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2009/05/12

感想『労働市場改革』(1)

 鶴光太郎・樋口美雄・水町勇一郎編著日本評論社2009年3月刊

    解雇規制の強化は生産性を低下させる

「 第6章 奥平寛子・滝澤美帆・鶴光太郎 雇用保護は生産性を下げるのか」
  先行研究として解雇訴訟判例に地域差と判事による個人差があることが説明され、1950年から2001年までの整理解雇に関する判例260件の分析から都道府県別の傾向「解雇無効判決変数」を作成することによって地域性が述べられている。それによると、大阪では解雇無効、東京では解雇有効の判決が相対的に多く、全体として関西・中国地方は解雇無効、関東・九州で解雇有効の傾向を指摘したうえ、労働者寄りの解雇無効判決がTFP(total factor productivity全要素生産性)に与える影響を分析している。 

  結論として解雇無効判決が相対的に多く蓄積する傾向がある時に、その裁判所がある都道府県に本社を置く企業では、TFP伸び率を有意に減少させることが明らか。TFP伸び率の減少を通じて労働生産性の伸び率も減少することは明らかとしている。
 又、解雇規制は企業家精神や革新的なイノベーションを抑制する効果があるという先行研究に言及したうえで、企業のイノベーションが解雇規制の強化で抑制されている可能性が示唆されている。
 つまり解雇規制は企業がリスクテイキングできる環境でないからプロダクトイノベーションを抑制するのでジリ貧になっていくだけということだろう。
 
 要するに、労働者寄りの解雇無効判決の判事、それを弁護するプロレーバー法律家と、それを支援する労働組合が、生産性を低下させ、日本経済を停滞させる要因の一つである。と同時に解雇規制を強化する政策、一律的な解雇規制ルール法制化の企ては、日本経済を低迷・悪化させる要因となる可能性が示唆されている。

  これは長期雇用の是非の問題とは違う。つまり解雇自由原則のアメリカでもウェルフェアキャピタリズムモデルを踏襲する組合不在企業は暗黙のノーレイオフ(あるいはなるべく解雇を避ける)であリ、ノーレイオフが社員の教育投資効果とコミットメントをもたらし、ヒューマンリソースマネージメントが効果を上げている企業もあるわけだが、これは個別企業の文化であって、司法部による解雇規制の影響とは別問題と考える。

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