公務員に労働基本権付与絶対反対-政府は巨悪と手を結ぶな

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2010年12月の17件の記事

2010/12/25

日弁連は麻木久仁子を擁護しないのか 民法733条が争点に

 麻木久仁子の不倫問題で、民法733条1項の女性は離婚後から半年間は再婚できないという点が、新たな争点として浮上していると報道されている。http://media.yucasee.jp/posts/index/5960 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101225-00000007-sph-ent
 私が知る限りネット世論は「略奪婚」事件と認識しており、麻木久仁子に批判的だ。ライブドアーのネットリサーチでも麻木久仁子の「交際時には夫婦関係が破綻していたとして不倫にはならない」という主張に対して78%が理解できないとしている。http://research.news.livedoor.com/r/56815 もっともこの事件で麻木久仁子を引退させるのは行き過ぎのように思えるが、日弁連や女性団体は民法733条の女性の再婚禁止期間撤廃を主張しており、形式的平等主義の法改正案と世論とのずれがはからずも浮き彫りとなったといえるだろう。世論は法律婚制度を意義のあるもの認め、尊重しているし、「略奪婚」には厳しい反応とみるべきだろう。
 日弁連や戸籍廃止を主張する女性弁護士などは再婚禁止期間撤廃を主張しているのだから、このさい民法改正を先取りするような進歩的で法律婚制度に風穴を開ける主張を行った麻木久仁子を擁護すべきだろう。それをやらないということは、論理的一貫性がないものとして非難されるべきである。

 ところで、平成八年二月二十六日法制審議会総会決定「民法の一部を改正する法律案要綱」http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi_960226-1.htmlにおいて選択的夫婦別姓導入、16・17歳女子の法律婚資格剥奪、非嫡出子の相続分差別撤廃などともに民法733条1項の女性の再婚禁止期間を離婚後から半年より100日に短縮する法改正が盛り込まれている。日弁連は女性差別撤廃のためさらにすすんで再婚禁止規定の撤廃を主張しているが、日本会議などが強く反対している夫婦別姓とセットになっているために、今日まで法改正されてない状況にある。
 民主党はこの民法改正に積極的な立場で、千葉元法相が法改正を推進していたが、連立を組む国民新党の反対で辛うじて今年の通常国会で法案提出には至らなかった経緯がある。
 
 本件については昨年鳩山首相に対して民法733条改正断乎反対の請願書を出している。よい機会なので再掲する。http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-35cb.html

請願書

鳩山由紀夫内閣総理大臣 殿

平成21年10月27日

【請願する法案】

 民法733条改正(女性の再婚禁止期間を6ヶ月から100日間へ短縮)に反対

【法案に反対する理由】

 6か月の再婚禁止期間は国民的倫理として堅持されるべきものである

 民法733条の再婚禁止期間は明治民法767条を引き継いだものだが、これは道徳的理由にもとづかない。父性不明防止のためであり、近代的再婚禁止規定といわれる。しかも、明治民法767条は、明治7年9月29日太政官指令の300日、西欧の立法例、フランス300日、ドイツ10ヶ月、スイス300日より短い6か月であり、明治民法起草委員の梅謙次郎は「六ヶ月の期間は法医の意見を聴いて定めた」とされているが進歩的であったといえる。
 ソ連・東ドイツ・中国等の社会主義国では機械的男女平等の原則により再婚禁止期間が全くない。日弁連は社会主義国を規範とし再婚禁止期間を廃止すべきとする主張だが、1996年法制審議会民法部会答申は100日間の短縮という結論であった。
 しかし今日でもドイツが10か月、フランスが300日と我が国より長期の再婚禁止期間が堅持されている。我が国でも明治民法施行から110年を経過しもはや6か月の待婚は国民的倫理として定着したものであり、あえてフェミニスト・女性団体のご機嫌をとるためにいじる必要はないと考える。
 私は滝沢聿代法政大教授の「民法改正要綱試案の問題点(上)」(『法律時報』66巻12号1994年11月)の意見に賛同するので以下、引用する。
「100日に短縮したとしても、回避されるのは法文上の形式的推定の重複だけであるから、事実に反する推定がなされた場合は民法773条の嫡出否認の訴えに持ち込まれることとなる‥‥(中略)‥‥待婚期間の短縮は必然的に別個の対応による問題解決の提案を含まざるをえないが‥‥余りに不用意である。現行民法の733条の六ヶ月の期間は明治民法以来のわが国の伝統であり、いわば国民的倫理となり得るものではなかろうか。婚姻は長期にわたる深い人間関係を予定する制度であるから、前婚と後婚との間に六ヶ月程度の時間的空白が置かれることは、原則的に見ればそれほどの重大な拘束ではない。またその空白の必要性は子の出生の可能性に根拠を置く故に女性だけの拘束となる事も合理的である。」

以上

 この法務省の民法改正案の不健全さ悪質さは、民法900条4四号ただし書にある非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の二分の一とする、相続分の差別撤廃、つまり「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分と同等とするものとする。」とセットになっている点にある(これについても私は反対の請願書を出しているので参照くださいhttp://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-4e41.html)。
 16・17歳女子の入籍は子どもを非嫡出子にしないための動機もあると考えられるが、90年代の統計で年間約3000組ある16・17歳女子の法律婚を否定してもよいという理由として、非嫡出子差別をなくすのだから、非嫡出子でもいいじゃないかという乱暴な議論がなされている。http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-323d.html総じていえばこの民法改正案は法律婚制度の解体であり、かつてスターリン時代にソ連がやっていた事実婚主義マンセーという思想背景を看取できる。

2010/12/21

入手資料整理50

 冠動脈にステントを埋める治療のため20日に入院、バイパス手術したところなので複雑な作業だったのか治療に2時間半もかかったが、眠くなる薬を飲まされたので中間の1時間半ほどの記憶がない。今日は当初10時に退院できるはずが、医師の説明のため待たされて、精算が(57万円支払った)終わって病院を出たのが12時10分前、昼食をとる暇がないので、コンビニで肉まんを3つ買って、電車の中で食いながら、職場へ移動、午後1時から仕事して、ほかの連中は忘年会だったが、私は出ないで8時半まで仕事して帰る。
 冠動脈はきれいに掃除されたという話だが、医者には遠慮して言ってないが(痛くても、具合が悪くても大抵の場合は我慢して言わない主義なので)、オペの後から心臓に痛みがあり昨晩は寝苦しかった。いまだに違和感があるが、でも足のむくみはとれてるので、心不全状態は解消した模様。
 やはり、おしっこは1リットルためた。看護婦が美人だと溲瓶をあてられるのが恥ずかしがって躊躇する性格だから仕方がない。
 
9381東亜石油事件 東京地判昭和44.6.28『労働関係民事裁判例集』20巻3号614頁

9382順天堂病院事件 東京地判昭和40・11・10 909頁『労働関係民事裁判例集』16巻6号909頁

9383新聞印刷事件 大阪地決昭和33・6.19『労働関係民事裁判例集』9巻3号383頁

9384みすず豆腐事件長野地判昭和42・3・28『労働関係民事裁判例集』18巻2号383頁

 

2010/12/19

入手資料整理49

9372国労久留米事駅事件 最大判昭和48・4・25 刑集27巻3号418頁 『労働判例』176号41頁

9373御國ハイヤー事件 最二小判平成4.10.2 『判例時報』1453号 167頁

9374岡惣事件 東京高判 平成13・11・8『労働判例』815号15頁5 

9375自治労・公共サービス清掃労組(白井運輸)事件 東京地判 平成18・12・26『労働判例』934号 5頁

9376鈴木コンクリート工業事件 東京高判昭和61・5.14 『判例タイムズ』632号 250頁

9377書泉事件 東京地判平成4.5.6 『労働判例』625号44頁

9378毎日放送事件 最一小判昭和51.5.6 『労働判例』252号 39頁

9379国鉄千葉動労(違法争議損害賠償)事件 東京高判平成13.9.11 『労働判例』817号 57頁

9380光文社事件 最小三判昭和50・11.25 『労働判例』241号26頁

入手資料整理48

1-15村中孝史・荒木尚史編『労働判例百選』第8版有斐閣20009
1-16角田邦重・毛塚勝利・浅倉むつ子『労働法の争点』第3版有斐閣2004
1-17法律時報「労働判例研究」編集委員会『労働判例解説集』『労働判例解説集第1巻』日本評論社2009
1-18法律時報「労働判例研究」編集委員会『労働判例解説集』『労働判例解説集第2巻』日本評論社2009
1-19道幸鉄也『不当労働行為の成立要件-労働判例総合解説39』2007
1-20日本労働弁護団『現代労働裁判の理論と実践』旬報社2008
1-21菅野和夫『労働法』第5版弘文堂1999
1-22菅野和夫『労働法』第9版弘文堂2010
1-23西谷敏『労働法』日本評論社2008
1-24野川忍『新訂労働法』商事法務2010
1-25水町勇一郎『労働法』第2版2008
1-26荒木尚志・島田洋一・土田道夫・中窪裕也ほか『ケースブック労働法』第2版2008
1-27両角道代・森戸英幸・梶川敦子・水町勇一郎『労働法(LEGALQUEST)』有斐閣2009
1-28蓼沼謙一『戦後労働法学の思い出』労働開発研究会2010
1-29坂本勝『公務員制度の研究-日米英幹部職の代表制と政策役割』法律文化社2006

2010/12/18

入手資料整理47

1-8 ウィリアム・B・グールド『新・アメリカ労働法入門』日本労働研究機構1999

1-9野川忍『労働判例インデックス』商事法務2009年
1-10野川忍『労働判例インデックス』第2版商事法務2010年
コンパクトで争議行為判例、施設管理権判例の主要なものをとりあげている。ただし論評については疑問がある。

1-11橋本基弘『近代憲法における団体と個人』不磨書房2004

1-12渡辺章『労働法講義(上)』信山社2004
1-13山縣宏之『ハイテク産業都市シアトルの軌跡』ミネルヴァ書房2010
1-141水谷英夫『職場のいじめ・パワハラ対策』』第3版民事法研究会2010

仙石長官がイクメンの勧めだと

政府は十七日の閣議で、「イクメン」の支援などを新たな重点分野とした二〇一一年度から五年間の第三次男女共同参画基本計画を決定した。「男女共同参画社会の形成に男性は積極的な役割を果たすべきだ」として、男性の育児休業取得率を〇九年の1・72%から二〇年に13%へ引き上げることを目指すと報道されている。http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010121702000203.html
また仙石法相兼官房長官が、政府が第3次男女共同参画基本計画を決めたことに絡んで、育児に非協力的だった自らの過去をざんげし、「男も育児にいそしむ企業、社会環境、社会常識がもっと強く出てきていい」と会見言したと報道されている。http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010121700850
 そもそも私は育児休暇に反対である。育児休暇に伴う労務コストを他人に転嫁する特権を付与するものとして、また実証的研究をみるかぎり、育児休業制度は女性の雇用に負の効果をもたらす。若い女性もしくは、いったん離職して子育て終了後に就業しようとする女性の新規雇用抑制効果があるとみてよい。あるいは女性を正規雇用から非正規雇用に置き換えることでコストを転嫁していると考えられる。
 男性にとってみれば、妻子を扶養する責任を負っているものの誰が職業上の地位をマイナスにしかねないようなリスクを冒せるだろうか。職業上の達成や自己実現に重い価値をおく私たちの社会で「仕事に打ち込む」ことにもっとも重要な価値である。その価値観を否定し、個人の価値判断に干渉することは許せない。
 イクメンは軟弱なフェミ男がやることであって、軽蔑の対象である。だいたい丸っこくて、小さいものを可愛く感じるのは脳の癖に過ぎず、赤ん坊なんて憎たらしいだけだ。赤ん坊の世話はむ本来それにふさわしい女に任せるべきものである。年間24万円も子供手当がもらえるんだから、それ以上に育児休暇だ、イクメンだというのはやり過ぎである。

公務員にスト権問題、新型仲裁制度は中央労働委員会に政治判断をさせるつもりか

 公務員への争議権(スト権)付与について検討してきた政府の有識者会議の報告書で、首相が中央労働委員会に仲裁を依頼、その裁定に労使双方が必ず従い、ストを中止する「新型仲裁(仮称)」などが示されたという。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101217-00000633-san-pol
 報告書は読んでないが、ニュースを読んだ時点で率直な感想をいうと、強制仲裁制度は、組合に有利に設計されやすく問題である。 非現業公務員に団体交渉権付与が既定方針でその上に争議権ということだが、過去の教訓をいえば昭和31年の公労法の改正で同法35条で「政府は仲裁裁定が実施できるようにできるだけ努力しなければならない」ことを法文で明確にしたが、これは明らかにプロレーバーの政策であり労働組合を増長させる要因になったと思う。なぜならば昭和24年公労法制定以後、仲裁裁定は15件に達したが、財政事情から実施されたのは専売の3件のみだった。
 そもそも仲裁裁定を実施するかどうかは政治判断の問題であった。国の財政が厳しいときは仲裁裁定は実施されなかった。これは非現業の人事院勧告も同じことである。(昭和29年から昭和34年まで人事院のベースアップ勧告は留保され、報告のみがなされていた。給与を決定すべき諸条件に幾多の不確定な要因を含んでいる現段階において単なる民間給与との較差をもって俸給表の改正を行うことは当を得た措置ではないとしていたのである。ところが昭和35年に春闘相場を上回る12.4%の給与改定を勧告した。これは調査時点を3月から春闘相場が反映する4月に変更したことと、ラスパイレス方式を採用したことによる。以後の人事院勧告は高率ベア勧告になるが、政策上の理由で昭和45年まで完全実施は見送られていた)。
 昭和31年の公労法改正により組合の闘争意欲をかきたてたのには理由がある。つまり予算中の給与総額制度に弾力を持たせるため、各公社法の一部改正がなされ、仲裁裁定があった場合、裁定を実施するに必要な金額は、予算の定めるところにより、主務大臣の承認または認可を受け、給与総額を超えて給与として支給することができるとしたのである。http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/ilo87_06e8.html つまり強制仲裁では給与総額制度は維持できないのではないか。
 問題の昭和32年である。この年は春闘方式の2年目で神武景気を背景に労働側が高姿勢だった。その規模は前年を上回る320万人の参加があり、まず官公庁労組が2月中旬から下旬にかけて第一波、第二波の実力行使、炭労が3月7日から48時間スト、総評を中心とした官民労組の統一闘争は3月11日から実施され国労が2日間にわたり1662箇所の駅、201箇所の客貨車区等で半日職場大会、遵法闘争を実施したため、大量の列車運休遅延を出し全国的に大混乱した。
  政府は11日午後院内大臣室で、岸首相、池田蔵相、松浦労相、石田官房長官らが対策を協議した結果「公労協の実力行使を回避するため、公労協に対して時期をみて仲裁裁定を申請する」方針を決定し、同夜開かれた岸首相ら政府首脳と社会党浅沼書記長との会談で19日、20日に予定されている国労などの第四波実力行使を回避するため努力することで意見の一致をみた。 ところが12日の閣議及び同日夕刻の労働関係閣僚懇談会では、「調停案の拒否理由や、仲裁裁定がなされた場合の態度については検討を要する」との態度をとったため、公労協は仲裁裁定を故意に遅らせているとして16日に第三.五波の実力行使を設定した。
  政府は14日の次官会議、15日の閣議で各調停案を拒否して仲裁申請を行う方針を決定、石田官房長官は「仲裁裁定については公労法の精神にのっとり誠意をもってこれを尊重する。この際労使とも静かに仲裁裁定を待つことを希望する」との談話を発表。 16日午前零時20分~45分に岸・鈴木会談が首相官邸で開かれた、政府側は岸首相、松浦労相、石田官房長官、社会党は鈴木委員長、浅沼書記長、横路国対委員長、池田禎二代議士らが出席、会談後石田官房長官と浅沼書記長が共同発表を行った。国労は年度末手当0.31月分と賃金確定にかえての一時金を3月22日に支給することで了解したが、しかしこの妥結は大蔵省の了解をえておらず、23日に支給困難となったため国労は午後から抜き打ち職場大会に入り、東京管内の主要線が運行困難となり、運輸大臣が午後3時50分に国鉄総裁に業績手当の支払いを命じ収拾されたが、ダイヤは終日乱れ、翌朝まで乗客の騒動が続く始末だった。

 この昭和32年岸・鈴木会談による政治決着により仲裁裁定完全実施の慣例化がなされたのである。労働省のプロレーバー政策を石田博英官房長官の強力な説得により岸首相が追認したものである。要するに社会党とつるんだ合意というものは、石田氏個人の政治力によるところが大きいと考える。『石田労政』によると石田氏は「仲裁裁定の完全実施ををきめた時は、三日ほど池田蔵相に口をきいてもらえなかった」と述懐しているように、石田官房長官主導の政治判断については財政当局は不満があったことを看取することができる。
 岸内閣の方針は、仲裁裁定完全実施というアメを与えつつ、労働組合の違法行為には厳格に対処するというムチをともなうものだったということは、32年6月の岸内閣6月改造で石田官房長官が労相に就任し衆院社労委で「今後とも仲裁裁定については責任をもって対処したい。しかし労組の違法行為に対しては峻厳な態度をもって一貫する」としていることで明らかである。
 その趣旨は仲裁裁定は実施するから違法行為はやめさせ、労働運動の健全な発展と言うことになろうが、しかし、そんなものはしょせん幻想に過ぎなかったのである。

 昭和39年池田・太田会談では史上空前「陸海空統一スト」の脅しに屈した池田首相がストを回避させるため、民賃準拠ルールの確立させてしまった。
 1公共企業体と民間企業との賃金格差は、公労委が賃金問題を処理するに当たって、当然考慮すべき法律上の義務である。従って公労委における調停等の場を通じて、労使ともにこの是正に努力するものとする。
2公労委の決定についてはこれを尊重する。
 マスコミ・世論は史上空前のストを止めた首相に好意的だったが、その代償は大きかったと思う。5月19日に国鉄・林野9.5% 、郵政7.5%、電電・専売6.5%、平均2209円賃上げの仲裁裁定が出された。これは兼子公労委委員長の談話によると「民間賃金の引上げ趨勢がおおむね明らかになってきたので、これを裁定の内容に反映させた」としている。
 以後これが先例となって公企体等の春の賃上げについては、まず公労委の調停の中で、民間の春闘の賃上げを反映すべく努力がなされ、その上に立って仲裁裁定が出されることになった。いわゆる民間賃金準拠原則が確立されたのである。あくまで民間準拠原則は5政-労間の政治決着によるものである。
 ストで脅した結果の組合側の獲得物は大きかった。民間並の生産性を有し、企業としての業績をあげているなら別だが、民賃準拠ルールを与えたことは今日的観点からすれば疑問に思える。またまた組合にアメを与える結果となったのである。
 
 

2010/12/17

東京都水道局では本日、事務室内就業時間内29分職場大会

全水道東水労が局内反合理化闘争と称し、すでに12月10日に1時間ストライキを決行しているが、本日17日に予定されていた2時間ストライキは延期された。きのうの夕方に延期の方向という情報が入ったので、10日ほどの緊張感はなかった。しかし、基本的にストが予定されている場合は鞄を持たず、手ぶらで出勤する。ピケが張られたとき、小競り合いになることも想定し、じゃまな鞄は持ち歩かない。両手があいていないと機敏な動きがとれないから。
 ただしストは中止でなく延期、29分職場大会に切り替えられ、年明けの1月に再びストライキを構えて大衆動員などの闘争を行うので大衆動員などの協力をしていただきたいなどと言っていた。
職場大会は、営業所のオフィスのほぼ中央において勤務時間中約20分間行われた。演説者は分会書記長が司会で、中央委員が報告し、再び書記長が決議文を朗読、拍手で決議したうえ、個人的見解をまくしたてていた。
 演説の要点は営業所業務の監理団体委託問題(局の提案では板橋・足立営業所を来年度から監理団体の(株)PUCに委託する)などは年越しで闘争する。ただしストライキ決行で決裂するではなく粘り強く交渉するために、職場大会に切り替え、越年で闘争を継続するなどと言っていた。また三六協定拒否闘争(超勤拒否闘争は)12月9~10日と12月14~17日までやっているが、妥結に至らないので、本日も超勤拒否との方針が伝えられた。
 さらに分会書記長は個人的見解を述べ、猪瀬副知事の後押しで当局がやってる水ビジネスの海外進出(インド、インドネシア、ベトナム、マレーシア、モルディブの5ヶ国に調査団を派遣している)を批判。監理団体(東京水道サービス)を使って金儲け、搾取をやろうとしているなどまくしたてていた。

アメリカ合衆国では、レーガン時代に全国労働関係局の右傾化により、民間企業であっても業務の売却、工場閉鎖、下請契約、省力機械の導入など、「ビジネスの範囲、方向、あるいは性格」に影響を与える経営者の決定は組合との協議の対象とならないことが、確認され、交渉の場で議論したれければ、その決定が労働コストのみを考慮して下されたことを組合が立証しなければならない。
クライスラーがアウトソーシング阻止でストライキをやったが、その数年後に結局経営破綻したのである。


勤務時間内にオフィスの中でやっている職場大会でせあるが、窓口には料金を支払う来客や、水道工事店の窓口受付が行われており、料金を払いに来客は組合の演説を怪訝な表情で見ていた。
 事務室内であれ、屋外の構内であれ勤務時間中の集会について東京都水道局では、拡声器を使用しようが、赤旗などを持ち込もうがいっさい禁止命令、解散命令、就業命令は出さない、なすがままである。もっとも今回の職場大会のケースでは時間は賃金カットの対象となる。ただし累積で30分を超えないと賃金カットにならないので、今回のケースだけでは何の傷にもならないのである。また管理職が見ていない場合は、その時間はノーカウントである。
 

 まず司会の書記長は、こちら集中して下さいと言い、明らかに職務専念を妨害するものである。
 たまたまここは1フロアの営業所だが、例えば私の経験では品川営業所では2階で組合を演説すると、1階の職員の一部が就業時間中離脱して2階に上がる。江東営業所では当時技能職の別室があったが、そこの職員は工事係の受付に陣取って、演説を聴いており、実質、工事の受付業務はストップしていた。演説の声が大きいと、電話がかかってもほとんど聞こえない。だからといって組合のアジ演説でききずらいのでもう少し大きい声でしゃべろとは、客に言うこともできないので、実質業務の妨害なのだが、わたしがきいたところでは、管理職が業務の妨害と認めたむことはない。そればかりか、江東のある所長は、どこで仕事するかを指図でき、うるさいというなら宿直室にいてもらうなどと、あくまでも組合演説を擁護するのである。
 こういう、水道局の管理職が国労札幌地本判決から30年も経過しているにかかわらず、同判決が否定した受忍義務説や違法性阻却説のような悪質な労働組合寄りの姿勢で庁舎管理を行っていた慣行を改めようとせず、「職場環境を適正良好に保持し規律のある業務の運営態勢を確保」という責任感を持たず労働組合の既得権擁護で固まっている姿勢こそ改められるべき(15年のながら条例の改正で、幾分組合活動が規制されるようになったといっても、それは都議会主導で行われたもので当局に自浄能力があったわけでは全くない)。

 ところで、12月はセクハラ防止月間ということで、ポスターが掲示板でないところ給湯室の入り口の壁に貼られていた。実は掲示板には一年中12月のセクハラ月間のポスターがはってあるのである。だから同じものが近接して2枚もある。
しかもそのポスターの内容がひどい。職員部人事課が作成したもので、大きな字で「なくそう!セクハラ」小さな字で「セクシュアル・ハラスメント」とは?相手を不快にさせる性的な言動です。職員だけでなく、都民や業者に関わる全ての人が対象です。勤務時間外でも、職場の人間関係が持続している場での行為は対象になります。」中ぐらいの字で「その一言で傷ついている人がいます『冗談だよ』そんな言い訳、とおりません」とある。
 これは男性職員への脅しであり、セクハラに該当しないものを、セクハラと言いつのっているもので全く不当である。むしろこのようなセクハラ防止ポリシーによって男性職員を萎縮させ敵対的な職場環境になっているだけでなく、女性に対する過剰な心理的保護、過剰なロマンテックパタテーナリズムに陥っており、性差別的な職場環境、つまり事実上女性を格別心理的に保護されるべき性として差別する政策となっている。
 この意見は上司にも出しているのにまたこのポスターを貼ったのである。 http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-3712.html

 私は、すでに、このポスターの内容については抗議しているので、当てつけのようでもある。昼休みに、あそこに貼ったのは所長の指図かを確認したうえ、掲示板に貼ってあるのだから同じものを貼る必要はないと所長に意見を述べた。これに対して、セクハラは重要だと言いつのるだけである。不愉快だから12月のセクハラ月間が終わったらはがしてくれと申し入れた。いずれにせよ、この件も抗議すると述べたらねメールはむだめだぞと官僚主義的な言い方である。
 ロータスノーツのグループウェアで、局内の誰とでもメールが送れるのに、上司以上の管理職への意見具申には使わせないという。風通しの悪い職場だといわなければならない。優秀な経営者なら意見具申はなんでも歓迎する。意見を封殺するような企業風土は本当にひどいと思う。意見具申は業務ではないとのことだが、これは解釈の問題だ。奈良時代ですら聖武天皇は百官に都はどこがよいか意見を具申させているのに。
 いずれにせよ、違法な組合活動の禁止・解散命令はしない、非組合員の就労の権利の方針はひどく、上司の懲戒請求はやることを固めた。できるだけ早く仕上げる予定だ。
 一昨年の総選挙公示期間にも、組合掲示板に、野党協力で政権交代!という大きなポスター〈保坂のぶと(社民)、管直人(民主)、亀井久興(国民新)の顔と名前がある大きなポスターを容認していた所長である。
 昼休みに所長は、二日酔いで胃が痛いと言い出し、12時45分ごろ携帯電話で現場出張中の収納係職員に電話をかけ、帰りに胃薬を買ってこいと命じていた。その職員は夕方帰庁なので、実質勤務時間中薬局での買い物を指示したことになる。
 出張中の職員に携帯をかけ私用の雑用を依頼するのは厚かましいと思う。千代田営業所勤務時に所長の許可なく勤務時間中にシャワーを浴びる職員や、現場出張中に築地市場で買い物をみしてくる職員がいたが、言語道断だ。すでに退職し部長までやった人だが、支所長で着任の挨拶が、日曜に待機勤務の職員に馬券の購入を依頼するなどお世話になってましたと挨拶したときはびっくりしたが、それほど悪質ではないとしても、秘書でもないのに私用の雑用を勤務時間中やらせるのは些細なことかもしれないが問題だ。

2010/12/11

今年も見苦しかったノーベル賞授賞式

  一昨年、下村脩ボストン大名誉教授が文化勲章をつけて授賞式に臨んだが、小林誠日本学術振興会理事、益川敏英京都産業大教授が文化勲章をつけないで授賞式に出席していた。
 今回も鈴木章北海道大学名誉教授が文化勲章をつけ、根岸英一パデュー大学特別教授が文化勲章をつけない不統一が生じてしまっている。http://sankei.jp.msn.com/photos/world/europe/101211/erp1012110131001-p6.htm http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20101211-00000020-nnn-int

 少なくとも私が知る限り、川端康成や江崎玲於奈、利根川進あたりはみな文化勲章をつけていたように記憶しており、それが慣例かと思っていたが、慣例を破る人が続出して不愉快だ。
 ノーベル平和賞にいたっては中国のメンツを潰して不愉快だ。だいたい劉暁波なんて何者か知らないし関心もない。朝日新聞によると「中国共産党機関紙人民日報傘下の国際情報紙「環球時報」は11月1日、「劉暁波、その人間とそのしてきたこと」との論評を掲載し、劉氏は『米情報機関と関係する組織から資金を受け取っていた』『(天安門事件後に逮捕された際)号泣して助けを求めた』ということです。別にこの人の運動を支持もしないし、同情もしない。http://www.asahi.com/international/update/1105/TKY201011050008.html いわゆる解放後、宗法制度が否定されて、同姓不娶の原則をくずしてしまった中国だが、この人は同姓の坊主頭の女と結婚してますね。

2010/12/10

本日は東京都水道局1時間スト

 全水道東水労がストライキを行った。スト突入は3年前の3月の春闘以来である。私が怒り心頭なのは、8日のメールの件で、課長補佐から打ち合わせがあるといって、要件を告げずに呼び出され、所長とともに取り調べを受けた。業務以外にイントラネットを使ってはいけないという内規違反だと。それで、おまえは誤解している誤解していると所長から、かなり一方的にギャーギャーと喋りまくって、私はカードリーダーをとおすなとか就労を否定していない。ピケットをやってなければ入っていいんだとし全面的に排除することではないと見解を修正したうえで、ただし就労阻止で立ちはだかって妨害してきたら、強引に入ろうとすると、もみ合いになるから、そうならないよう、必ず電話しなければいけないとし、仲裁に入っても、先方はスト権投票で組合員圧倒的多数の賛成でストをやっているから、職員総意でのストであるから、組合員であろうが非組合員であろうが脱落者を許さないと言ってくるだろうから、1時間なり2時間なり外で待機せよと待機せよと私に通告することになる。その理由は人間関係を保つことが重要だからだと説明。組合が厳重なピケットを取った場合は通過させない方針は一貫して変わらないわけである。
 仲裁に入っても、通行妨害をしないよう命令もしないし、できないということを重ねて言った。
 こちらは、通行妨害が庁舎管理規則違反で、物理的妨害の禁止命令、門の内側構内でのピケットの禁止を求めているから、全くかみあわない、平行線である。
 非組合員が組合の統制を受けないで就労する権利をこちらは言ってるわけだから、人間関係を悪くする云々は、上司の価値判断で部下を拘束するのは他人の権利性の明確な否定である。
 これは、懲罰請求にならざるをえないし、懲罰請求を考えていることは所長にも表明してある。私の労働力処分の自由、正当に就労する権利と義務を明確に否定するもので、労働組合の組織強制要請に重きを置いている。
 昨年は組合側が阻止すること通告していたということなので、年内に狭心症でステント治療で入院する身でありながら、これほどストライキ支援の明確な管理職のもとで、しかも入り口が狭くて、人が集合するとおしくらまんじゅうか、サッカーの前衛と後衛のぶつかりあいぐらいの擦れ合い、もみあいはありうると覚悟はしていたが、早めに登庁したためか、組合員の妨害は今回はなかった。私が入ったあとにどういうピケをやったのかは見ていない。
 山場を2回設定したので1回目はやりすごすと踏んでいたのか、先方もあまり準備してなかったようだ。これまでだと江東営業所で取り囲まれて罵声を浴びせるなどの攻撃をうけスト破り憎しで殺気立った状況になるのが通例だが、殺気は強くなかった。もとより小さな営業所で、支所のような活動家の多いところではない。ただし次の17日が2時間ストが本番なのでどうなるかはわからない。
 気になったのはやはり管理職の行動である。赤はちまき・赤腕章のスタイルで組合役員が駐車場で集会のため出ていったが、旗ざおはみかけなかったが、赤旗と思える布を持ってた。集会を監視しなかった。これは構内からの締め出しを上から命じられたないから、構内締め出しはやらないというのは慣例で、監視もしないのも慣例だが、実際に来客とくに水道工事店などが駐車場に進入しているが、それの妨げになっていないかも確認しないのは、非情にルーズだといわなければならない。私は仕事をしていたので一度も集会の状況をみていない。支所では立て看などの工作物や横断幕、赤旗、拡声器、お立ち台が持ち込まれ、るが、そういうものは確認できなかった。これまでの例では、組合を刺激するから隠れていろとか、電話もとらなくていいから待機していろとか、仕事をさせない管理職の命令があったが、事前に管理職と就労を認めないことは許さないとやりあっていたためか、それはなかった。
 なお、私は水道局のストライキと遭遇しても全て就労している。

2010/12/08

東京都水道局長及び幹部職員ヘ 再び作為命令請求

東京都水道局では全水道東水労が10日に1時間と17日に2時間のストを予定しているため、前回に引き継ぎ作為命令請求をメールで送った。

前回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-94ab.html

 

水道局長及び幹部職員へ

再び○○営業所長に対する作為命令請求

 11月10日に水道局長及び幹部職員に作為命令要求を送っているが改善がないばかりでなく、水道局幹部は一切無視して説明責任すら果たさないので、前回と同じ作為命令請求を行うものである。
 その日に○○所長に聴いたところでは、きわめて深刻な問題であるのに、メールでの苦情は認められないし、読む必要もない。愉快犯だと思っている。11日はあなたは社会人として常識がないとか組織人としての自覚にかけていると暴言を吐かれた。どこが常識に反するのかという質問しても答えない。幹部に直接メールすることは許せないと非常に官僚主義的な答えである。苦情処理機関はあるが基本的に労使協議事項は回答されないことになっているから意味がないのにもかかわらずである。 勤務時間中に送信したので職務専念義務違反だとも言われた。一貫してストライキに反対し正当な就労の権利を主張する非組合員を敵視する敵対的・虐待的な対応に終始している。
 そして、私がもっとも許せないのは、カードリーダーを通すことにこだわることがけしからんと攻撃し、あくまでも通用口でのピケットの通過をさせないことを指示してきたことである。これは全く労働組合側に加担するものである。
 品川や江東などでストに遭遇した過去の経験では、ピケット自体は間隔があって緩いものが、出勤簿を押すと、江東では組合員が「スト破り」と悪罵し、集団で取り囲んできて悪罵を浴びせ吊し上げ状態になったことがある。品川でも中に入ってから、役員がつきまとって攻撃してくるのである。
 水道局のストは1時間か2時間にすぎず、業務を停止させることより、組合員と非組合員の団結強制という締め付けにもっとも力点が置かれている。つとり昔の出勤簿、今のカードリーダーをとおさせないことに力点が置かれているストである。明らかに、カードリーダーをとおさせないことを当局の方針としているのはロックアウト類似行為といえる。
 停職、出勤停止処分がない限り、就業時間前に入場して出勤簿(カードリーダー)を押すことは正当なことであり、それをさせないということは、実質スト参加の強要に等しいことである。少なくとも、私の就労の権利を犠牲にして組合のメンツを立てるよう腐心している行為といえる。
 11日も話しでわかったことは、昨年組合は就労阻止すると言ってきたということである。非組合員を統制する権限はないわけだから、管理職は構内でのピケットの禁止や、物理的妨害を禁止する命令を出すのが筋だと思うが、所長の話では8時半に開ける来客用入口ではピケを認めないが、職員通用口では禁止はしてないということだった。
 構内での集会、示威行為、ピケ等の禁止命令を出す必要はなく、命令でもなんでもない示達で十分だとも言った。来客用入口はピケをさせない、通用門の内側だけでやると答えていたことからすると、組合とのあいだで通用門のピケを認め、来客入り口はやらないとの協議ができている心証を得た。事実上就労阻止を容認しているのである。
 8時半以降、来客用入口から入ることはできることを示唆したが、あくまでも普段通りの出勤はさせない。事故扱いとするという方針は変わらない。これは所長には質問してないことだが、以前江東の組合役員から、三六協定拒否なので8時半までは外に居させるようにするとは当然だとの主張がみられたが、どういう趣旨で当局がカードリーダーをとおさせない方針としているのか説明してください。少なくとも説明責任を果たしてください。
 仮にそういうことになったとしても私は事故は申請しません。ピケを通過しない者は通常アメリカなどでは、スト参加と同類とみられ、不利益処分を受けても仕方ないのである。事故は卑怯であり良心が許さない。
 そもそも、コモンローでは、契約違反誘致、営業・雇用の妨害、人が資本あるいは労働を欲するままに処分する権利の妨害、他人に権利を侵害するコンスピラシーあるいはトレスパスと認識され不法行為とされたものである。
 私は清く正しく美しく、そういう不法行為を容認することに絶対反対の立場であるから、事故扱いのような卑怯なことは絶対しない。
 仮に、組合が実力阻止するとしても、(中略)ビケライン尊重を強要することは全く不当なものである。 

○一般企業でも非組合員に対して正当な就労を妨げることは許されないというのが政府の公式見解である

 昭和29年11月6日労働次官通達は、多数の集合を容認し、示威行為を容認している点で、現代的水準ではかなり問題があり、大きく見直すべきだと思うが、他人の権利を尊重すべきとする基本的考え方や、非組合員に対して正当な就労を妨げることは許されないと明記している点で、政府見解として尊重されるべきものと考える。

 争議行為の態様について、基本的な考え方として「労資関係において、労使が法令に従って行動し、他人の権利を尊重すべきことは、法治国の国民として、当然の責務である。就中人の身体又は行動の自由や住居、私生活の不可侵は、最も尊重されるべき権利であって、労働組合の団結による統制や、労働契約に基づく使用者の指揮管理においても、これを全く否定したり、その意に反して不当に拘束又は侵犯することを許されない。‥‥労働組合の団結に基づく統制力は、原則として、組合員の範囲しか及ばないものであることはいうまでもない。統制力の範囲外にある者に対しては、その理解と協力を要請し得るに止まり何等の強制をも加え得る立場にない。」

 ピケットについて、「‥‥ピケットは、平和的説得の範囲に止まるべきものであって、例えば、工場事業場に正当に出入しようとする者に対しては、暴行脅迫にわたることはもとより、一般に、バリケード、厳重なスクラムや坐り込み等により、物理的に出入口を閉塞したり、説得又は団結力の誇示の範囲を越えた多衆の威嚇や甚だしい嫌がらせ等によってこれを阻止する如きピケットは正当ではない」
 組合員でない労働者に対して
「労働組合の統制力は、原則として、当該労働組合の組合員以外の従業員に対しては、当該争議行為についての理解と協力を要請し得るを止まり、その正当な就労を妨げることはできない。使用者が‥‥争議中代替要員を雇い入れ、その業務を続けることは‥‥使用者の対抗手段であって‥‥それ自体は違法ではない」(片岡昇等著『ピケッティングの研究』有斐閣 1955 付録に収録)
 これに対して、プロレイバー学者は、実力行使を容認する、説得のため実力阻止を認める、説得の限界を超えたスクラムなどの防衛を認める見解があるがこれは世界的にみても、きわめて悪質な部類に属するものであり、到底認められるべきものではない。
 上記は、争議権が認められている一般企業についての通達であって、もとより国公法第98条、地公法第37条、公労法第17条、地公労法11条が争議行為を全面的に禁止している以上、ピケ行為が平穏かつ節度を守って行われても、その争議行為は違法性を有する。
 明らかに、○○営業所長が通用口庁舎構内における、ピケットを認め、私に再三、ピケットを通過しないよう指示し、カードリーダーを通す正当な就労を阻止すべく私に命令していることは、全く不当なものであり、事実上ピケッターとして行動し、私を不当にロックアウトしようとするものであり、争議行為支援であり到底容認できないので、前回と同様の作為命令を請求する。

2010/12/05

イクメンなんて退治すべきだ

 官庁が男女共同参画のために造った言葉だろ。なにが流行語だ。

 ミルトンの『失楽園』(4・297-301)
男は思索と勇気のために造られていた、
女は柔和さと美しく優雅な魅力のために。
男はただ神のために、女は男の内なる神のために。
男の美しく広い額と清らかな目は、絶対的支配を語っていた。

滝沢正彦「『失楽園』の夫婦像-「人間」への成長としての原罪-」辻裕子,佐野弘子編 『神、男、そして女 : ミルトンの『失楽園』を読む 』 英宝社 1997 28

 男が赤ん坊の世話などすべきではきない。それは男の仕事ではない。男は女を絶対的に支配しなければならない。

公務員に争議権付与カウンターレポート下書き-アメリカ合衆国・オーストラリアとの比較法制(4)

第一回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-d339.html
第二回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-0419.html
第三回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-de46.html

ブッシュ政権による新しい人事制度National Security Personnel Systemの導入について(1)

  ブッシュ政権は議会においても共和党が優勢な状況において、半世紀以上、いや1920年代から改革されていなかった、連邦公務員制度の人事制度を抜本的改革に着手した。
 National Security Personnel Systemである。これは団体交渉を制限し、懲戒などの不服申立などの行政上の保護規制をなくし、職務遂行能力と処遇の結びつきを強化し、定期昇給をなくし、ペイフォーパフォーマンス給与体系とするもので、本格的、業績・成果主義の人事制度の導入という意味で画期的なものであった。
 もっともそれは、国家安全保障という名目で、他の省庁と区別するやり方だったので、国家安全保障省と国防総省に限定されたという意味では部分的な改革にとどまっただけでなく、後述するように、2009年にオバマ政権、民主党優勢議会でこの方針を転換させることとなり、政策は後退しているのが現状である。
 しかしこの制度を一般の省庁にも拡大してようとする(Working For America Act)動きも一方にはある。そうでなければ本物の行政改革にならないからである。再び共和党優位の形成になればトレンドはそちらに向かう可能性があると考える。。

 従来、本省課長級以下の連邦政府職員に適用される一般俸給表General Scheduleは1923年職階法Classification Actkの給与制度を再編した1949年職階法によって法定されたもので、15階級、定期昇給を基本とした給与体系である。一般俸給表の給与額は連邦議会で必要に応じて改訂されたが、この改訂は不定期であり、民間賃金の上昇やインフレに即応していないため、民間賃金の調査やこれを公務員給与改訂に活用が検討され1962年の連邦給与改革法federal salary reformation はよって、大統領が適切な時期に、連邦労働統計局Bureauof Labor Statisticsの年次調査を基礎として連邦公務員の給与の改訂を「勧告」すべき任務が課せられ、1970年連邦給与均衡法Federal Employees Pay Comparability Actでは給与改訂の権限を決定権を原則的に大統領に委任した。(*1)また1990年連邦給与均衡法Federal Employees Pay Comparability Actで地域差を考慮する賃金調整も行うこととなっている。(*2)
 この一般俸給表General Scheduleによる給与制度と連邦公務員の賃金・職階、業績管理、懲戒処分、人事に関する不服申立等の行政上の保護規制が硬直的なものであることはもはや時代遅れであるとして強い批判があった。
 つまり、優秀な人材の確保や、適材適所への迅速な採用・配置ができないという問題である。例えば成果よりも年功を重視した賃金体系は、優秀な人材の確保を妨げるだけでなく、公務員の士気にも悪影響を与える。また業績が極度に悪い公務員でも解雇することは難しく、その一方で新規・中途採用の長く煩雑な手続きある。長すぎる採用プロセス、業績(成果)によらない悪平等な給与の支払い。再任用の柔軟性の欠如。テロ対策上直ちに首にしたい職員も不服申立等の保護規制があるので簡単に解雇できないといったことである。
 しかし、ブッシュ政権において時代遅れの人事制度の改革に着手、2002年新設の国土安全保障省と国防省において従来の一般俸給表の給与制度によらない新しい人事制度を導入した。

2002年国土安全保障省の設立と新しい人事制度

 2001年9.11事件を契機として、テロ対策強化が重要な政治課題となった。2002年5月リーバーマン上院議員(当時民主党)が、ホームランドセキュリティを一元的に担う「国土安全保障省立法案」を連邦議会に提案したことがきっかけである。巨大官庁の創設に当初ブッシュ大統領は乗り気でなったともいわれるが、2002年6月にリーバ-マン法案と同じ内容の「国土安全保障省」設立に関する法案を提出した。これは、1947年に合衆国軍隊の国防総省への統合、国家安全保障会議とCIAを設立して以来の大きな省庁再編ともいわれる。〔*3〕
 国土安全保障省は、国境警備隊(司法省)、移民局(司法省)、関税局(財務省)、出入国管理及び市民権局(司法省)、連邦航空保安局(運輸省)、動植物保健検査局(農務省)運輸保安庁(運輸省)、沿岸警備隊(運輸省)など8省庁22機関17万人の職員を一つの省に再編・統合したもので包括的なテロ対策を目的としている。
 ブッシュ提案がリーバ-マン提案と異なっていたのは、採用・昇進・解雇等を容易に実行できる柔軟性のある人事制度、連邦公務員の人事や懲戒に対するめ不服申立制度や団体交渉を排除する提案であった。
 リーバ-マンら民主党議員のほか、労働組合は国会議員にメール攻勢をかけて、反対したが、2002年11月25日共和党が両院で多数をしめている状況で成立した。2003年1月より正式に発足した。この立法では国土安全保障省長官と人事管理局長に既存の連邦公務員の人事制度の一部を免除・改正して、新たな人事管理制度を確立する権限を与えた。また、従来、大統領が連邦公務員の団体交渉権を制限する場合には、①その連邦公務員が、主にインテリジェンス、犯罪捜査、または国家安全保障業務を主たる機能とする行政機関に勤務する場合で、かつ、②団体交渉権が、国家安全保障の確保を満たしながら行使することができない場合に限られていた。(5U.S.C7103(b)(1)) のに対し、国土安全保障法では大統領が国土安全保障上の必要から同省の職員について団体交渉権を留保しようと決定する場合、この二つの要件を免除した。

 2005年2月の人材管理制度の最終規則案70 Fed. Reg.5272,5273により行政規則化された(5C.F.R.pt.9701)が、それによると
○連邦政府被用者に認められている懲戒などに対する不服申立制度は利用できない。
○団体交渉を経ずに、多くの人事関係の事項や手続が同省長官の指令で実施できる。
○インテリジェンス、捜査、セキュリティ業務に就き、国土安全保障に影響を与える業務の場合は交渉単位に含まれない。
○連邦労使関係局で扱われた問題は、同省長官により指名された委員によって構成されたいくつかの内部委員会で処理される。〔*4〕
 新制度の主眼は、職務遂行能力と処遇の結びつきを強化し、職員の雇用、昇進、懲罰をより容易にすること、団体交渉を制限して労働組合の力を抑えることにあるとされるhttp://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2006_4/america_01.htm#01
 給与制度は一般俸給表General Scheduleから離脱して、大きく性格の異なる新しい給与システムとした。号俸を簡略化(10号俸ぐらいを3号俸ぐらいにまとめる)それぞれの号俸の中で、上限、下限を設けることで給与の幅(Pay Band)を作成。ペイ・バンドの中で、どの給与を支払うかについては、査定権者の権限とし、実績に比重をおく給与体系とした。定期昇給はなく、給与をフレキシブルに決定できる。〔*4〕職務等級制度の改革、ブロードバンド化は民間の成果主義導入と基本的に同じ流れとみてよいだろう。
 この人事制度は画期的な意義をもつと思うが、わが国ではあまり紹介されなかいのは、不可解である。

 国防総省の新しい人事制度

 2003年11月、2004年度国防授権法に基づき、連邦議会は国防総省に、同省に勤務する軍属(civilian employee軍人でない公務員70万人)に新たな人事管理制度を定める規則制定権限を付与し、2005年2月に国家安全保障人事制度National Security Personnel Systemに関する規則案を公表した。
 この規則案は連邦公務員の行政上の保護規制のうち、賃金、職階、業績管理、懲戒処分、人事に関する不服申立及び団体交渉権に関する規定が免除された。排他的交渉権をもつ労働組合は、国防総省に対して団体交渉を要求できるが、応じるか否かは同省の一方的な権限とされた。〔*4〕

National Security Personnel Systemの指導原則はつぎのとおり。
・任務を第1 に置く。国家安全保障目標及び戦略目的の支援。
・個人の尊重。法により保障された権利の擁護。
・才能、達成、公務に対する指導性とコミットメントに価値を置く。
・柔軟で、理解しやすく、信頼でき、対応しやすく、実行可能である。
・全てのレベルにおいて説明責任を保証する。
・独特な任務の要請と人材の相互運用性との均衡。
・競争的で費用効果的であること。〔*5〕

 給与は3つのペイ・バンドで調整される。給与には地域市場加算、成果にもとづく昇給がある。毎年度の成果管理サイクルは、目標管理制度である。昇給とボーナスが支給されるのは5段階評価の3以上である。

最終的に達成しようとしている目的に関しては、以下のように定義されている。
 国防総省の人的資源環境は、職員の成長、主導性、達成と説明責任を促進するものでなければならず、こうした環境は、適切な人を適切な仕事に、適切な時に適切な費用で、適切な工夫を用いて配置するものである。〔*5〕

 この方針は優れている。粉骨砕身働いている人、組織にコミットメントしても、その価値も認めないということはしない。たんに上司の好み、指図だということでなく、その仕事をなぜさせるのか説明責任を保証すること。職員を使い捨てにするのではく、職員も成長し指導性を促進させるといったことは、組合が支配的な企業ではありえないことである。 

〔*1〕菅野和夫「公務員団体交渉の法律政策」アメリカ(一)」『法学協会雑誌』98巻1号 1981
〔*2〕人事院「官民給与の比較方法の在り方に関する研究会報告-補論1アメリカ及びイギリスにおける公務員給与決定方法の実態調査」(平成18年3月20日)http://www.jinji.go.jp/kyuuyo/kenkyukai_hp/hikakukenkyukai_top.html
〔*3〕土屋恵司「米国における2002年国土安全保障法の制定」『外国の立法』222号2004年
pdf http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/222/022201.pdf
〔*4〕永野秀雄 「海外労働事情(65)アメリカ/国家安全保障にかかわる業務に従事する連邦公務員に対する団体交渉権の制限--九・一一テロの影響とその評価」『労働法律旬報 』(1662), 68-71, 2007-12  /1261 
〔*5〕小塚郁也「米陸軍の文官人的資源管理-SES 制度改革とNSPS 導入をめぐって-」『防衛研究所紀要』9巻1号2006年http://www.nids.go.jp/publication/kiyo/j9-1.html

入手資料整理46

9375安井明彦「ブッシュ政権の行政改革」『みずほ総研論集』2004年Ⅱ号PDF http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/argument/mron0402-1.pdf
9376田辺智子「米国90年代の行政改革」『レファレンス』2003.12PDFhttp://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200312_635/063503.pdf
9377人事院21年度年次報告書「アメリカにおける政権交代における労使関係の変化」http://ssl.jinji.go.jp/hakusho/h21/050.html
9378川久保文紀「ホームランド」としてのアメリカ : 言説分析を中心として」『中央学院大学法学論叢』 21(1), 124-107, 2007-11-30
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006530106
9779人事院「官民給与の比較方法の在り方に関する研究会報告-補論1アメリカ及びイギリスにおける公務員給与決定方法の実態調査」(平成18年3月20日)http://www.jinji.go.jp/kyuuyo/kenkyukai_hp/hikakukenkyukai_top.html
9780中田康彦 「(4)米国教員給与制度の理論的背景 : 公務員・民間部門における人事管理論の検討を中心に : <小特集>教員給与の政策と制度改革に関する比較研究-日本,アメリカ,イギリス」『東京大学大学院教育学研究科教育行政学研究室紀要』 16号, 1997.3 http://hdl.handle.net/22619781

9781◎永野秀雄 「海外労働事情(65)アメリカ/国家安全保障にかかわる業務に従事する連邦公務員に対する団体交渉権の制限--九・一一テロの影響とその評価」『労働法律旬報 』(1662), 68-71, 2007-12  /1261 

9782小塚郁也「米陸軍の文官人的資源管理-SES 制度改革とNSPS 導入をめぐって-」『防衛研究所紀要』9巻1号2006年(ネット公開)

2010/12/04

朝から不愉快NHK番組

 「ミドルエイジクライシス!ゆれる女性」という番組をちょろっとみたが、視聴者からの意見で不妊治療と仕事を両立させるため休業制度をとか、不妊治療に保険適応をとか我が儘言いたい放題だな。育児休業はレイバーコストを他人に転嫁させてるうえに、こんなことでもコストを他人に転嫁しようというのか。

2010/12/02

元日教組中執神本美恵子参院議員らの民主党調査会が保守系議員の反発を無視して男女共同参画会議答申最大限尊重の提言とか

 民主党の子ども・男女共同参画調査会(会長・神本美恵子参院議員)が党政調役員会に対して、選択的夫婦別姓制度の導入を事実上容認する提言を提出し了承されたとの産経新聞の報道である。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101202/stt1012022235012-n1.htmもちろん、男女共同参画会議の答申は反対でパブリックコメントもブログで公開しましたが、とにかく通常国会まで公務員争議権付与権阻止に全力投入で取り組むのことになるので、そっちの方まで手が回らない。
 12月半ば過ぎに、狭心症の治療でステントを入れて冠動脈を開けるため入院するが、今が最大のピンチで勝負の時だ。一本に絞って必ず成果を出すようにしたい。

2010/12/01

公務員に争議権付与カウンターレポート下書き-アメリカ合衆国・オーストラリアとの比較法制(3)

 第一回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-d339.html
 第二回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-0419.html
 
 
連邦公務員はスト参加で解雇される(3

 また連邦法7116条では、使用者・労働組合双方の不正労働行為(Unfair Labor Practice、ULP)を定義しており、ストライキ(strike)、業務停止(work stoppage)、怠業(slowdown)、ピケ(picketing)への参加(participate)、および、これを呼びかけること(call)が、労働組合としての不正労働行為にあたるとしている。これらの行為をおこなえば、労働組合の排他的交渉代表権が取り消される。また、職員には、懲戒処分が科せられる。これらの不正労働行為のなかでも、ストライキだけが刑事罰の対象となっており、1,000ドル以下の罰金などが科せられるとしている。PDFhttp://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/kentou/working/dai7/siryou7.pdf
 もっとも労働組合の支持によって当選したカーター政権により1978年連邦公務員法改正法Civil Service Reform Act of 1978により団体交渉制度が導入された。これは、連邦公務員の団結権および団体交渉権を宣言して〔民間企業の全国労使関係と同じく〕排他的交渉代表権の枠組を定め、労使双方の誠実交渉義務を設定してこれを不当労働行為手続で担保するとい全体構造であるが、団体交渉の範囲は限定されており、給与については法定制度が維持されている(次回以降後述)。 
 団体交渉の対象になりえない事項としては(1)行政庁の任務、予算、組織、被用者数及び機密保持措置を決定する権限(2)被用者を採用し、配置し、指揮し、レイ・オフし、または官職に留める権限(3)懲戒処分を行う権限(3)仕事を割り当てたり、下請けに出す権限などである。また、当局の選択によって交渉事項となりうるのは、組織単位、作業プロジェクトまたはは勤務割に割り当てる被用者の数、種類、等級又は官職や業務遂行の技術、方法、手段などである。
 
 連邦公務員人事委員会は、人事管理庁Office of Personnel Management)とメリット・システム保護委員会Merit Systems Protection Boardとに分割された。
 7万人の中間管理職クラスに能力給が適用され、従来の定期昇給と官民格差を是正するための昇給ベースアップという自動昇給システムからはずされた。
 メリット・システム保護委員会は。従来、成績不良者に対する降格や免職と勤務評定との関連が明確でなく、統一的基準規定がなく、メリットシステムが形骸化していた状況を改め、勤務評定・不利益処分・不服申立てを関連つけた制度整備を行ったものである。
 これは人事院公平局を独立させたような組織だが、任期7年の三名の委員と任期5年の法律専門家たる特別顧問により構成される。メリット・システムの原則を実現するための法律等による違反行為の有無を監視し、違反行為に対する不服申立てなどについて審査決定し、人事管理庁の制定する規則や細則の審査もできる。
 人事委員会を分割してこの組織を設けた眼目が、勤務成績不良者の降任、免職を容易にすることにあった。すなわち、成績不良職員は、自己改善のための援助を与えられることにはなっているものの、90日前の通告が必要だった免職等が、30日前の通告となり、不服申し立ての手続きは迅速化するということだった。
 しかし、この制度でも硬直的と批判されている。実際に解雇される例が少ないのだ。2002年国家安全保障省新設のさい、2002年11月の国土安全保障省創設にあたって大統領は、国土安全保障省の労働者の採用、解雇、異動について大きな権限を持つことになったが、ブッシュ大統領はこの行政上の保護を剥奪すべきことを力説した。要するに、容易に採用、昇進、解雇ができるようにしたいとのことだった。
 また連邦労使関係院(Federal Labor RelationsAuthority)があらたに設置されたが、協約上に強制仲裁を含む苦情処理手続を規定することが義務づけられ、従来排除されていた「勤務成績を理由とする解雇、免職、給与低下、休職、停職や昇進の遅れ、人員削減などが対象となっているらしい。この制度、勤務成績を理由とする解雇に組合が口を出せる制度をつくったために、一層硬直したものになったという見方ができる。2002年の国家安全保障省設立のさいに、団体交渉権廃止をブッシュが力説したのもこの点にあったと考えられる。

引用・参考
菅野和夫「公務員団体交渉の法律政策」アメリカ(一)」『法学協会雑誌』98巻1号 1981
大久保史郎「アメリカ公務員制度改革改革詳論」『立命館法学』150-154号、1980
大河内繁男「アメリカにおける公務員制度の改革」『公企労研究』42号、1980
『欧米国家公務員制度の概要』財団法人社会経済生産性本部・生産性労働情報センター、1997
 国土安全保障省と団体交渉権問題など
http://www.jil.go.jp/jil/kaigaitopic/2003_02/americaP01.html
http://www.govexec.com/dailyfed/1102/111202p1.htm
http://www.govexec.com/dailyfed/1102/112202b1.htm
http://www.usatoday.com/news/washington/2002-09-12-homeland_x.htm
http://www.csmonitor.com/2002/0905/p10s02-comv.html
http://www.brookings.edu/views/op-ed/light/20030509.htm

その他
PDFhttp://www.gyoukaku.go.jp/senmon/dai13/sankou1.pdf

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