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2010/02/07

団結否認権の確立Right to Work lawが必要だ 下書き1-(20)

労働組合法認1871年法の内容と問題点

 
  営業制限の法理論上、労働組合は違法である。さらに、非組合員やストライキ破りに対する脅迫・暴力はひどいものだった。スト破りに対する暴力事件である1866年シェフィールド事件を契機として、労働組合を非難する世論も高まった。

 にもかかわらず1871年職業=労働組合法(The Ttrade Union Act)により、労働組合を次のように定義し準法人格を与えることとなった(成立の過程は別途検討する)。

 「trade unionとは一時的であると恒久的であるとを問わず、労働者と使用者との関係、もしくは労働者相互の関係、または使用者相互の関係を規制し、あるいは職業もしくは事業の遂行に制限的条件を課すことを目的とし、もし本法が制定されなかったならば、その目的のひとつあるいはそれ以上が、営業を制限することにあるという理由により、不法な団結とみなされたであろうような団結、をいう」 【*30】

 この定義で明らかなように、労働組合とは使用者・被用者双方の労働力取引に制限を加えるもので、営業制限として不法であるが、この法律と一体のものとして制定した「刑事修正法」により、そうしたトレードユニオンの活動に対して、営業を阻害する(inrestraint of trede)コンスピラシーという理由づけで刑事罰の対象の対象としてきたコモンローの態度を押さえ込んだ。【*4 142頁】しかしながら、重要なことは世界初の労働組合法認といっても、労働者を強制してストライキに参加させることと、ピケッティングも厳格に規制しているので、ストライキは個別的自発的行為の総和としてのみ容認されただけである。又、労働組合が事業をなす方式や人員について干渉することも禁止している。
 1871年「刑事修正法」の内容については。片岡曻【*6 218頁】から引用する。
「同法は、「暴力・脅迫・妨害に関する刑法を修正する」目的のため制定され、1825年労働組合法、1859年労働者妨害法を廃止するとともに、新たな制定法の犯罪を次のように規定する。
(1)他人の身体または財産に対して身体または財産に暴力を用いること。
(2)訴えに基き治安判事が治安維持を命ずる理由ありとするが如き態様にて脅迫するthreaten or intimidate)こと。
(3)他人を妨害する(molest or obstract)こと、但し本法上「妨害」とは以下の行為を言う。
(a)しつように至る所他人を尾行すること。
(b)他人の所有しもしくは使用する器具・衣類・その他の財産を隠匿し、またはこれを奪取し、もしくはその使用を妨げること。
(c)その人が居住し、労働し、事業を行いもしくは偶然居合せた家屋その他の場所またはかかる家屋その他の場への通路を監視(watch)または包囲(beset)、もしくは二人またはそれ以上の人間と友に街路もしくは道路において不穏な状態で他人を尾行すること。
但し右(1)(2)(3)の各行為は以下の目的をもってなされる場合に限られる。すなわち
(a)使用者が強制して労働者を解雇させもしくは雇用を中止させること、または労働者をして仕事を離れしめもしくは完了前に仕事を中断せしめること。
(b)使用者を強制して雇用もしくは仕事を提供せしめず、または労働者を強制してそれを受けせしめないこと。
(c)使用者または労働者を強制して、一時的もしくは永続的な団体または団結に加入させ、加入せいめないこと。
(d)使用者または労働者を強制して、一時的もしくは永続的な団体または団結によって課される罰金・違約金を払わせしめること。
(e)使用者を強制して事業をなす方式またはその雇用する労働者の人数・種類を変更せしめること。
 右(a)ないし(e)の目的をもって(1)ないし(3)の行為をなした者は、三月以下の禁錮に処せられる。但し(1)ないし(3)の行為を(a)ないし(e)にいう強制の目的をもってなさない限り、その行為が取引の自由を害しまたは害する傾向を有するとの理由により処罰を受けない」

 つまり1871年の制定法は、労働組合自体を違法とせず、ストライキの通告それ自体は犯罪とはされなくなった。しかし、ストライキは個別的自発的行為の総和であって、他者を強制できない。ピケッティングについては監視・包囲の定義は与えられておらず、ただその場所が明記されたにとどまるが、片岡曻は殆どすべて禁止されるようになったと述べている。具体的には、1871年刑事修正法が通過すると、その威力は立ちどころに現れ、ピケットが悪口を用いたことを理由として無数の告訴が行われ、労働者を勧誘してストライキ中の工場での就業に応じさせまいとする組合員の行動は、すべて禁錮に処せられる結果となり、七人の婦人が一人のスト破りに軽蔑の意をこめて「バァ」と言っただけで投獄されるようになった。(*6 230頁)。
 つまりピケッティングは廃止された1825年法の枠組みでも平和的説得である限りピケットを容認する判例もあったこと、http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/right-to-work-8.html、廃止された1859年の労働者妨害法Molestaion of Workmen Actが(イ)他人と合意して賃金または労働時間を合意したこと、(ロ)平和的リーズナブルな方法でかつthreats(脅迫)またはintimidation(威嚇)を用いる事なく、合意された賃金率または労働時間を獲得するために他人を説得して仕事を中断せしめること、のいずれかの理由のみによって1825年法にいう妨害とみなされてはならないとして、マルクスもこれを高く評価したように労働組合に有利なものであったことを考慮するとピケッティングの規制はずっと強化されたとみてよい。
 つまり世界初の労働組合法認とされる1871年労働組合法は、準法人格を与え、争議権を付与したといっても、それは個人の自発的罷業としてのストライキを容認しただけである。
 つまり労働組合がクローズドショップで入職を規制し、ピケッティングにより非組合員・代替労働者による就業を妨害することにより労働市場を独占することによって、組合の求める賃金率を維持するシステムと捉えるとするならば、1871年法は必ずしも労働組合にな有利なものではなかったと理解できる。
 にもかかわらず、法認された意味は大きい。それは当時の産業構造では職能別組合の直接請負(熟練労働者が労働過程を管理し賃金率を差配する)に依存しないと工場の経営がなりたたない構造があったことも要因といえるのではないか。
 石田眞は機械制大工業の未成熟ないし未成立によって、職能別組合が労働市場を規制することを可能にしたという事実を述べている。すなわち、「産業革命を経過したこの段階においても機械制大工業が支配的となったのは綿業および炭抗業の一部であって、その他の多くの産業部門はそこまで到達していなかったのであり、そのことが職能別組合に一定の優位性を与えたと考えられる。しかし、以上の要因だけでは熟練の解体傾向にもかかわらず職能別組合の政策が人為的な徒弟制度によって維持されたという事情を説明しつくすことはできない。そこで第二の要因として、一九世紀中葉のイギリス資本主義の独占的地位、とりわけ「世界の工場」としての地位によって熟練労働者が典型的な労働貴族になりえたという事情を重視する必要があろう。職能別組合は熟練労働者の特権的な労働条件に依拠して徒弟制度を維持し共済手当制を拡充・強化することによって、不熟練労働者を組織外に排除し未組織で労働条件の劣悪な階層にとどめることによって階層的に分離する労働市場規制を維持し国家による労働条件規制に反対したのである。」(*29 37頁)
 逆にいうと今日の産業構造は、熟練労働者による職能別組合に直接請負をさせなければ工場が成り立たないというものではない。職制の管理者に労働過程を管理する能力があるからである。又、今日では英米いずれもクローズドショップが違法であり、かつてのようにパブが求人の媒介所とならなくても、人事部なりで求人を行っているのであるから、むしろ現代において労働組合を法認する意味はほとんどなくなってきていると感じている。現代こそ営業制限の法理にもとづき。労働組合を違法とすることが可能な時代になったと認識すべきである。

*4中西洋『《賃金》《職業=労働組合》《国家》の理論》』ミネルヴァ書房(京都)1998年 
*6片岡曻『英国労働法理論史』有斐閣1952 129頁
*29石田眞「イギリス団結権史に関する一考察(中) 「労働組合に関する王立委員会」における団結法認論の対抗」『早稲田法学会誌』27197年[ネット公開論文]http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/handle/2065/6339
*30 岡田与好「経済的自由主義とは何か-『営業の自由論争』との関連において-」『社会科学研究』東京大学社会科学研究所  37巻4号1985

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