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2009/02/21

感想  滝沢聿代 「民法改正要綱試案の問題点(上)」(1)

  14年ほど前のものだが、良識的な論評として高く評価する。『法律時報』66巻12号1994年11月

   1 婚姻最低年齢

    現行民法731条による男18歳女16歳を男女とも18歳とする改革案を厳しく批判している。

 まず、比較法的に英・独・仏の婚姻法制を検討しているが、イギリスが男女とも16歳が法定婚姻適齢である(正確にはイングランドが16~17歳は親の同意要、スコットランドは親の同意も不要-川西)。ドイツは成年である18歳を基準とするが、未成年者においても配偶者が成年であるという条件で16歳以上で婚姻の可能性を開いている。つまり男女を問わず結婚相手18歳以上なら16歳の婚姻を可としている。16-16はダメだが、18-16なら良いというものです。フランスは男18歳、女15歳(例外規定もある-川西)であるが、それが差別だとは論じられていないとする。
 著者はアメリカ合衆国について言及していませんが、50州及びDistrict of Columbia and Puerto Ricoの法定婚姻適齢については、コーネル大学ロースクールLIIのMarriage lawsのサイトを見てくださいhttp://topics.law.cornell.edu/wex/table_marriage。各州の婚姻適齢の一覧表があります。マサチューセッツではコモンローの婚姻適齢男14歳、女12歳が今でも生きている。
 それはともかく実は日本の戦後の男18歳、女16歳というのは、当時アメリカ合衆国の各州の婚姻法制でこのケースが多かったために、アメリカにならって、戦前の男17歳、女15歳から1歳引き上げたという経緯があるため、婚姻適齢法制の母法はアメリカなんです。
 1970年以前は18-16のケースが多かったのですが、アメリカでは古くから統一州法全国委員会が主体となって統一州法というものが幾つかあるが、婚姻法についても一定の方向性を打ち出ししている。これは拘束力はないが、男女とも16歳を婚姻適齢とし、18歳は親の同意を得ないで結婚できる年齢とするもので、16歳未満についても裁判所の許可で婚姻が可能なモデルで、各州で70年代以降部分的に採用されてます。従って、多くの州で男女とも基準を同一にする州が多くなりました。不成立でしたが男女同権条項は35州が批准していることもあります。その場合でも、統一州法のモデルどおり男女とも16歳を法定婚姻適齢の基準としている州が圧倒的に多い。私が数えたところでは50州のうち41州は16歳女子は文句なしに婚姻適齢とされています。17歳、18歳を基準とする州でも例外規定があるケースが多い。さらに16歳未満でも例外規定で裁判所の許可により結婚可能としている州が結構多く、男女差をなくす場合でも、16歳、17歳の結婚の可能性を否定することにはなっていないんです。
 法制審議会は、男女とも婚姻年齢を18歳以上とするのが世界的趨勢とか言ってますが、嘘ですね。悪質にも国民をだましているんですよ。ソ連やスウェーデンがそうかもしれませんが、米・英・独・仏といった主要国では16歳女子は結婚できることになっています。
 著者は平等取り扱いを優先するとしても、例外規定を持たず婚姻年齢を男女一律とする場合には14歳、16歳のように低い年齢に抑えることが一般的傾向と見うる。と述べている。これは良識的な見解で法制審議会と対立しています。

 さらに改正は望ましくないとする野田愛子氏のような家庭裁判所の実務家の見解(戸籍時報419号)を無視していることを厳しく批判してます。家庭環境に問題があり「非行」に走る少女も結婚すると落ち着くということです。結婚が解決策になるのです。人間学的に言えば、喜びと苦労を分かち合うことで喜びは倍になり、苦しみは軽減され、人生の困難を乗り越えていくことができるのです。従って必ずしも恵まれていない環境にある若い女性から法定婚姻資格を剥奪するのは過酷であると私は考えます。なるほど、16歳、17歳女子が結婚するカップルは、年間3000組程度ですが、全体数からみて少ないから切り捨てよというのは乱暴な議論であり、人情にも欠くものです。結婚し家庭を築くことは幸福追求にかかわる基本的な価値でありますから、安易に伝統的に容認されていた婚姻適齢での婚姻資格を剥奪することは、個人の幸福追求権より形式な平等追求を重んじるもので賛成できません。
 著者が「形式的な平等を追求する必要が果たしてあるのかという疑問は当然生じる」とと述べているのは正論である。
 
 さらに著者は法制審議会身分法小委員会の見解、高校進学率の高まりから婚姻適齢に高等学校修了程度の社会的、経済的成熟を要求することが適当であるとしている点に激しく批判している。「しかし、婚姻適齢の制度自体がそもそも少数者の例外的状況を念頭に置いた理念的な内容のものである。高校を修了したら誰でも婚姻しようと考えるわけではない。他方、義務教育のみで学校教育を終える者は依然存在し、これらの者にこそ婚姻適齢の規定が意味を持つ可能性は高い。安易な現状肯定から導き出される改正案の裏付けの貧しさに不安を覚える」とされています。
   結婚するために高等学校修了程度の社会的成熟が必要だなどという法制審議会の見解ほど非論理的なものはない。タレントの三船美佳は13歳頃から面識のある24歳年長の高橋ジョージと交際へと発展し、1998年の16歳の誕生日に入籍してますが、法制審議会の論理によれば高校を修了していない三船美佳の結婚は不適切な結婚といえよう。しかし10年たっても期待に反して離婚はしていない。法制審議会のいうようにこれが悪い結婚だと結論することはできないと私は思います。法制審議会の論理でいくと、中卒の北の湖前理事長に婚姻能力はなかった。高校中退者の婚姻は望ましくないということになります。
 そもそも高校は義務教育ではないから、義務教育修了後、進学するか就業か、昔のように礼儀をならうために奉公して結婚準備するかということは、それは全く親の監護教育権、身上統制権及び本人の自己決定権の領域であって自由である。政府が干渉、要求すべき事柄ではない。百歩譲って高校進学が望ましいとしても、昼間定時制とか単位制高校とか、結婚生活と両立しうる学業も可能なのである。娘の幸福を第一に願うのは両親であって、政府や日弁連に指図される理由など全くない。

 著者の結論は、民法731条に手を加えないことが望ましいとするもので私も同意見である。著者は皮肉まじりに批判する。「一八歳未満に法的婚姻を全く否定する政策は、婚姻適齢を比較的高くし(男二二歳、女二〇歳)、一人っ子政策によって人口抑制をはかる中国法のような方向に接近するものと理解されなければならない」

 民法学者はどうしてこう杓子定規な結論を出すのか。婚姻適齢を男女とも18歳にして形式的平等を達成するというのは婦人団体や日弁連の女性委員会がかねてから主張していたもので、それは男女平等達成のシンボルとしての意義があるということであるが、日弁連や女性団体のメンツが第一で絶対に逆らえないということか。従って個人の幸福追求より、フェミニストのご機嫌取りを重んじる法改正に私は反対なのである。
   民主党は成人年齢を18歳とし、婚姻年齢は女子を16歳から18歳に引き上げ形式的平等を達成することを公約していますので、民主党単独政権となった場合、16~17歳女子婚姻資格剥奪は確実と思われますが、私は強く反対します。
 

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