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2010/01/25

Citizens United v. FEC-法人の言論の自由について

 連邦最高裁 企業の選挙広告費支出制限は言論の自由の侵害という画期的判決http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-184a.htmlの続き

 
 1月21日の連邦最高裁判決CitizensUnitedv.FederalElectionCommission http://straylight.law.cornell.edu/supct/html/08-205.ZS.html
http://news.yahoo.com/s/nm/20100121/ts_nm/us_usa_court_politicsについてはフォックスニュースのこの記事が言論の自由の大勝利だと書いてます。http://www.foxnews.com/opinion/2010/01/22/ken-klukowski-supreme-court-amendment-mccain-feingold/

 しかし学説でも法人の言論の自由については議論のある問題で、ニューヨークタイムスなど批判的な社説も少なくない。政治的効果が重大であり上院補選の共和党勝利に続いて民主党にワンツーパンチとなると考えられてます。
 このためオバマが最高裁判決を厳しく批判し議会とともに対策を講じるよう関係当局に指示したと報道されている。http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010012200258。しかし判決は5対4の僅差でしたが、次に引退しそうな裁判官は反対意見を書いたスティーブンスか、それに賛同した左派のギンズバーグであり、裁判官の入れ替えで判例を覆すのは困難なように思える。
 検索してみたところ、弁護士の田場暁生が既に論評を発表してます。http://www.news-pj.net/npj/npj/taba-20100123.html

 そこで、このケースの争点となった法人の言論の自由は個人(自然人)と同じく保障されるという論点ですが、http://news.yahoo.com/s/nm/20100121/ts_nm/us_usa_court_politics私の思った事を簡単に述べます。
 たまたま、木下智史の著書『人権総論の再検討-私人間における人権保障と裁判所』2007日本評論社という本があったので、読んでみたところ、会社の政治的言論の自由に可否が争われた重要な先例として1978年First Nat'l Bank of Boston v. Bellotti, 435 U.S. 765 http://supreme.justia.com/us/435/765/case.htmlがあり、この判決の核心である「憲法修正一条は話し手が法人であるというアイデンティティによって政治演説制限を許さない」が、今回のケネディ法廷意見で引用されている。したがって本判決は Bellotti判決の延長線上にあるもので、決して奇妙な判決であるわけではない。
 同判決はレフェランダムに関連して法人企業が行う政治献金・政治的支出を禁止するマサチューセッツ州法を修正1条に反し違憲と判断したものである。
 パウエル判事による法廷意見は、当該州法を合憲とした州最高裁判決の「法人ははたして修正1条の権利をもつか、もつとすればどの程度もつか」という問題の立て方が誤りであるとして、問題は「当該州法が修正1条の保護しようとする表現を侵害しているかどうか」「話し手が法人であるというアイデンティティにおいてによってその言論への修正一条の保護が失われるか」であるとする。そして、法人は表現の自由を享有することは先例で明らかであるとした。ここで引用されているのがSanta Clara County v. Southern Pacific Railroad Company, 118 U.S. 394 (1886) http://caselaw.lp.findlaw.com/scripts/getcase.pl?court=US&vol=118&invol=394とCOVINGTON & LEXINGTON TPK. ROAD CO. V. SANDFORD, 164 U. S. 578 (1896)   http://supreme.justia.com/us/164/578/w@3.
  Santa Clara County v. Southern Pacific Railroad Company,は修正14条にいう「人」に「法人」も含まれるとした判決で、このフィールド判事の意見を「フィールド理論」というのである。
  つまり「法人の財産は、実際上その構成員の財産である。法人の財産を剥奪することやそれに負担を課すことは実際上その構成員の財産を奪いそれに負担を課すことになる」そして「会社の憲法上の権利をその財産保護との関係ではかる、すなわち法人形態の下で事業を行っている者に法人形態をとらないで事業を行っている者と同程度の憲法上の権利を享有させる」という理由付けを「フィールド理論」と言うのだ。
  この判決からただちに法人の政治的言論の享有を容認するかは議論となる問題だろうが、源流が超保守派のフィールド判事の理論ということで堅実な判断との心証がある。
  またパウエル判事はプレスのみが公衆への情報提供、アクセス機能を独占することはできないとしている。
  つまり会社の政治的言論も、多様な見解を知る公衆の権利と政治的議論の活性化に役立つのである。
  例えばカードチェック法案、企業活動を大きく制約しかねない問題で、とくに中小企業に影響が大きい、当然、全米商工会議所であれ、各企業であれ死活問題になるから選挙広告で訴えたいだろう。一方労働組合にも企業と同じ権利を認めるのが本判決の趣旨だから対等である。
  企業の選挙広告制限をなくすと大企業の影響力が増すといわれるが、しかし、選挙でもっとも影響力があるのはマスメディア・新聞の報道だろう。マスメディア・新聞こそ偏っているかもしれない。プレスだけに情報を独占させるよりも「思想の市場」において多様な見解のなかから、選挙民がなにが善いのかを判断するほうがより望ましいのであるから、今回の判決は基本的に支持してよいのではないかと思う。

                                      

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