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2009/04/22

林=プレスコット説に思う(1)

 筆者の不勉強で、林=プレスコット説を知ったのはごく最近、池尾和人の本『開発主義の暴走と保身』NTT出版 (2006)192頁以下を読んでからである。私がホワイトカラーエグゼンプションは過半数組合の同意の必要なく導入すべきであるし、労働基準法のオーバーホール、廃止を言っているのは、雇用契約の自由、営業の自由、集団的労働関係に拘束されない個別契約の自由の確立による労働組合の駆逐、自由企業体制の確立という脈絡においてである。モバイル化だの何だのと言う技術的議論以前の問題として産業構造が変化しているのに、20世紀前半の工場労働のような働き方の不合理を言っているわけで、University of San Diego School of Law のBernard H. Siegan教授(故人)が1980年にロックナー判決(1905年労働時間規制違憲判決-1937年に明示的判例変更)は憲法の正当な解釈で復活すべきだと主張した経済的自由主義者として知られており、同教授の業績が大きいと思いますが、その影響によりロックナー判決擁護者・好意的な学者は増えています。ロックナー判決は正しいと言うのが本物のリバタリアンですよ。近年ジョージメイソン大学の デビッドEバーンスタイン教授が論文書いてますが、ロックナー判決は再評価の方向にある。
 要するに経済的自由主義の観点ですが、それとは全く別の観点で、日本経済の停滞から脱却するためにも、労働時間規制立法の廃止が望ましいと言う根拠になるのが林=プレスコット説です。
 

 林文夫教授とプレスコット教授は2002年の論文で、1990年代以降の日本経済の停滞(いわゆる失われた10年)を説明する有力な仮説を提示した。
 
---“Japan in the 1990s: A Lost Decade” (Review of Economic Dynamics, January 2002 掲載)
あまり注目されていないことだが,90年代の日本では,二つの重要な展開があった。一つは,いわゆる「時短」により,週当たりの雇用者平均労働時間が,バブル期前後で44時間から40時間に低下したこと,もう一つは,生産の効率性を図るTFP(total factor productivity)の成長率が,90年代の中ごろから低下したことである。この論文の主旨は,日本の90年代の長期停滞が,90年代に起こったこの二つの事象(TFP成長率の低下と週当たり労働時間の一割減)を所与としたとき,経済学で標準的な景気循環・成長モデル(”Real Business CycleModel”と呼ばれる)で説明できることである。これは,「失われた90年代」を一般均衡モデルで説明した始めての研究である。---
http://www2.e.u-tokyo.ac.jp/~seido/hayashi/hayashi2005.htm

その重要な出来事とは次の2点
 1 一人当たりの労働時間の低下(時短ショック)
 2 全要素生産性(TFP)上昇率が1990年以降大きく低下したこと。

 
  年間総労働時間も80年代の2000時間超から1800時間程度に低下している。留意すべきことは労働時間の短縮が意図的な政策の結果引き起こしたものであるということである。すなわち労働基準法の改正により週休2日制の定着が図られた。1992年には「労働時間の短縮の促進による臨時措置法」が設定され、「労働時間短縮推進計画」において2005年までに年間総労働時間1800時間の定着・達成が政府目標とされた。(池尾 前掲書)
   私はそもそも労働時間規制が雇用契約の自由、営業の自由を侵害するから反対だが、日本経済の長期低迷の重大な原因なのであるから、ただちに政策を転換すべきであると考える。
   
 問題は時短は時流ではなかったのに、時流は時短だと宣伝したことの罪悪です。

   そもそも、有給休暇は、非組合企業のコダックから始まったようでが、アメリカは法定有給休暇はなく、従業員に優しい企業でも日本ほど多くない。
実際の休暇取得は年間10.2日であるhttp://career-counselor.seesaa.net/article/45027324.html
 ワークライフバランスで有給休暇完全消化を目標なんてとんでせもない。反対に法定有給休暇をなくすのが正しい政策だということです。
 
 そもそも時短というのがドイツで1980年代に大労組IGメタル(金属産業労組)が激しいストライキで週35時間労働を獲得したことあたりからいわれましたが、ドイツに倣ったのが大きなまちがい。

  時短政策は時流に反していたわけです。アメリカでは80年代以降一日で労働に費やす時間は長くなり休暇は少なくなっているといわれます。ジュリエット・ショアーというハーバードの女性教授の『働きすぎのアメリカ人』森岡他訳 窓社1993年を読みましたが、未婚男性は時間外や副業で年間334時間働く。1973年の生活水準を維持するために245時間多く働いていると書かれている。80年代初期のインフレから80年代アメリカは長期不況となり、株主主権論の流があり、リエンジニアリング、ダウンサイジング、かなりのリストラはを行ったのである。大企業では80年代から職務等級制度はそのままで、目標管理制度を組み合わせる成果主義を取り入れた。90年代になると職務等級制度の序列構造自体が問題視され、新しい成果主義の潮流となる。大企業は組織のフラット化、顧客満足度の重視から官僚的体質の組織が解体され、職務評価を廃止してコンピタンシーの重視、市場給与相場の重視、ハイテク企業や金融業界は職務等級なしで市場給与相場比較のみとなり、近年ではチームワークも重視されている。一生懸命働いて成果を上げるようになっていますから、アメリカ人はよく働くようになったといわれてます。
 
 インターネットで調べてみると80年代から90年代にかけてアメリカ人だけでなくイギリスやオーストラリアについても労働時間の増加傾向を指摘することができる。

 OECD (2007) によれば, 雇用者の年間平均総労働時間は, わが国では1784 時間であり, 米国1804 時間より少ないPDF http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2008/06/pdf/049-061.pdf

1980年頃でも製造業・生産労働者の年間総実労働時間は、日本は約2162時間、アメリカは1893時間、ドイツ1719時間、フランス1759時間という統計がある。アメリカはその後、労働時間が伸び始め1997年には2000時間を上回り、統計上は日本よりも長時間労働の国となった。http://blog.goo.ne.jp/old-dreamer/e/6f3e334ccc4922ec045208e45efb54abんど
http://labor.tank.jp/jikan/jikan_suii01.html#外国比較

 ILOが1999年9月6日に発表したレポートによると、アメリカの労働者の労働時間は工業先進諸国でも最長で、労働者一人当たり
の年間労働時間は1980年より83時間長くなり、4%近く増えたhttp://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/326.html

2006年のサイトhttp://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/06_20.htmlによると
オーストラリアは、年間平均労働時間が1,870時間と、アメリカ1,830時間、日本1,700時間等に比べ長いとされている。」 
 オーストラリア自由党の政策でオーストラリア職場協定(AWAs)というのがあって組合を排除した個別契約のシステムがあるんすが、自由党政権で好景気が伝えられましたが、日本より170時間多く働いているからいいんですよ。
 つづく

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