制限的労働規則が問題だ
アメリカの産業別労働組合で何が問題かというと 制限的労働規則(restrictive work rules)である。労働組合による仕事の制限、統制である。「工場内における職務を細分化し、個々の職務範囲を極めて狭い範囲に限定するものである。このため、単一の工場内における職種が数十種類に及び、組合は個々の職種ごとに賃金等を設定し、仕事の規制を行うので、職場組織は極めて硬直的となる。」 http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpyj199401/b0055.html
日本は戦前から大企業が存在し、新技術の導入と人員配置は経営者の強い権限を持つモデルなので、柔軟に対応できるが、アメリカの組合セクターはそうではない 。米国に進出した日系自動車工場がUAWの組織化を嫌うのも主としてこの理由である。「米メーカー並の複雑な就業・作業規則などを締結すると‥‥規則に手足を縛られ‥労働者の配置転換1つを取っても、大きな困難となる。」http://www.jil.go.jp/mm/kaigai/20010829b.html
さらに、組合セクターは従業員の競争を排除するので、個別の査定による業績給が導入できない。同志社大学大学院教授佐藤厚のコラムから引用すると「組合員内部には、階層格差が全くなく、したがって入職してから経験を積むにつれてより上位の地位に昇進するキャリアもない。細かくみると、チームリーダーには多少の上乗せ賃率(時間当たり0.5ドル)があったり、修理などを行う保全労働者とラインのオペレーターとでは時間賃率に差があったりするが‥‥働きぶりの個人差を反映する査定や熟練形成に伴う昇進キャリアのない世界」なのである。日系企業には職長への昇進キャリアがある。http://sosei.doshisha.ac.jp/column/07.html
北米日産の工場に組織化を仕掛けても、大差で組合設立が否認されている。http://www.jil.go.jp/mm/kaigai/20011017a.htmlオハイオやインディアナに工場のあるホンダの組織化も困難である。労働者もUAWのような制限的労働規則では、生産性が向上せず、結局競争力を失うことがわかっている。
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