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2008/12/09

スミスフィールド豚屠殺場の組合代表選挙に思う(1)

  ニュースを追ってなかったので、10日、11日といわれる組合代表選挙の予測はできませんが、カロライナは組織率が低く、勤勉に働く風土と、州の職業訓練を充実しているイメージを損なうことになるので、4600人という大きな工場が組織化されないこと望む。
 スミスフィールドは米国最大の豚肉加工業で、無菌豚は日本にもかなり出回っているようだ。人々から愛され評価されているブランドである。

 合衆国では1947年タフト・ハートレー法で被用者に団体行動に関与をしない権利を定め、労働組合に被用者に団結を強制したり、雇用者に被用者を差別せしめることなどを不当労働行為として追加し、労働組合に権力を付与した1935年ワグナー法の行き過ぎを改め労働組合の権力の濫用を抑制するとともに、使用者側の対抗言論を保障し労使関係において法律的には中立主義としたのみならず、ユニオンショップについて数々の規制を設け、ユニオンショップ協定のもとでも、組合に対する誹謗中傷、組合秘密の漏洩、スト破りを理由に解雇を要求できなくし、不当に高額な組合加入費を要求することもできなくし、ショップ制は事実上組合費徴収の手段となった。これは多くの企業でユニオンショップが慣行となっていて労組に甘い日本とはかなり状況が異なる点である。
   しかし、タフト・ハートレー法で満足はしません。適正な交渉単位において3割以上の署名を得て組合代表選挙により過半数の労働者の支持を得た労働組合が団体交渉権を取得できるシステム自体もなくしたい。つまり、エプステイン教授の言うように、1932年ノリス・ラガーディア法以降の労働立法を廃止して20年代以前のレッセフェール時代に戻すべきであります。
 イギリスの保守党政権当時のように、組合を承認するか否か(団体交渉するか否か)  は経営側の判断として、政府が団体交渉を推進するようなシステムでないほうが良いわけです(現在は労働党政権によって法定組合承認制度がある) ニュージーランド国民党による1991年雇用契約法(Employment Contracts Act)も個別雇用契約が団体契約より優先するシステムで 、経営者が認めなければ団体交渉はできない。
 このように経営者が組合を無視して否認できる制度が一番良いわけで、組合代表選挙というのもうざったい。それなら今回のスミスフィールドフーズの豚屠殺場のような場合も、組織化されずにすむわけです。
 三和総合研究所の2001年の「米国労働市場の柔軟化と産業競争力の回復」とというレポートhttp://www3.keizaireport.com/jump.cfm/-/ReportID=674/によると、「80年代以降、製造業を中心に競争力の低下に苦しんだ米国企業は、ダウンサイジング、リストラクチャリングにより経営の効率化・競争力の強化を図った。また、従来は固定費とみられていた人件費を需要の変動に合わせて調整する「人件費の変動費化」が進んだ‥‥  90年代の米国の企業経営の変化として特徴的なのが、①人員削減(レイオフ)の一般化である。従来は例外的だったホワイトカラーのレイオフも、恒常的に行われるようになった。レイオフは、企業経営効率化の手段として定着した。‥‥(2)不採算・非効率部門の業務のアウトソーシング(外注化)も盛んに行い、人材派遣などの非正規雇用を増やした。さらに、(3)組織形態のフラット化による中間管理職の削減や、(4)情報機器を利用した事務職の削減などにより、人件費負担の軽減を実現した。米国企業は、人件費の変動費化を進めることで収益力の向上を図った。‥‥米国企業の人件費の変動費化を目指す動きにより労働市場が柔軟化し、労働力の移動は活発になり、結果的に米国経済も復活を遂げた。米国の経験から、日本経済の復活に必要な条件のひとつは、労働市場の柔軟化を促す構造変化であることが示唆される。」
 と説明しているが、それが可能だったのは、タフトハートレー法で組合組織化に歯止めがかかって組織率は低下し、例えばドイツのように産業別組合の労働協約で地域別に賃金が決まってしまうような構造ではなかったことなどがある。
 しかし、金融危機での景気後退を考えると、アメリカを強くするためにもっと自由主義的な政策が求められる。それは、ワグナー法以降の労使関係法の廃止ないし団体交渉権の否定をやって20年代に戻すことだろう。もし全米自動車労組がなければ、ビッグスリーも救済を求める必要はなかったかもしれないから。

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