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2011/10/04

受忍義務説を明確に排撃する庁舎内秩序(施設管理権)確立基本条例が必要だ(下書き1)

  受忍義務説の明確な排撃宣言が必要だ

わたしは、これまで東京都水道局に勤務し、まざまな態様の組合活動、スト戦術をみたりきいたりしてきた。勤務時間内の構内集会・事務室内集会・組合分会総会・オルグ演説、所長取り囲みつるし上げ態様の要請行動、組合旗掲出、坐り込み、立て看、横断幕、勤務時間内拡声器利用の頭上報告、構内・庁舎内の鯨波を伴うデモ行進、ワッペン、プレート、シール、うちわ、七夕かざりによる要求項目の飾りつけ、万国旗型のビラ、3時以降の組合活動により自由離席慣行、団結みそ汁の勤務時間内調理、専従でもないのに組合活動のため離席する職員、勤務時間中、組合の赤腕章をつけて仕事をする職員などなど、さまざまな醜い、業務阻害態様をみてきた。
もちろん平成15年のながら条例改正により、以前よりは勤務時間内の組合活動にある範囲の規制がかかったことは事実としてあるが、しかし、庁舎施設内全般の組合活動の規制はまだ弱い状況にある。ながら条例の改正は都議会主導でなされたもので、くさりきった東京都職員に自浄能力はなかったのである。

今日、企業施設内の組合活動を規制する根拠となる指導判例とされているのが、国労札幌地本ビラ貼り判決(昭54・10.30最高裁第三小法廷『労働判例』329号12頁)
PDFhttp://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121418387584.pdf  http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/s1013-4e.html#4-2である。
 国労札幌地本事件とは、原告が国労札幌地本札幌支部の組合員、被告が国鉄である。国労は昭和44年春闘に際して、各地方本部に対して示した行動指針の一環としてビラ貼付活動を指令した。原告らは支部・分会の決定を受けて「合理化反対」「大幅賃上げ」等を内容とする春闘ビラ(ステッカー)を勤務時間外職員詰所にある自己又は同僚組合員の使用するロッカーに、後日はがした痕跡が残らないように、セロテープ、紙粘着テープにのよって少ない者は2枚、最も多い者は32枚貼付した(原告以外の組合員も含めて総計310個のロッカーに五百数十枚のビラを貼った)。原告らは貼付行動の際、これを現認した職制と応酬、制止をはねのけたことが裁判所により認定されたが、この原告の行為が掲示板以外での掲示類を禁止した通達に違反し、就業規則に定めた「上司の命令に服従しないとき」等の懲戒事由に該当するとして、原告らを戒告処分に付し、翌年度の定期昇給一号俸分の延伸という制裁を課したのに対し、戒告処分の無効を訴えたものである。
 一審(札幌地裁昭47・12・22)は被告勝訴、原審(札幌高裁昭49.8.29)は一転して原告の請求を全面的に認めたが、最高裁第三小法廷は全員一致で再度逆転原判決破棄自判して、原告の請求を終局的に斥けた。
 同判決の意義は、戦後プロレレーバー労働法学のきわめて悪質な学説のひとつ「受忍義務説」を明確に排除したことで画期的であった。以降、企業施設における組合活動(組合集会・ビラ貼り・組合旗掲揚・ビラ配り等)の正当性が争われる事件では休憩時間、始業時前のビラ配り等で労働者又は組合の請求を認めた判例(明治乳業事件・倉田学園事件)が若干あるものの、大勢は国労札幌地本判決を引用しその趣旨に沿った判断を下しており、今日まで判例は安定的に推移しているといえる。
 すなわち、使用者には企業の人的要素と物的要素を総合して企業秩序を定立する権限があることを強調したうえで、企業内組合は組合活動のために企業施設を利用する必要性がいかに大きいとしてもそのことゆえに「労働組合又はその組合員において企業の物的施設を組合活動のために利用しうる権限を取得し、また、使用者において労働組合又はその組合員の組合活動のためにする企業の物的施設の利用を受忍しなければならない義務を負うとすべき理由はない」と宣言し、使用者の企業秩序定立権を前提として受忍義務説を明確に排除するとともに、原則として労働組合は使用者の許諾がない場合企業施設を利用することができない原則を定立するものであり、職務専念義務を拡張した目黒電報電話局事件(昭52.12.13最高裁第三小法廷判決)、大成観光事件(昭57.4.13最高裁第三小法廷判決)とともに、組合活動に厳しい制約を課する判例として知られている。
 このように著名な指導判例の存在にもかかわらず、30年以上経過しているのに、わが職場における組合活動の規制の仕方は、国労札幌地本判決件の定立した基準に反し、あまりにも緩く、むしろ管理職は最高裁が否認した労働組合寄りの「受忍義務説」を主張し業務を阻害する組合活動が公然と容認されている実態である。特に悪質なのは、庁舎施設内で示威を主体とする組合活動を容認していることである。逆に私のように無許可集会やビラ貼り等を糾弾するを組合に従属しない不埒な態度として懲らしめ、職制が組合活動・争議行為に協力してきた数多くの事実である。(具体事例註記略)
 東京都水道局・東京都いずれの庁舎管理規則でも無許可集会・演説等や示威行為、無許可で集合して集団で庁舎にはいる行為を明文で禁止していない。無許可で旗・のぼり・プラカード・たすき・ゼッケン・はちまき拡声器等を所持又は着用したままの立ち入りを明文で禁止していない。無許可で車輌を構内に入れる事を明文で禁止していないし、実際に勤務時間内外を問わずそうした行動がなされている。こうした企業風土は根本的に改めなければならない。
 (具体事例略)
 もとより、国労札幌地本判決は「許諾説」といわれるように、どの範囲の企業施設内組合活動を許諾するか否かは、各企業の政策判断の問題だともいえる。
 しかし、次の例は、管理職の許可のもとに平成23年7月7日の昼休みに事務室内で7月闘争決起集会が行われているものだが、このような悪質な態様でも政策判断として許容することが妥当だとはとても思えない。

(当日の記録)-川西による
 昼休みは環境計画とこの度の「電力危機」に伴う25%目標の節電のため毎日、一斉消灯を窓口のレジと電話当番付近を除いてやっているが、12時半前に集会基調報告のビラが配られ、書記長が電灯をつけた。12時半に事務室のほぼ中央に位置した分会書記長の司会ではじまり、分会長の挨拶が10分ほど、さらに書記長による基調報告の朗読と拍手、最後に分会長の、こぶしをあげて「頑張ろう」三唱がなされた。12時51分には終了した。
 その間、所長は所長席に不在で、集会が終わるとすぐ戻ってきた。集会は監視しないということがすりあわせされていたのだろう。電灯はつけっぱなしであった。
 内容は、3月の局内課題春闘では震災と計画停電対応のため、超過勤務拒否闘争とストを中止した経緯があり、十分な回答を得られてないとの理由で、予算編成前の今の時期に現業職員の人員要求と、8月に(株)PUCに委託業務となる板橋営業所の執行体制の問題、とりわけ36協定の締結関係もはっきりしていないなどという問題をつきつけるなどと言っていた。さらに下水道の機構定数問題も課題として挙げ、7月28日に29分スト、26日以降3日間の超過勤務拒否闘争、職制への要請行動、勤務時間内職場離脱集会動員(21日3時半から都庁第二庁舎前の3割動員決起集会)とステッカー(ビラ貼り)闘争を行うというものだ。
 内容自体、違法行為であるストや職場離脱、秩序違反行為であるビラ貼りをあおるものでそれ自体問題があるが、がんばろう三唱は参加者に起立して、唱和させるもので、騒々しいものである。

 昼休み中も来客用の窓口は開いており、水道料金等を納入するレジ、電話をとる昼当番が勤務している。移動式のパーテーションで集会は来客者の目から隠されているが、演説者からレジ、電話当番者から至近距離であり、騒音となって業務を阻害している。こぶしをあげて鯨波のような示威もなされたのでなおさらであり、私を含めも集会に加わりたくい職員の休憩を妨害した。
 休憩時間であれ、来客対応業務や、電話の応対という経常業務を阻害している。当局は業務を阻害していることをたぶん認めたくない。組合活動も尊重するというかもしれないが、電話を応対している近くで、鯨波がなされるのはどう客観的にみて影響がないと言い切れるものであるはずがない。
 業務をがなされている事務室で鯨波などの示威行為を含む態様の集会・演説行為を容認していることは、業務より争議行為を助長する集会を重視する管理者の判断で本末転倒である。また私は、昼休みは、近くの店で弁当・パンを買う以外、たまに用事で外出することもあるが自席で食事をとりそこにいるのが普通である。休憩室もあるが私は利用しない。休憩時間を妨害され、とらわれの聴衆で不愉快な演説と鯨波を聞かされたのである。
 そういうと当局は、容認するのは我々の判断でおまえではないというかもしれないが、集会の内容は、ストライキという違法行為と、勤務時間内職場離脱集会への参加、ステッカー貼り闘争(ビラ貼りは早期に妥結したためか実際にはこの期間はなされなかった)等の秩序違反行為をあおる内容であったから、この集会を容認したことは事実上管理者が争議行為、秩序違反行為を助長したこととなる。違法行為に加担するというのは、コンプライアンスの問題でもあるといわなければならない。

 なぜ、この集会を特にとりあげたかというと、平成15年のながら条例改正で以降、組合はそれまで頻繁にやっていた、勤務時間内の事務室内囚われの聴衆の状況での決議文の朗読のある職場集会や、所長席を多人数で取り囲んで、怒鳴りながら勤務時間内にやる所長要請行動をとりにくくなったため、これが勤務時間内から昼休みに移ってきたもので、新手の戦術だからだ。つかりまだ慣行化されているものではないので、早いうちにこの問題の決着をつけたいと考えたからである。
 
 昼休みの休憩時間の組合活動についての判例は少なくない。まず目黒電報電話局事件最高裁第三小法廷昭和52年12月13日判決民集31巻974頁 である。
  http://thoz.org/hanrei/%E6%98%AD%E5%92%8C47%28%E3%82%AA%29777
http://www.jil.go.jp/hanrei/conts/026.htm
http://fourbrain.blogspot.com/2002/04/blog-post_3841.html
事件の概要-概要原告側労働者Xは、被告側使用者Yの目黒電報電話局に勤務する職員である。Xは、「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と書かれたプレートを着用して勤務したところ、これを取り外すよう上司から再三注意を受けた。Xはこの命令に抗議する目的で、「職場の皆さんへの訴え」と題したビラ数十枚を、休憩時間中に職場内の休憩室と食堂で配布した。Yの就業規則には、「職員が職場内で演説やビラ配布等を行う場合には事前に管理責任者の許可を受けなければならない」という内容の規定があり、YはXのビラ配布が就業規則に違反し、懲戒事由に該当するとして、Xを戒告処分に付した。Xは、休憩時間中のビラ配布を懲戒処分の対象とすることは、労基法34条3項の定める休憩時間自由利用の原則に違反すると主張して提訴した。

判旨-懲戒処分は適法
 プレート着用問題を除き、休憩時間中の組合活動に関する判旨は次のとおりである。
「休憩時間を利用し、大部分は休憩室・食堂で平穏理に行われたもので、その態様についてはとりたてて問題にする点はなかったとしても」懲戒事由に該当する。労働基準法34条36項の定める休憩時間の自由利用の原則は、「使用者の企業施設に対する合理的な行使として是認される範囲内の適法な規制による制約を免れることができない」「従業員は労働契約上企業秩序を維持するための規律に従うべき義務があり、休憩中は労務提供とそれに直接附随する職場規律に基づく制約は受けないが、右以外の企業秩序維持の要請に基づく規律による制約は免れない」。局所内における「演説、集会、貼紙、掲示、ビラ掲示」は、休憩期間中になされても「その内容いかんによっては企業の運営に支障をきたし企業秩序を乱すおそれがあるから」、これらの行為を局所管理者の許可制にした就業規則は休憩時間にも適用されること。本件ビラ配布は、その目的とビラの内容ゆえに、配布態様において施設の管理に支障がなくても、企業秩序を乱すおそれがあるから、実質的にも就業規律違反であり、懲戒処分は労基法34条3項に反しない。「懲戒権者がいかなる処分を選択すべきかについては裁量が認められ」る。処分が「社会通念に照らし合理性を欠くものでないかぎり」「その効力を否定することはできない」。本件処分は、行為に比べ甚だしく不均衡というわけではなく、他にも合理性を欠く事情もないから、懲戒権の濫用ではない」。(池田恒夫「国労札幌ビラ貼り事件」最高裁判決の「画期的」意義--現代日本法の一断面」『社會科學研究』33(5) 1981参照)
 
  局所内における「演説、集会、貼紙、掲示、ビラ掲示」は、休憩期間中になされても「その内容いかんによっては企業の運営に支障をきたし企業秩序を乱すおそれがあるから」これらの行為を局所管理者の許可制にした就業規則は休憩時間にも適用されると説いているが、電電公社でなされていたことを東京都だからできないということは考えにくいのである。
  目黒電報電話局事件はベトナム反戦という組合の政治活動事案で性格が異なるとはいえ、7月7日のような決起集会は、違法行為、秩序違反行為を助長する内容であったことは上掲のとおりであり、業務も阻害してもいるから、「企業秩序を乱すおそれがある」という理由で、集会を認めず、警告ないし解散命令を発出すべきなのである。
 
  つづく

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