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2009/12/27

団結否認権の確立Right to Work lawが必要だ 下書き1-(7)

(営業制限の法理の進展-略)

18世紀の産業別「団結禁止法」と共謀罪判例

 高橋保(*1)によれば18世紀から19世紀のイギリス労働組合運動は第一に制定法により、第二にコモンロー上のコンスピラシー法理において徹底的に弾圧されたとされているが、コモンロー上の共謀法理は制定法とは独立して発展してきたものかどうかは議論のある事柄(*8)であり、松林和夫のように違法行為に対し、二~三ヶ月を越えない程度の懲治監での重労働といった労働者の処罰は厳しいものではなく、徹底的な弾圧がなされたかは疑問とする見方もある(*8)。

 しかし注目したいのは制定法の進化である。18世紀には40にも達する産業別の団結禁止法があったといわれる。例えばロンドン・ウェストミンスターの仕立職人に対する1720年法、毛織物職人に対する1725年法、制帽職人に対する1745年法、製紙職人に対する1795年法、絹織物職人に対する1887年法などであるが、それがどういうものか幾つかを例示する(*8)が、1726年法では団結自体を犯罪としているものの、団結に基づく暴力・破壊活動を禁止するにとどまっていた。
 しかし18世紀後半になると1773年法では雇用から離脱するよう勧誘・脅迫することを禁止し、1777年法では違法集会への招集、出席の禁止、仕事・労務から離脱するために説得・教唆・脅迫を禁止。組合基金の要求、支払いを禁止している。1794年ではどのような手段であれ雇用されもしくは雇用されるべき職人がその労務を放棄することを直接・間接、勧誘・説得し、影響を与えもしくはそう試みること、雇主が適当と考える者の雇用を禁止・妨害し、その者と共に働くことを拒否すること、を禁止する。としている。

 非組合員という言葉はないが、実質的に仕事からの離脱・放棄の勧誘、脅迫、説得まで含めて明文で違法としており、非組合員も含めて労働者の雇用を妨害し、ともに働くことを拒否することを違法としている、二次的争議行為も違法であることを明らかにしているのである。

 1799年-1800年に一般的団結禁止法が制定されるのであるがこれらのすべてが盛り込まれており、18世紀に制定法の進展が完成した形とみることができるだろう。

1726年法第一条後段

 不法なるクラブ、団体における梳毛工、織布工および梳毛業・織布業の技術を仕込まれ使用している他の者たちによる製品の価格の統制、賃上げ、労働時間短縮を目的とするすべての契約、捺印証書契約、協定、そしてクラブ、団体の定款、規則、規約、指令は違法・無効とする。職人その他の被用者はもちろん梳毛業者、織布業者が右の協定・定款等を(に)維持、継続、実施、参加、署名、捺印し、故意に関係し、その実施を試みることを違法・無効とする。処罰は三ヶ月を越えない期間収監する。
 (第六条で、雇主その他の者が違法な内規、規約、指令に従わないとの理由で、彼らに暴行を加え身体的傷害が生じた場合、または傷害を与えるとの、もしくは家屋、離れ屋、樹木を焼き、破壊し、殺すとの脅迫を行う場合には、労働者を正式起訴に基づいて重罪とし七年の流刑に処すとしている。)

1773年法第三条

 スピタルフィールズの織布工が四季治安判事会議によって決定されたよりも多いもしくは少ない賃金もしくは仕事の代価を要求しもしくは受けとること。賃金引上げの目的は団結すること。同じ目的のために織布工に雇主から離脱することを勧誘・脅迫すること。および四季裁判所における治安判事、ロンドン市の市長・記録官・市参事会員に対する場合を除いて賃金に関するに関する請願文もしくは抗議文を伝達するために10人を超える者が集会することを禁止する。処罰は40シリングを超えない金額の没収で、即時に支払えない場合は三ヶ月を超えない期間懲治監で重労働を科す。

1777年法第四条

 帽子マニファクチュアの職人もしくは他の被用者が、1749年法により違法とされた集会、クラブ、団体もしくは団結に出席すること。これらの集会等に出席するよう、もしくは集会等に使用される負担金、分担金、義捐金を支払うように招集し訪問すること。この目的のために金銭を要求し受けとること、職人その他の者に集会・団結等に加入・関係するよう、もしくは雇主の仕事・労務を放棄・離脱するよう説得、教唆、脅迫しまたはそう努めること、違法な集会等を支持・援助するために金銭を支払いもしくは義捐金基金を設立し加入することを禁止する。
 処罰は1726年法と第一条後段と同じ。

1794年法第一、二、四、五条

 この王国における紙製造職人によって賃金の引き上げ、通常の労働時間もしくは労働量の短縮・削減、雇主の欲する者の雇用の妨害のために、またはいかなる方法にしろ、紙製造の産業、事業を経営もしくはその管理を行う者に影響を与えるためにこれまでに締結された契約、捺印証書契約、協定は、文書によると否とは問わず違法・無効とする。(第一条後段)
 不法なる集会・団結を(に)支持・関係すること、契約・協定等を(に)作成、加入、同意、関係することの禁止。処罰は二ヶ月を超えない期間懲治監で重労働(第二条)。
 賃金を引き上げ、労働の時間もしくは期間を変更し、その他この法律に反する目的のため団結を結成すること。金銭の供与その他の手段により雇用されていない職人もしくは雇用されることを欲している他の者が雇用されることを妨げるために、直接・間接、勧誘・脅迫しもしくはそう努めること、どのような手段であれ雇用されもしくは雇用されるべき職人がその労務を放棄することを直接・間接、勧誘・説得し、影響を与えもしくはそう試みること、雇主が適当と考える者の雇用を禁止・妨害し、その者と共に働くことを拒否すること、を禁止する。(第四条。処罰は第二条と同じ)
 本法により違法と宣言された集会・団結に出席し、または出席するよう召集・訪問すること、この目的のために金銭を集め、要求・依頼・受領すること、職人その他の者に団結へ(に)の加入・関与、もしくは労務離脱・仕事放棄を説得、教唆、誘惑、脅迫すること、違法な団結等を支持・援助するために義捐金または基金を設け、加入すること、を禁止する。(第五条。処罰は1721年法と同じ) 〔制定法の引用は*8〕

18世紀のコモンロー上の共謀罪

 既に述べたようにコンスピラシーの犯罪手続きと近代的意味での不法結合の概念を融合させて実体犯罪としてのコンスピラシーを作り上げたのがスターチェンバー裁判所であり1611年の家禽商事件を契機とし「何らかの犯罪を犯すための結合行為そのものを処罰する」というコンスピラシー罪が成立し、コモンロー裁判所に承継され「何等かの犯罪を犯罪を犯すための結合はたとえその目的たる犯罪が実行されないときにもなる」という17世紀原則に発展した。
 では、コンスパイヤすること自体を処罰対象とする近代刑法上の概念を踏み越えた責任が団結にのみに課されるのはなぜか。
 秋田成就はホッブスとバークを引用して次のように解釈する。ホッブスは云う。「‥‥私人の力を結合することはすべて、もし、悪しき意図の結合のためならば不正であり、もし知られざる意図のためならば公共に対して危険である」。バークは之に賛して云う「自由とは人が之を集団で行えば権力となる」。要するに団結は力であり個人の力よりもより「抑圧的で危険なもの」であるというのが古今を通じての単純素朴な解答であった。秋田の見解は「法は近代国家の主権を脅かす可能性を含む団結をその芽の中に刈り取るための技術をコンスピラシーのうちに求めた」とのことであるが(註9)、重要な論点である。
 コモンローが個人の自由を擁護するものであり、個人主義的私法観に敵対する団結はコンスピラシーとして排除されなければなかったのである。
 労働者の団結に不法を見いだすことは容易だった。それは「営業の制限」という契約上の干渉に求められた。「営業」tradeには使用者の取引のみならずせ労働者個人の取引も含まれるとの想定のもとに労働者の団結は「営業の制限」restraint of tradeに該当するとし刑事共謀法理が展開されていった。(*1)

○ 1721年ジャーニーメン・テイラース事件

 本件はケンブリッジ在住のワイズ他数名の仕立職人が団結して賃上げのストライキをしたことが、1720年の主従法に違反するとして起訴された事件で裁判所は「コンスピラシーは不通法上の犯罪であるから、被告等が起訴されたのは制定法に違反して働かないことではなく、賃金値上のためのコンスピラシーによってである。コンスピラシーの目的たる事項がもし結合がなければ適法である場合でもその共謀は違法である」(*9)とし、制定法の有無にかかわらず、労働者の団結はコモンロー上の共謀罪で処罰しうること。個人で行えば合法的である場合でも、共謀すなわち団結することによって不法となることを明らかにした。

1高橋保 「イギリス労働法における共謀法理(コンスピラシー)の形成と展開」 『創価法学』7(4)〔ネット公開論文〕http://ci.nii.ac.jp/vol_issue/nels/AN0013392X/ISS0000435233_ja.html

8松林和夫「イギリスにおける「団結禁止法」および「主従法」の展開」高柳信一,藤田勇編『資本主義法の形成と展開. 2 』東京大学出版会1972

9秋田成就「イギリス労働組合史に於けるコンスピラシー」『労働法』通号6 1955

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