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2009/04/04

池田信夫の北欧モデル推奨の疑問

 リバタリアンを標榜する池田信夫は意外なことに北欧モデルを推奨しているhttp://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/44e9cf764ee5dffdf7d7e0c8b2e92dfc。もちろんその趣旨は理解できるし、解雇自由で労働移動が速やかであることが望ましいという観点に賛成だが、私が北欧が嫌悪する最大の理由は産業別組合の組織率が極めて高いことである。従って池田信夫もセーフティネットを産業別労働組合とするシステムは、我が国のような大国では現実的ではなく、ビジネスベースでの構築を主張しているが、しかし誤解を招きやすいと思います。ネオコーポラティズムや産業別組合を強化するような政策は絶対反対です。
 
 リバタリアンはネオコーポラティズムを嫌悪すべきだ。もっともよくない体制です。
 私は最良のモデルたり得るのは前回の国民党政権のニュージーランド、メジャー政権のイギリス、1920年代ロックナ-エイジのアメリカと思ってますから、いずれにしても英米法圏の国しか信じません。
 そもそも北欧はもちろんヨーロッパ自体が嫌いです。私はEUは反キリストみたいなものだから潰したほうが良いと思っている。はっきり言いましょう。ドイツ〔のような産業別組合が強くて労働コストの高い国〕は有害で悪い国。そういう国の政策を模倣しようとしている政策に全面的に反対なわけです。もちろん解雇規制・労働コストで北欧とドイツは違うといっても、体質において大差はない。
 リバタリアンなら英国をのぞいて、全国的な産業レベルの団体交渉のシステムのヨーロッパは自由企業体制を窒息させるものとし嫌悪するしダメだとはっきり言うべきだ。
 S・M・ジャコービィの名著に『会社荘園制』内田他訳北海道大学図書刊行会1999年がありますが、3頁以下にこう書かれてます。長文になりますが、20世紀日本と合衆国が大量生産技術においてヨーロッパより優れていた理由についてわかりやすく説明してます。

「今世紀〔20世紀を指す〕の最初の三十年間、ヨーロッパ社会は社会主義と労働組合運動の高揚に対応して企業横断的な雇主協会を結成し、この協会が、財産権と経営権を組合が支持するという約束と引き換えに、組合を容認し産業レベルの団体交渉に応ずるようになりました。〔一方、アメリカでは全米製造業協会が明確に反労働組合だったのでヨーロッパと異なります〕‥‥すなわちこれまでこれまで職場単位の交渉事項だった賃金のような問題を、産業レベルで解決することに移し替えたのです。こうして雇主は抗争を産業レベルに移すことに成功しましたが、しかし彼らは、このことで組合が、社会保障プログラムを充実せよと圧力をかけやすくなるとは、予見できませんでした。その結果が、福祉国家の急速な成長でした。政府による失業保険や老齢年金の設定、あるいは解雇規則や有給休暇のような現実的な雇用条件を規制する立法に結集しました。〔要するに、解雇が難しくなり高コスト体質で自由企業体制を窒息させました。他方〕日本と合衆国の状況はこれとまったく違ってました。1910年代と1920年代に、両国の産業は次々と聳立する巨大企業が「マス」生産に邁進する様相を呈しました。‥‥‥大戦という危機は、雇主や政府に団体交渉の受容に向かわせる十分な圧力にはならなかったのです。それが実現したのはもっと後、アメリカでは1930年代、日本が1940年代に体験した第二次大戦の危機においてでありました。‥‥日本と合衆国の労働規制と社会保険は、西ヨーロッパにくらべて洗練度において劣ってました。しかし雇主の温情主義-ウェルフェアキャピタリズム〔いわゆる日本的経営の概念に近い〕-においては西ヨーロッパを凌駕したのです。両国と西ヨーロッパとのこうした共通の違いをどう説明すればよいでしょうか。まず考えられるのは制度が生まれるタイミングと筋道の問題です。日本と合衆国では組合活動が根をはる機会がおとずれる〔それは大恐慌と大戦、日本では占領軍による労働改革〕前に、大規模な資本集約的産業が台頭しました。さまざまな理由で企業が相対的に大きかったです。‥‥両国ともに(労働者の技能をそれほど要求しない)規模と範囲の経済に依拠した大量生産技術を用い、そのことで利益をあげてきました。なぜ、日本とアメリカの企業は大量生産技術を用いたのでしょうか。合衆国と日本の雇主が相対的に大きいため、資本が調達でき、生産の大量性確保に必要な規模の経済を達成した‥‥これは、アルフレッド・チャンドラーJr.が最初に指摘した点です。第二に両国とも熟練労働者が相対的に高くついたという事情があります。第三は職業別組合が弱体であったため、それが定着していたヨーロッパとくらべて大量生産技術を導入することにたいする職場の抵抗が少なかった‥‥」

 むろん21世紀は大量生産の時代ではないかもしれません。ただ、日本と合衆国の経済力の基盤には、産業別労働組合が台頭する前に、大企業の官僚的システムと内部労働市場と企業文化が確立していたことがあるわけです。 北欧にも優良企業はあるでしょうが、大企業の数において日本や合衆国とくらべればたいしたことはない。何で日本のような大国がスウェーデンやデンマークのような小国のまねをしなきゃいかんの。
 

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