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2010/06/06

感想 ケン・オーレッタ『グーグル秘録-完全なる破壊』

 土方奈美訳・文藝春秋2010年。新刊書で平積みにされているので買った。http://bunshun.jp/pick-up/googled/ぱらっと読んだだけだが、3点について感想を述べる。

 ○成功者となるには文化資本がものをいう

 創業者の一人セルゲイ・ミハイロヴィッチ・ブリンは祖父が数学教授で両親も数学者、モスクワ生まれで、メリーランドに移住、モンティソーリメソッドの小学校で教育を受けたとある。メリーランド大学から、スタンフォードの修士課程に進んだ。もう一人のラリー・ペイジは、父がコーピュータサイエンスの教授で母もコンピュータサイエンスで修士、ミンガン州ランシングに生まれ、ミシガン大学からスタンフォードの博士課程に進んだ。
 ブリンが外向的で、ペイジが内向的という性格の違いはあるが、両親とも科学者一家で生育環境が似ている。アメリカ人はアンダーグラジュエートと、大学院を別の大学に進学するのが普通。ミルトン・フリードマンも、シカゴ大学とコロンビア大学の両方で教育を受けたのが良かったとしているが、人間に幅を持たせる良いシステムだ。
 文化資本とは、各家庭がもつ文化的能力や文化的財が合わさったもの。ピエール・ブルデューにより提唱された。やっぱり文化資本に恵まれた家庭で育たないと成功者にはなかなかなれないとの心証をもった。古典文学の本などがある家で育てば、文学者になれるだろうし、世襲の歌舞伎役者の家で幼児の頃から仕込まれれば歌舞伎役者になれるのと同じ。
 私は、なんにも文化資本のない家で育ったし、公立学校でも教師に全然やる気がなかっったり、マスレンコ流の集団主義教育で、共産主義国家並みに「自己批判」をさせられるような赤い教育をやったてたからペイペイのヒラで終わりですね。

 ○企業文化の基本はフラット主義

 本書によるとグーグルの企業文化担当者のインタビューで明確にグーグルの企業文化で守るべきものは「フラット」と言ってます。もっともアメリカの組合不在企業の多くが従業員に人当たりが良くフレンドリー、シングルステータスを特徴としており、これはグーグルだけでなく、ハイテク企業の多くがそうだが、形式ばらずに、ヒエラルキーを排除している。フラットな組織なので、基本的に従業員は対等である。アメリカでは、3割の署名により、組合代表選挙を申請し5割以上の賛成により排他的交渉代表の労働組合が成立するが、新興のハイテク企業は殆ど組合不在であるだけでなく、アメリカでは会社主導の従業員代表制度が禁止されているので、組合不在企業は個別的人事管理となる。
 労働組合は制限的労働慣行・職務統制を基本とする組織なので、エンジニア、知識労働者にとっては害悪でしかない。サムソンも組合不在ですが、任天堂のような組合不在企業もありますが、日本の大企業の多くはユニオンショップの組合があります。それだけでも競争力に差がついているように思えます。

○無料食堂の意味
 
 マイクロソフトはソフトドリンク等の無料提供をやった企業としてよく知られる。これは自動販売機でコーヒーを買うと、小銭を探したりする手間やチャリンと音がするのを待つだけで仕事の集中がとぎれるためである。有能な社員を雇っているのでコーヒー代などたいしたコストにならない。それよりも集中して仕事をやって貰うことが大事と言うことだ。クァルコムは社員に夜食提供やクリーニングのサービスをやっている。
 本書によるとグーグルではマウンテンビューのベイショア・パークウェイに本社を移すときに無料食堂をつくったという。その理由は、食事をするのに車で移動しなければならない場所なので、駐車場を探す手間で集中がとぎれる。宅配ピザや中華料理のケータリングの箱が散乱してオフィスが汚くなる。精算するのにレジに並ぶのも時間の無駄なので無料食堂になったということである。本書によるとブリンもペイジもコンサートや観劇、ゴルフなど時間を拘束する娯楽や遊びが嫌いだしやらないようだ。
 そもそも前近代の住み込みの奉公人には雇用主が食事を提供していたことを考えると、無料食堂はポストモダニカルマネージメントといえるだろう。

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» グーグル秘録 -完全なる破壊- [霞月の読書備忘録]
グーグル秘録 何時の間にか、買ってた本。 自分がインターネットを始めた頃(テレホーダイ時代)には、Googleなんて、なかったんですよね~。 Yahooも、日本の会社じゃなくて…。 年、バレますね。 何時の間にやら、Googleが検索の基本になっていた自分がいたり、ググるな..... [続きを読む]

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