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2010/07/29

就業時間中の集会はプロレイバーですら支持してないの東京水道局はいまだに警告も解散命令もしないのは問題だ

入手資料整理39

9720辻村昌昭『現代労働法学の方法』信山社2010年刊

 この人は、あとがきの謝辞に嫌悪するところの沼田稲次郎、蓼沼謙一、籾井常喜の名があることからプロレイバーである。従って著者の見解には基本的に反対である。ただ関心の強い分野である企業秩序論と企業内外の組合活動法理のボリュームがあるので買っただけだ。
 そこで、まず見たのが183頁の就業時間中の職場集会の評価だ。
こう書いてある「就業時間中の職場集会は、時限スト中または慣行による短時間の職場離脱意外は、原則正当とはいえない。しかし最高裁は、使用者が従来認めてきた業務阻害のない短時間の時間内職場集会慣行に対して警告書交付は不当労働行為でないとする『中労委の救済命令を取消した済生会中央病院事件・最二小判平元・12・11民集43巻12号1786頁)。職務専念義務および企業秩序遵守義務の法理は、この種の組合活動にも厳しい。したがって支持し難い。」
 ややこしいが、文章の脈絡から「支持し難い」としているのは「就業時間中の職場集会」と読める。済生会病院事件の判例を支持し難いと言っているのではない。
 プロレイバー学者ですら支持しないのである。ということは東京都水道局で日常的に行われる頭上報告--事務室内で勤務時間中に組合役員が書記長会議やら部会委員会やらの報告の演説を行い、そのさい職場集会動員のよびかけ、スト投票のよびかけなどアジテーションする--http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-e94c.htmlや、事務室内での組合幹部のオルグ演説(闘争課題を述べ気勢をあげる)や他所の分会の連帯演説のほか、最低年間3回は年中行事として組まれている争議期間中の都庁第二庁舎前、支所敷地内の2割・3割動員等、頻繁になされる就業時間中の職場離脱決起集会について、なんの警告書も通知書も、解散命令、退去命令、就業命令もしない当局の争議行為への協力は、世間の常識から見てもずれていると言わなければならないだろう。

参考

済生会中央病院事件・最二小判平元・12・11『労働判例』552号10頁
(職場集会への警告・通知書の交付が不当労働行為にはあたらないとされた例)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/8A900ABA5FBBE19149256A8500311ED5.pdf
(一) 昭和五〇年四月五日の警告
(1) 病院は、従来から、急患室勤務の看護婦不足を補うため、毎月二五日頃翌月の勤務表を作成し、これに基づく急患室勤務を外来看護婦に割り当てていた。この勤務表は、事前の申し出がない限り、外来看護婦の同意を得ることなく病院が一方的に作成し、外来看護婦はおおむねその勤務に服していた。(2) 昭和五〇年三月頃から病院の看護婦不足が甚だしくなったため、同月二七日になってようやく作成された四月分の勤務表には、従来なかった深夜勤(午後一一時から翌日午前八時まで)が導入され、また夜勤(午後四時から午後一一時まで)の回数も増加されていた。外来看護婦の通常の勤務は午前八時から午後四時までであるから、外来看護婦が深夜勤の後に通常の勤務をすると、午後一一時から翌日午後四時までの過重な勤務となった。(3) そこで、支部組合は、三月二八日午後三時三〇分頃から、右勤務表について協議するため外来看護婦ら二十余名を元空腹時血糖室に集めて職場集会を開いた。(4) 病院は、四月一日支部組合との間で労働協議会を開催し、外来看護婦の急患室勤務は事前に申し出れば勤務しないことができるものであることを確認したが、支部組合は、右勤務表に基づく急患室勤務を拒否した。(5) 次いで、支部組合は、病院が病棟看護婦に急患室勤務をさせる動きを示したこともあって、同月二日及び三日午後三時四〇分から右元空腹時血糖室でこれまでの経過を報告するとともにその後の対策を協議するため、外来看護婦らを集めて職場集会(以下「本件職場集会(一)」という。)を開いた。(6) そして、支部組合は、同月三日病院に対し三交替勤務に必要な急患室勤務の看護婦の増員を要求した。(7) 病院は、同月五日支部組合に対し本件職場集会(一)につき「このような集会を勤務時間中に行うことは、労働協約第九条並びに就業規則第二三条、第二四条に違反する不当な行為であります。……今後かかる行為を絶対に繰返さないようここに厳重に警告しておくとともに責任追求の権限を留保しておく。」という「警告並びに通告書」を交付した。(8) 支部組合が本件職場集会(一)をいずれも労働時間中である午後三時四〇分から開催したのは、外来看護婦は、午前中の診療が正午までに終わらないため、現実には通常の昼休み(正午から午後一時まで)をとることができず、休憩時間をとることができるのは午後の診療が一段落した三時過ぎであったこと及び外来看護婦のなかには終業後保育所に幼児を引き取りに行かなければならない者がいたことを考慮したためである。そして、本件職場集会(一)に参加した者は、いずれもその時間に差し迫った業務のない者であり、集会中業務に就く必要が生じた者は中座して業務に就いている。また、本件職場集会(一)の場所を元空腹時血糖室に選んだのも、ここが急患室の隣りであって、必要が生ずれば直ちにこれに対応することができるという配慮からであった。なお、支部組合が本件職場集会(一)を開くに当たって病院に届け出たり許可を得たことはないが、従来この時間帯に届出も許可もないまま職場集会を開催しても、病院から警告、注意等を受けたことはなかった。
(二) 昭和五〇年五月一〇日の警告
(1) 支部組合は、昭和五〇年三月三日病院に対し四月一日から基本給の二五パーセントに一律一万円を加えた賃上げ等を要求し、同月二〇日までにその回答を求めた。病院は同月二四日支部組合と団体交渉をしたが、その際、支部組合に対し、最初にして最後の回答と表現して、平均一万一二六八円(一〇・四一パーセント)の賃金を引き上げることを提示した。(2) 支部組合は同月三〇日の団体交渉においてこれを拒否したところ、病院は、五月六日の団体交渉において、支部組合が争議行為をしないことを条件として、二〇〇〇円の上積み及び看護婦の夜勤手当の増額を認める案を提示した。支部組合は、これを拒否するとともに、病院に対し同日午後六時から時間外勤務、宿日直拒否闘争に入ることを通知した。そこで、病院は、上積み回答を撤回し、同月七日全従業員に「労務情報」を配布し、「平和的解決の条件拒否さる。」という見出しのもとに右の経過を公表した。(3) 支部組合は同月八日病院と再度団体交渉をしたが、六日の案以上の案は出ず、交渉は進捗しなかった。しかして、支部組合は、翌九日に予定していたストライキを回避して交渉を続け、同月二八日、六日の賃上案を受け容れた。(4) この間、支部組合は、同月六日、七日及び九日の一二時三〇分から病院内のテニス・コートを使用して職場集会(以下「本件職場集会(二)」という。)を開いたが、六日は二九分、七日は一一分、九日は五分、午後一時からの労働時間に食い込んだ。そこで、病院は、同月一〇日、支部組合に対し、「……業務を放棄し、……多数の組合員を対象に……集会を行ったことは、労働協約第九条並びに就業規則第二三条、第二四条に違反する不当な行為である。この件については、四月五日……病院見解を明らかにしたように責任追求の権限を留保する。かかる行為を今後も繰返し行った場合は、病院として重大な決意をもって臨むことをここに正式に通告しておく。」という「警告並びに通告書」を交付した。(5) 本件職場集会(二)には、病棟看護婦のうち業務のある者、外来看護婦等で業務に支障のある者は出席せず、また集会中でも業務上必要のある者は自由に退出していた。そして、支部組合が本件職場集会(二)をすることについて病院に届け出たり許可を得たことはなかったが、従来労働時間に若干食い込む職場集会が昼休みに開かれたことはあっても、病院がこれについて警告、注意をしたことはなかった。
二 右事実関係の下において、原審は、次のとおり判断し、上告人の請求を棄却した第一審判決は相当であるとして、控訴を棄却した。
 1 労働者ないし労働組合は、使用者の許諾なくして職場集会のためその施設を利用することができるものではなく、また、労働時間中当然に職場集会をすることができるものでもない。したがって、使用者は、権利の濫用と認められる特段の事情のない限り、そのような集会の中止を求めることができる。
 2 しかし、本件職場集会(一)、(二)は、いずれもその時期にこれを開催する必要性が認められること、本件職場集会(二)によって病院の業務に直ちに支障が生ずるものではないこと、本件職場集会(一)、(二)は事実上の休憩時間にされたか昼休みに終了しないため若干労働時間に食い込んだにすぎないこと、本件職場集会(一)、(二)の参加者は業務に支障のない者であり、参加した者も途中業務に支障が生ずれば自由に退出するなどしていたこと、病院は、従来このような態様でされた職場集会について何ら注意をしたことがないこと等に照らすと、本件の場合、権利の濫用と認められる特段の事情があるから、本件職場集会(一)、(二)を違法なものということはできない。
 3 そうすると、本件警告をもって支部組合及び全済労に対する支配介入であるとした被上告人の認定判断に違法なところはない。
 三 しかしながら、原審の右判断は、是認することができない。その理由は、次のとおりである。
 一般に、労働者は、労働契約の本旨に従って、その労務を提供するためにその労働時間を用い、その労務にのみ従事しなければならない。したがって、労働組合又はその組合員が労働時間中にした組合活動は、原則として、正当なものということはできない。また、労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の所有し管理する物的施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないことが当該物的施設につき使用者が有する権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては、当該物的施設を管理利用する使用者の権限を侵し、企業秩序を乱すものであり、正当な組合活動に当たらない。そして、もとより、労働組合にとって利用の必要性が大きいことのゆえに、労働組合又はその組合員において企業の物的施設を組合活動のために利用し得る権限を取得し、また、使用者において労働組合又はその組合員の組合活動のためにする企業の物的施設の利用を受忍しなければならない義務を負うと解すべき理由はない(最高裁昭和四九年(オ)第一一八八号同五四年一〇月三〇日第三小法廷判決・民集三三巻六号六四七頁)。
 これを本件についてみるに、本件職場集会(一)、(二)は、労働時間中に、病院の管理する物的施設(元空腹時血糖室、テニス・コート)を利用して開かれたものである。しかして、従来、病院が本件のような職場集会について何ら注意をしたことがなかったとしても、それをもって直ちに病院が労働時間中に病院の管理する物的施設を利用して職場集会を開くことにつき黙示の許諾をしていたということはできないし、病院がそのような職場集会を開くことについて反省を求めることの妨げとなるものでもない。また、右の権利の濫用であると認められるような特段の事情があるかどうかの判断に際し、病院の管理する物的施設を利用して職場集会を開く必要性を強調することができないことはさきに説示したところから明らかである。同様に、労働時間中に職場集会を開く必要性を重視して、それが許されるとすることができないことも、前記説示に照らし当然である。なお、支部組合が本件職場集会(一)を開催したのが外来看護婦が通常の昼休みをとることができない傾向にあったためであるとしても、そのことが支部組合として午後三時四〇分から本件職場集会(一)を適法に開くことができる根拠となるものでもない。以上によれば、本件職場集会(一)、(二)の開催につき病院の明示又は黙示の許諾があるとも、また、その開催を許さないことが病院の権利の濫用であると認められるような特段の事情があるとも解されないのであって、結局、病院が本件職場集会(一)、(二)に対して本件警告書を交付したとしても、それは、ひっきょう支部組合又はその組合員の労働契約上の義務に反し、企業秩序を乱す行為の是正を求めるものにすぎないから、病院(上告人)の行為が不当労働行為に該当する余地はないというべきである。したがって、東京都地方労働委員会の昭和五二年三月一日付初審命令(都労委昭和五〇年(不)第六一号事件初審命令)の主文第1項のうち昭和五〇年四月五日付「警告並びに通告書」及び同年五月一〇日付「警告並びに通告書」のうち集会にかかるもの(一通)並びに主文第4項(1)のうち同年四月五日付「警告並びに通告書」及び同年五月一〇日付「警告並びに通告書」のうち集会にかかるもの(一通)について、これを維持した被上告人の昭和五四年一二月五日付再審査申立棄却命令(中労委昭和五二年(不再)第二五号事件再審査命令)の該当部分の取消しを求める上告人の請求は理由があるから、これを認容すべきである。原判決及び第一審判決が本件職場集会(一)、(二)に対する警告が不当労働行為に該当するとしたのは、法七条三号の解釈適用を誤ったものであり、右違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであって、この点をいう論旨は理由がある。よって、右部分につき、原判決を破棄し、第一審判決を取り消し、上告人の請求を認容することとする。

 

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