日本的経営とワークライフバランスが両立しないひとつの理由
アメリカでは法定有給休暇というものはない。個別企業の従業員の福祉政策としてあるだけでそもそも有給休暇も多すぎとブログで書いているので東京都の「夏休み職免5日」は取らない宣言をしているし、実際取ってないし、ワークライフバランスやノー超勤ウィークなどとともに怒り心頭にきているのでいずれ反対声明を出す予定。実際予算とか担当したときは平日休むなんてありえない。海の日の三連休も全て出勤していた。7~8月だからといって業務量が減るわけではないし、9月は「旗日」が2日もあって他人が夏休み消化する分しわよせがあるので平日に休むのは無理。
『労働法律旬報』1716号2010年3月下旬「シンポジウム非正規労働者の権利実現全国会議」で脇田滋というプロレイバー学者がイタリアをモデルとすべきだとばかげたことを言ってます「イタリアでは年次有給休暇は憲法で放棄してはいけないと決められてます‥‥私が銀行に行ったら担当職員がバカンスを取ってました。イタリアではお客のほうが諦めます。隣の行員は絶対にバカンスをとった行員の代わりの仕事をしてくれない。‥‥「国貧しくて民豊か」という国になれば、それで良いと思います。‥‥イタリアは「配転」慣行がありません。学校の先生も配転はありません。日本では多くの公務員やサラリーマンは約3年ごとに決まった配転の慣行があります。‥‥解雇や配転がないので、ゆっくりと働いて生活できる」
日本的経営とアメリカの非組合セクターがそうですが、配置転換などは柔軟に行うのが慣行であり、特に日本は職務記述書で範囲を決めてしまうなやり方はない。人に仕事がどんどんついてくることが多く、私なんか懲罰的に全く違う畑の仕事にとばされたりする。一から覚えるうえに、育休などで休んだ人の分もやるから、休めるはずがない。顧客第一主義である以上、休みをとるために顧客の要望を無視することなんてできないし、競争環境ではイタリアの余話得な働き方はナンセンス。またアメリカでも日本もそうだが高業績業務システムといって一人の人が違った分野の仕事を2つも3つもこなしたりするわけだから、イタリア的な働き方ならバカンスが可能だが、配置転換の頻繁にある日本的経営では、本来ワークライフバランスとは両立しないものである。
だいたい、40代で役職についてないとやめさせられるような、実力主義の会社なら、実績がすべてで必死で働かなければならない。
要するにワークライフバランスは働かない主義を政府が奨励していると受け取られており、モラールを崩壊させる要因になっている。人が働かなくなった穴埋めする人が忙しくなり、ワークライフなんてのんきな事を言っていられない状況にあると言って良い。
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