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2011/11/19

入手資料整理61

定期購読『労働法律旬報』
1745(2011年6月上旬号)
宮里邦雄「新国立劇場運営財団事件およびINAXメンテナンス事件の最高裁判決ーその意義と射程」
土田道夫「労組法上の労働者ー二つの最高裁判決を受けて」
川口美貴「労組法上の労働者性ー新国立劇場運営財団事件・INAXメンテナス事件最高裁判決の意義・評価と今後の課題」
1746(2011年6月下旬号)
中村和雄「弁護士労働事件簿68 国立病院の独立行政法人化にともなう労働条件の不利益変更・雇止事件」
労働判例「独立行政法人国立病院機構事件東京高裁判決 平二三・三・三〇」
1747(2011年7月上旬号)
道幸哲也「混迷する団交法理」
笹山尚人「弁護士労働事件簿69 SHOP99(名ばかり店長)事件
労働判例「SHOP99(名ばかり店長)事件(東京地立川支判平二三・五・三一)」
1748(2011年7月下旬号)
濱口桂一郎「どのような社会をめざすのか~ヨーロッパと日本(上)」
1749(2011年8月上旬号)
須田洋平「弁護士労働事件簿70 フォーカスシステムズ事件」
労働判例「フォーカスシステムズ事件・東京地裁判決 平二三・三・七」

 平成18年(2006)9月15日会社を無断欠席し翌日旅行先である京都鴨川の河川敷ベンチでアルコールの過剰摂取(缶ビール500ml、ウイスキーボトル720mlをラッパ飲み)により死亡したフォーカスシステムズ九段事務所勤務のシステムエンジニア(25歳、死体検案によると急性心疾患の疑いはあるが死因不詳とされている)について、本件死亡は、長時間労働、労働配置転換に伴う業務内容の高度化・業務量の増大、事実上の降格及び会社からの支援の欠如といった業務上の出来事による精神的負荷によって精神障害を発症し、正常な判断ができなくなったことが原因であるとして、会社の責任を認め、6000万円の損害賠償を認めた判例であるが、もちろん私は支持しない。
 中央労働基準監督署は、システムエンジニアが過労のために気分障害を発症し、京都に向かった時点で解離性遁走を起こし、精神障害により、正常な判断ができなくなった結果、大量の飲酒がなされ死亡したと判断し労災と認定した。東京地裁判決はこの判断に沿ったものであるが、旅行先の深酒まで会社の責任にしてしまうのは率直にいって疑問である。
 医学上の鑑別判断も見解が分かれている、解離性遁走と認め、業務起因性のうつ病を発症していたとする医師もいるが、複数の医師が、本件について解離性遁走との確定診断はできないと言っている。ある医師は、本件のような事態を起こす疾患としては統合失調症、人格障害、頭部外傷が考えられることから不合理であるだけでなく、そもそも解離性遁走は児童期のトラウマが発症の強力因子なのであって、業務上のストレスによって発症することはないと言っており、中央労働基準監督署の労災認定はこうした医学的所見にも反するのである。労災認定は医学的見地というよりも厚生労働省の平成15年の委託研究報告書に基づき、発症前2~6箇月において月80時間以上の時間外労働なら、なんでも業務起因性にして会社の責任にしまうばかげた政策にもとづいているものと推察され、企業をいじめたい政策的意図が含まれている悪質なものといえる。

 男性の業務内容はインターネットに関するシステムテム設計、構築、運用試験であるが、会社側の主張によれば、この男性は体調が悪いなどと訴えたことはない。同僚も様子が変わったと感じる者はいなかった。プロジェクトのゲームのリーダーが週に1度は業務上の不満や悩みに関して面談に応じていたが、彼は業務量について訴えることもなかった。 
 会社は従業員にたいする「心の健康診断」や「体調診断・モチベーション診断」従業員に義務付け、管理職にもストレスマネジメント研修やメンタルヘルス対策を講じていたとする。
 この男性はゲームは関する具体的かつ詳細なブログを書いていたが、最終の更新日は9月6日である。ブログの更新日時から恒常的に午前2時~3時まで起きており、夜更かしをしていた。又記載内容から睡眠時間を削ってまで明け方までゲームをやっていたことがうかがわれ、慢性的な睡眠不足であったと考えられるが、仮に精神疾患を発症したとしてもその要因は自ら招いたものである。
 またこの男性は毎日晩酌しビール、ウィスキーを飲む習慣があり、従業員の間では「酒に呑まれてしまう、飲み始めると止まらない」という危険な飲み方をしていたと評価されている。歓迎会で急性アルコール中毒になり救急車に運ばれたことがある。テキーラを何度も飲むショットガン大会に参加して翌日ふらふらになるほど飲酒したこともある。
 
 私が思うに、この人の飲酒癖からして、この死に方は自業自得のように思える。

 この会社では変形労働時間制をとっているが、裁判所は、給与明細から2005年4月から1年間で1357時間の時間外労働があったと認定している。しかし、会社側の主張はそれほどのものではない。2006年1月総労働243時間30分(時間外73時間30分)、2月総労働239時間30分(時間外69時間30分)、3月総労働256時間(時間外86時間)、4月総労働240時間(時間外70時間)、5月総労働210時間(時間外40時間)、6月総労働199時間30分(時間外29時間30分)、7月総労働226時間(時間外56時間)、8月総労働281時間45分(時間外111時間45分)、9月総労働124時間15分(時間外45時間)である。
 加えて、死の直前の8月は7日間、9月も14日まで4日間の休日を得ていて十分休息を得ており、特に負荷が重いものとは思えない。
 もちろん、あつかましくも年休を完全取得し、夏休み職免5日もとったうえにワークライフバランスがさらに必要などとほざいている都労連の東京都職員に比べれば、それなりの仕事量であるがシステムエンジニアとしては特に長時間労働とは思えない。  

 なお、この東京地裁判決は会社側だけでなく、原告(両親)も夜中にブログをしていたことなどより20%の過失相殺を認めたことを不服として控訴している。

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