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2009/03/07

オープンショップ運動・レイバーインジャンクション・ウェルフェアキャピタリズム1920年代黄金時代の意義(2)

 
 レイバーインジャンクション(労働争議差止命令)その1

 
(要旨-結論)レイバーインジャンクションを断固支持した1920年代連邦最高裁タフトコート。営業権は財産権である。取引を妨害する団結・ストライキは公的不法妨害  public nuisanceという判断を支持する。 階級立法を容認せず断固叩き潰すというのが正義だ。階級立法こそ憎むべき自由の敵である。法の平等保護を厳格に解釈し、階級立法のすべてを違法とすることが正しい。(今回は前置きなので20年代以前の展開のみ)

 私は30年代の労働立法、1932年の反インジャクション法、ノリスラガーディア法や1935年のワグナー法、1938年の公正労働基準法は廃止すべきであると述べてきた。我が国においても息苦しい社会の閉塞感を打破するため、戦後レジームを根本的に見直し、黄金の1920年代的公序モデルへの回帰を主張したい。20年代の何が良かったか。その1つは司法部が保守的だった(いわゆるロックナーエイジである)。アメリカでは1880年から1930年に少なくとも4300件の労働争議差止命令が出され、特に1920年代にはストライキの25%に差止命令が出されたのである。なぜならば持続的事業活動の妨害やストライキは財産権を侵害するものとして法と秩序に反するとされていたのである。それが正常な感性である。
 賃金カルテルたる労働組合を駆逐することにより、より競争的で自由な企業活動と雇用契約の自由を保障することが経済再生の近道である。
 
 財産権は神聖であるというチャンピオン的見解
 
  ブラックストンの『英法釈義』(1765~69)「財産権ほど、かくも広く人類の想像力を喚起し、その心を魅了するものはない。それは1人の人が外界の事物に対して主張し行使する唯一の独裁的な支配であり、世界中の他の人々がその権利をもつことを全面的に排除するものてある」「第三の絶対的な権利、これはイングランドの人間なら誰もが生まれながらにして持っているものだが、この権利とは財産についての権利であり、それは、自分の取得したものは何であれそれを、自由に使用、収益、処分できるということである。そして、その制約を受けたり減らされたりすることは、唯一国の法律によるのでなければ、一切なしえないのである」(『公用収用の理論―公法私法二分論の克服と統合』 リチャード・A.エプステイン 松浦 好治訳37頁)
 「国の法律」の意味だが、20世紀の社会経済規制立法のように財産権を制約することを正当化するものでは全くないのである。「正規の手続によらなければ個人から財産を奪うことはできず、特例的、臨時的な手続きでは裁判の代わりになりえないことを意味するものでしかない‥‥ブラックストンの時代にあっては‥‥議会優位の発展は見られなかった」(前掲書49頁)と説明されているとおりである。つまり財産権は議会の立法権によっても侵害されるべきものではない。

   合衆国最高裁極保守派裁判官と知られるブリューワ判事(David Josiah Brewer任1889~1908)は1891年のイェール大学の講演で次のように述べた。
「イヴが禁断の果実さえ欲して占有をした、その記録に残る最初の時代から、財産の観念とその占有権の神聖さとは、一度も人類から離れたことはなかったのである。理想的人間性についていかなる空想が存在しえようとも‥‥歴史の夜明けから現代の時代にいたるまで、現実の人間の経験は、占有の喜びと一緒になった獲得の欲求が、人間活動の現実的な動機となっていることを明らかにしている。独立宣言の断定的な表現のなかで、幸福の追求は譲渡することのできない権利の1つであると断言されているとき、財産の獲得、占有、及び享有は、人間の政府が禁ずることができず、それが破壊することのない事柄であることが意味されているのである。‥‥永遠の正義の要請は、合法的に取得され合法的に保有されたいかなる私的財産も公衆の健康、道徳あるいは福祉の利益のために、補償なく略奪されあるいは破壊されることを禁ずるものである」(ラッセル・ギャロウェイ著佐藤・尹・須藤共訳『アメリカ最高裁判所200年の軌跡 法と経済の交錯』 八千代出版1994年 89頁)

 レイバーインジャンクションと財産権の無体財産への拡大

 私がブリューワ判事をチャンピオンとして尊敬する理由は上記の講演や1905年ロックナー判決の賛同者と言うだけではでない。1895年デブス事件判決起草者であることである。IN RE DEBS, 158 U.S. 564 (1895) http://caselaw.lp.findlaw.com/scripts/getcase.pl?court=us&vol=158&invol=564 
この判決の意義はレイバーインジャクションと労働争議へのシャーマン法の適用を支持した。つまり1894年のプルマンストライキにおいて、郵便車両運行の妨害が行われたが、連邦政府の営業(郵便)は財産であること、これを保護するに普通法上の救済では不十分であること、州際通商を妨害するストは公的不法妨害であることを確認し、又、州際通商妨害抑止のため、法務総裁の申し立てに基づく差止命令の利用を認めたシャーマン法(1890年)の労働争議への適用を承認した法の労働争議への適用を消極的ではあるが支持したことにある。
 これによって労働争議は衡平法管轄権にとりいれられ、レイバーインジャンクションの著名な歴史がはじまった(山内久史「アメリカ連邦労働政策の変化とレイバーインジャンクションの機能 : ノリスー・ラガーディア法の成立とタフト・ハートレー法以後の展開」『早稲田法学会誌』36巻1986http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/handle/2065/6448)決定的意義である。
  私は、シャーマン法が、起草者のシャーマン上院議員は意図していなかったにせよ、労働組合にも適用され、鉄道ストや二次的ボイコットのような労働争議の抑止力となった点を高く評価したいのである。労働組合の本質が、本来は不法な取引=営業の制限と競争の抑止にある以上、営業制限の法理というコモン・ローのアプローチを採用したシャーマン法に適用されたのは道理で不可解な事では全くないと解釈するものである。
 池田信夫ブログの「春闘というカルテル」http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/153f6e42c9974b9fecb8587809017d50、を見てください。賃金カルテルが労働組合の本質でもあるわけです。
 賃金カルテルは18世紀の代表的な法曹の見解によればコンスピラシーであり犯罪だった。法曹の大御所であったマンスフィールド卿(王座裁判所King,s Bench主席裁判官、近代において最も偉大な法曹の一人)の1783年のエックレス事件の意見は傍論ではあるがよく引用される。「起訴状に共謀を実現する手段を記述する必要はない。何故ならば犯罪は害悪を何らかの手段をもって実現する目的のもとに、共謀することにあるからである。違法な結合が犯罪の眼目である。商品を所有する者は個人として自己の欲する価格でそれを販売し得る。しかし彼等が一定価格以下では販売しないことを共謀し、合意するならば、それはコンスピラシーである。同様にあらゆる人間は自己の好む場所で労働できる。しかし、一定価格以下では労働しないとして団結することは、起訴さるべき犯罪である」(片岡曻『英国労働法理論史』有斐閣1952)つまり団結・労働組合は刑事共謀そのもの犯罪団体であることを本質としております。それを労働基本権とか言って、人権だなどというのはちゃんちゃらおかしいわけであります。

 1890年制定シャーマン法第1条は「州際、外国との間の取引あるいは通商を制限する全ての契約、トラストその他の形態の団結、共謀を不法とする」ものだが、「契約」「団結」「共謀」という文言が労働組合を包含するのかという問題について、労働組合を本法の適用外におくという修正条項も検討された。ところが法案提出の最終段階で修正条項が脱落したといわれている。それは議会が労働組合も脅威と認識されていたことを示す。我が国でも独占禁止法は労働組合にも適用できるようにし取り締まることによって駆逐するというのが私の考えであリます。
 シャーマン法が労働組合に適用された最初の事件は1893年3月25日のニューオーリンズの荷馬車馭者組合の同盟罷業と他の組合の同情罷業が、州際ないし国際間の取引商品の輸送を完全に遮断したという理由で検察側のインジャンクションを許した事例であるが(田端博邦「アメリカにおける「営業の自由」と団結権 」東京大学社会科学研究所研究報告 第18集『資本主義法の形成と展開  2』東京大学出版会1972年)
  しかし、ストライキの規模の大きさという点で1894年プルマンストライキの労働争議差止命令の意義が大きい。

   (1894年プルマンストライキの概要)

 シカゴのプルマン寝台車会社は寝台車や展望車を製造し、シカゴに集まるすべての鉄道会社と契約して、会社の車両を旅客列車に連結して料金を徴収し営業を行い、寝台車の客室サービスもプルマン寝台車会社の直営だった。
 1894年5月、20%賃下げの提案をめぐって労働争議となり、労使交渉は進捗せずストライキが続いていたが、6月26日からデブスを組合長とする産業別組合のアメリカ鉄道従業員組合が、プルマン車の連結した列車の取り扱いを拒否する、一種のボイコットを行った。このためプルマン車と契約関係にあるすべての鉄道会社が紛争に巻き込まれ、当時はまだ自動車輸送が発達していなかったので、州際取引商品の輸送が止まり、郵便も止まった。
 6月30日にシカゴ駐在の連邦司法検事は首都の法務総裁に次のように報告した。「29日夜ストライキ参加者によって郵便車が止められ、機関車が切り離されて動かなくなった。情勢は次第に切迫し、あらゆる列車がとまるおそれがある。執行吏に、列車に乗り込んで郵便を守り、妨害者を逮捕し、執行代行者を雇い入れる権限を与えることが望ましい」。 法務総裁はこの提案を認め、時のクリーブランド大統領はインジャンクションを裁判所に申請した。
 その根拠は第一に憲法及び普通法の下において郵便および州際取引は連邦政府の専管に属するものであり、その保護には連邦裁判所が差止命令によって干渉する権能を有する。第二に1890年7月2日に成立したシャーマン法が州際間の営業または取引を制限する共謀は違法であると宣言され、連邦巡回裁判所にこの種の共謀を防止し差止める権限が付与されていることであった。
 全般的差止命令は7月3日に送達された。
 内容は大略して被告デブス、ハワード…ならびにかれらと団結し共謀するすべてのものに下記の行為を禁止するものあった。
 州際の旅客並びに貨物の運送人としての業務、郵便車、州際取引に従事する列車、機関車、車輌、鉄道会社の財産につき業務を妨げ、阻止しまたは停止する行為。鉄道の構内に上記の目的で立ち入る行為、信号機に対する同様の行為、鉄道会社の従業員の何人に対してでも、従業員としての義務の履行を拒みまたは怠るよう、威嚇、脅迫、説得または暴力を用いて強要しまたは勧誘し、あるいはそれを企てる行為、従業員になろうとする者を同様の手段で妨げる行為、州際輸送を妨害するための共謀、団結の一環をなすすべての行為、上掲のいずれかの行為を行うよう命令、指令。幇助、助成する行為。
 しかし7月3日の状況は、ロック・アイランドの連絡駅で、2千から3千人の暴徒の群れが占拠していて、郵便車を転覆させ、すべての車輌の通過を妨害した。解散命令には応じず、嘲笑と怒声になった。さらに暴徒は数台の手荷物車を横倒しにしたため、軍隊の出動が要請された。夜9時には陸軍司令官の出動命令を出され、軍隊が到着したが、鉄道施設の破壊や焼打ちが行われ、連邦裁判所の差止命令に公然たる挑戦がなされた。
 しかし6日に逮捕が進行し、8日に大統領より市民は暴徒に近づかないよう告示が出された。10日にはデブスら労働組合幹部が逮捕され、20日には軍隊が去りストライキは終息した。 ( 有泉亨「物語労働法12第11話レイバー・インジャンクション」『法学セミナー』1971年8月号)

  レイバーインジャンクションはアメリカ法の南北戦争後の発展によるものである。山内久史(前掲論文)によると、使用者の営業権は財産権ではなく人格権と理解されていたし、取引を制限するような団結は犯罪であると解されていた。労働争議を衡平法管轄権に委譲する制定法はなかったが、南北戦争後のアメリカ産業の発展にともなう複雑な社会問題に対応するためには普通法の事後的損害賠償では救済は不十分だった。又、陪審員が介在する刑事訴追手続きでは審理が遅延するため、違法行為の抑止のためには衡平法上の手続と法定侮辱罪の利用を求められるのは当然だった。
 差止命令は略式手続で迅速に発給され、それに従わない被告は法定侮辱罪を構成するので、労働争議抑圧に効果的であったのである。
 そのために財産権は有体財産から無体財産に拡大し、従来人格権とされていたものの保護に衡平法上の手続と救済を与え、犯罪を公的不法妨害、法定侮辱罪で処罪できるようにした。
 
 このアメリカ法の発展は当然のものと考える。ストライキは法と秩序を破壊しするだけでなく、法は営業と誠実な勤勉さを奨励するという伝統的なパプリックポリシーに沿ったものである。
 「事業」は「財産」と同義と理解された。事業運営、事業に伴う取引の妨害は財産権の侵害であり保護されるべきものである。
 また「不法侵入」は会社所有地の侵入のみならず、事業の持続的運営への干渉(例えば列車運行の妨害、就労妨害、スト参加の勧誘)も含むようになった。
 重要なことは、雇用主非組合員の個人的自由も財産権と明快に示されたことである。1892年の連邦最高裁コーダレーン判決である。
 したがって、この時代は組合が非組合員の就労を妨害し、雇用契約や労働条件を統制したり支配することは財産権の侵害とみなされていた。イギリスでは、クローズドショップが違法となり、非組合員の解雇を求める二次的争議行為が違法とされたのはサッチャー政権以降のことであるが、アメリカ法が19世紀に非組合員の権利をすでに擁護していたことを評価したい。
 雇用主がスト破りを処遇する自由、従業員を解雇する自由も財産権であるから、それに圧力をかけることは違法とされたのである。(竹田有「アメリカ例外論と反組合主義」古矢旬・山田史郎編『シリーズ・アメリカ研究の越境第2巻権力と暴力』ミネルヴァ書房2007年)
 

 

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