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2008/05/18

感想 根本猛「男女別学の合憲性 ―VMI判決を中心に―

  1996年のバージニア州立士官学校の男性のみを入学させると言う政策が平等保護条項に反し違憲(7対1)とした判決の論評。http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/handle/10297/1343静岡大学法政研究3巻2号1998年。
  ワースト判決だと思う。フェミニストのギンズバーグ判事の法廷意見は不愉快だ。
  私はスカリア判事の原意主義とは立場が異なるが、建国以来の長い伝統に支えられた慣行を覆すべきではない。男女別学の教育的価値について司法部が干渉すべきではないとする反対意見に大筋で同意する。
  そもそも、私は女性差別を平等保護条項で違憲とした1971年のリード判決がウーマンリブに迎合したものとして反対なのである。クレイグ判決で採用された中間審査基準も厳格過ぎると思っていた。ホーガン判決も5対4の僅差だったはず。
  ところがギンズバーグ法廷意見は9回も性差別が正当化されるためには「非常に説得的な正当化理由」が必要だと述べ、これは厳格過ぎるし(強められた中間審査基準)、中間審査を採用した先例からも逸脱しているというスカリア反対意見に同調する。

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