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2010年6月の28件の記事

2010/06/30

デヴィ夫人が琴光喜を救うべきとブログで主張

賭博の場合 最高に重くても50万円の罰金のみなのに死刑を下そうとしている、外部委員のいいなりになる相撲協会の批判は妥当なものように思える。http://ameblo.jp/dewisukarno/entry-10577627804.html

2010/06/29

琴光喜に同情する。やめさせるのはもったいない

本日発売の日刊ゲンダイによると大嶽親方は琴光喜のツケ(名義)で賭博をやっていて、琴光喜の負け金3000万円というのほとんど大嶽親方。琴光喜は1回1万から5万しか賭けてない。大嶽親方は20万から50万と報道されている。
琴光喜が当初賭博を否定していたことと大関の地位が厳罰の理由とされているが、こんなことしゃべったら、大嶽親方に迷惑がかかるだけでなく、大嶽の義父である元大鵬(文化功労者)の面目を潰すことになる。縦社会の各界では先輩のしかも大横綱のメンツを潰すことは絶対できないはずだ。リーマン社会でも同じですよ。たとえばかばかしくとも上役の面目を潰さず機嫌をとっておもりをするのがよき部下なのである。
琴光喜は大嶽親方の負け金を肩代わりせざるをえなくなったお人好しだったというだけである。
そもそも私は賭博は被害者なき犯罪として非犯罪化が妥当と考える、前例としても1995年1月に二所ノ関親方(元関脇金剛・現理事)が麻雀賭博で逮捕され、審判委員解任、6カ月間20%の減俸、3月場所中の謹慎などの処分を受けた例があります。琴光喜は逮捕されてもいないのだからこの前例より重い処分は疑問である。

ゴア元副大統領がマッサージセラピストに局部のマッサージを要求した疑惑が

 ワールドカップに気をとられて見逃していたニュース。環境主義者でノーベル平和賞を受賞したゴア元米副大統領が2006年10月に気候変動の演説のためにオレゴン州・ポートランドのホテルに滞在した際、当地のマッサージ師が元副大統領から「望まない性的接触」を求められたと主張していることが明らかになった。ただ、証拠不足のために訴訟には至っていないという。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100625-00000009-wsj-int&utm_source=DaisyAgent&utm_medium=twitter
 http://www.nytimes.com/2010/06/24/us/politics/24gore.html
 別にどうでもよさそうなことだが、ナショナルエンクワイアラーによると相手の女性が年増で54歳なんだそうだ。どうせやるなら若い女とやったらどうだといいたくなる。
 というのは、これは20年以上前の話だが、石和温泉に職場旅行に行って私が幹事だったんですが、上司がマッサージを呼び、第3の足もマッサージとねだっていたのに驚いた。おばはんとシコシコやってなにが面白いのか。多分これは性的含みのない按摩なのに。それと同じだよゴアは。
 私はそういうことはしたくないです。はじめからお尻をさわる目的でそれだけの目的でイメクラとかに行きます。性風俗嬢とそうでない職業の女性は明確に区別します。

連邦最高裁シカゴの銃禁止令に違憲判断

 合衆国最高裁は6月28日(月)5対4の僅差で、シカゴの銃禁止令を合衆国憲法修正第二条に反し違憲とする判断を下したと、各紙が一斉に報道してます。
 2年前に最高裁は連邦法であるコロンビア特別区の拳銃禁止令と安全装置要件を無効にしてますが、今回は州法や都市の条例においても銃禁止が合衆国憲法違反との判断をとったものだとニューヨークタイムスは説明してます。
 2年前の判決があるので順当だと思いますが、判決文起草者は右派のアリート判事でした。私は銃を所持する権利、全米ライフル協会に好意的な考えなので歓迎します。

合衆国憲法修正第2条「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、市民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない」
http://www.usatoday.com/news/washington/judicial/2010-06-28-gun-rights-supreme-court-ruling_N.htm

http://liveshots.blogs.foxnews.com/2010/06/28/high-courts-big-ruling-for-gun-rights/

http://www.chicagobreakingnews.com/2010/06/united-states-supreme-court-scotus-gun-control-rifle-ban-chicago-police-mayor-richard-daley-nra-second-2nd-amendment.html

もう一つのギンズバーグが法廷意見を書いて、アリート判事が激しい反対意見を書いた事件についてはポリティカルコレクトネスと関連する問題のようですが内容を理解してないので論評しません。

2010/06/27

感想 野田裕久編『保守主義とは何か』

 入手資料整理37 
 9719野田裕久編『保守主義とは何か』ナカニシヤ出版(京都)2010年

内容 
 まえがき
第1章:未来としての過去
   ― 古代ギリシャの保守と進歩の主旋律 ―
 渡邉雅弘〔愛知教育大学教育学部教授〕
第2章:ヒューム/バークの保守主義倫理
   ― 共同体主義を手がかりに ―
 松川俊夫〔東北文教大学短期大学部准教授〕
第3章:イギリス保守主義の二大源流
   ― ベンジャミン・ディズレーリとロバート・ピール ―
 戸澤健次〔愛媛大学法文学部教授〕
第4章:トクヴィルと『アメリカにおける民主主義』
 野田裕久〔愛媛大学法文学部教授〕
第5章:ボードレールと反=進歩の美学
 森誠一郎〔慶應義塾高等学校非常勤講師〕
第6章:果たして「保守革命」だったのか
   ― ドイツ憲法改革論議の諸問題 ―
 山崎充彦〔龍谷大学社会学部講師〕
第7章:民族・国家・帝国
   ― 大戦間期オーストリアの保守思想と国民国家 ―
 梶原克彦〔愛媛大学法文学部専任講師〕
第8章:ロシアの政治文化と保守主義
 河原祐馬〔岡山大学法学部教授〕
第9章:ハードウィック・ローンズリィとナショナル・トラスト
   ― 十九世紀末イギリスにおける保守主義の一断面 ―
 佐野亘〔京都府立大学公共政策学部准教授〕
第10章:日蓮主義的国体論の成立と展開
     ― 里見岸雄を中心に ―
 金子宗徳〔里見日本文化学研究所主任研究員〕
第11章:モンテーニュとオークショット
     ― 懐疑主義的保守主義の系譜 ―
 中金聡〔国士舘大学政経学部教授〕

 新刊書。野田裕久(愛媛大学教授)まえがきによると政治思想としての保守主義は多義的である。現代イギリスにおいては保守主義には「ワン・ネーション型」と「ニューライト型」があり、前者は混合経済、権利としての福祉、多元主義を是とし労働組合に協調的、道徳的にはリベラル、ヨーロッパ統合と主権の共有に前向き、後者は制限された国家、自由市場経済、セーフティーネットとしての福祉、個人主義的な市民な社会、労働組合に対抗的、道徳的には保守、欧州からの自立と主権の堅持を求める。
 私自身は後者に好意的だが、つまり名称は保守主義でも内実は正反対の思想なのである。そうすると保守主義の標榜は相当用心しなければならない。対立軸にある保守主義も批判しなければならないということである。ここでは、2つの論文について感想を述べる。

 
○ 戸澤健次「イギリス保守主義の二大源流― ベンジャミン・ディズレーリとロバート・ピール 」
 

ベンジャミン・ディズレーリはビクトリア朝時代の保守党の首相だが、こいつさえいなければという嫌悪すべき政治家の一人である。その理由は第一に世界で初めて労働組合を法認した1871年「労働組合法」制定当時の首相であること、第二は、1867年の第二次選挙法改正で都市の労働者に選挙権を拡大したことにより労働者階級に迎合することが政治の基調になってしまった大罪である。〔私はコレクティビズムと民主主義は悪という認識である。〕
この論文にあるように、そもそもディズレーリは「土地貴族の家系ではなく、イートン校もオークスフォード大学も卒業していない。それどころかイギリス国教会の信者でもなく〔下院議員になるため国教会に改宗〕、人種的にもやユダヤ人だった。」つまり偽物のイギリス人である。「ピールを徹底的に批判し‥‥貴族と‥‥労働者階級との同盟によってブルジョア思想を牽制し、国民が階層的秩序の中で、一つの国民にまとまることを夢想した」労働者階級の利益のための政治をやろうとした。「議会演説の巧みさ、迫力で他の議員を圧倒し、いわば議会対策的技量で保守党の指導者になった」ということである。要するに政治力があり雄弁であるためイタリア系ユダヤ人であるにもかかわらず指導者にのし上がったが、政治思想それ自体がかなり問題なのである。
 チャーチズム運動は1848年に抑え込まれて下火になったが、1870年代に選挙権拡大運動が再燃、1866年には選挙権拡大運動が暴徒化した。ディズレーリはこれに迎合して、選挙権拡大保守党政府案を提出した。それは都市では年6ポンド、地方では年20ポンドの税金・借地料を納め、二年間居住している全ての戸主というものだが、ピール蔵相ら有力三閣僚が拒否反応から辞任しているように、反対論も多かったのである。ディズレーリが貴族と労働者階級の同盟という馬鹿げたことを考えていなければ、世界に普通選挙は拡大せず、今日のような民主主義の拡大はなかったかもしれないし、何よりも労働組合の法認や争議権への拡大も防げたかもしれないという意味でディズレーリは悪の元凶との認識を持った。
 しかしディズレーリの政治も階層的国家を守るという観点で保守主義なのであり、ディズレーリの政敵であるピールも保守主義とされている。この論文ではイギリスではひとくちに保守主義といっても2つの潮流があり、サッチャリズムは自助と競争を基本とするピールの伝統の復活であるとしている。一方、現在のキャメロンは医療改革や社会問題の対処で成果を上げたいとしているので、ディズレーリの伝統への復帰という評価である。
 
 
○松川俊夫「ヒューム/バークの保守主義倫理― 共同体主義を手がかりに ―」

 コミュニタリアリズム(共同体主義)はマイケル・サンデルやアラスデア・マッキンタイアといったアメリカの哲学者によって展開されてきたが、著者は、ヒュームやバークもコミュニタリアリズム(共同体主義)であると主張している。
 ここではバークについて取り上げる。キーワードは「相続」と「偏見」である。
 「相続」については政治的な「財産」(マグナ・カルタや権利宣言)を先行する世代から「相続」する、それは政治体制だけでなく、「ヨーロッパ世界」が「騎士の世界」と「宗教の精神」の相続というように、政治的文化的遺産を相続してきたことによって成立し、歴史的生成物であることが強調される共同体にわれわれは属しているという自覚が明確にあるため、バークを「近代の古典的共同体主義者」とする。
 では、次のような私の主張はコミュニタリアリズムなのだろうか「夫婦別姓の意味する所は、女の家は婚家であり、夫とともに婚家を継ぐという女性の日常道徳の基本の否定、つまり婚入配偶者の婚家帰属性の否定であります。これによって社会秩序の根幹となる道徳価値が否定されることになり、
 具体的には伝統的には『女大学』で示されてきてた、舅・姑の跡を継ぐゆえに、わが親より舅・姑を大切に思い、孝行を為すべしとする婦人道徳の否定である。「戸令」二十八の七出・三不去の制に「舅姑に事へず、心強き妻。ものねたみする妻」があるがまさに夫婦別姓を推進する女どもがこれに該当する。夫婦別姓論の女こそ、1300年以上の公定イデオロギーに叛逆する者として叩き出すべきなのである。」「 我が国の家族道徳の基本は孝子・順孫・義夫・節婦(総じて「孝義」賦役令の孝子・順孫・義夫・節婦の表旌)という儒教道徳である。‥‥律令国家の統治理念は儒教道徳による民衆教化なのである。それで日本は安定した社会の基盤を形成してきたはずだ。」

 これは、律令成立期以来の儒教的家族道徳の伝統の価値をいってますが、そういう政治的・文化的遺産を「相続」すべき義務があるとの認識を示した訳であるから、コミュニタリアリズムに接近した見解かもしれない。
 
 「相続」も重要だが、しかしバークの真骨頂は「偏見」「先入見」を肯定的に評価する所にあるように思える。
 例えば『フランス革命の省察』岩波文庫の次のような見解が引用されている。

 「偏見は人間の徳を人間の習慣へと仕上げ、決して一連の断片的行為のままに残さない。人間の本姓の一部になる。」(161頁)
 
 共同体の根ざした感情を離れ、理性を乱用することに反対し、むしろ父祖より引き継いだ感情、共同体の伝統を背負い込んだ「偏見」にこそ人間の徳を仕上げるといった趣旨と理解する。
 ところで、私は次のような見解をブログで述べてきた。
 
 反女性・女性敵視主義宣言(1)
 
ミルトンの『失楽園』(4・297-301)
男は思索と勇気のために造られていた
女は柔和さと美しく優雅な魅力のために。
男はただ神のために、女は男の内なる神のために。
男の美しく広い額と清らかな目は、絶対的支配を語っていた。(
註1)
 
 近代個人主義的友愛結婚の提唱者とされるミルトンですが、これは基本的に、西洋文明、ユダヤ・キリスト教の伝統に沿った性差別思想であり、男性の優越性の含意が看取できますから大筋で支持できます。ミルトンの性差別意識については批評者によって議論のあるところだが、フェミニストは上記の文脈をファロセントリスムの表明とみなしてますが、上記の見解は17世紀ならたぶん常識的なものでしょ。
 しかし、自分は古典カノン法の理念を尊重するし、ミルトンが離婚論で批判する教皇アレクサンドル三世は法律と行政の天才、規範提示者と思ってますからミルトンとは思想的立場が違うので、次のような独身の中世の神学者の見解のほうを好む。
 全科博士・熟練博士と尊称され、ギリシャ・イスラムの学問を同化吸収し、同時代人から「あらゆる学問の道に神的な人であるので、現代の驚異と呼ぶにふさわしい」「非常に明るくて普遍的な全キリスト教世界のあらゆる哲学者の太陽」と称賛され、その知識の広さと活動の多様性において、世界史のなかでも最も偉大な人物の一人であるアルベルトゥス・マグヌス(1206-80、列聖1931)は『動物論』で次のように主張する。
女性は男性よりも道徳には向いていない‥‥女性は気まぐれで好奇心が強い。女が一人の男と交わっているとき、彼女はできれば別の男と寝たいと思っている。女というのは誠を知らない。私の言うことを信じなさい。もしあなたが彼女を信用すると、あなたは失望するだろう。経験豊かな師の言葉を信じなさい。賢明な男ならば自分の計画や行動を妻にはわずかにさえ知らせないものだ。女性とは出来損ないの男性であり、男性に比べると欠点だらけの性質を持っている。だから内面は信用できない。自分で手の届かないものは、ごまかしや悪魔のような嘘で手に入れようとする。つまり短く言えば、毒蛇か角の生えた悪魔に用心するように、あなたはあらゆる女性に気をつけなければならない。もし私が女性について知っていることを言ってもよければ、世界中が驚くだろう‥‥女性は男性よりも賢明なのではなくずるがしこい(抜け目がない)のだ‥‥だから、悪い、自然に反した行動においては女性は男性より賢い、つまりずるがしこいのだ。彼女らの感情はあらゆる悪へ駆り立てる。それは理性が男性をあらゆる善に促すのと同じである。」(註2)
 さすがに全科博士は女の本質を見抜いていた。女を見たら毒蛇か角の生えた悪魔と思え。女はあらゆる悪を指向する傾向性がある。だから信用してはいけない。私はこの教えに忠実でありたいと思います。
 というよりも明確な性差別意識が正しいんです。『創世記』ヤハウェ資料において、女は男の補助者として創られたが、彼の誘惑者となり彼を破滅に導いた。神は女に次のように宣告した。「私はあなたの産みの苦しみを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。それでもなおあなたの欲望はあなたの夫に向かい、彼はあなたを支配するであろう」〔『創世記』3・16〕。神自らが、妻に対する夫の権威を高めた。男性支配による社会的、法的、経済機構は神の認可にもとづく決定的な秩序なのであります。
 それがこの世の秩序、この文明の秩序なのであります。従って男性が女性の支配を抛棄するとは、神を蔑ろにするものであるから、フェミニズムへの敵意は当然であり、有害思想、女性尊重フェミニズムを駆逐すべく行動しなければならないと考える。
 この観点から古代教父の教えも当然引用したいです。まずスコットランド宗教改革戦争の理論的指導者で、カルヴァン派のスコットランド長老教会を誕生させたジョン・ノックス(1505-72)がジュネーブで1558年に匿名で刊行した『女たちの奇怪な統治に反対するラッパの最初の高鳴り』という著作ですが(註3)、これはイングランド女王メアリー・チューダーと、スコットランド摂政ギーズのメアリの統治に反対し、転覆する反乱のアジテーションという政治目的の文書ですが、宗教倫理的な事柄は古代教父を多く引用し、反フェミという観点でも優れた著作と思うので一部を引用したい。
 ラテン教父テルトゥリアヌスは女の服装に関する著作で女に対し「あなたは、あなた自身がエバであることを知らないのか。神の宣告は生きており、この種属に対して効力を持つ。この世にあって、あの罰もまた生きているのはしごく当然である。あなたは悪魔の港であり門である。あなたは神の律法の最初の違反者である‥‥」と語っている。
 東方教会最大の説教師で、コンスタンティノープル司教でもあったヨアンネス・クリュソストモス(聖人)は女に優先権を与えた男を叱って「男に悪しき助言を与える女をはねつけるのが男の役割である。男に有害な助言を与えた女の耳には、四六時中、エバに与えられた罪を聞かせてやらなければならない」又、神の宣告を引き合いに出し「‥‥あなたは神の許を離れ、あの悪しき動物と喜んで親しみ、その助言を受け入れようとしたゆえに、わたしはあなたを男に服させるのであり、あなたが男の支配を認めるようにと、わたしは明確に男をあなたの主に任じる。あなたは支配することはできないから。支配されることを学べ」又「たとえ男は堕落しているにせよ、男の上に立つ権威を女が奪い取ることは許されない」さらに「女性というものは短気で無鉄砲で、その貪欲さは地獄の底なし沼のよう、つまり飽くことを知らない」と教えております。
 
 アウグスティヌスは、「女はキリストに服するように男に服さなければならない。というのは、女は服すべき権威を体と肉から引き出せないので、肉が霊に服すように女は男に服さなければならない。現世の弱さと滅びのうちにある肉は霊にさからって欲望を燃やし求めるからであり、従って聖霊は女に対し肉が権威となりうるようなものを与えようとしない」と述べている。
 四大教父の一人、聖アンブロシウスは『六日間天地創造説』で「アダムはエバにだまされたのであり、エバがアダムにだまされたのではない。従って女が女らしい手軽さのために再び足をすべらせて堕落しないように、女が罪に誘い込んだ男を支配者として受け入れ認めるのが正しいことである。」又、「エペソ人への手紙」に触れ「女は主に向かうように夫に服従せよ。なぜなら男は女のかしら、キリストは教会のかしらで体の救い主であるからである。ところで教会はキリストに服しているのであるから、そのように女はあらゆることで夫に服さなければならない」さらに続けて「女は自然法により、男に服するように命じられている。なぜならば、男は女の作成者で創始者であるから。すなわちキリストが教会のかしらであるように、男は女のかしらである。教会はキリストに始原を持つのだから、教会はキリストに服する。同じように女は男に始源を持つのだから女は服従すべきである」と教えている。
 私はこうした古代教父の教えに忠実でありたいと考えます。ゆえにフェミニズムへの敵意は当然のことです。
 
 なお「女は男に始源を持つ」というのは現代科学の成果と一見、矛盾するようだが結論は同じことである。私は発生生物学は全く素人だが、たぶんこうだろう。つまり胎児はテストステロンの分泌によってはじめて男性になる。原型が女で、その特殊型・進化型が男です。祖型類人猿が原型で、その特殊型・進化型がヒトである。生物学では後から出てきたものが高等なのです。時系列的問題は本質的なものではなく、後から出てきた男が原型の女より高等なのであって、後から出てきたヒトがサルを支配するべきなのであり、サルがヒトを支配したり平等を主張することは容認できないから、結局生物学の成果は、聖書や教父の見解を補強するものと理解できる。
 
 そんな私の解釈は全くくだらないものであるが、四世紀に教皇によって編まれたものとされる『使徒教憲』は決定的な意義を有するもので、これは12世紀にグラティアヌスの教令集の中に広く受け入れられ、現代に至るまで重要な意味を持つ。
 「われわれは、女性が教会で教えるという仕事をなすことを許さない。彼女らは祈り教師の教えを聞くのみでなければならない。なぜならわれわれの師である主イエスは、民衆と異教徒に教えるため、われわれに十二人の男性のみを遣わされたのであり、決して女性をお遣わしにならなかった。女性がいなかったというわけではないのに。というのも、主の母とその姉妹、マグダラのマリアやヤコブの母マリア、ラザロの姉のマルタとマリア、サロメ、その他がいたのだから、であるから、もし女性にふさわしい事がらであるなら、彼自身が女性をお呼びになったであろう。しかし男が女の頭であるなら、体の他の部分が頭を支配するのは適当ではない」第三巻、六(註4)
 これが正統的な教会の規範である。ところが1994年に英国国教会のジョージ・ケアリー・カンタベリー大主教は女性司祭の叙任を容認した。このため不満を持つ信徒がカトリックに改宗したということが報道されていましたが、非常に不愉快であるとともに女性司祭容認のリベラルな教派には幻滅しました。こうしたリベラルな教会はもはやグノーシス派やカタリ派のような異端に接近してしまったといわざるをえません。現代はフェミニストの攪乱によって混乱に陥っています。
(註1)滝沢正彦「『失楽園』の夫婦像-「人間」への成長としての原罪-」辻裕子,佐野弘子編 『神、男、そして女 : ミルトンの『失楽園』を読む 』 英宝社 1997 28頁
(註2)ウタ・ランケ-ハイネマン著 高木昌史他訳 『カトリック教会と性の歴史』三交社1996 238~239頁     
(註3)ジョン・ノックス著 飯島啓二訳「女たちの奇怪な統治に反対するラッパの最初の高鳴り」『宗教改革著作集第十巻カルヴァンとその周辺Ⅱ』教文館 1993
(註4)ウタ・ランケ-ハイネマン著 高木昌史他訳 『カトリック教会と性の歴史』三交社1996 178頁 

 このブログにはコメントがついてませんが、フェミニストからは偏見だとの非難を予想しますが、私は次のように反論します。ここで引用したアルベルトゥス・マグヌスといった神学者、ヨアンネス・クリュソストモス、アウグスティヌス、アンブロジウスといった古代教父というのは、いずれも聖人で西洋を代表する重要人物である。この世界の規範提示者であり圧倒的な権威なのであり、西洋文明の遺産を「相続」し継承するという立場でも正しいし、ここで引用しているのはテルトゥリアヌスが晩年異端に走ったとされるが、それ以外は正統的な神学者であるし、引用しているのは正統的な思想である。 フェミニズム的なグノーシスこそ異端であって、「偏見」というものでは全くない。
 「女性は男性よりも道徳には向いていない‥‥女性は気まぐれで好奇心が強い。女が一人の男と交わっているとき、彼女はできれば別の男と寝たいと思っている」女とはそういうものなのだ。しかしそれでもフェミニストは「偏見」と言いつのるだろうが、仮に百歩譲って「偏見」とするとしても、バークの引用により、そのような「偏見」にこそ叡智があると反論できるのである。
 
 私が「偏見」の価値を認めるバークの思想に興奮したのはポリティカル・コレクトネスはまさにバーク主義故に、反対と主張できると思ったから。
 
 
 私は勿論、集団的誹謗表現の規制に反対であり、ポリティカルコレクトネスや法務省が進めている人権侵害救済機関の設置も反対でありますが、例えば、外国人に賃貸住宅を提供しなかったり、家賃滞納の猶予をしない大家を差別主義だとしたりするのは勿論、契約自由、財産権の侵害として強く反対します。望む人と取引をすることを認めないというのは重大に私権の侵害である。
 外国人を店子にしたくないのは偏見だと人権派は攻撃するだろうが、保守主義の立場からは仮に「偏見」であるとしても、「偏見」にも価値があり、それ故に契約自由という市民法秩序の侵害を正当化する理由にはならないと考えるものであります。

入手資料整理36

  9718伊藤健市 中川誠士 堀龍二編著『アメリカの経営・日本の経営-グローバルスタンダードの行方』ミネルヴァ書房2010年
内容
アメリカモデルと日本モデル
アメリカモデルの変貌―IBMを事例に
コーポレート・ガバナンスの変容にみる日本の経営とアメリカの経営
ソニーの組織改革とコーポレート・ガバナンス
日本IBMの給与制度
ファイザーの人事考課
ジョンソン・エンド・ジョンソンのコンピテンシー
日本IBMの人材教育―プロフェッショナル専門職を中心に
ザ・リッツ・カールトン・ホテルのキャリア開発―企業理念の浸透と実践のためのキャリア形成
アフラックのワークライフバランス〔ほか〕

 新刊書である。伊藤健市(関西大学商学部教授)とそのグループの著書は4~5冊はもっており、先進企業の企業文化は関心のあるテーマ(とくに組合不在企業)なので当然買った。

堀龍二「日本IBMの給与制度」について感想を述べる。『労政時報』など引用が多のだが、直接取材したというよりも情報を集約したようにみえる論文である。

IBMの基本方針は全世界共通で「個人の尊重」であり給与に関していえば「発揮された能力、業績などに基づいて、公正な昇給・昇進などの処遇を行う」ことであるとしている。

 先進企業だけあって事業構造の変化に対応し、組織のフラット化、第一線の社員への権限委譲が進んでいる。組織のフラット化の意味する所は顧客ニーズの迅速な対応と、専門職への権限委譲によるね意思決定のスピードアップである。専門職については1980年に人事考課を廃止して目標管理で個人業績を評価しているが、1994年にし専門職課長相当以上が年俸制となり、一般職も人事考課を廃止して、目標管理で業績評価をすることに統一した。又、この論文では言及してないがが、IBMを含め、アメリカでは多くの企業が評価の公平性、客観性、納得性のため、360度評価(上司だけでなく同僚・顧客の評価も参考にする)が行われているはずである。
 都庁はグループウェアでロータスノーツを使っていて、日本IBMと取引がある。ただペーパーレス反対、OA反対、グループウェア導入に反対の労働組合の妨害によってロータスノーツの使い方のインストラクターの指導がなされなかったことに強い不満がある。給水部系の職場はやったが、営業部系の職場はやらなかったのだ。だから未だにどうやって使ってよいのかわからないのだ。デジタル棄民となっているわけである。目標管理は私の職場(東京都水道局)もやっていて、人事考課の参考的な位置づけになっているが、組合の制限的労働慣行(仕事統制)が支配している状況(職員は組合の職務統制と争議指導に服することが第一に要求される)では、それと矛盾する目標管理は実質形骸化している。期初6月と途中経過の11月の丁度都労連との争議行為頃殺気立っている状況で面接をやるだけでそれは異動希望調書の話が主体で、最終報告時に期末で達成度合いを評価する面接がなく、だから、私がヒラなのに係長級担当とされている仕事も含めて困難な多くの仕事をこなしても最終結果をフォローしないから貢献度を正確に評価されてないとの不満があるわけである。管理職も熱心に見ることはなく、形式的・事務的な面接になる。労働組合が形骸化する運動をやっていて、書き方の雛形をつくったり組合の圧力で面接を任意としている職場がある。任意はルールに反していると言うと、面接の強制はできないという回答である。又自己評価もB評価に統一するよう組合が指示している。結局の所、昔ながらの人事考課がなされていて上役の機嫌をとるヒラメ人材でないと昇進できない心証が強い。360度評価があれば、上役には機嫌をとり丁寧に応対するが、同僚や下の人には横柄とか一生懸命に仕事をして上役の判断のミスをカバーしているのにお前はワーカホリックだとか攻撃するだけで、ねぎらいの言葉の一つもないとか、ガス抜きができるが、それもないので不満だけが残るのは三流企業だといわなければならないだろう。

 基本給については日本IBMはアメリカ型職務等級制度を1967年来導入していたと書かれている。60~70年代にはアメリカではどこでもやっている制度である。つまり全ての仕事を社員1人分に相当する単位である「職位」に整理・分類(職務分析)したうえで、その職務内容とその業務を遂行するための能力や実務経験と程度を明確化した職務記述書をもとに各職位の重要度・困難度を評価し、職級(職務の格付け)を決定する。
 つまり職務に対して給与を支払うもので、日本企業の職能給・属人給とは違う。このへんは富士通のサイトが説明しているので、みてください。http://sme.fujitsu.com/accounting/wage/wage004.htmlきわめて単純にいうとアメリカは仕事に人をつけて仕事の責任の重さで給与を払う。日本は人に仕事をつけて、人の能力・年功等の属性で給与を払う。
 一般論としてアメリカ型職務等級制度は次のような問題点が指摘されていた。職務記述書で職務を明確化すると、職務内容や業業構造の変化に対応しきれない、つまり日本のやり方は職務分析も職務記述書もなく、かなり柔軟に人に仕事をつけたりできるが、アメリカの従来の制度は柔軟性に乏しい。また従来は成果主義でなかったため、業績いかんにかかわらず給与が支払われていたこと。
 そこで、職務等級のブロードバンディング化が90年代以降の流れとなっている。本書によると日本IBMでは20以上あった職務等級を9のバンドに簡素化して処遇を柔軟化した。
 基本給内の昇給方法は管理職・専門職は「職務・業績別メリット給」という個人業績のみだが、一般職については日本の年功賃金と同じ「標準年齢別一律メリット昇給」を1973年から導入していた。また基本給以外に「長年の貢献に報いる趣旨」で「職能(格)手当」が1975年から導入された。これは勤続を重ねること平均して5年ごとに自動的に昇格・増額とするきわめて日本的・年功的な手当である。
 オスターマンによるとアメリカでも80年代半ばまでは日本と似たような実質的に年功賃金だったといわれるが、そうしてみると、日本IBMにしても日本的な慣行を考慮した制度であった。
 しかし「標準年齢別一律メリット昇給」は1996年に廃止され「職能(格)手当」は2004年に廃止された。

 但し「標準年齢別一律メリット昇給」の廃止に伴い若年層の生活に配慮して給与の安定的な上昇を保障するための「業績加給」制度が設けられた。これは業績の総合評価A~D別に一定の加給額が設定され、D評価でなければ必ず昇給する手当としている。
 
 賞与については1960年以来、基本給の4か月分を6月と12月に支払ってきたが、会社全体と、個人の業績連動型とした。ノンエグゼプト(超勤手当支払いのある一般職と専門職の一部)が年間の賞与が会社業績によって基本給の7.5~8.5か月の幅で変動する。エグゼンプト(上位専門職)は7~9か月の幅となる。個人業績ではA評価が一回乗り賞与4か月分の基本給に対して+0.4か月D評価が-0.4か月である。
 評価が悪くても会社の業績が悪くても一般職で年間6.7か月の賞与があるのは報酬に気前の良い企業との心証をもった。
 手当については元々IBMは本社も直接仕事とは関係しない家族手当や扶養手当がなく、職能(格)手当、財形扶助、住宅費扶助、昼食費扶助しかなかったが、住宅費扶助を残して廃止された。
 基本的に仕事の内容と業績と関係のない手当はこれだけのようだ。
 以上のように、さすがに先進企業だけあって業績主義は進んでいるといっても目標管理は結果だけでなくプロセスを重視しており、職務と人の両方を評価していることをこの論文は強調している。又「業績加給」制度は年功的な含みのある制度とも理解できるのである。

2010/06/23

テレビに出てきた菅直人のブレーン、神野直彦って最低ですね

6.20在特会反民主党デモhttp://www.youtube.com/watch?v=w2cQ0dTfqS4は行きませんでしたが、ユーチューブでみました。桜井誠は民主党との闘いはこれからだと言ってます。私もいよいよ民主党政権と戦う態勢に入りたいと思います。先ほど、報道ステーションで菅直人のブレーン、神野直彦が登場しスウェーデンのように保育や老人ホームをタダにしたいなどと発言しているのを見ました。それが強い社会保障だとか絵空事のようなことを言っている。スウェーデン並みに増税http://www.swedenabroad.com/Page____29653.aspxするんですかといいたくなる。こんな財政学者がブレーンじゃろくなことはないですね。今、私の職場(東京都水道局)の多数組合全水道東水労が公共サービス基本条例推進の署名活動で組合員一人5人の署名をやらせてますが、公務公共サービス労働組合協議会と連合官公部門が推進した公共サービス基本法にかかわったのが神野直彦です。要するにこれは新自由主義に反対し、官製市場改革、民間開放、市場化テスト、民営化といった政策に反対するためのもののようですが、イギリスで強制競争入札をやり、アメリカでは連邦政府行政管理予算局(OMB)A-76通達による官民競争入札をやっているわけです。これは人件費は減らしながら雇用を増やすことができる一石二鳥の政策なのです。公務員の労働組合が公共サービス基本条例に熱心なのは、公務員の既得権(それは組合の既得権でもある)を守って官製市場改革をやめさせるためのものと思われます。
だからこんなやつがブレーンじゃ公務員のリストラは進まないとみてよいでしょう。

枝野幸男にJR総連マネーと産経が報道

本日発売の『サピオ』7月14日号「宰相・菅直人権力に擦り寄った「変節の10年」」によると今年の元旦の深沢・小沢邸の新年会に馳せ参じ、万歳三唱の音頭をとったのが、菅直人なのだそうだ。万歳とやっていながら、小沢を裏切って枝野や仙石を党・政府の要職に据えるのは義理に厚い人間には予想できなかったことで、選挙は民主党の作戦勝ちの様相になっているが、昨日22日の産経「新民主党解剖第6部革命政権の行方1」は悪くなかった。
 
「民主党幹事長、枝野幸男 の資金管理団体が平成8年から11年までの4年間で、全日本鉄道労働組合総連合会 (JR総連 )と東日本旅客鉄道労働組合 (JR東労組)から、計404万円に上る献金やパーティー券購入を受けていたことが21日、分かった。
 両労組について政府は5月11日の閣議で、殺人など多数の刑事事件を起こしている左翼過激派、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派 (革マル派)の活動家が「影響力を行使し得る立場に相当浸透している」とする答弁書を決定している。
枝野はこの閣議決定に行政刷新担当相として署名しているが、矛盾は感じなかったのか。」http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1666311/

「官房長官の仙石由人も‥‥現在も‥‥自治労の組織内議員を務める」

「JR総連の組織内候補でJR総連政策調査部長、JR東労組中央本部政策調査部長を歴任した人物を公認している」とあリ調査報道としてはまずまずだが氏名を挙げてないので片手落ちだ。『撃論ムック』26巻「民主党政権崩壊へ」によると、田城郁である。

 ところで、注目の東京選挙区の情勢について、本日発売の『サピオ』7月14日号(久保田正志)の記事によると、私が投票すると宣言した中川まさはる氏は5位とされている。発売中の雑誌なのでこれ以上の引用は避けますが、望ましいのは小川と小池が落ちて、中川と山田が受かることだが、反民主候補がこれだけ乱立してると双方受かるのは難しい。宣言していることなので中川まさはる氏は変えない。6月9日の集会で中川まさはる氏は学生時代から全共闘と闘っていたとか言ってたので、全共闘出身の仙石とは違うことをアピールしていた。

2010/06/20

民主党政権の正体 内閣官房専門職9人は社青同出身者と宇田川氏のコラム

 宇田川啓介氏についてはみんなの党を「第二民主党」だと喝破されるなど、それなりに仕事をしていることを評価しますが、MPJのコラム
「本格的左翼政権の誕生」http://mp-j.jp/modules/d3blog/details.php?bid=142」によると「鳩山内閣では、27名の調査員を入れている。そのうち9名が日本社会主義青年同盟出身者である」ことを明らかにしている。
 民主党は危険な左翼政権である。きょうは家事都合で在特会の反民主党デモは出ませんが、当ブログも政府と全面対決の方向で発信力を強化していきたいと思います。

賭博ぐらいでがたがたいうな。文部科学省は相撲協会をいじめるな。

 文部科学省の鈴木寛副大臣は厳重注意ですませた相撲協会を非難したと報道がありhttp://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100617/crm1006171649032-n1.htm、スポーツ・青少年局競技スポーツ課の芦立訓課長(49)は、琴光喜だけでなく実態調査結果の公表を検討するよう要求。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が15日に「うみを出し切る」と発言したことを受け、名古屋場所を中止するほどの覚悟を求めた。http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20100617-642407.htmlとの報道もある。
 名古屋場所中止要求はあまりにも大げさである。協会は個人情報保護を理由に実態調査結果の公表に消極的とも報道されているが、相撲取にも私生活の自由があるはずたという観点からすると、四股名をさらすことがよいのか疑問があるし、文部省の指導は行きすぎだと思う。
 当ブログは「被害者なき犯罪の非犯罪化」というリベラルな刑事政策を支持する方針です。売春についてはローマ時代であれ、中世であれ欧州であれば大抵の都市で大勢の娼婦がいたし、コモンローもそれ自体は犯罪ではなかった。むしろ婚姻制度を維持するコストとして必要だし、現代では女性にもてない男への福祉事業としても価値がある。児童買春禁止法にも反対です。賭博や麻薬も非犯罪化を検討してよいと思います。警察に本当に取り締まってもらいたいのは、他者を脅迫したり自由を拘束したり財産権の侵害です。琴光喜関が野球賭博で3000万負けたと報道されてますが、それは自己責任で負担することで他者に迷惑かかるものではない。
 麻雀で書類送検された東尾修投手は解説者からライオンズの監督となった。それが当人の人生で大きな傷にはなったとは考えてないし、先発投手は登板した翌日は完全休養でしょうから時間もあることだし麻雀ぐらいやるだろと思う。ポーカー賭博で捕まった松尾雄治氏(ラグビー新日鉄釜石、スポーツ評論家)柴田勲氏(プロ野球解説者)については捕まったのは運が悪かったというか気の毒に思った。漫画家でテレビタレントの蛭子能収も麻雀で捕まったがウィキペディアによると「自分があんな(あの程度の安い)レートで警察の御用になるんだったら、東尾なんか懲役ものじゃないのか」と語ったとされており、捕まったのは運が悪かったという認識を示している。
 マスメディアはこてんぱんに叩く傾向があるが、そもそもスポーツとか勝負事をやる人は、ある意味勝負師であり一般人よりも賭け事が好きな人が含まれているとみるべきだし、むしろスイーツ親方とか真面目で通っている人の方が変人だろう。だから彼らに同情することは会っても非難はしたくない。
 世の中、賭け事が嫌いで石橋を叩いても渡らない慎重な人ばかりだったら面白くない。リスクを恐れず何事かに賭ける人の方が魅力があるし、賭け事が好きな人も或程度いることによって社会はうまく回っているはず。

 というか私の職場である東京都水道局でギャンブルや賭博が好きな人はそれなりにいます。ひとつ驚いたが、90年代前半ですが、水道局の幹部クラスである支所長の就任の挨拶というのを会議室に集められて聞かされたのですが、この支所では以前、日曜日の待機の日には馬券の購入でお世話になってましたと堂々としゃべるのです。これは電話による馬券の注文か詳細は不明ですが、日曜の待機というのは突発事故対応で当直している業務ですから、勤務時間中に私事である馬券購入を指図できるほど俺は大物だと誇示しているわけです。2年前に水道局幹部OBのこの人と会ったことがありますが、こちらは挨拶したのに私の名前や顔は知っているはずなのに無視されました。
 これは10年ぐらい前ですが徹夜麻雀やって翌日は午前中で寝て仕事していないような人もいました。管理職は離席して休んでいる人を監視することもしないしできない。むしろ私のように、勤務時間中に汚れてもいないのに上司の許可もなくシャワーを浴びるのは内規に反しているとか。冷房は28度設定と通達されているのに23.5度の最強冷房をやめさせるべきだとかコンプライアンスを主張したりすると私が転勤させられたり、不良職員にされて叩かれます。
 麻雀やギャンブルが悪いという認識はこの企業風土ではありません。ある職員は冗談で蛭子さんみたいに捕まったらやばいよなあとか言ってました。午後半休をとって大井競馬や川崎競馬に行く人もいたし、正月5日は午後半休をとって中央競馬の金杯に行くのが恒例という人もいたが、有給休暇は何しようと基本的に管理対象外である。組合分会書記長で、東京や中山で競馬が開催されてるのにねわざわざ週末は京都や阪神、新潟に遠征し、飲み食い旅行をしながら競馬をやる趣味の人もいた。それもしょっちゅう行っているらしい。
 私はギャンブルはやりませんが、われわれペイペイは組合分会書記長の制限的雇用慣行、職務統制と支配を受けることを管理職から強要される弱い立場であって、そういう企業風土で育っているからギャンブルや賭博が悪いという認識はない。

 ですから、相撲取りだったら、巡業とか暇をもてあましているときは花札ぐらいやるだろと普通思う。そんなことで、四股名を公表しないと名古屋場所は中止だのなんだのと大げさなことになっているのが理解しがたいことである。
 
1965年に拳銃の事件がありました。岩垂弘のサイトhttp://www.econfn.com/iwadare/page145.htmlに詳しい。まずすでに廃業していたが元大関若羽黒が銃刀法違反容疑で逮捕され、続いて協会理事の九重親方(元横綱・千代の山) がピストル一丁と実弾五発をもって警視庁に出頭し、銃刀法違反容疑で任意の取り調べを受ける。続いて相撲協会は横綱大鵬、同柏戸がビストルを所持していたことを警視庁に報告した。米巡業中に手に入れた拳銃を国内に持ち込み、銃刀法違反で書類送検。略式起訴で罰金3万円。協会からは、けん責処分。怖くなって隅田川に棄てたといわれてますね。東前頭三枚目・北の富士、西前頭二枚目・豊国もビストル不法所持で取り調べを受けた。取り調べを受けた力士は7人とされてます。しかし大鵬や柏戸がピストルの問題で顰蹙をかったという記憶はないし、ましてや本場所が中止なんていうことにはならない。

1995年1月に二所ノ関親方(元関脇金剛・現理事)が麻雀賭博で逮捕され、審判委員解任、6カ月間20%の減俸、3月場所中の謹慎などの処分を受けた例があります。二所ノ関親方は現在の協会理事です。琴光喜は解雇すべきとの強硬な意見にも反対です。前例と比較すると行きすぎの感は否めない。

2010/06/19

国会閉会を急いだ理由は田村重信ブログが菅直人の「運動員買収」疑惑ではないかと

自民党政務調査会調査役の田村重信ブログに「平成19年、菅総理の資金管理団体「草志会」は、厚木市にある市民団体「政権交代をめざす市民の会」に、なんと5000万円もの巨額の寄附をしている。この市民団体は、各地で選挙の手伝いをしているようなのだが、人件費として5500万円を計上している‥‥‥裏で日当(人件費)を支払っていた疑いが濃い。」という記事があります。http://tamtam.livedoor.biz/archives/2010-06.html#20100619 この疑惑が炸裂すると面白いと思いますがどうでしょうか。
 
 なお荒井聡国家戦略担当相の問題は西田昌司参院議員が問題の府中の事務所というのが、URのいわゆる公団住宅で、これは、規定により、規約により、他人への転貸や企業や団体の事務所の使用を禁止していることとか、民主党衆院議員の阿久津幸彦首相補佐官が落選している時期に、政党交付金の受給対象となる同党の選挙区支部長(東京24区)を務めながら、荒井聡国家戦略担当相の公設秘書(政策秘書)を兼務していたことが公費の二重取りでないのか、荒井大臣は、平成19年に北海道知事選挙に出馬するために、衆議院議員を辞職したが、その後も江田五月参議院議長の議員会館に、東京事務所の電話を置いていた・・・との報道があり、これが事実なら、「割り当てられた議員の職務遂行ためのみに使用する」という会館運営規定に明確に違反するとの細かい点まで国会で質問しているのをユーチューブで見ましたが、大きな事件にはなってません。http://wellbetogether.iza.ne.jp/blog/entry/1655023/#NO5http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100615/plc1006152131017-n1.htm

 荒井聡国家戦略担当相の事務所費問題は朝日新聞が「シロ」と書いているし、キャミソールや少女漫画は発売中の週刊文春の報道にあるように上戸彩似の女性秘書が買ったものと考えられ、たんに女性秘書を甘やかしていただけの問題にも思え些末な事柄に思います。

私は東京選挙区は中川まさはる(自民党)、比例区は中山成彬(たちあがれ日本)に投票します

民主党政権に反対するのは公務員の争議権付与に積極的なこと。夫婦別姓等民法改正、人権侵害救済機関設置、女子差別撤廃条約の選択議定書など狙っていること。労働組合が支持母体であること。ほかにも民主党が絡んでいる危険な政策が山のようにあるからです。
しかし17日発売の『夕刊フジ』「政治評論家、小林吉弥氏による最新の獲得議席予測では「民主党59議席」「自民党35議席」」ということです。http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100617/plt1006171621006-n1.htm、非常に困ってます。危機的な状況といえる。18日発売の夕刊フジ鈴木棟一の記事によると石井一副代表兼選対本部長代理は、「50は確保できる、うまくいけば54」と言ってるそうです。絶望感を覚えてます。なお、みんなの党は民主党の支持率回復により支持率が低下してますが、警戒してます。党首が公務員の争議権付与を公言しているからです。第二民主党だと思ってます。
といっても、自分が満足できる政党というのはない。明確にプロビジネス、反労働組合、集産主義との決別、新自由主義・個人主義的自由主義を標榜するものがないし、我が国の場合、例えば米国のヘリテージ財団やケイトー研究所のようなタイプのシンクタンクも欠いている貧困な状況にある。こうなったら発信力を強化して自分自身が立ち上がるほかないでしょう。従って選挙はよりましなという消極的選択になる。
                *
東京選挙区

中川まさはる氏はホームページで夫婦別姓を許さないと書かれており、創生日本のメンバーで保守派とみられることと、前回も投票したし自民党は2人立てますが、共倒れは困るので最低1議席確保のために入れます。

比例区

自民党のマニフェストで「手当より仕事」というスローガンは良い。ただ細かいマニフェストは読むと総花的で本当にプロビジネスなのかはともかく。 又、民主党の夫婦別姓導入法案、外国人地方参政権に反対ということも終わり方ですが書かれてます。これは日本会議等の国民運動の一応の成果ともいえます。この2点だけでもガッキー総裁、石破政調会長は悪くないとも思いました。そこで比例は個人でなく自民党に入れようとも思いましたが、しかし18日に突然、中山成彬元国土交通相がたちあがれ日本から比例区出馬とのニュースを目にしました。

私は、昨年の10月に選択的夫婦別姓反対、嫡出子と非嫡出子の相続分の差別撤廃反対、民法731条改正(男18歳女16歳の婚姻年齢を男女とも18歳とする)に反対 、女性差別撤廃選択議定書に反対、民法733条改正(女性の再婚禁止期間を6ヶ月から100日間へ短縮)に反対、人権侵害救済機関の設置に反対、外国人地方参政権に反対の請願を中山成彬事務所又は直接集会の窓口で出してますし、このブログにも掲載しました。4月の「過去現在未来塾」の日比谷野音の集会にも行ってます。温厚に思える人柄と反民主党・日本解体法案に反対という明確な立場をとってこられたことを評価し、ここは中山成彬氏(たちあがれ日本)に投票することに決めました。

2010/06/16

昨日の頭上報告

6月15日8時58分より16分の書記長会議報告(全水道東水労)があった。内容は多岐に亘っていたが、都労連の交渉により今年は条例どおりの期末手当支給と夏休みは5日確保した。下水道局関係云々、OA化反対、派遣カンパ、原水禁関係云々、公共サービス基本条例推進の署名(1人5人分のノルマで)の指示(これはアウトソーシングや市場化テスト、民営化に反対する趣旨のものと思われる)育英資金カンパなどである。
勤務時間中に署名を指図する演説がなされ、それを中止させてないわけですから、当局も間接的に組合の政治活動を支持している構図となっている。

2010/06/14

出ました 池谷幸雄が選挙カーで倒立

 報知や東スポにも記事がありますが、民主党公認で出馬する池谷幸雄が選挙カーで倒立をやったそうです。さすがにこれは客を呼べる演技です。「ゲームやりすぎ」というブログが吉祥寺での街宣の様子を伝えてます。http://ameblo.jp/gkninshin/entry-10562053700.html政策はスポーツ省をつくるなどですが、谷亮子みたいに「子育て環境つくりの推進」とか「安心できる暮らしづくりの構築」(本日の東スポ記事による)とかいかにもレクチャーされてとってつけたような主張がないので谷よりは好感は持てますが民主党なのでもちろん投票はしません。

みんなの党が「児童ポルノを許さない社会を実現するための弁護士フォーラム」代表幹事後藤啓二弁護士を擁立っていうことは児童ポルノ法規制強化の政党ということですね

 私は、みんなの党の渡辺党首が公務員の争議権付与を推進してきた人物なので、その1点だけでみんなの党に反対します。総評元顧問弁護士の左翼仙石と手を組まれることを警戒している。
 なにげにブログを読んでいたら、兵庫県弁護士会所属の弁護士、後藤啓二氏のみんなの党が比例で公認したとの記事があり、経歴は神戸新聞の報道のとおりですが、http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003054092.shtml、「児童ポルノを許さない社会を実現するための弁護士フォーラム」代表幹事のほか「ストップ子ども買春の会」に関わっていて、この団体ははてなキーワードによると「友好団体である日本ユニセフ協会と共に、アニメ・漫画・ゲームに登場する18歳未満のキャラクターによる性描写を、児童ポルノ禁止法によって厳しく規制する事を求める運動にも力を入れている。」http://d.hatena.ne.jp/keyword/ECPAT/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%D7%BB%D2%A4%C9%A4%E2%C7%E3%BD%D5%A4%CE%B2%F1神戸新聞によると後藤氏は「児童虐待や児童ポルノなどから子どもを守る法整備のほか、犯罪被害者の支援を実現させたい」と抱負を語ったとしている。ということは、アグネス・チャンとさほど変わらない立場といえます。みんなの党のホームページもみてくださいhttp://www.your-party.jp/members/kounin/gotoukeiji.html
 現在、東京都の青少年保護育成条例の改正が問題になってますが、アニメや漫画の規制については私も反対ですが、反発は相当あります。こういう人を比例に立てるんじゃ、みんなの党はアニメ・漫画読者を敵に回しましたね。

池田信夫の「国策捜査」批判、総量規制批判に賛同する

 池田信夫ブログによると、貸金業法改正の施行で、消費者金融大手の貸出は半減し、借入総額を年収の1/3とする総量規制の対象になるのは債務者の半数にのぼり大混乱が予想されている。消費者金融は縮小し、闇金融が拡大し、マネーストックが減ると言ってます。http://agora-web.jp/archives/1013013.html
 又、合意の上で支払った金利もすべて返還が求められたりするのはおかしいと私も思いますし、消費者金融業者いじめに反対です。
 
 そして総量規制の時期に併せるように、日本振興銀行の家宅捜索や木村剛前会長の事情聴取に発展したが、池田氏は出資法違反事件は疑問とし「国策捜査」のにおいがあると批判的に論じている。
 木村氏はかねてから「貸金業法が官製不況の元凶だ」と金融庁を強く批判していたため、見せしめにするということのようだ。http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51432252.html
 私のような素人からみると、誰も損していないならいいじゃんと思いますが。

2010/06/13

近世・近代建築

 建築関係のブログだが写真もきれいで知らない所を発掘していて面白い。結構大阪の都心にも古い建築が残っているので驚いた。難波の高島屋とかも詳しく載っている。伏見も富田林も行ったことがないので勉強になる。
 
 大阪の古建築http://osakarchit.exblog.jp/
 古建築の旅http://stadtarch.exblog.jp/

団結否認権の確立Right to Work lawが必要だ 下書き1-(34)

今回は前回と前々回の書き直しである。

○サッチャー登場の背景

前回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/right-to-work-l.html

前々回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/cat20258890/index.html

ダイシー【*42】、ポロック卿、ホウルズワース【*46】という名だたる法制史家が激しく非難するところの1906年労働争議法により労働組合は法律で罰せられることのない特典を享受することとなった。この体制をコレクティブ・レッセフェールと言う。
私は、1906年労働争議法を最凶最悪と断定する。保守本流のオックスフォード大学ヴァイナー講座、法制史の泰斗ホウルズワースも目に余る悪法とそういうんだから間違いないですよ。
労働争議の刑事免責も民事免責も誤りだったしと考えるし、レイバーインジャンクションを支持する。共謀罪を適用して弾圧すべきだという立場である。
それは、1799-1800年の小ピット政権における団結禁止法の「古いト-リー主義」に戻ることを必ずしも意味しない。少なくとも1901年タフヴェイル判決の時点に時計の針を戻すだけでも大きな成果であると考える。実際オーストラリアでは労働争議法が受容されなかったし、当時のバナマン首相(自由党)が労働組合に非常に妥協的だったことから成立したものである。労働争議法が歴史的必然であるわけでないのは立法経過からみて明らかなことである。
イギリスの労働組合は戦後の完全雇用政策のもとで組織力と発言力を増し、労働市場に大きな規制力を有することとなったが、その実情を明らかにしたのが1968年のいわゆるドノヴァン報告であった。
それによると労働組合の規制力の根幹は、仕事規制(ジョブ・コントロール)で、伝統的な組合(炭坑・印刷工)ならびにショップ・スチュワードに率いられ作業グルーブは、仕事の縄張りに強く固執し、残業の決定、仕事の配分、要員数の決定さえも強い影響力を持っていた。このような仕事規制を基礎とした労働力の規制力に、会社側の適切な人事政策の欠如が加わって職場は「不文の約束、慣習・慣行」によって支配され、まともな職場「交渉」の概念すらないとしていた。つまりそのような「インフォーマルな労使関係」が、賃金ドリフトの原因となり、全体の95%をしめる非公認ストの要因であるとした。【*48】
つまり、イギリスの労働組合は事実上内部請負制のクラフトユニオンによる間接管理の様相が強かったのである。反面、インフォーマルな慣行が支配し、全国レベルの中央交渉の統制力の弱さと賃金ドリフトは、逆説的にいうと硬直的な意味の同一労働同一賃金が行われていないという点で、労働組合は法的制度的基盤のもろさを浮き彫りにしていたともいえる。
ひとくちでいうならば、山猫ストの多発したコレクティブ・レッセフェール時代はひどかった。しかし大陸欧州型モデル、同一職種なら全国レベルの中央交渉でどの企業に就職しても同じ賃金というような体制的枠組みの硬直性がないため、改革によって生まれ変わる可能性も大きかったのである。

サッチャーのもっとも評価されるべき業績は、全面的にではないが部分的に1901年タフヴェイル判決に回帰した労働政策にある。ひとくちに言えばコレクティビズム(団体主義・集産主義)の時代を終了させたことである。それは完全に労働争議法を否定するものではなかったが、メージャー政権の労働政策と合わせれば、かなり満足度の高いものと評価できる。それは労働組合の民主化を促すという方便で緩慢に労働組合を駆逐していく方向性を明確にしたものであった。実際保守党政権が続いていれば、2010年には労働組合は消滅するとも予測されていたのである。

ということで、80~90年代の保守党政権の労働政策を取りあげる。

                    *



1970年代のイギリスは慢性的なスタグフレーションに悩まされ、1976年にポンド切下げ圧力が強まり、莫大なIMF借款を受け入れることとなり、物価騰貴、失業率の上昇、国際収支の悪化というトリレンマに襲われた。そして社会を麻痺状態に陥らせた「不満の冬」(1978~79)と呼ばれるストライキの頻発があった。これは1926年のゼネスト以来の規模となった。1979年5月3日総選挙により、サッチャー率いる保守党が339議席が獲得し勝利した背景には「不満の冬」ストライキに国民が反発し、それを制御できないキャラハン労働党政権への不信感が強まっていたのがある。
このストの始まりは1978年9月フォード自動車工場のストライキであり、続いてロンドンのタクシー運転手のストをはじめ、さまさざまな公益事業に広がった。フォード自動車工場は17%賃上げで妥結したが、78年12月地方自治体現業労働者は40%の賃上げを要求した。1979年11月22日,150万人の公共サービス労働者が。救急車の運転手、ゴミ収集人たちは皆仕事をやめた【*48】 その結果何が起きたか。学校は休校になり、ロンドンのゴミは収集されうず高く積み上げられ腐り始めた。当時の映像を見てください。http://www.youtube.com/watch?v=Je65Vw7ndro。バーミンガムのクイーン・エリザベス病院では、ピケットのために食料や医薬品の搬入が阻止され、そのため65名の癌患者と数名の妊婦が帰宅させられた【*17 249頁】。もっとも評判が悪かったのは、リヴァプールの墓堀人たちが死体の埋葬を拒否したことだった。その報道で悲しんでいる遺族が墓地から追い返されている姿は、全国を震撼させ、深刻に嫌悪感を引きおこした【*47 84頁】。
 
 
 「イギリス病」と呼ばれる経済停滞のサッチャーの基本認識については田口典男がわかりやすい。『サッチャー回顧録』によると、こういうものだった。経済政策に関しては、国の補助金による投資の方向づけが非効率な産業を増加させ、投資収益の低下を招いた。労働政策に関しては、労働組合に保護的な免責を与えた法律の濫用が生産制限的な行為と過剰人員を守り、ストライキを支え、組合員の判断に反して労働争議に参加するよう強要したとしている。彼女は、このような判断に基づいて、大英帝国ビクトリア朝的な価値を重視し「不平等の価値」、「自助の精神」及び「個人の重要性」を基本とした「強いイギリス」の復活を目指した。
 政治的には-福祉国家ではなく機会の自由を基本とする自由主義国家へ
 経済的には-ケインズ的経済政策から新自由主義経済政策へ
 社会的には-個人主義に基づく自助・自立を基本とする社会へ
 なかでも労使改革は、サッチャー政府の改革の中核であった。イギリス経済の停滞は労働組合に対する政府や経営者の曖昧な態度、労使対立構造、労働組合の経済への過度の介入、労働市場の硬直性などに起因するものとして、労使関係に積極的に介入した。【*49 88頁】1984年の炭坑ストに見られるように労働党左派のアーサー・スカーギル率いる炭坑労働組合との全面的対決となっていった。
 林和彦によると、それはイデオロギー闘争でもあった。反組合的政治的基礎はハイエクのリバタリアニズムである。又、労働市場規制緩和政策という観点で取りあげているが、労働組合の制限的労働慣行の除去、不当解雇規制の削減、最低賃金や団体交渉補助制度の除去等、考えられうるビジネスの負担を除去した結果、外国からの投資を呼び込む労働コストの削減で大きな成果をもたらした。1990年にフォース産業相が来日し「イギリスはECのなかでも労働コストの‥‥低い国の一つである。ドイツの労働コストの半分、フランスやイタリアの三分の一」と述べている。【*48】
 
 
*17 浜林正夫『イギリス労働運動史』学習の友社2009年
*42 A.V.ダイシー 清水金二郎訳『法律と世論』法律文化社1972年」第二版序文「この法は労働組合に対し、組合または組合の使用人によるもっとも言語道断な不法行為の遂行に対してさえ、民事責任を免れせしめ、一言して云えば、すべての労働組合に、連合王国を通じて他のいかなる人または団体も有しない特権と保護を与えるのである。これは確かに法律の非常に特殊な状態である。」
*47アンドリュー・ローゼン 川北稔訳『現代イギリス社会史1950-2000』岩波書店2005
*46ホウルズワース 西山敏夫訳『英米法の歴史家たち』創文社2009年(原著1928年)142頁 「民主国家は、かつての法律家や旧体制の政府と同じように、その国において法への尊敬を作り出すような立法をすることに成功するであろうか?.その答えは決して明白ではない.国王や貴族制は多かれ少なかれ、ある程度彼らが世論を懐柔する必要があるという事実を意識していた.民主国家における多数派は.たとえ小差であって.それが多数であるので常に彼が世論を反映していると考え.それ以上の反省なしにその気まぐれを満たすことができる.性急で計画性のない立法の結果は.法自身への軽蔑を招きがちである.イングランドでの目に余る事例は.労働組合を法のコントロールから開放した労働争議法(Trade Disputes Act)である。我々が最近になってその影響を被った経験は、伝統的なイングランドの法への尊敬をぶち壊すまでに至った手段を変更する必要性を強調した‥‥」
*48林和彦「イギリス保守党政権下の労働市場の規制緩和(一)」」『日本法学』72巻3号 2006

*49田口典夫『イギリス労使関係のパラダイム転換と労働政策』ミネルヴァ書房(京都)現代経済学叢書2007年12月

2010/06/12

もはや日本人は勤勉ではない-朝日新聞世論調査

 6月11日朝日新聞(朝刊)記事「日本のいまとこれから」という世論調査(2010年5月2392人)によるとhttp://www.asahi.com/politics/update/0610/TKY201006100468.html、従来、日本人の特徴とされてきた「勤勉である」は「当てはまる」46%、「当てはまらない」50%と否定派のほうが多くなった。のみならず、生活より仕事優先とする答えが全体で36%、働きざかりの30代・40代で27%、50代で31%と低調になっている。
 予想どおりの結果であって、90年代の時短政策から、今日のワークライフバランス憲章に いたるまで、働き過ぎは悪であるという邪悪な思想が吹き込まれて、献身的に仕事に励む、粉骨砕身働く善良な価値観を浸食した結果といってよい。
そもそも労働組合の制限的仕事規則(職務統制=ジョブコントロール)、つまり組合が残業を決定し、仕事の配分、仕事量を決定して労働者は組合の職務統制に服し、決められた条件以上には働かない、融通をきかせることもない在り方が経済を停滞させることは明白なことであるが、生産性が向上がしていないにもかかわらず、政府が労働組合の肩代わりをして制限的労働慣行を強要して取り締まったり指導しているから当然そうなる。労働市場を独占し、個人の自由な労働力取引を否定して、労働時間、仕事量などを統制、個人の雇用契約の自由を統制・否定するのが労働組合の本質であるが、政府がその役割を行っているのである。さらに、フェミニストも、男性の長時間労働規制に反対し、男性の家事・育児参加を強要する思想に基づき、他者の労働時間を規制する役割を果たしているから、フェミニストの労働組合化がなされている点に我が国の悪質さをみることができる。
 ホワイトカラーだとノー超勤ウィークをやると定時で帰るために仕事を制限するか、手抜きするか、先送りすることになるので確実に能率は悪くなり、生産性が向上すること絶対にない。こういう馬鹿げたことをやめない限り国は衰退するだけ。

 むしろ勤勉の価値を体現しているのがアメリカの企業であって、ポストモダニズム・マネジメントと言いますが、人間のもつ知恵や創造性、個性を尊重し、楽しさややりがいといった感情に基づくモチベーションを推進力とし、お客に対して今までにない献身的な人的サービスをつくりだす企業が成長しました。しかし我が国では仕事に駆り立てるのは悪だということになっている。

 別に勝間和代の翻訳本「天才! 成功する人々の法則 」を宣伝するわけではないですが、「一万時間の法則」というのがあって一人前以上の能力を身につけるには、どんな職種でも一万時間以上のトレーニングが必要。逆に言えば、一万時間以上のトレーニングができない場合、その能力はプロレベルにはならない。http://okada.otaden.jp/e33478.html
 そうすると1日10時間の訓練で3年間だ。1日3時間こつこつ訓練すると10年間かかる。要するに、成功者となるためには仕事に熱中しないとダメです。
 ポストモダニズム・マネジメントでは仕事に熱中することは良いことでずが、我が国では仕事に熱中することは悪だ。くだらない家事分担や育児もやれる男になれとか強要されるわけですよ。
 仕事に熱中することが悪であるというのはおかしい。一般論でいうと社会的に威信の高い職業は時間で働くという論理は通用しない。マッキンタイアは「自己の統一性は、物語の統一性のうちにある」と述べたが、労働時間規制に傾きすぎる政策は仕事に熱中して勤勉に働いて成功者になるという物語を描くことができない閉塞感のある社会になることを意味する。

2010/06/10

東京選挙区は中川雅治参院議員(自民党)に投票します

 民主党政権の支持率が高く憂鬱な毎日ではありますが、昨日、時間休を取って平河町砂防会館別館シェーンバッハサボーにおける6.9「救国」全国国民総決起大会に行きました。 http://www.youtube.com/watch?v=gYv2mkX90Zo&feature=youtube_gdata
 ある意味では変な集会でした。入場者に創世日本会長安倍晋三、たちあがれ日本代表平沼赳夫、日本創新党党首山田宏、頑張れ日本全国行動委員会会長田母神俊雄の四者による「緊急共同宣言」と「緊急宣言『日本の国民に訴う』(案)知識人・文化人他用」が配られ、これが小堀桂一郎の起草であることは披露されましたが、時間オーバーのためか中味についてはひと言もなく終わりました。なお『日本の国民に訴う』によると「民主党とは‥‥実体は社会主義政党であり、合法的な立法手続きの陰に隠れて緩慢な社会主義革命を企む国民破壊分子の集団」とあり「危機窮まる所救いの途も亦生じる。日本国の真の再建に向けて、今こそ草莽の士の崛起すべく秋である。」と結ばれている。
 

山田宏日本創新党党首のあとに、同じ東京選挙区の中川雅治議員(自民)が登壇し、政策集団創生日本のメンバーと紹介があった。さらに終盤ではたちあがれ日本が東京選挙区で公認した小倉麻子氏が登壇した。3党派に配慮してこういうことになったと思うが選挙区で競合する3人が演説しているのである。
 3人の演説を聴いた結果、私は中川雅治議員(自民)に投票することに決めた。理由は前回も投票しており、夫婦別姓に明確に反対していること、創生日本のメンバーでもあることだ。比例については未定。
 ひとつ不愉快だったのは司会の皇室ジャーナリスト高清水有子だ。チャンネル桜の出演陣ではこの女だけが嫌い。たちあがれ日本の中川義雄参院議員が会場を去る時に、中川雅治議員と間違っていた。いくら何でも参院議員の名前を間違えるなんて失礼じゃないか。中川雅治と中川義雄の区別できなくて、保守系メディアのキャスターがつとまるのはおかしい。

2010/06/09

枝野幸男は自由主義の敵

 「とっちゃんぼうや」「枝野」で検索すると2位がtikyuusaisei48dengekiというブログになる。http://ameblo.jp/tikyuusaisei48dengeki/entry-10187908560.html
 それによると枝野幸男は「偽装請負」で経団連を批判しただけでなく「厚生労働省労働政策審議会臨時委員であった奥谷禮子が、「過労死は自己管理の問題。他人の責任にするのは問題(=自己責任論)」「労働組合が労働者を甘やかしている」「労働基準監督署も不要」「祝日もいっさいなくすべき」などと発言した事を受け、枝野は「十分釈明を聞きたい」と述べ、奥谷の参考人招致を要求した。 」と書かれている。
 私は奥谷禮子が正論だと思う。つまり雇用契約の自由と個人の労働力処分の自由のために労働基準法はオーバーホールすべし。従って、奥谷氏を敵視する枝野は自由主義の敵と断定できる。
 弁護士なんて一般国民の常識から乖離している人が多い。世襲政治家のほうがまだ無難だ。だった。

2010/06/08

宇田川敬介による民主党の正体のわかりやすい解説

 チャンネル桜の番組ですが、宇田川氏は民主党は存在自体が危険ですと言っておりわかりやすいです。政治放談「民主党政権の闇」[桜H22/6/8]http://www.youtube.com/watch?v=BL8GzNL-qZ4&feature=channel宇田川氏の予想は、民主党の議席は現在の支持率を維持できれば最大51、支持率が若干落ちて最低45か46ぐらいと言ってます。支持率が高ければダブル選挙に打って出る可能性もとの話。小沢独裁を排除したために左翼連合体の本性が出てかえって危険になったと思われます
  ちなみに私は非組合員ですが、職場の多数組合である全水道東水労は全労協系と思われます。宇田川氏のフリップでは「親北朝鮮・極左」と分類されてます。掲示板に全労協のニュースが貼ってあって朝鮮学校の無償化の請願署名に派遣法改正審議のデモや傍聴への動員に関する記事とか貼ってありましたから。

入手資料整理36 アメリカの1993年家族医療休暇法について

9718中窪裕也「アメリカにおける「仕事と家庭」の法状況-一九九三年家族・医療休暇法を中心に 山口・菅野・中島・渡邊編『安西愈先生古稀記念論文集-経営と労働法務の理論と実務』中央経済社2010

 育児休業制度、次世代支援対策推進法、ワークライフバランス憲章など次から次へと、特定社会階層の女性を事実上厚遇する、覚えきれないほどのさまざまな政策が推進されているが、それでも足りたくて今月から子ども手当が支給されている。子ども手当をやるなら、次世代支援政策をやめるならまだ話がわかるが、そうではない。私が特に問題としたいのは、労働条件保護立法である。私は、こういう政策をきっぱりやめるべきだと考える。一気にやめるのは大変というなら、少なくともアメリカ並みに縮小すべきだと考えるわけである。
 
 連邦労働法制では1938年の公正労働基準法が時間当たり最低賃金と、週40時間を超える労働への割増賃金の支払義務を定めているが(ここでは適用除外規定や2003年の改正については言及しない)、使用者が休暇を与えること自体は、義務づけられていなのである。法定有給休暇はない。
 したがって、アメリカでは有給休暇は個別企業の従業員福祉の方針として与えられているにすぎない。そもそも有給休暇は非組合企業として著名なコダックが、組合の組織化を予防するため従業員福祉政策としてはじまったとされている。現代ではプロクター&ギャンブルやSASインスティチュートなどがファミリーフレンドリーな企業としてよく知られているが、それも個別企業の方針であって、行政が指導するようなことではない。
 ただ、連邦法制では1993年クリントン政権で成立した年家族・医療休暇法のみが、被用者に対して無給とはいえ、12週の休暇取得の権利を与えている。
 この論文では立法経緯から説明されているが、議会で成立まで9年間もかかった。ブッシュ(父)大統領は拒否権こを行使して潰したように、反対も根強くあった立法である。
 この論文ではこの立法の特徴をマルチ・パーパスと説明している。つまり子の誕生と世話(育児休暇)、養子縁組、里子養育の受け入れ、重大な健康状態にある配偶者、子、親の世話、本人の重大な健康状態による職務遂行の不能であり、複数目的の休暇を統合したものとなっていることである。

 妊娠・出産は本人の一時的労働不能とみなされ、病気・疾病と同じく一時的労働不能と同じ範疇とされる。というのは、公民権法タイトル7が女性の妊娠・出産のため保護の休暇は性差別とみなしているので、外傷や病気で一時的労働不能の労働者と同様に処遇することで性差別の非難をかわしているのである。
 適用対象者は50人以上の被用者を雇用する企業で、12か月以上1250時間以上勤務した者である。2000年のレポートでは私企業部門の82.2%が適用を免れている。但し、被用者全体の割合では58.3%が適用対象となっている。もっとも多い事由は本人の健康状態で52.4%、出産は7.9%、育児は11.5%にすぎず、親の世話13%よりも低い。
 休暇は無給で年間12週である。本人や家族の病気の場合は断続的休暇や労働時間短縮の休暇がとれるが、育児休暇は使用者が同意しない限り断続休暇は認められてない。企業の方針で有給とすることもできるが、法は求めてないため、育児休暇の場合、全額支給17.3%、一部支給6%、状況によるが22.7%、54%は無給である。また2000年に失業給付から育児休暇中の所得保障を奨励する規則を設けたが、ブッシュ(子)政権により廃止されている。満額支給はたぶん、生産性の高い企業だろう。
 私は、この法律も必要なかったと考える。実際、41.7%の小企業で働く被用者に適用されてなくても別に文句をいう人はいないわけだし、使用者の評価は特に影響なしが多いとされているが、生産性、収益性、成長のいずれにおいてもプラスよりマイナスの評価
の方が多いからである。
 いずれにしても、東京都の場合だと妊娠出産休暇は有給、共済組合員の出産費が35万円、共済組合の育児休業手当金が、1日につき給料日額×40/100×1.25(円未満切り捨て)(平成17.18年度共済ハンドブックによる)大雑把にいって給料の5割でしょうか。労働条件でいろんな保護、特典がありまする一方で、育児休暇で休んでいる人の仕事をカバーしても、ねぎらわれることも一つもないし、評価されることもない。
 それだけ特典があって、その上に子ども手当です。3人なら7万8千円が6~7月分として支給される訳です。
 しかしアメリカでは、出産・育児休暇は12週間だけで、無給であることが多いのですから、それでアメリカ経済は堅調で2010年は3.1%成長の見通しとされてます。http://www3.keizaireport.com/report.php/RID/111880/日本は失われた15年があり、2009年は中国への輸出で持ち直したともいわれますが、2010年は1.7%成長の見通しとかいいますが、大局的にみて低迷打開の見通しはないんです。子ども手当とバランスをとるためすくなくとも育児休業は潰しましょう。
 

2010/06/06

感想 ケン・オーレッタ『グーグル秘録-完全なる破壊』

 土方奈美訳・文藝春秋2010年。新刊書で平積みにされているので買った。http://bunshun.jp/pick-up/googled/ぱらっと読んだだけだが、3点について感想を述べる。

 ○成功者となるには文化資本がものをいう

 創業者の一人セルゲイ・ミハイロヴィッチ・ブリンは祖父が数学教授で両親も数学者、モスクワ生まれで、メリーランドに移住、モンティソーリメソッドの小学校で教育を受けたとある。メリーランド大学から、スタンフォードの修士課程に進んだ。もう一人のラリー・ペイジは、父がコーピュータサイエンスの教授で母もコンピュータサイエンスで修士、ミンガン州ランシングに生まれ、ミシガン大学からスタンフォードの博士課程に進んだ。
 ブリンが外向的で、ペイジが内向的という性格の違いはあるが、両親とも科学者一家で生育環境が似ている。アメリカ人はアンダーグラジュエートと、大学院を別の大学に進学するのが普通。ミルトン・フリードマンも、シカゴ大学とコロンビア大学の両方で教育を受けたのが良かったとしているが、人間に幅を持たせる良いシステムだ。
 文化資本とは、各家庭がもつ文化的能力や文化的財が合わさったもの。ピエール・ブルデューにより提唱された。やっぱり文化資本に恵まれた家庭で育たないと成功者にはなかなかなれないとの心証をもった。古典文学の本などがある家で育てば、文学者になれるだろうし、世襲の歌舞伎役者の家で幼児の頃から仕込まれれば歌舞伎役者になれるのと同じ。
 私は、なんにも文化資本のない家で育ったし、公立学校でも教師に全然やる気がなかっったり、マスレンコ流の集団主義教育で、共産主義国家並みに「自己批判」をさせられるような赤い教育をやったてたからペイペイのヒラで終わりですね。

 ○企業文化の基本はフラット主義

 本書によるとグーグルの企業文化担当者のインタビューで明確にグーグルの企業文化で守るべきものは「フラット」と言ってます。もっともアメリカの組合不在企業の多くが従業員に人当たりが良くフレンドリー、シングルステータスを特徴としており、これはグーグルだけでなく、ハイテク企業の多くがそうだが、形式ばらずに、ヒエラルキーを排除している。フラットな組織なので、基本的に従業員は対等である。アメリカでは、3割の署名により、組合代表選挙を申請し5割以上の賛成により排他的交渉代表の労働組合が成立するが、新興のハイテク企業は殆ど組合不在であるだけでなく、アメリカでは会社主導の従業員代表制度が禁止されているので、組合不在企業は個別的人事管理となる。
 労働組合は制限的労働慣行・職務統制を基本とする組織なので、エンジニア、知識労働者にとっては害悪でしかない。サムソンも組合不在ですが、任天堂のような組合不在企業もありますが、日本の大企業の多くはユニオンショップの組合があります。それだけでも競争力に差がついているように思えます。

○無料食堂の意味
 
 マイクロソフトはソフトドリンク等の無料提供をやった企業としてよく知られる。これは自動販売機でコーヒーを買うと、小銭を探したりする手間やチャリンと音がするのを待つだけで仕事の集中がとぎれるためである。有能な社員を雇っているのでコーヒー代などたいしたコストにならない。それよりも集中して仕事をやって貰うことが大事と言うことだ。クァルコムは社員に夜食提供やクリーニングのサービスをやっている。
 本書によるとグーグルではマウンテンビューのベイショア・パークウェイに本社を移すときに無料食堂をつくったという。その理由は、食事をするのに車で移動しなければならない場所なので、駐車場を探す手間で集中がとぎれる。宅配ピザや中華料理のケータリングの箱が散乱してオフィスが汚くなる。精算するのにレジに並ぶのも時間の無駄なので無料食堂になったということである。本書によるとブリンもペイジもコンサートや観劇、ゴルフなど時間を拘束する娯楽や遊びが嫌いだしやらないようだ。
 そもそも前近代の住み込みの奉公人には雇用主が食事を提供していたことを考えると、無料食堂はポストモダニカルマネージメントといえるだろう。

「非欧州党」になろう

  本日の産経新聞で古森義久がギリシャ財政危機の米国のリアクションを論じている。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100606/erp1006060744003-n1.htm米国の輸出の
4分の1が欧州であり、ユーロ危機は困ったものだが、一方で米国に優越感をもたらしている。ユーロの構造的な欠陥や信頼性の不足から基軸通貨としてのドルの役割が今後の一世代の基幹は確定したとの見解を紹介し、アメリカ人の過半数がオバマの医療保険改革を破棄すべきとしているように、多数が欧州型福祉国家に懐疑的であるが、ギリシャの財政危機の要因である、公務員や一般労働者の賃金・休暇・年金の超優遇、ケインズ主義的過剰支出政府の破綻から、やはり欧州的な社会主義志向を排すべきという主張の正当性が浮き彫りとなった。
アメリカの草の根保守は「非欧州党」であるのだ。ところが、我が国では欧州のようにバカンスがあって、労働時間が制限されて、子ども手当があって、育児休暇があって、年金が保障されることが良いことだと言う根性の腐った人が圧倒的に多すぎる。誰が書いていたか失念して引用できないが、日本は一人当たりのGDPで現在24位だが、現在36位の韓国に2010年代の半ばに抜かれるんだそうだ。民主党の支持率が高まっていて、2人子どもがいる家庭では、選挙時に合わせて5万2千円が配られるという。昨年の選挙時に中華料理屋で、もう一回定額給付金を配ってくれるなら自民党に入れるけど今度は入れないとか言っていた客の声をきいたが、人間だからやはり買収に弱い、1万2千円ではきかなくても、5万2千円はきくんじゃないかと懸念する。このまま民主党の天下が続くと韓国に抜かれる日もそう遠くないだろう。

仙石官房長官、枝野幹事長なら最悪

 官房長官に仙谷、党幹事長に枝野、国会対策委員長に樽床と報道されてます。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100606-00000157-yom-polルーピーと烙印された鳩山の方が闘いやすい選挙だった。表紙を代えて民主党の支持率が上がっているのは困ったものです。はっきり言って、親小沢であろうと非小沢であろうと民主党は害悪だ。かえって非小沢の方がやばいかもしれない。平野より労働組合の弁護士だった仙石の方がずっと左でたちが悪い。公務員に争議権付与と言ってますし。又小沢より枝野の方が経団連批判など労働政策でずっと左のように思える。樽床みたいな政策不明の人畜無害そうな政治家と違って政策に通じているのでかえって恐い。又、反小沢でフェミの小宮山洋子とか発言権が強くなるのはやばいと思う。鳩山由起夫は友愛とかスローガンだけの中味のない自ら墓穴を政治家だからたいしたことはなかったが、菅直人で本格左翼政権になることを危惧します。
 

2010/06/03

首相公邸改修費次の総理はいくら

別にどうということはないが安倍氏は約222万円、福田氏は約282万円、麻生氏は約382万円、以上は点検・清掃費を含めた金額、鳩山氏は当初発表約474万円+約280万円の「点検・清掃」費を加え約700万もかかった。洗濯機に61万、和室を洋室に改修したとか。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/367610/

クラウス大統領(チェコ)のユーロ圏失敗の論評は正論だ

  ウォールストリートジャーナル日本語版のクラウス大統領の寄稿論文が正論だと思う。http://jp.wsj.com/World/Europe/node_66995/(tab)/article「欧州の経済成長は、1960年代以降、減速傾向にある。その元凶は、この頃から欧州を支配し始めた、有害な経済・社会のシステムだ。欧州の「社会的市場経済(soziale Marktwirtschaft)」は、「非生産的な福祉国家」、「政府のパターナリズム」、「余暇社会」、「高い税金と低い労働意欲」が多少形を変えたものにすぎない」
ヨーロッパ型福祉国家が良いものだと喧伝されて、時短、育児休暇、子ども手当などが導入されているが、ヨーロッパのまねはろくなことがないと思う。ハッキリ云おう。共産主義だけがダメなのではないのである。コーポラティズムの欧州大陸型福祉国家というものも害悪なのだと。

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