リスクの大きい民主党マニフェスト
民主党のマニフェストについて28日の日経新聞は「成長戦略、明確さ欠く」と批判している。高速道路の無料化は流通コストを下げるかもしれないが、総じていえば子ども手当や農家の所得補償などばらまきが目立ち、経済成長戦略なしと言って良い。これじゃ幸福実現党が駅前で配っていたビラのように民主党政権なら4年後に消費税15~20%になるかもしれない。
二階経済産業相は、温室効果ガスの排出量を2020年までに25%(1990年比)減らすとした目標に対し、「家庭の負担、産業活動への影響は計り知れず、実現不可能な希望に過ぎない」と切り捨てたと言うが、同感だ。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090728-00000067-jij-pol
ざっとみわたして、私が特に危険視しているのは次の4点だ。
1 公務員の労働基本権を回復し、民間と同様、労使交渉によって給与を決める仕組みをつくる。
私は、福田総理が昨年民主党との妥協案で協約締結権付与の方針としたこと自体不愉快だが、民主党は労働基本権の回復と言ってるからストライキ権も与えるとみてよいだろう。
アメリカでは南部など勤務条件法定主義を墨守する州も少なくなく、連邦公務員でも給与が協約締結の交渉範囲から外されているだけでなく、ストライキ参加は解雇事由になるのだから、それと比べると非常に悪いものである。政令201号体制を崩壊させて、昭和23年7月以前に戻すと、公務員は組合の職務統制力、威圧が一層強くなり能率は落ち、職場は荒廃する懸念が強い。労働協約改定期に長期ストを打ってくる可能性が大である。
2 原則として製造現場への派遣を禁止する(新たな専門職制度を設ける)。専門業務以外の派遣労働者は常用雇用として、派遣労働者の雇用の安定を図る。2ヶ月以下の雇用契約について労働者派遣を禁止する。
派遣労働規制は、池田伸夫などが批判しているとおり雇用を減らすだけでなく、工場の海外脱出を促し、産業の空洞化を加速化させる。
3 すべての労働者に適用される「全国最低賃金」を設定(800円を想定)する。景気状況に配慮しつつ最低賃金の全国平均1000円程度を目指す。
一般論として最低賃金の引き上げは雇用を減らし、貧困層の利益にならず、受益者は中間層の学生バイトであったりする。リテーラー・外食産業等のレーバーコスト増大で収益悪化は避けられない。イギリスの保守党政権のように最低賃金制度を廃止する規制撤廃が望ましい。
4 内閣府の外局として人権侵害救済機関を創設する。個人が国際機関に対して直接に人権侵害の救済を求める個人通報制度を定めている関係条約の選択議定書を批准する。
人権救済機関の設置でポリティカルコレクトネスの強制や集団誹謗的表現が規制され、表現権や個人の思想の自由を著しく侵害するのではないか。女子差別撤廃条約が人権条約の実施措置としてはもっとも緩い報告制度をとっており、条文の解釈が締約国に委ねられており、条約が特定の女性政策を強要するものではない。女子差別撤廃委員会(CEDAW)は我が国に指図するような機関ではないはず。非嫡出子差別、女性労働や慰安婦などが通報されるものと見られているが、司法権の独立を侵し外圧によってフェミニストの政策が通りやすくなるリスクが大である。
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