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2009/10/14

カード 久武綾子「「選択的別氏」についての私見」その1

増本敏子・久武綾子・井戸田弘文『氏と家族-氏〔姓〕とは何か』大蔵省印刷局平成11
所収168頁

久武綾子氏は進歩的な考えを持つが、夫婦別姓時期尚早論の家族法の専門家。引用は青、私自身のコメントは黒。

 現行戸籍法では、夫婦と氏を同じくする子が、編製基準である。したがって選択的夫婦別氏にした場合、戸籍をどうするかが問題である‥‥戸籍を個票にせよとの提案もある。
そのことは、西欧諸国では戸籍はなく身分登録制をとる国が多い‥‥

 夫婦別姓それ自体が問題だが、夫婦別姓導入から戸籍廃止に向かうだろう。

 ところで民法730条に、゛直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない゛という「家」制度の名残りのみられる条文がある。一般の人々はこの条文の存在すら知らない人もいるが、現行法で新設され、成立過程で激しい議論の対象になった条文で、立法趣旨も不明確であり、昭和34年の法制審で本条削除の仮決定をしているが、今回の民法改正の対象にならないのが不思議でならない。行政上、老人の面倒を家庭でみるよう適用するのであろうか。なお「家」制度の名残りは、民法897条の祖先の祭祀についての条文にもみられ‥‥

 1994年法制審議会答申はフェミニストによるフェミニストのための改正なのであるが、しかしなぜか民法730条削除が盛り込まれなかった矛盾を指摘している。この点について私は逆説的に主張したい。

 夫婦別姓を主張する弁護士やフェミニストは、婚入配偶者としての婚家帰属が鬱陶しいから別姓という主張なのである。舅姑に仕えたくない、舅姑と同じ墓に入りたくないということである。婚入配偶者たる嫁の婚家帰属性を否定するということは日本の社会構造の基盤を否定することなのである。
 日本の家族慣行における婚入配偶者は婿、嫁であるが婿は家長継承予定者、嫁は主婦継承予定者として婚家帰属性は明白なことであって、このことについて人類学的見解は別途述べることとして、わかりやすくいえば、白無垢・イロ直しという日本人なら誰でも知っている花嫁衣装、慣習があります。これにより嫁の婚家帰属性を説明できる。白無垢という花嫁衣裳は死者の装束と同じで、生家の人間としては死すことを意味する。イロ直しは再生を意味する。婚家に再生するのである。要するに夫婦別姓論者は、白無垢・イロ直しのような日本的な慣習も否定したいのである。嫁の婚家帰属性が決定的なのは、日本の家は血筋が中切れになっても非血縁養子により継承されますが、後家となった嫁があらたに婿を迎えて家が継承されることもしばしばある。嫁は実子、養子とともに「家連続者」として成員であることはいうまでもない。
 一方、支那、近世朝鮮-韓国においては夫婦別姓であっても、出家外人という言葉があるように、婚家帰属性は明確なのである。特に韓国の両班層は嫁の躾けは非常に厳しい。嫁は朝4時起きで、正装のうえ、舅姑に挨拶をし、上げ膳、下げ膳をやる。嫁にはシジプサリという姑の指図を受け忍耐しなければならない慣習がある。これはわが国のホームドラマに見られる嫁いびり程度のものではなく非常に過酷だといわれている。我が国では民俗学でいう「シュウトのツトメ」「センタクガエリ」などの習俗が裏日本などに見られるが、嫁の里帰りも頻繁に許容され、あるいはひな祭りや五月の節句などには妻の実家から多大な経済的な支援を期待する名古屋などの慣習もよく知られるところで、婚姻後も実家との関わりが続く文化であるが、韓国の農村では現代でも何年も実家に帰ることはないという人は多く、通例では大晦日の挨拶と葬儀で実家に戻ることが許される程度である。
 しかし夫婦別姓論者の主張は、別姓嫁だから韓国のシジプサリ並に厳しい嫁いじめを甘んじて受けるということではないのである。舅姑に仕えたり、世話するのはまっぴらごめんという考えである。つまり民法730条に、゛直系家族及び同居の家族は同居の親族は、互いに扶け合わなければならないという条文の趣旨に反するにもかかわらず婚家の財産は法定相続で分捕るぞというのは、非常にずうずうしく悪質ではないだろうか。
 紀元前2世紀の古代ローマにおいては無夫権婚姻という制度があった。これは嫁資、持参金のない結婚で、妻は婚家から財産分与、終身的経済保障はない。終身的経済保障は実家に頼るもので女性にとってはみじめな制度である。なぜこんな制度ができてしまったかというと、ローマ人がけちで持参金による資産の流出を好ましく思ってなかったからである。夫婦別姓論者が無夫権婚姻を主張するならいいです。事実婚を選択すればよいわけですから。
 しかし別姓論者はそうではない、婚家に尽くさないで婚家の財産を分捕るという悪辣な輩としか思えない。
 西欧イギリスやドイツが13~14世紀ごろには夫婦同姓の慣習が確立したと考えられます。明治民法は日本の庶民の家族慣行と合致していたことから夫婦同姓としたものですが西欧の法制・慣習を参考にして継受したという側面もある。
 これも誤解されていることですが西欧の夫婦同姓は夫婦の羈絆姓を軸とするキリスト教的婚姻家族のためではないと考えます。家産の継承と関連していると思う。
 中世ヨーロッパにみついては地中海世界が持参金社会で、アルプス以北が花嫁産社会なのです
 花嫁産の代表的な例はイングランドの寡婦産である。寡婦産とは花嫁が終身的に経済保障のため夫の死後分与される家産(土地)のことである。イングランドでは13世紀に寡婦産は土地に関わるので国王裁判所の管轄権となり、国王裁判所は寡婦産(騎士階級では夫の保有する不動産の三分の一、終身-地域的慣習では二分の一または全部)を確定するために、教会の扉の前で公にされることを要求しコモンロー準則となった。但し、必ずしも司祭の立ち会いを要求しておらず、教会婚姻法との整合性を欠くものではない。
 そこで教会の扉の前の儀式を法的にどう解釈するかが問題になる。ブラクトンはカノン法との整合性を図るため、司祭の立ち会いや聖堂内のミサを要求しないとしているが、実際には近世と同様に司祭によって祝福された指輪が新郎に手渡され、その指輪を新婦の左手の無名指にはめる儀礼がなされたはずであり、中世のソールズベリの式文では、この儀礼の後に司祭が「親よ、この黄金(の指輪)と白銀(の銀貨)とは汝の死にたるのちにいたるまで女ながらえん時に、寡婦産として、汝の財をば、女に与えんことを示すなり」と宣言することから、花嫁の終身的経済保障を確定する意義のものである。
  鵜川馨によると、ゲルマン法に固有の婚姻契約の履行を担保するものとしての動産質(E pledge,OE wedd)を与える儀礼と述べ、weddという言葉は将来夫の死後に寡婦産として現実に土地の引き渡しを担保する者として、指輪あるいは銀貨が与えられるのであって、本来は質物、担保を意味したが、やがてこの語は、結婚式に関連して専ら用いられ、wedは結婚するという意味に変わり、本来の保証するという言葉としてはpledgeなる語が用いられるようになった。
  ウェディングとは花嫁の終身的経済保障の担保・質物を与えるということを原義としていたのである。ノルマンディーでは、教会の扉の前の儀式で接吻のなかった場合、夫が早世しても財産分与はなかった。接吻は財産分与の保障も意味したらしい。今日では教会の結婚式でどういう意味かも知らず指輪の交換や接吻が行われている、花嫁の経済的保障を意味していたのである。(鵜川馨によるとイギリスの元の慣習は指輪(動産質)を与えられるのは花嫁だけであって交換するのは大陸の慣習と思われる)
  西欧では夫婦同姓は妻の権利という言い方もする。つまり夫家の家産によって終身的経済的保障を得る権利を有するので夫家の姓を妻も名乗るのであって、本来の趣旨は現代的な意味でのファミリーネームではないと考える。
  夫婦同姓の否定とは西欧的慣習の趣旨からすると、花嫁が婚家の家産により終身的経済保障を得る権利を否定するものだろう。よってそのような脈絡から女性の利益のためにも夫婦同姓を堅持することが望ましい。夫婦別姓論者は婚家の氏をなのらないのに婚家の財産を分捕ってしまう制度をつくってしまおうとすることで歴史的・伝統的脈絡からすると異常な制度ということになる。

  引用 鵜川馨 「十八世紀英国における婚姻契約」『イングランド中世社会の研究』聖公会出版 1991

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