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2010/01/17

団結否認権の確立Right to Work lawが必要だ 下書き1-(17)

19世紀中葉の判例と展開(その1 )

  プロレーバーの片岡曻などの著作に依存するが、1825年法以後の判例の展開をみていくこととする。

○1832年 R.v.Bykerdike

 いわゆる二次的争議行為、労働者が宣誓して団結し、雇主に対して、彼等と雇われている7人の労働者を解雇しなければ、彼等は同盟罷業をなす旨を通告したことが共謀罪として起訴された事件で、裁判所に対する説明で1825年法は「労働者が雇傭すべきかを指示する目的で、会合し且つ団結することの権利を、与える意味のものではない。したがって、かかる強制は明らかに違法である。」(*26-377頁)。 

○1842年 R.v.Harris

Tindal判事は労働争議における他人の権利の干渉について、陪審に対して次のように述べた。「争議において労働者は、労働を停止する自己の権利を行使するのに満足せず、他人の権利にも干渉する。つまり彼等の賃金に不満足な多数の労働者は、暴力、脅迫によって、現在の賃金に満足している労働者の自由に干渉して仕事を去らしめるのである。労働者によって許される権利は、自己の有する力量及び技術を同僚の指示命令なしに行使する権利である。多数者が貧しき者の権利を圧迫することは普通法の重大な違反である。」

○1847年 R.v.Selsby

事案は労働者側が使用者に一定年令の徒弟及び組合員たる労働者のみの雇用を強制するためストライキ(二次的争議行為)を行い使用者の店の周囲には堅固なピケが立てられている旨のビラがまかれ、一段の労働者が附近の通りをパトロールしながら労働者就業を監視し妨害した。起訴状は、制定法及び普通法違反のコンスピラシー 、特に労働者が使用者に対する労働の提供を続けるのを妨害するコンスピラシー、及び違法手段によって労働者をして使用者の労働から去らしめ、後に他の仕事につくのを妨げたというコンスピラシーの成立を主張した(*10 194頁)が、このケースはこのような非組合員排除の二次的争議行為を合法とした点でR.v.Bykerdike事件と異なるが、1825年法3条は二次的争議行為を容認していないと解釈するのが妥当ではなかったか。佐藤昭夫によると非組合員排除の争議行為が1825年法第3条違反とする判例としてSkinner v.Kitch(1867)、違反しないとする判例として判例として、Wood v.Bowron,(1867) Neill v.Kruger(1863) R.v.Steiner(1870) を挙げている(。
クローズドショップの起源について浜林正夫は、イギリスではパブが求人求職の仲介所であったことに由来するのだと云う。組合は非組合員を排除する企業を「フェアハウス」、組合員以外も雇う企業を「ファウルハウス」と呼び、「ファウルハウス」にはパブでの求人を一切拒否したり、非組合員に暴行や脅迫を加えることにより、労働市場を独占しようとした。19世紀になると企業側もパブを利用してスト破りを集めたという(*17
125頁)佐藤昭夫によると、19世紀においては非組合員への通常無数の侮辱に迷惑行為がなされたとされている。ことにシェフィールドやマンチェスター、あるいはその周辺では機械や原料が破壊され、馬は腿筋を切って跛にされ、従業員の仕事道具が奪われ、あるいはいじめられるという可能性は、すくなくとも存した。1867年Fearnehoughf は、組合を脱退してストライキされている使用者のところで働いたため眠っている部屋を爆破された。(*26 139頁)
現代イギリスでは、ストライキに参加しない労働者の権利が与えられ、二次的争議行為もクローズドショップも違法であるから、労働組合が法認されていなかった19世紀中葉のほうが、この問題についてはゆるい側面もあったということである。

片岡曻によるとこの事件でRolft判事がピケッティングが1825年法第3条に違反するか否かについて陪審員に対し述べた事が、ピースフルピケッティング擁護論の嚆矢なのだという。Rolft判事はこう言った「行かぬほうがよいとか、行けばスト破り と呼ばれるぞとか、もしそこへ労働しに行けば冬がすまぬ中に後悔せねばならないぞとかいろいろな脅し文句が用いられたが、陪審の考慮すべきこと、は用いられた言葉ではなくてその結果が、相手方に対して彼が使用者の店で労働する意図を捨てない限り或る種の身体的危害が加えられるであろう事を通告し脅迫したことになるか否かの点である」。もっとも、次に述べるReg .v.Rowlands(1851)やR.v.Duffirld(1851)におけるアール卿 (Erle判事) の見解のようにピケッティグに対して厳格な考え方があったように、この見解は当時としては一般的に受け容れられなかった。
 

○1851年 Reg .v.Rowlands

一部の労働者が団結して、他の者を暴行脅迫等により、他の者を同盟罷業に参加せしめ、且つ雇主に対し、経営変更の変更を強制し、さらに他人の就職を妨害したことが、共謀罪として起訴されたものである(*27-378頁)
アール卿 Erle,J.は(イ)1825年法の脅迫及び妨害という文字を広く解して、雇主に対して賃金の増額を要求し、その要求を貫徹するために、被用者に対して仕事を休むべきことを、又被用者以外の者に雇入を拒絶すべきことを勧誘することも、雇主に対する脅迫又は妨害であるとし、その行為は同法による犯罪であり、そうするための団結は当然に刑事共謀であるとし、(ロ)成文法を度外視するも、雇主の営業を害する目的をもって、即ち被用者に仕事を休むべきことを勧誘することによって賃金の増額を強制する目的をもってなす団結は、普通法上の共謀罪が復活した。(*24)

つまり1824年法は団結をコモン・ロー(普通法)の共謀罪で起訴されないとしたのに対し、1825年法は(1)賃金率・仕事の価格・労働時間もしくは期間につき、談合しかつ決定するためにのみ集会すること(2)賃金率・仕事の価格・労働時間もしくは期間を定めるため、相互に口頭または文書による契約を締結することのみ、コモン・ローの共謀罪で起訴できない(刑事免責)しただけであり、この狭い例外以外の労働組合活動はコモン・ローが適用され、コモン・ロー上の共謀とせられえたのである。

○1867年R.v.Druitt

本件はいわゆるピースフルピケッティングを脅迫に当たるものと解釈したとされるケースである。
事案は仕立工組合の組合員であるドルイット等はストライキを決議し、非組合員をストライキに参加せしめるためピケッティングを行った。ドルイット、アダムソン、ローレンスの三人は闘争委員となり、他のものは彼に従って行動した。ピケ参加者は使用者の店の前に立ち、そこに出入りする他の仕立工に手にふり、足を動かしつつ、「卑怯者」「糞野郎」「畜生」などと連呼した。しかし闘争委員はピケッティングの現場には立ち会わず他の仕事に没頭していたが、検察はピケッティング参加者と指令者双方に処罰を要求した。
プラムウェル判事は次のように述べた。
「イギリス法上もっとも神聖な権利は人身の自由である。所有権にせよ資本の権利にせよ、人身の自由ほど神聖でもなく、またそれほど注意深く防衛されてもいない。普通法や人身保護令及びその他の補充法規によって、すべての人は人身の自由を保障され、正当な理由なしに投獄されず、権限ある裁判官によってのみ裁判を受ける権利を有する。しかし、かかる自由は身体の自由のみに関するものではなく、精神及び意思の自由でもあり、それによって人は何をなすべきかや自己の才能や勤勉の用い方を決定するうえに、身体の自由と同じく法の保護を与えられている。しかしある一団の人間が合意して他人を強制し、精神と意思の自由を奪おうとする時は、被害者の精神及び意思の自由を奪うことを目的とする刑事共謀を構成する。他人を不快ならしめもしくは混乱させる行動により、二人以上の者が右の自由を奪うために協力することを同意したとすれば、彼らが起訴さるべき犯罪を犯したものであることは、明白かつ疑うべからざる法であると予は断言する」「ピケッティングが何らリーズナブルな恐愕を起さず、相手方を強制したりいやがらせしたりしない方法でなされるならば、犯罪とはならない。他人を説得し、強制の要素を伴うことなしに自己と同一の行動をとらせることは何ら法の違反ではない。しかしながら、被告等の行為がかかる範囲をみこえないにせよ、その言語や身ぶりによって通常人の動作に監視をあびせ、被害者が自分は見張られており、殴られるかもしれないと思うような歴然たる効果を心に与えるような場合は犯罪である。」
かような説示に対して陪審は単にドルイット等三人の闘争委員会のみを有罪とし、他の者は無罪との評決を行った。

○ピースフルピケッティングを違法とするアール卿の「他人の取引を侵害するコンスピラシー」(conspiracy to injure of another)」理論

 1825年法第3条は個々の労働者によってなされる暴力・脅迫ならびに妨害(molestation or obstruction)を厳重に禁止する。(「」内は二四年法にはなく本法で附加された規定)

(1)身体・財産に対し暴力を用い、または脅迫し、または「他人を妨害することにより」、以下の行為をなすこと
> (a)職人・製造業主・労働者もしくは事業に雇用される他の者を強要して、その職・雇用もしくは仕事を去らしめ、または完成前にその仕事を中止せしめ、または「これらのことを強要しようと努めること」
> (b)「職人・製造業主・労働者もしくは雇用されていない他の者が、雇用され、または他人から仕事もしくは雇用を受容することを妨げ、または妨げようとすること」

 他人の自由意思に強制を加えて取引を侵害する団結が普通法上犯罪であるという事は判例の大勢であるが、1825年法の暴力、脅迫、妨害という行為類型をどう定義するかによって弾力性の富む解釈が可能だった。
 この点でアール卿は第三条を広く解釈する裁判官として知られ「他人の取引を侵害するコンスピラシー」(conspiracy to injure of another)」を刑事共謀とするものである(*10 197頁)。
 アール卿によれば、他人の権利を害するか否かは、その外形的行為ではなく、行為者が
害意をもってなすか否か、相手方の取引行為や労働力処分を妨害するのためにのみ行動しているかによって決せられる。これは、コンスピラシーの先例からして、まっとうな見解のように思える。1825年法第3条の制定法解釈についても、R.v.Hewitt and R.v.Duffirld(1851)においてアール卿は第3条における犯罪の本質は他人の意思に強制を加える意図にあるのであって、かかる意図は暴力・脅迫等を含む行為によって示される。従って、当該行為が本来の暴力・脅迫等の犯罪を構成するためには、当該行為をなす当事者がそれによって相手方の意思を強制し得ると信ずるに足る程度のものであればよいという。(*10 194頁)
 団結して他の労働者をその労務から去らしめる場合は、たといそれが平和的説得もしくは金銭の供与によってなされたとしても、そして何ら契約違反を生じせしめないとしも、使用者に対する害意をもってなされる限り犯罪であるとする。(*10 198頁)
 私は、この論点に関してアール卿の見解に好意的な見方をとりたい。人は何をなすべきかや自己の才能や勤勉の用い方を決定する個人の自由は決定的に重要な価値であって、他者より害意をもって強要されるべきものではない。第三者の共謀によってはめられることのない社会、それが真の自由社会だからである。
 
 
○1855年 Hilton v.Eckersley(*10 126頁、*21 300頁)
 
  二五年法以降労働組合自体が「営業制限の法理」および共謀罪との関係でどのような地位にあるのかをはじめて示した注目すべき判決である。事案は使用者に団結にかかわるものであるが、1825年法は労働者の団結も、使用者の団結も相関的に処理したために、判決自体労働者の団結にも影響を与えた。(*21)
  この事件は18人の紡績業者が労働者の団結に対抗するために、一年間、賃金、雇入期間、労働時間、操業時間、就業の一般的規律に関して、多数決によって定めるところに従い事業を経営すべきことを合意し、それによって違約金証書(bond)を作成した。
  一人の業者がこの合意に違反したので、これに対し違約金証書に基づいて訴えが提起され、営業(取引)の制限に該当してするか否かが争われた。(*10)
  第一審裁判所(Court of Queen's Bench)ではそれを「公共の政策」に反して営業を制限するものであるがゆえに無効とした。
  クロンプトン判事は「本件の団結は、営業や製造の自由なる過程を直接妨害し、干渉する傾向を持つが故に…コモン・ロ-上起訴されうべきもの」(*21)とし、さらに同一の考察が労働者にも適用され得る「もしこの違約金証書が普通法上強行し得るとすれば、ストライキから脱退しないとか、総会の多数決による許可なしに或いは代表者の指図に従わなければ仕事をする場合には違約金をを支払うとかの個々の労働者の約束も拘束力を有することになる。かくして、労働者は家族の事情がどうであろうと、賃金に関する使用者の申出がいかに合理的であると考え、心の中で、ストライキを長く続けると自己、自己の家族及び同僚労働者を破滅させ、かつ公共に計り知れない損失を与えると確信しながらも、組合指導者の圧政から自己を免れることは不可能になるだろう」(*10)
 さらにクロンプトン判事は1796年モーベイ事件のグロース判事の傍論「それぞれの者は、もし可能であるならば、賃金の引き上げを主張することは許される。しかし、もし数人の者が同じ目的で合意するならば違法である。そして当事者は共謀を理由として起訴されうる‥‥」(*8)を引いて労働条件を変更する団結がコモン・ロー上「営業制限」の共謀罪となる先例が確立している事を前提にして、更に二五年法との関連で次の述べた。
「近来の議会制定法によって刑罰を課せられなくなった合意もしくは団結は、もしすべての当事者が自由意思で団体から脱退し得るならば、それ程有害ではないし、営業の自由なる過程に反するものではない。‥‥しかし、当事者が
このような団結から脱退する権利を放棄する約定に合意するや否や、守る事が法の政策である営業の自由は、直接干渉されたように思われる。」(*21)
 クロンプトン判事によれば、二五年法によって放任された「団結」は、自由意思でそこから脱退する権利を有する事-本件で言えば拘束的合意をしない事-を前提とする。脱退の自由こそ「団結」に対して「営業の自由」を担保する「法の政策」=公共の政策となる(*21)。という見解である。
 しかしこの論点についてキャンベル裁判長は異論を述べ、先例の不存在を主張(グロース判事は傍論である)を理由に、単に公共の政策に違反し無効であるのみで、起訴しうるうるコンピラシーは構成しないべきと主張した。「同様の意味のことをルーズにに表現したものは他に発見しうる〔1721年ジャーニーメン・テイラース事件とみられる〕しかし、私は、より信頼し得る先例のない限り、自己の賃金が不適当であると本当に信じている労働者が二人相会して、賃金が上がらなければ労働しないことを約束したとしても、その目的を達成するために何らの暴力行為や不法行為の行使が企てない限り。軽罪として罰金または禁錮刑に処せられるものとは信じがたい」と述べた。(*10)
 なお、アール判事は違約金証書は1825年法第5条の規定により適法と述べた。
 第二審裁判所(Court of Exchequer Chamber)は違約金証書が無効である点において第一審裁判所を支持したが、それが犯罪であるかどうかは積極的に意見を表明しなかったが、アンダーソン判事が、クロンプトン判事と同様も、営業制限とする見解を示している。「自由国においては、法律による以外に各人の取引の自由を制限してはならないが、本証書はかかる取引の自由を制限するものである。それは賃金、労働時間、操業の一部又は全部の中止、経営等が多数を構成する他人によって律せられるのであるから、これは自己の判断に従って自己の最善の利益のために取引を行う各人の利益を制限するものである。従って不通法では強行しえない。ただ、それが犯罪を構成するという意味において違法というのではなく、その点については、本件は意見を述べることを要求しておらず、従って必要ではない」(*10 128頁)
                      *  *
                     
 1825年法が使用者・労働者いずれも目的・態様を限定しているが団結を放任しているにもかかわらず、使用者どうしが賃金、労働時間等を取り決め横並びとする違約金証書を無効としたのが本判決であり、それがコンスピラシーか否かについて第二審最場所は積極的に意見を表明しなかったというものである。
 使用者の団結にかかわる違約金証書が無効なら、労働者の団結も、強制、拘束の強いものは無効という論理になる。それは労働組合指導者の圧政下に個人が取引の自由を奪われることを意味する。従って現代の我が国の法制が労働組合の統制力から個人の権利を守る手立てが乏しいことは大きな問題なのである。
 
 
*8松林和夫「イギリスにおける「団結禁止法」および「主従法」の展開」高柳信一,藤田勇編『資本主義法の形成と展開. 2 』東京大学出版会1972
*10片岡曻『英国労働法理論史』有斐閣1952
*17浜林正夫『イギリス労働運動史』学習の友社2009年
*21石田眞「イギリス団結権史に関する一考察(上) : 労働組合の法認と「営業制限の法理」『早稲田法学会誌』26 1976[ネット公開論文]http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/handle/2065/6333
*24田中和夫「英米に於ける労働組合と共謀罪」『一橋論叢』23巻2号 1950[ネット公開論文]』http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/handle/10086/4593
*26 佐藤昭夫『ピケット権の研究』勁草書房1961 135頁
*27江家義男「英米法における共謀罪(Conspiracy)」『早稲田法学』24巻3号 1949[ネット公開論文]http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/handle/2065/1600

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コメント


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ちょw ここに元カノがいるんだけど(´vωv`;)
一発セクったら3万出すとか何だよぉお!!!!!!
こんな金持ってんだったら別れなきゃ良かった・・・(´Д`)

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