアルコムは2007年に1%と低く、(斎藤は挙げてないがテキサス・インツルメンツやアドビシステムズも自発的離職率は低い)SASインスティチュートとともにリテンションに成功している事例として挙げている。
斎藤智文の言わんとすることは要は企業風土の重要性ということだろう。

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