スト待機の問題
全水道東水労は明日14日に2時間の時限ストライキを予定している。12日から超過勤務拒否闘争もやっているが、本日13日はスト待機と称して数人、少なくとも3人は確認したが、居残ってストライキの準備と、ストライキの態様、決行か中止かを組合員に伝えるために職場にいるのである。(本日も午後四時半ごろ所長のいる前でビラ、新聞等が配布された)
ストの準備としてはビラ貼りや、集会の準備がある。事業所によって立て看、横断幕、拡声器等が用意される、ストを決行した場合カードリーダーを紙でふさいでしまうような工作をするところもある。そうした工作物を準備することを当局は黙認しているのである。
他企業では全く違った対応になる。たとえばJR東海であるが、基本協約に「争議行為中、当該争議行為に関係する組合員は、会社の施設、構内、車両への立ち入り及び物品の使用をすることしができない」とあり、ストをやる組合員は締め出されることになっている。JR東海大阪第三車両所(現在は大阪台車検査車両所と改称いわゆる新幹線鳥飼基地)事件 大阪地裁平成12年3月29日判決『労働判例』790号
http://www.zenkiren.com/jinji/hannrei/shoshi/07533.htmlは平成五年三月の事件だが、争議行為中の会社施設への立入等を禁止した労働協約及び、および、会社施設での組合活動を禁じた就業規則が存在する本件においては JR東海労(旧動労系)組合員らの会社施設内への入構及び右施設における滞留は、右施設管理権を違法に侵害する行為であるとされ、また、組合員らの入構を拒否した等の会社側被告の措置は右施設施設管理権の濫用にも当たらないとされた。
それが普通なのに東京都水道局当局の対応は締め出すべき人を中に入れ、就労する権利のある人は締め出そうとするから真逆の対応になっている。やらせに等しい。
もっとも悪質なストライキとは職場を占拠してしまうシットダウンストライキというもので大恐慌時代の1937年のアメリカではやった。今はそういう過激なことをしないとしても、争議行為をなす組合員は出入り自由にしているからその気になればいろんな戦術がとれるわけである。工作物を準備したりビラを貼るのを黙認している現状においてもは、職場の秩序維持、危機管理としては大きな問題なのである。
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