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2010/02/28

団結否認権の確立Right to Work lawが必要だ 下書き1-(25)

シヴィル・コンスピラシー民事共謀法理の進展について(後)

民事共謀法理三部作(後)

○A.C.I,Quinn v.Leathem(1901)[クイン対リーザム(リーセム)事件]

 第三の判決である本件は民事共謀法理が明確にあらわれた重要判決で組合の二次的ボイコット事件である。原告リーセムは北アイルランド・ベルファスト近郊の屠殺業者であり非組合員を雇っていたが、被告ら5名の組合役員はクローズドショップ協定(非組合員の解雇)を求めた。リーセムは解雇を拒否したため、組合役員は非組合員に仕事をやめて組合に加入してから雇用の順序を待つよう誘引し、又リーセムのブラックリストを顧客に配布し、リーサムと取引をしないよう申し入れるとともに、リーセムの得意先であるマンスにリーサムから食肉を購入しないよう誘引(二次的ボイコット)し、組合は得意先に対しても労働者を引き上げさせると脅しマンスはそれに従った。このため原告の食肉は売れなくなり、損害が生じた。【*34、*35、ウィキペディアQuinn v.Leathem参照】
 原告リーセムは契約違反・締結阻止の誘引および違法なブラックリスト発出行為、違法な共謀として、差止命令と損害賠償訴訟を提起したが、一審・二審・貴族院も全員一致で原告の損害賠償請求を認める判決を下した。
 但し、各裁判官の理由づけは異なっている。田島裕【*35】の云うようにアレン事件で反対意見を書き、個人の自由を守るのがイギリス法の責務であるとして反労働組合の判断をとっているホールズベリー卿の意見が重要である。ホールズベリー卿は「原告がそのようにして自己を傷つけた者を相手とし、何等救済方法を持ち得ないならば、我々の法律は文明国家のそれとは言いがたいし、またこの貴族院におけるアレン対フラッド判決以前に、かかる事実が被告たちに対する訴訟原因となりうることも疑う者は誰もいない」
 文明国家は許容しないとする見解はそのとおりだろう。二次的ボイコットは、今日ではイギリスでも合衆国でも豪州でも制定法により禁止されている。
 ホールズベリー卿はコンスピラシー法理がアレン判決以前に存在しており、アレン事件では脅迫も共謀もなかったが、クイン事件ではそれがみられるということを云っている。【*35】
 マクノートン卿の意見はクイン判決の先例は同じく二次的ボイコット事件であるテンパートン対ラッセル事件(1893)としている。これは前回取りあげたとおり、共謀などを手段とした営業妨害の不法行為を認めた判決だが、テンパートン判決は「遺恨」が不法行為を成立させる要素としており、クイン事件では得意先を脅迫して原告に復讐することを意図していたことを認め不法行為に当たると判示した。【*35】
 リンドリ卿は警告と脅迫の区別を明らかにした。従業員がストライキを企図していることを警告することまたは通告することは適法であるが、規約に従ってストライキを命ぜられていると脅迫することは、正当な理由のない限り違法である。と述べ1975年共謀罪財産保護法は争議行為を刑事責任から解放したのみで本事件と関係なく何の抗弁もなしえないとした。【*6 243頁】
 リンドリ卿の次の反団結思想も注目に値する。一人で行えば合法的な行為が、団結して行えば訴えのできる違法行為になることを述べている。「多数の者は一人の者ができない場合に人を困らせたり強制することができる。多数の者による苦痛や強制は耐えがたいものであるので、訴訟原因となりうるし、ひとりだけで生み出せない結果を生み出すのである」【*35】
 林和彦はこれを「普通法の信念」と解説したうえ、それは階級社会では成り立たない【*35】とコモンローを批判しているが、むしろ特定階級のために法を歪める事自体が誤りだと云わなければならない。 
 秋田成就はクイン判決について、アレン判決で追放されたはずの「悪意」が再び復活たした事件と解説している。【*33】

 三部作について問題点を挙げれば、船舶所有者のカルテル協定における二次的ボイコットは容認しながら、労働争議の二次的ボイコットは損害賠償を認めたため、使用者の団結と労働者の団結で異なる結論となったことであり、私は双方とも違法としたほうがわかりやすかったのではないかとの感想を持つ。

*6片岡曻『英国労働法理論史』有斐閣1952
*33秋田成就「イギリス労働組合法史に於けるコンスピラシー」『労働法』通号6 1955 
*34林和彦「英国労働争議法の生成(上)」『早稲田大学大学院法研論集』6号1970
*35田島裕「コンスピラシー法理の研究-(三・完『 法学雑誌 』 29(1) 1982年 
 

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