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2011/02/06

団体交渉コレクティビズムから個別雇傭契約自由放任主義へパラダイム変換(下書き4)

第1回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-ab5d.html
第2回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-c8e7.html
第3回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-df3f.html

アメリカ合衆国-非組合企業隆盛の理由(4)

1.アメリカの経営者の反労働組合主義と憲法革命以前の保守的な司法

 ●司法部による雇用主と非組合員の神聖な権利の擁護

1892年アイダホ州コーダレーン銀山ストライキ(組合敗退)も重要な事件である。経営者が州法に違反して州外から武装ガードマンに護衛されたことが原因で暴力沙汰が起こり、死者が出て、鉱山が労働者に爆破され占拠された。そのため、州兵とともに連邦軍が介入して四ヶ月間戒厳令をしいた。軍は600名以上を逮捕し、罪を認めて組合不加入の誓約のみを認める者のみを釈放した【*1】。
連邦裁判所コーダレーン判決(1892)は、組合からの圧力に対して保護される権利として、雇用主と非組合員労働者の個人的自由を明解に「財産権」と
規定した。現在の従業員や将来の就職希望者(この裁判ではスト破り労働者を意味)を処遇する雇用主の自由、従業員を自由に解雇する雇用主の自由は財産権となり、そのような解雇を阻止するために組合員が有効で平穏な圧力をかける自由は違法となった。労働者が自分たちの利益を守り条件を改善するために組織することは自由であったが、集団的行動は大幅に制限された【*2】。
 重要なことは非組合員労働者が、雇用主が非組合員労働者を雇用し処遇する財産権と対になるかたちで非組合員労働者が雇用主と契約し就労する個人の自由も財産権の範疇とされていることである。
 個人の労働力処分の自由も財産権であり神聖な領域とされたわけである。従って、労働組合のピケットやいやがらせによって就労を妨害されること自体も権利の侵害なのである。労働組合は雇用主との合意で労働力の集団的取引を行うことが契約の自由として認められるとしても、他者の財産権を侵害する集団行動は制限されることという趣旨である。
 レイバー・インジャンクションは衡平法による差止命令の一種で、財産権の不法な侵害によって回復できない損害を生じるおそれのある場合に侵害行為を禁止する裁判所の命令であるが、営業権も財産権であるというのは、差止命令で救済するためにの方便ではないかとの批判があるかもしれない。しかし私は次の理由で近代市民社会の帰結として妥当なものであると考える。
 契約法の大家P・Sアティア『契約自由の盛衰』によると、そもそも財産権は中世においては絶対的なものではなく、自由土地保有者は所有者というより保管者だった。しかし時代が下ると自由な者は物品の所有権をもつようになり、自らの土地を使用し収益することを望んだ。1760年代には、ホイッグ派もトーリー派も同じように財産権を絶対的なものみなしていた。にもかかわらず18世紀には、古い慣習の権利が残っていた。第一にその土地の近隣にすんでいる貧しい人々が享受できるもので、放牧したり、柴や薪をとったりする権利である。第二に伝統的な家族の権利、とりわけ厳格継承財産設定である。土地相続者の処分権は制限されていた。財産は所有者のためにあるのではなく、家を支えるためにあるという王朝風の家イデオロギーが存在していた。
 しかし1770年頃から負債の弁済などに関する約束が富を構成するものとなった。財産とは物的財産だけではなく、交換価値のある約束も含むものとなった。紙幣や為替手形、約束手形の使用は交換形態に大きなインパクトを与えた【*3】。財産の主要な形態が物的財産や単なる所有ではなく、契約上の取引など期待に基づくものとなった。
 この流れから契約上の取引の自由も財産権として法的に保護されるべきものとするのは当然と考えるのである。

 オープン・ショップ運動は、組合が労働市場を支配するクローズド・ショップを個々の労働者の権利と自由を否定する非アメリカ的なものとして徹底的に排除する雇用主の政策であるが、オープン・ショップは非組合員が就労する権利を神聖とする司法部にも支えられていた。しかし、それだけではなく、革新主義政治のセオドア・ルーズベルト政権の商務労働省においても実質的に支持された政策なのである。
 セオドア・ルーズベルトの「スクエア・ディール」(関係者すべての者の利害に公平に処置するという政策)として1902年ペンシルヴァニアの無煙炭坑労働者のストライキの介入がよく知られているが、労使双方をホワイトハウスに呼んで、調停委員会を任命し、ストライキを収拾した。
 調停委員会は概ね資本側の意向に即して人選され1903年に裁定を下している。そこで10%賃上げと9時間労働の設定で労働者の要求に応えたが、組合の勝利というほどではなかった。組合活動については、反組織労働の立場を明確にした。すなわち裁定は組合員であるか否かによる差別や非組合員に対する組合の干渉を禁じただけでなく、「非組合員の権利は組合員のそれと同様に神聖である。多数派が自発的組合を結成することにより、それに加入しない者に関しても権限を得るという主張は支持できない。」と明記された。オープン・ショップ運動はこの時期から本格化していく。 
 オープン・ショップ運動を全国的な運動に結集する要の役割を果たしたのが1895年に輸出増進を主眼として設立された全国製造業者協会(NAM-National Association of Manufacturers)http://www.nam.org/s_nam/index.aspである。NAMは、オープン・ショップ政策だけでなく1935年ワグナー法反対の論陣を張り、1947年タフト・ハートレー法制定を推進し、今日でもカードチェック法案に反対する雇用者団体だが、一貫して反労働組合の要を担ってきた、アメリカ史のなかでももっと評価されてよいと考える。
 NAMは労使関係の危機意識が高まるなかで1903年に反労働組合戦線結成の大会を開き124の経営者団体が参加した。ここでアメリカ市民産業連盟(CIAA)が設立され、NAMの組織を基盤にオープンショップ運動を展開、NAMはレイバー・インジャンクション(労働争議における裁判所の差止命令)の要請、組合指導者の告発、損害賠償の訴追を積極的に行った【*4】。
 
 連邦最高裁のレッセフェールアクティビズムの典型的な判例として、憲法で明文規定の雇用条件として労働組合に加入しないことを要求するいわゆる黄犬契約を禁止する連邦法を「契約の自由」の侵害として違憲と判断したアデア対合衆国判決ADAIR v. U S, 208 U.S. 161 (1908) http://caselaw.lp.findlaw.com/cgi-bin/getcase.pl?court=us&vol=208&invol=161 が挙げられる。
 ハーラン判事による法廷意見は「労働者が適当と考える条件で労働の買手が買う条件を定める権利と異ならない。雇用者と被用者は平等な権利を有しており、この平等性を妨害する立法は、契約の自由に関する専断的な干渉になる」【*5】と述べ、修正5条のデュープロセス条項違反として違憲判断が下されている。
 黄犬契約禁止の州立法を違憲とした判例としてコッページ対カンサス判決COPPAGE v. STATE OF KANSAS, 236 U.S. 1 (1915)
 http://caselaw.lp.findlaw.com/cgi-bin/getcase.pl?court=us&vol=236&invol=1においてピットニー判事の法廷意見は、労働者側は経済上の弱者であって労働の売買は対等な立場で行われていないという州裁判所の見解を排して、私有財産権の存するところには富の不均衡ははつきものであり、あらゆる契約で当事者双方が平等な立場に置かれるとは限らない。「契約や私有財産権の自由を守りながら、これらの権利の行使に必然的に伴うことになる富の不均衡の合法性を認めないということは、事理に反する」と述べた【*6】。私有財産権の存するところ当事者の不平等が前提であらゆる契約・取引が成り立っていて、契約当事者の力関係の対等性などありえない。現代においては古典的自由主義者シカゴ大学ロースクールのエプステイン教授がピットニー判事と同様の趣旨を述べている。
 連邦最高裁ヒッチマン判決Hitchman Coal & Coke Co. v. Mitchell, 245 U.S. 229(1917)http://caselaw.lp.findlaw.com/cgi-bin/getcase.pl?court=us&vol=245&invol=229のピットニー判事による法廷意見は、黄犬契約を結んでいた非組合員の炭坑夫を組織化しようとした統一炭坑労働組合の活動について労働組合が労働者に組合加入を働きかけることは契約違反の誘致にあたり、組合の勧誘行為のレイバー・インジャンクションを認め、オルグ活動は労働者の「非組合員的地位」に対して有する経営者の財産権(炭坑を非組合員によって操業する権利)を侵害し、非組合員労働者の契約上の権利を侵害するとの判断も下した【*7】。
 ツルアックス対コリガン判決TRUAX V. CORRIGAN, 257 U. S. 312 (1921)http://supreme.justia.com/us/257/312/case.htmlにおいても連邦最高裁は営業行為を財産権と述べ憲法で保障されると明解に述べ、レイバー・インジャンクションを支持した。
 これは平和的な争議を構える場合に争議差止命令を要求しても裁判所は認めないとした1913年アリゾナ州法を違憲としたもので、事案はレストラン経営者に争議を起こした従業員がレストラン前でピケットを張り、周辺住民に当該レストランの利用を避けるようボイコット戦術をとった行為であるが、タフト主席判事による法廷意見は「営業行為は、財産を獲得する行為として憲法が保障する財産権に含まれる実質的な財産権そのものであり、労働者の争議がこの営業行為の妨げになる場合、雇用者が争議の停止を求めることは憲法的権利である。本事件の場合、レストランのボイコットを第3者に対して呼びかけた行為は営業を妨害した行為である。アリゾナ州法はその種のボイコットを停止させるインジャンクションまで禁止している点で違憲」と述べた【*8】。
   
【*1】竹田有『アメリカ労働民衆の世界-労働史と都市史』ミネルヴァ書房2010 152頁
【*2】前掲書 156頁
【*3】矢崎光圀監修 大阪大学法文化研究会 「イギリス契約法史の一潮流--アティアの近著に依拠して」-1-『阪大法学』通号125 1982
【*4】長沼秀典・新川健三郎『アメリカ現代史』岩波書店1991 297~300頁
【*5】石田尚『実体的適法手続』信山社出版1988 16頁
【*6】前掲書
【*7】水町勇一郎『集団の再生―アメリカ労働法制の歴史と理論』有斐閣2005 69竹田有「アメリカ例外論と反組合主義」古矢旬・山田史郎編『シリーズ・アメリカ研究の越境第2巻権力と暴力』ミネルヴァ書房2007年170頁)

【*8】紀平英作『ニューディール政治秩序の形成過程の研究』京都大学学術出版会1993 86頁

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コメント

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真面目に働く労働者の迷惑を考えろ!

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関西汽船の子会社、関汽交通社

"団券”の漢字も読めないのを、注意すると

嫌がらせのオンパレード、不思議な社員

よく入社できたな~不思議です。

業務上必要な知識の欠如は恥ずかしくないので

しょうか。

i find to ones mind it 団体交渉コレクティビズムから個別雇傭契約自由放任主義へパラダイム変換(下書き4): 川西正彦の公共政策研究 now im your rss reader

桜子ちゃん 楓ちゃんの冥福
心よりお祈りいたします。

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