ではなぜ労働権州が良いのか(1)
言うまでもなく労働権州は労働組合の組織率と影響力が低いことが経済に好影響を与えている。
本当は全国労使関係法を廃止するのが一番良いわけですが、現行の体制では労働権州が望ましいということです。
私は、労働力取引の自由、雇用契約の自由を侵害するものとして、取引を制限するコンスピラシー、他人の取引を侵害するコンスピラシーとして、そもそも争議行為は、契約違反の誘致行為、契約の履行不能をもたらす行為、強迫、共謀、営業妨害など理由として、コモン・ロー上の不法行為を構成するものだから、労働組合に反対です。
脱線しますが、共謀法理の継受、労働組合に共謀法理を適用すれば面白いと思います。
偶々書類を整理していましたら、『週刊アサヒ芸能』2007年10・25号(62巻40号衝撃スクープ山口組「民主党支援」の真相」という記事が出てきたのですが、これは2007年10月12日付『夕刊フジ』の「山口組が民主応援」という記事を解説したものですが、なぜ民主党支援なのかというと共謀罪に反対しているからだそうです。
私はやくざ映画とか見たことがなくて不勉強ですが、麻生首相がシノギと発言するまでシノギの意味がわからなかったんですが、だから関心もないし反対しません。しかし労働組合には脅迫・威嚇され、自由を侵害されてます。重大な実害がありますから、やくざを駆逐するためでなく、労働組合を駆逐するためなら共謀罪に賛成します。
それはともかく、経済学的にはミルトン・フリードマン、村井章子著『資本主義と自由』日経BP社の233頁以下に労働組合とは「価格コントロールサービス」を売る組織とありますが、「ある職種なり産業なりで労働組合が賃上げに成功すると、そこでの雇用は必ず減ることになる。これは値上げすると売れ行きが減るのと同じ理屈だ。その結果、職探しをする人が増え、他の職種や産業では賃金水準が押し下げられる」「おおまかな分析では、労働組合の力で労働人口の10~15%の賃金が10~15%引き上げられると、残り85~90%の賃金水準は4%引き下げられる」「結局は低賃金労働者を犠牲にして高賃金労働者の賃金の上がる結果を招く」「労働組合は雇用を歪めてあらゆる労働者を巻き添えにし、ひいては大勢の人々の利益を損なっただけでなく、弱い立場の労働者の雇用機会を減らし、労働階級の所得を一段と不平等にしてきた」
とすると政府・経営者団体が労働組合と談合するコーポラティズムは、大勢の人々の犠牲の上に成立するものだということだ。
« 労働権州Right to Work States が景気見通しが良い | トップページ | ではなぜ労働権州が良いのか(2) »
「労働」カテゴリの記事
- 主張を貫くことができず不甲斐なく思う(2019.11.20)
- フォルクスワーゲン・チャタヌーガ工場UAW交渉代表選挙僅差で敗北(2019.06.30)
- パワハラ対策必要ない (2019.03.21)
- 重ねて、残業時間上限規制政府案に反対 2(2017.01.29)
- 重ねて、残業時間上限規制政府案に反対(2017.01.29)
« 労働権州Right to Work States が景気見通しが良い | トップページ | ではなぜ労働権州が良いのか(2) »
コメント