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2010/02/07

団結否認権の確立Right to Work lawが必要だ 下書き1-(19)

19世紀中葉以降の展開 3

 1866年シェフィールド事件は国民に労働組合の犯罪性を印象づけるものとなった。これは、シェフィールドにおける刃物労働者がストライキ破りの労働者に対し、仕事中の機械や家庭に火薬缶を投ずる等の連続的暴行を加えた事件である。同様の事件はマンチェスターの煉瓦工の間でも発生し、労働組合非難の世論が高まったのである。
 そして次に述べる、1867年のホーンビィ対クローズ事件を契機として法律改正運動へと発展した。【*10 153頁】
 1850年代以降職能別組合は巨額の資金を持つようになったが、労働組合には法律上の地位し与えられていなかったので、その基金は不安定な地位におかれたが、1855年の友愛組合法(friendly society Act)44条は「違法でない目的のために」設立した組合は、その規約を友愛組合登録官に登録することによって、同法の保護を受けられることとなったが、1867年のホーンビィ対クローズ事件は友愛組合による労働組合の保護を完全に粉砕した。
 事案は、ある全国組合の支部議長ホーンビィが、組合員クローズを組合基金を横領したとして訴えたが、治安判事はその労働組合は友愛組合法の適用外として訴えを却下したため、女王座裁判所に持ち込まれたが、裁判所は、問題の組合はその規約が「違法な目的」を有しているが故に友愛組合法の範囲内にないとして訴を却下した(結論ば全員一致)。
 コックバーン主席判事は 組合の目的には「人が一定の条件の下以外では働かない、また解雇された場合には互いに援助する事を義務づける」規定が含まれている。こうした目的を持った組合は「その組合員が刑法の範囲内にあるという事は論外である」が「このような組合の規約が営業制限の機能をなす事は確かであり、それ故に、かかる意味で違法である、と述べた。
 これによりストライキの目的を持つ組合規約が「営業制限」にあたるとされたことにより、ほとんどの組合は、基金の法的保障を失った。
 労働組合はその性質上、公共の政策(Public Policy)に相対立するものと断定したのである。
 コモンローにおける営業制限の法理について例えば、石橋洋は次のように説明している。
「イギリスの法において、いかなる人もその欲するところにしたがい、また欲する場所で適法な営業又は職業に従事する権利いわゆる営業の自由freedom of trade を有するものとされており、これを制限する約定は営業制限特約と呼ばれる。営業制限特約の典型的な類型として伝統的には、(1)雇用契約終了後の被用者の競業行為を制限ないし禁止する使用者と被用者との間で締結される特約(2)使用者が雇用していた被用者を他の使用者が雇用しないことを目的とする使用者間の特約(3)使用者に対して被用者が統一的行為を採ることを目的とする被用者の特約、のように被用者の営業の自由を制限するものの他、(4)営業譲渡に関連して譲渡人の競業行為を制限ないし禁止する特約、(5)独立した事業者又は事業者グループの間での価格協定等のようなカルテル、(6)パートナー間でパートナー契約終了後の競業行為を制限ないし禁止する特約、等があげられる。こうした営業制限特約の効力如何は、公序(Public Policy)に関わる問題として全て営業制限法理(doctrine of restraint of trade)を通じて判断されてきた。営業制限とはコモン・ロー上の基本的な法原則とされる営業の自由と契約の自由とが交錯・抵触したときに、双方の自由を調整し、営業の自由を制限するいかなる契約もそれを合理的とする特別の事情がない限り公序に反するものとして一応無効と推定するprima facie void法理論と理解されている」【*28】
 要するに、営業制限の法理は、労働組合の場合、労働協約であれ、組合の職務統制、ストライキであれ被用者の個々の契約、競争を妨げ、統一的行為をとることを目的とする結社であるから、それは営業制限であり、公序に反し無効とする法理論なのである。
 もっとも当時の職能別組合は労使間の協約でなく、労働組合が一方的に賃金率を決定し、それを認めない労働者が自発的に離職し失業者になることによって使用者に認めさせるかたちをとっていた。それができたのは、クローズドショップによる入職規制により、労働市場は支配できたためだろう。
 具体的には、「組合は、①労働市場に入って来る者に対しては、徒弟制度を手段として入職規制を行い(合同機械工組合の場合、熟練労働者一人に対して徒弟数を四人に制限し、非組合員が同職につくことに強く反対した)、②すでに労働市場にある者に対しては、いわゆる標準賃金率を厳格に実施させ、こうした「標準化政策」を動揺させる出来高払制や規則的な超過勤務に反対し、③失業者や標準的労働能力を喪失した者が労働市場を圧迫するのを阻止するために失業手当や求職旅行手当を保障する組合基金を作り上げた。」【*29】
 労働市場の支配による賃金カルテルであり、これは明らかに営業制限として違法なものと認識しなければならない。使用者の労働市場に自由に出入する権利を制約し、非組合員への排除によって成り立つ性質のものである。

*10片岡曻『英国労働法理論史』有斐閣1952
*21石田眞「イギリス団結権史に関する一考察(上)  労働組合の法認と「営業制限の法理」『早稲田法学会誌』26 1976[ネット公開論文]
*28石橋 洋「イギリス法における営業制限法理の法的構造(1) : 雇用契約上の競争避止特約を中心に」『熊本法学』98 2000年[ネット公開論文]http://ci.nii.ac.jp/naid/110000955066/ja
*29石田眞「イギリス団結権史に関する一考察(中) 「労働組合に関する王立委員会」における団結法認論の対抗」『早稲田法学会誌』27197年[ネット公開論文]http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/handle/2065/6339

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