コンテンツ産業を潰す気か-東京都青少年健全育成条例改正
18日にも議会を通過しそうな東京都の条例改正ですが、思想統制であり、表現活動を萎縮させ、表現権侵害であり漫画家という職業を脅かし、コンテンツ産業に関わる人々を追い詰めるものとして反対します。
アニメやマンガに登場する18歳未満のキャラクターを「非実在青少年」と名づけ、性的な対象として扱うことを制限するというきわめて深刻な内容。http://news.nifty.com/cs/topics/detail/100314247693/1.htm
そもそも、国の児童ポルノ禁止法改正問題でも、モデル児童への虐待防止という(規制)利益がない、アニメや漫画のキャラクターの規制は先送りにされていたのに、地方の条例で規制していこうというやりかたが姑息。この問題に取り組んでいる山口貴史氏のブログの見解に賛同します。http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/03/ver-3-4c26.html
アメリカ合衆国の連邦最高裁にはヴァーチャル・チャイルド・ポルノ規制違憲判決(合衆国最高裁2002年Ashcroft v. Free Speech Coalition)がありますが、法廷意見でケネディ判事は「性的行為をしている10代の未成年を描写するという思想の表現は、近代社会の現実であるし、何世紀もの間、文学・芸術のテーマになっている」ことなどを理由に違憲判断を下しておりますがhttp://app.m-cocolog.jp/t/typecast/49362/48533/57000526?page=2、今回の東京都青少年健全育成条例は明確な思想統制・弾圧として糾弾されるべきものであると考える。
このようなパターナリズムは到底容認できない。
参考までに翻訳があるのでケネディ判事の名判決を読んでください。http://homepage2.nifty.com/dreirot/column/porno.html
創作物規制に反対する過去のエントリー
http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-7fb6.html
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投稿: なし | 2013/03/08 17:03