公務員に労働基本権付与絶対反対-政府は巨悪と手を結ぶな

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2012年2月の23件の記事

2012/02/26

「平清盛」第八回の感想

  いずれドラマでやると思うが、藤原得子所生の皇子(体仁親王)は、崇徳后藤原聖子(関白忠通女)の猶子となって生後三ヶ月で皇太子に立てられた、これは得子が本来なら公式の配偶者としての女御に立てられることもありえない中級貴族出身であったことから、やはり摂関家の后が「国母」にふさわしいという(あるいは得子は皇太子と同輿できる家格でない)趣旨と同時に「弟宮」であっても「皇太子」とされたことにより崇徳天皇に配慮されたものされている。「皇太子」なら譲位後に院政をしく望みがあるから。
  ところが愚管抄によると、近衛への譲位の宣命が「皇太子」とあるべきところが「皇太弟」に書き換えられていた。崇徳は「こはいかに」と遺恨をあらわにしたとされている。「皇太弟」では新帝と対等の格となり院政をしく望みが絶たれたからである。
  この陰謀の黒幕については角田文衛によれば関白藤原忠通である。外戚として崇徳を支える立場にありながら、権力維持のために藤原得子サイドに擦り寄り、裏切ったと言う説である。
  しかし通説では黒幕は藤原得子(のちの美福門院)とされている。崇徳をないがしろにしたことが、後の保元の乱の災いの元としてこの時代を描くならば悪役は美福門院とするのがドラマとしてはわかりやすい。
  ところが、大河ドラマはそういう図式になっていない、主役が平清盛で保元の乱では美福門院に忠誠を誓う立場のためか、むしろ悪役が待賢門院という図式になっており不愉快である。
  崇徳は母后(待賢門院)名誉を傷つけるものとして、激怒され、藤原得子の親族と、鳥羽院近臣に厳しい勅処分を下したのである。  若くて純粋な天皇が、ドラマで描かれたように母后の悪口をあからさまにすることなど考えられないのである。
  唯物史観の石母田正が院政期は支配階級が最も腐敗していた時代みたいなことな書いているらしいが、それは一面的な見方で、単純な図式で語ることは今日では否定されている。
  むしろ院政期に形成された膨大な王家領荘園群が、その後数百年にわたって伝えられて、皇室や宮家の経済的基盤となったことを考えると、悪役にして描くのは良くない。
  つまり、主要な王家領荘園群としては長講堂領(後白河院所領)42ヵ国89ヵ所、法金剛院領(待賢門院の御願寺)、八条院領(鳥羽院と美福門院所領)約220カ所である。
  長講堂領・法金剛院領は持明院統の主要所領となり、八条院領が大覚寺統の主要所領となった。
  つまり長講堂領・法金剛院領等は伏見-後伏見-光厳-崇光と伝えられたが、伏見宮家の栄仁親王に伝えられるべきところ後小松により没収された。その後、播磨国衙領等が伏見宮家に還されたため、宮家の経済的基盤となったという経緯だが、つまり今日の皇室の祖系が崇光院流であり、つまり持明院統である。その経済的基盤は後白河とその母后待賢門院(藤原璋子)が蓄積した所領が基幹であった。。 
  右京区花園にある法金剛院は今日では小さな観光スポットにすぎないが、最盛期には九体阿弥陀堂、丈六阿弥陀堂、待賢門院の御所などが立ち並んび、壮観だった。法金剛院領は待賢門院所生の統子内親王(上西門院)に伝えられたわけだが、結局後白河院に相続された。待賢門院-後白河院系の荘園群が持明院統、鳥羽院-美福門院系の荘園が大覚寺統に相続されたということは、この時代の皇室の内紛が、時代は下って南北朝対立を予見するものになったと見方もできる。
 要するに待賢門院あっての今日の皇室であるから悪役は適切でない。
 
 
   

2012/02/25

超優良企業米プロクターアンドギャンブル社5700人リストラ計画

 世界最大の一般消費財メーカー時価総額ランキング全米9位(世界16位)のプロクターアンドギャンブル(本社オハイオ州シンシナティ)が大規模なリストラ計画を発表したと報道されている。非製造部門以外の人員をトータルで5,700人解雇、その他マーケティング費用の削減や組織編成の見直しといったリストラで2016年までに100億ドルのコスト削減を目指すとのこと。
http://retailweb.net/2012/02/-1-11.html http://app.cocolog-nifty.com/t/app/control/stats
 プロクターアンドギャンブルは人材育成を重視する組合不在企業として有名であり「家族としての企業」を標榜してきたエクセレントカンパニーである。175年間の歴史なので大規模なリストラは今回のも含めて2回しかない。ただ、1995年に当時P&Gの会長だったエドウィン・アーツはこう言っている。「我々は競争力を持ち続けるためにスリムダウンしなければならない。消費者はより価値のあるものをのぞんでいる。我々の競争相手は、よりスリムにより迅速になっている。我々は追いつかれないためにいっそう速く走らなければならない。伊藤健市編著『現代アメリカ企業の人的資源管理』64頁
 これは、将来の競争、構造変化を見越しておこなうリストラと思われる。

国家公務員労働関係(協約締結権付与)4法案の審議入り先送りは前原政調会長のおかげ

  前原政調会長が、産経記者を会見から排除したのは「言うだけ番長」等の揶揄に怒っているためといわれるhttp://gendai.net/articles/view/syakai/135311
 しかし私はマスコミ以上に前原氏を評価してよいと思う。この人が民主党にいたおかげで、国の制度が左傾化する進捗が遅くなっていると判断するからだ。
 国家公務員給与削減の自民・公明との合意は、国家公務員労働関係(協約締結権付与)4法案の審議入りと切り離した前原さんのおかげ。産経記事に「前原氏「言うだけ」また露呈 輿石氏「尻ぬぐい」に奔走」というのがあるhttp://sankei.jp.msn.com/politics/news/120218/stt12021800030000-n1.htmが、それはそれでよいのではないか。
 輿石幹事長が「尻ぬぐい」で連合会長に頭を下げるという役目でいいんだよ。

メリーランド州上院同性婚法案通過

 2月23日州上院は25(民主24共和1)対22(民主11共和11)で同性婚法案を承認した。すでに先週下院は通過しているので、オマリー知事が署名して法案は成立する。法律の発効は来年の1月である。http://www.chicagotribune.com/news/nationworld/sns-la-pn-maryland-senate-approves-gay-marriage-bill-20120223,0,3284188.story http://baltimore.cbslocal.com/2012/02/24/gay-marriage-close-to-legal-in-maryland/ http://www.wbaltv.com/politics/30529604/detail.html http://www.wbaltv.com/politics/30529245/detail.html
 メリーランド州は8番目の同性婚合法化の州となる。。同性婚合法化州は、マサチューセッツ、コネチカット、アイオワ、バーモント、ニューハンプシャー、ニューヨーク州、まだ発効してないがワシントン州である。
 反対派は11月の住民投票でこの法律を潰していく考えのようだ。
 

2012/02/24

大阪市役所 橋下アンケートの疑問

 市労連の救済申立に対し大阪府労働委員会が、組合活動等に関するアンケート調査の中止を勧告したというニュースhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120223-00000003-mai-soci http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201202230058.htmlがあるが、先ほど報道ステーションでこのニュースを見たので、アンケートのやりかたで疑問に思った点を簡単に述べたい。
 真実を正確に回答せよということが橋下市長名で書かれていたが疑問に思った。というのは富士重工業事件を思い出したからである。
 富士重工業事件(最高裁昭和52年12月13日第三小法廷判決、民集31巻1037頁)   この事件は、ある従業員の違反行為の調査に別の従業員が応ずる義務の有無に関するもので、結論は調査に応じない従業員の懲戒処分を違法無効とするものである。
 この判例は「企業秩序」の一般論を述べていることで重要とされている。「企業秩序」の根拠として「企業」という存在にとって不可欠を挙げ、「企業秩序」の維持確保のために「企業」に求められる権能として、(1)規則制定権(2)業務命令権(3)企業秩序回復指示・命令権(4)懲戒権を当然のこととして列挙し、このような「企業」体制を前提とした労働契約を媒介に労働者の「企業秩序遵守義務」を演繹している。(池田恒男「国労札幌ビラ貼り事件」最高裁判決の「画期的」意義--現代日本法の一断面」『社會科學研究』33(5) 1981) 「労働者は、労働契約を締結して企業に雇用されることによつて、企業に対し、労務提供義務を負うとともに、これに付随して、企業秩序遵守義務その他の義務を負うが、企業の一般的な支配に服するものということはできない」と述べた。

 事案は、昭和44年7~8月、電話交換手Aと経理部財務課勤務社員Bが就業時間中上司に無断で職場を離脱し、就業中の他の従業員に対し原水爆禁止の署名を求めたり、の資金調達のために販売するハンカチの作成を依頼したり、あるいはこれを販売したりする就業違反行為があったが、上告人は産機部業務課に勤務しており、別の社員の事情聴取によりハンカチ作成を依頼されたことがわかったので、人事部人事課長らが、8月25日主としてAの就業規則違反の事実関係を更に明確に把握することを目的として、上告人に対して事情聴取を行つた。上告人は、ハンカチの作成の有無及び作成依頼者の氏名、その作成枚数、原水爆禁止の署名の依頼及びハンカチの作成、販売に関する行為者の氏名、その時間、場所等のほか、第一五回原水爆禁止世界大会富士重工本社内実行委員会のメンバー、資金カンパと署名の集計状況について尋ねられたが、Aに頼まれてハンカチを作成した旨を答えたほか、「何枚、作りましたか。」との問いに対しては「わかりません。」と述べ、「原水禁富士重工内実行委員会とはどういうものですか。」との質問に対しては、「どうして、そういうことを聞くのですか。」、「答える必要がありません。」と、反問し、あるいは返答を拒否し、その後は、答えるように説得されても、ほとんど答えなかつた。また、上告人は、その際、別人に対するハンカチ作成依頼の有無についても尋ねられたが、被上告会社では既に右事実のあつたこと及び上告人が右の依頼をしたのが休憩時間中であることもわかつているとのことであつたので、「なんで、そのようなことを聞く必要があるのですか。」と反問して答えなかつた。 そこで、被上告会社は、上告人が右調査に協力しなかつたことは、「従業員は上長の指示に従い上長の人格を尊重して互に協力して職場の秩序を守り、明朗な職場を維持して作業能率の向上に努めなければならない。」と定める就業規則一七条及び「従業員は秩序を維持し業務の運行を円滑にするため次の事項を守らなければならない。1 会社の諸規則、命令を守ること」と定める同一八条一号に違反し、同七〇条が譴責又は減給の懲戒事由として定める同条一号所定の「会社の諸規則通達等に違反したとき」に該当するとともに、上告人の右行為は、同条三号所定の「他人の不都合な行為を故意にかくしたとき」に準ずる不都合な行為であつて、同条九号所定の「その他前各号に準ずる程度の不都合な行為があつたとき」にも該当するとして、同年一〇月七日上告人を懲戒譴責処分とした。
 
 (判旨)
 
 企業が‥‥企業秩序違反事件について調査をすることができるということから直ちに、労働者が、これに対応して、いつ、いかなる場合にも、当然に、企業の行う右調査に協力すべき義務を負つているものと解することはできない。けだし、労働者は、労働契約を締結して企業に雇用されることによつて、企業に対し、労務提供義務を負うとともに、これに付随して、企業秩序遵守義務その他の義務を負うが、企業の一般的な支配に服するものということはできないからである。そして、右の観点に立つて考れば、当該労働者が他の労働者に対する指導、監督ないし企業秩序の維持などを職責とする者であつて、右調査に協力することがその職務の内容となつている場合には、右調査に協力することは労働契約上の基本的義務である労務提供義務の履行そのものであるから、右調査に協力すべき義務を負うものといわなければならないが、右以外の場合には、調査対象である違反行為の性質、内容、当該労働者の右違反行為見聞の機会と職務執行との関連性、より適切な調査方法の有無等諸般の事情から総合的に判断して、右調査に協力することが労務提供義務を履行する上で必要かつ合理的であると認められない限り、右調査協力義務を負うことはないものと解するのが、相当である。
   
  要するにこの事件は会社が原水禁運動にかかわっている社員を調査しようとしたが、社員は知っていることを全てはき出さなくてはいけないとするならば、会社に人格的に従属してしまうことになる。そこまで社員を強要することはできないということである。
 
  従って、アンケートもそこまでやる趣旨だったらやりすぎとの心証をもった。

本日、春闘ワッペンの配布

  午前、おおよそ9時前後だが東水労ニュース二枚と春闘ワッペンが配られた。(所長は出張で不在)。また午後5時5分すぎ(15分までが就業時間)に営業委員会というビラが配られた(所長のいる前で)。
 ワッペンは4㎝×4㎝程度の四角い形で、ビニール製に見えた。2012年春闘勝利・絆・全水道という文字がある。以前のような労働基本権とか闘争課題は書かれていない。
 組合役員経験者などが比較的よく着用するが、腕や腰回りとかめだたないところにつけたりするケースがある。着用しない組合員も多く、着用しないが机に目立つように置いて、組合への忠誠心を示す者もいる。
 すべての組合活動について正当な行為とそうでないものを仕分けする必要があるが、当面私は、五つの問題に重点を置く。
 勤務時間中・休憩時間を問わず、違法行為を慫慂し、業務を阻害し秩序を乱すおそれのある庁舎構内の集会の黙認。
 昼当番拒否闘争(昼当番を拒否して管理職に仕事を押しつける)のような労務指揮権の侵害の黙認。
 三六協定破棄闘争を容認する労働協約。
 管理職によるピケライン尊重の強要。
 実質的に広範な組合活動を明文で規制していない、就業規則・庁内管理規則。
 
 
 その他、一対多数の所長要請の団交、スト待機、ビラ配り、ビラ貼り、赤旗の団結寄せ書きの展示、署名カンパ活動、掲示板の闘争宣言、選挙ポスター等の掲示などさまざまな問題があるがすべてをいっぺんにかたづけるのは大変なのでまず、一点を突破する。一点突破は左翼用語らしいが、流れで行けるという判断だ。
 東京メトロ駅員の春闘バッジも不愉快だが、まず自分のつとめているところから改革しなきゃ意味ないので、よそ様のことは後回しである。

2012/02/23

ABCNightlineアップル製品の深センFoxconn工場特集を見たが好印象

NHKBSのワールドウェーブ午後四時台は平日録画しているので、昨日の放送、現地では21日に放映された ABCのNightlineを見た。http://abcnews.go.com/International/trip-ifactory-nightline-unprecedented-glimpse-inside-apples-chinese/story?id=15748745
ipadは手作業で組立されていた。労働者は若く主力は17~18歳というナレーションがあったと記憶している。アップル製品の工場で働きたいという若者が押し寄せていた。修業になるし良い経験だとして労働条件をどうこういう人間はいない。
 12時間労働で2時間の休憩がある。宿舎にはネットカフェでせ楽しむこともできるとナレーションがあった。
 飛び降り自殺防止ネットも取り上げていたが、あくまでも安全のためでこの工場が格別多いわけではないと説明していた。
 全体として工場について好印象をもった。搾取工場などと騒ぎ立てるのはばかげている。

2012/02/21

リンカーン・エレクトリック社のインセンティブマネジメントはすごいと思う

 すでにブログに書いたように、オープン・ドアー・ポリシーはアメリカの非組合セクターで普及している。コダックでは1934~41年の社長であったラヴジョイによってオープン・ドアーとして知られる異議申し立て制を社内労使関係規程の核心にすえた。(ジャコービィ『会社荘園制』153頁以下)
 職長は従業員の苦情に対し親身に接し、不満の解決に善意と共感をもってあたることが基本とされた。その意味は職場の不満について注意を惹いたり、行動を起こすのに集団行動が必要でないことを明確にするためのもので、明らかに、当時台頭していた産業別組合による組織化阻止のための労務管理なのであり、実際、コダックは組織化を阻止してきた。
 のみならず、職長を迂回して苦情を部門管理者や工場管理者に直接苦情をもっていくことも許された。職長を飛び越えて苦情、異議、不満、提案なんでも上申し相談できるという制度である。風通しのよい企業風土に不可欠な制度といえよう。

 しかし、この制度を最初にはじめたのはコダックではないようだ。ETHIKOSのアンドリュー・シンガーの記事http://www.ethikospublication.com/html/ibm.htmlによると、「伝説的な[IBMの初代社長]トーマス・ワトソン・シニアによって1920年に開始され、オープン・ドアは、本質的に、従業員の不満に対処するためのものである」と書かれている。1956年から1971年までIBMの会長だったトーマス・ワトソンJrは自伝でこう回想している。「オープンドアからの苦情のほとんどは、おそらく下の管理レベルで解決された可能性があります。しかし私はとにかく耳を傾け私は働く人間の問題について非常に多くのことを学んだ」と。IBMも組合不在企業である。

 さらにIBMと並んでオープン・ドア・プログラムで定評のある組合不在企業としてクリーブランドドに本社のある世界最大のアーク溶接機器、溶接材料メーカーのリンカーン・エレクトリック社を挙げている。(リンカーン社は1995年まで非公開企業だったが、ナスダックに上場したが株式の六割を、創業者一族、取締役、現在と過去の従業員が所有)

 この会社がすごいということは次のネット公開論文で知りました。中川誠士「リソース・ベースト・ビューに依拠した戦略的人的資源管理の可能性 : リンカーン・エレクトリック社の事例研究を通してPossibilities for "Resource-Based View Based Strategic Human Resources Management" : Through the Case Study of the Lincoln Electric Company」『福岡大学商学論叢』51(4), 409-451, 2007 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006222929
 それによると、創業は1895年と古く、衰退している重厚長大産業地帯(ラストベルト)の中心地オハイオ州クリーブランドに本社をおいて、生き残っているだけでなく業績を伸ばしていること。1992年を例外として赤字を出したことがない。
 組合不在企業は80年代までノーレイオフが基本方針だったが、90年代以降リストラ・タウンサイジングがかなり広まった。しかし、この会社は1948年以来一人もレイオフしていない。
 ノーレイオフポリシーの貫徹であるが、最も特徴時なのは生産(工程)労働者のインセンティブマネジメントだ。出来高給制とボーナス制である。
 「全ての生産労働者は、生産個数×出来高単価の算式の算式による単純出来高制に基づいて支払われ、この原則は1914年以来不変である。固定給が全く約束されていないだけでなくて、生産個数にかかわらず賃率が不変である点でF・W・テイラーの異率出来高給制より古いタイプ」と説明されている。
 固定給は約束しないが終身雇用なのである。同社は有給休日なし、有給疾病休暇なし。ただし有給休暇はある。ほぼ古めかしいペイ・フォー・パフォーマンスのまんまといえるが従業員の忠誠心もこの制度のおかげなのだという。
 もっとも、同社の業績が良いからといつて、この古めかしい制度を模倣してよその会社の業績が良くなると著者は言ってない。
 
 古いシステムにもかかわらずこの会社の業績が良いのは、私が思うにやはりオープン・ドアー・ポリシーも古くから社長が丁寧にやっていて、従業員の信頼を得る企業文化を醸成してきたことによると考えるが、労働基準法のような時間給的固定観念にとらわれない自由な企業経営ができるということはまことにすばらしいことである。

本日の頭上報告

 ビラ配りは先週にも行われたが、配った時をみていなかった。組合員の机には東水労ニュースと新聞の東水労ともう一つの新聞が配られた。
 本日は11時32分に「営業委員会」というビラが配られた。所長はいた。また日航整理解雇事件に公正な判決を要望する云々とい署名が組合員で回覧されていた。もちろん組合の圧力で署名するだけであり、日本航空がどうであろうと関係ない人まで署名をするわけである。
 16時55分より17時8分まで全水道東水労書記長会議報告が事務室の中央であった。所長も課長補佐も不在。分会書記長の演説は今月は3回めで、2月1日に。9時5分頃から約10分、2月14日は午後2時13分から24分、本日が13分なので合計34分であるから、本来なら月給から1時間の賃金カットにしなければならないが、頭上報告は所長が現認しないとカウントされないから、賃金カットにはならないのである。
 所長現認で1時間超えたときでも、所長にカウントしてるかをきいているが、本当に賃金カットしたかは確認はしてない。
 仮にカットされているとしても、役員手当をもらっているはずだからこたえるわけではない。警告はしていないから、訓告処分すらしないので、事実上やり放題である。
 演説の内容はまず都労連の闘争課題として三点、55歳以上の昇給ストップなど定期昇給制度への攻撃云々、勤勉手当の成績率導入、すでに係長には導入されているが、一般職員にも拡げる都の提案が12月になされたが、それは職員を4段階に分け、最上級の評価だと6万円増し、第2級は4万円ましとするものと説明し、職員に競争意識を植え付け、分断し、職場を荒廃させるものとして許せない、都は定例都議会で給与条例改正をもくろんでいるのでそれを阻止する闘いなので、大衆動員に協力をといった事などを話してた。
 次に春闘局内反合理化闘争の闘争課題として現業労働者の新規採用を勝ち取る。直営職場の必要性を当局に確認させる。浄水場の再委託問題云々などを説明し、3月11日に三割動員、3月15日16日三六協定破棄闘争、3月16日2時間ストを構えるなどとスケジュールを述べ、3月2日にスト権批准投票をやるので、当日休む人は不在者投票を呼びかけた。さらに自己申告についてもなにがしか演説して13分張りのある声で演説していた。

2012/02/19

陛下心臓手術成功記者会見の感想

 東大心臓外科の小野稔教授の「思ってございます」「考えてございます」と言う言い回しは聞き慣れない。普通は「思っています」「考えております」と言うはず。上流階級の言葉遣いなのだろうか。執刀医の天野篤順天堂大学教授は年間二〇〇例、通算三千例のバイパス手術の経験があリ、テレビでは鼻歌を歌いながらできる手術との解説もあったが、さすがにそうは言わなかった。
 全体を見た感想で印象に残ったのは東大循環器内科の永井良三教授(次期自治医科大学学長に内定)などが言っていたことでベストタイミングのオペという発言である。つまり早すぎても、遅すぎても良くない。症状がでる前に問題を解決したと言う意味だろう。

 ベストタイミングというと翻って私の場合はどうだったかと考えだした。
 つまり私は約七年前の平成16年11月4日の深夜から翌日の明け方に冠動脈バイパス三本やったが緊急手術だった。とはいえ別に救急車で運ばれたのではなく、自分自身あと一ヶ月もたない感じがしたので、11月2日自分で紹介状を持って大病院に行ったが、仕事が忙しいので入院は後回しにしたいと言ったら、内科医は数分話をきいただけでかなり深刻な状況と診断され一週間も待てません、即刻入院してもらうといわれ、カテーテルによる冠動脈造影検査担当者と日程の調整をやり出したので、やむをえず医師に従ったのである。その日は入院の支度のため帰宅したが翌日の祝日に入院、4日午前無理矢理スケジュールに入れてもらって検査し、冠動脈三本とも詰まっているので、その晩に手術となったのである。すでに心筋梗塞に入っており緊急手術だったのでタイミングとしてはかなり遅すぎるものだったといえる。
 確かに手術によって、健康は回復したが、その水準を維持できてない。運動療法が回復に良いと言うが、やってないし、やる時間もないから、心臓は弱った感じがするからだ。
 私の場合、術後が非常に苦しかった。というのも、煙草をやってたので、丸1日タールの黒い痰が、ゲボゲボとめどもなく出る。看護婦(ポリティカル・コレクトネスに反対なので看護師と言いたくない)がいなくなった深夜にもゲボゲボでるので寝られなかったしティッシュペーパーが足りなくなるくらいだった。

 症状は4月から出ていたが、最初は「救心」でしのいでいた。「救心」では痛みが引かなくなり、重いものを持ったときの発作はしょっちゅうあったが、医者に通ったのが9月に入ってからで、数分歩いただけでニトロが必要になる状態だった。
 ただ平日に仕事中は重いものを持ったりしない限り発作はないので(痛いそぶりもみせずに働いていた)、仕事は続けていた。10月になると未明深夜2~3時頃に発作が起きるようになりニトロでもなかなか痛みが引かなくなったので、町の医者に大病院の紹介状をもらっていたが、その年の10月下旬に中越地震があって、被災地支援に行くのではないが、後方支援の部署にいたので、すでに心筋梗塞症状が出ているにもかかわらず一段落つくまで、青息吐息で働いていたのである。自分の健康よりも誠実労働義務、仕事が重要だから。
 というのもその年は昇給停止処分を受けていて、特別指導職員とされていたため、勝手に休む事もはばかれたという事情もある。。
 昇給処分を受けたのは前年の平成15年の下記の経緯による不当なものであった。

 私の職場である東京都水道局では夜間工事など現場作業があるため、浴室を設置している庁舎が多い。しかしここで私が問題としたのは営業所の事務職員の勤務時間中の「入浴」である。
 ほとんど毎日(宿直の時を除いて全日)16時25分~30分ころから20分かそれ以上浴室に入る事務職員(組合分会役員)がいた。
 私は職務専念義務違反であるので、やめさせるとともに、処罰を求めた。水道局では入浴に関する内規が昭和54年に定められている。たぶんその頃外部から問題が指摘されたためと思われる。
 上司に内規を閲覧させよと求めたところ、しぶしぶ一枚のコピーが提示された。それによると「入浴」は勤務時間中は禁止であるが、但書きがあり、「入浴」とは浴槽につかる「入湯」のことであるとし、「シャワー」については※の但書きで、勤務時間中であっても汚れた場合に、上司の許可を得て、シャワーを利用できると書かれていた。
 上司によると、問題の職員は浴槽の湯につかっていたのではないから入浴とはみなせない、シャワーだから問題はないと言うのである。(私が一度通りがかりにのぞいたときは、、脱衣室でドライヤーをかけていた。私自身は浴室に入ったのは知っているが、実際にシャワーだったのか、湯舟につかっていたのかは確認してない)
 しかし、それは事前に上司の許可を得ていないし、現場出張しないでいる日(身体が汚れることはない)も浴室に入っていたから、内規に反すると私は反論した。
 内規は、現場の作業で身体が汚れたとき事前に上司の許可を得た場合、例外的に勤務時間中のシャワー利用が許されるという解釈されるというのが私の見解である。
 上司は明確に否認し、あくまでも勤務時間中の自由なシャワー利用を認め、職場環境を快適にするというのも管理職の役目として重要だからねとうそぶいた。内規の明文上の規定を無視する姿勢を示したのである。(形式的には規則違反だが実質的に業務を阻害しないので処罰の対象にならないという論理はありうるが、規則に反するということ自体を認めないのである)
 のみならず、上司は、お客様に接する仕事であるから、身だしなみも大切であり、そのために勤務時間中もシャワーを浴びる必要があるという詭弁を繰り返した。上司は組合役員と接触を密にしているから、組合の悪知恵の受け売りだとたぶん思う。
 しかし、その職員は、定時退庁の直前に、シャワーで汗を流し、浴室の脱衣所でドライヤーをかけるのであるから、接客のための身だしなみではないことは明らかであり、その理由はとおらないと反論したところ、逆におまえこそ、シャワーもせず、汗臭くして働いており、お客に不快感を与えているとのけしからんと非難した。おまえこそ勤務時間中にシャワーに入れと言う。
 私は、それは規則違反、非行の慫慂であり、管理職としてあるまじきことで、従えないと述べた。社会通念は、風呂やシャワーは自宅に帰ってからやることであつて、勤務時間中は労務提供義務、職務専念義務があるので、シャワーを浴びるということはありえない。それが誠実労働義務というものだ。
 工場や建設現場ではなく、事務職だ。私は給水装置の設計審査の担当でないし全体の傾向とか詳細は知らないが、自社ビルの社長室を別として、常識的に考えて、普通のオフィスビルでは、外回りの営業職がいてもトイレや給湯設備は備えていても、浴室やシャワーまで備えているところはほとんどないのではないか。設計審査の担当者にきけばおおよその傾向はわかるはずである。オフィスに浴室があって社員がシャワー使い放題では、水道代が高くなってビルの大家さんが困ってしまうからである。上司がいかに快適な職場環境に改善すべきだと言っても、勤務時間中の浴室出入り自由というのは社会の一般常識に反している。都庁知事室に風呂を設置することですら、都民からの批判があったし、水道局は都民に節水を呼びかけてるのに勤務時間中のシャワーを勧めてよいのかと反論した。
 これに対して、上司はよその会社がどうであろうと関係ないという。
 そこで私は、上司がシャワーを認めるというなら、その職員が浴室に入っている時間にお客様から浴室に入っている職員ご指名の電話をさんざん受けているが、これまでは、用事があって席を外しているとか、まだ出張から戻ってないとかお客に嘘をついてごまかしてきた(本当のことを言ったらお客が怒って収拾がつかなくなると判断したため)、これからは恒例のシャワータイムでこれは所長も認めていることだと本当のことを言うから、もしお客が怒ったら、所長が対応して、あなたの考えは間違っている、私に対して言ったように、快適な職場環境にするため、身だしなみを整えるため勤務時間中でも自由に浴室に入ってシャワーを浴びるのを容認するのが管理職のつとめで、労務提供義務、職務専念義務にあたらないということをお客に説教してくださいと言ったら、それはできないという。
 そこで、私と上司の内規の解釈が異なるからどちらの解釈が正しいか裁定してもらうために苦情処理を求めたが、前回のアプリケーションソフトの問題と同じで、団体交渉事項とのことで却下ということである。
 その上司がたぶん職員部の監察指導課と思われる職員数人を連れてきて、私と上司がこの問題でやりあっているのを裏で聞かせてメモをとらせたり、私が組合掲示板に貼ってあった団結寄せ書きの赤旗の撤去を求めたのに撤去しないので自力撤去したところを写真に撮影したりして、上層部にて上司の指示に従わないこと理由に処罰する策略をおこなっていたわけである。それ以外にも情報セキュリティ研修というのがあって、その上司が講師にあったが、私が、給水部系列ではインストラクターを呼んで、イントラネットにあるロータスノーツというグループウェアの操作方法の説明会を開催しているのに、営業部は全水道東水労営業部会の反OA闘争のため行われず、グループウェアの使い方すら説明会を受ける事ができないように実質妨害されているのに、管理職の責任のがれの都合でセキュリティ研修だけをやるというのは順序が逆でないかと質問したことが、研修業務の妨害と判断され、それ以外勝手なも理由ををつけて、私を非行職員と認定し、強制配置転換、昇給停止処分としたわけである。  私はその翌年の11月に狭心症と心筋梗塞で冠動脈バイパス手術をやった。私が体質に全く合わないのに抗不安剤として煙草をやっていたためで自業自得だろう。もちろん直接的な関連はないとしても、そういう敵対的・虐待的な職場環境のストレスも病状の進行に影響していると考えている。
 勤務時間中に規則に反しシャワーを浴びる職員は断固庇護され、異議申立をした私は逆に昇給停止と非行職員とラベリングされる不利益処分を受ける羽目になり病気にもなったということである。
 ほかにも大きな問題はたくさんあるので、シャワーのことは些末な事柄かもしれない。しかし就業規則に相当する内規の解釈ですら当局の回答を得られず、上司が明らかに誤った規則の解釈を行っているという異議申立すらできない。ただ直属の上司の恣意的な解釈の運用に従いなさいというのは、到底公正な対応とはいえないし、職場の規律維持ができていない状態だといわなければならない。
 当局は、監察指導課が在席監査をやっているので、なんら問題ないというかもしれないが、在席監査が頻繁に来るわけでなく、頻繁に来る職場でも1年に一回である。平成15年のながら条例改正以前のことだが、江東営業所では午後3時以降は組合活動で離席自由という慣行があったのを知っている。実際に女性委員会とか勝手に職務を離脱して組合活動をた。組合の役員が組合の集会に出るよう促すことについて、管理職は当然のごとく黙認だった。
 監察指導課の在席監査といってもたいてい午前中とか、離席容認慣行のある3時以降にはやらないし、このシャワーについても、在席監査のない午後4時以降のシャワーであるからみつかることはないわけである。
  本件それ自体は些末な事柄だが、労働条件は、集団取引によって組合と当局の談合で決めるものであるから、個別職員には口出しさせない。組合員ですらない私に発言権を認めないと体制の弊害を如実にあらわとしている一例と言う意味でも取り上げた。

2012/02/18

クリスティ知事の同姓婚法案の条件付拒否権行使にがっかり

 ニュージャージー州のクリス・クリスティ知事(共和党)は、州下院・上院を通過した同性婚法案を拒否したとのニュースがある。ただし条件付きで同性婚法案を拒否し、同性カップルの苦情に対処し、ニュージャージー州のシビル·ユニオン法を強化するためにオンブズマンを任命提案した。http://www.nj.com/news/index.ssf/2012/02/nj_assembly_passes_gay_marriag.html
 クリスティは州知事としての行政改革の実績が評価され、大統領選に担ぎ出す動きも昨年あったが、州知事として責任があるとして、出馬を見送っている。
 これではロムニーとさほど変わらない穏健派との評価になりそうだ。今後の大統領候補となりうる政治家として生き残るためには保守派に配慮して、きっぱり同姓婚もシビルユニオン強化も拒否した方が得策だったのではなかったか。
 
 なお同性婚を認めているのはニューヨーク、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、アイオワ、コネチカット、バーモント州のほかコロンビア特別区と、6月7日からワシントン州である。

Read more: http://www.politico.com/news/stories/0212/73025.html#ixzz1mi0CwYkw
http://www.nj.com/news/index.ssf/2012/02/nj_assembly_passes_gay_marriag.html

2012/02/14

本日の頭上報告

 私の職場では全水道東水労の書記長会議報告が、分会書記長により午後2時13分から24分になされた。所長は不在。前回2月1日の報告では、1月30日に当局から今年の4月から足立営業所を監理団体に業務移転するという強行提案があったため、撤回を要求し、2月8日までに回答を待ち、提案を引っ込めないときは三六協定破棄(超過勤務拒否闘争)とストライキを構えるというものだった。掲示板に貼ってあったビラを少し読んだが、当局は、4月に業務委託すると都の総務局に約束しているので反故にすると局間交流も新人もこなくなるし、4月でないと(株)PUCにも迷惑がかかる云々というようなことが書かれていた。
 2月1日、8日と、13日の交渉経過を演説していたが、監理団体への業務委託は労使協議で検証をへながら行うことを確認し、直営職場を残すように努めるとの回答を得たことなどから、闘争には入らず妥結したいなことを言っていた。今後も、10割派遣を要求するうんぬんとか言っていて、局からの派遣職員と先方の社員との割合についてこだわった事を言っていた。
 足立営業所の監理団体の移転は7月からということで、三ヶ月遅れることとなった。
 
 今月は祝日が土曜に重なり、29日もあるので例年より2日もうかってラッキーだ。仕事に追われてるので、仕事できる日が多いと助かるのである。ところが三六協定拒否闘争は1時間のストライキよりも仕事の遅滞の影響が大きくかなり問題なのである。私は事務職なので担当したことはないのあまり詳しくないが、水道局ではかなりひんぱんに夜間工事作業があって、実際に地下に入って充水とか断水作業とかもやっているわけで、三六拒否をやると日程が狂うのでしわ寄せは大きいのできはないかと思う。
 三六協定破棄闘争は今回はやらないが、3月の春闘では数日やるのが恒例である。この悪質さについては、升田嘉夫『戦後史のなかの国鉄労使ストライキのあった時代』明石書店2011の131頁以下を読んで思い知らされた。三六協定とは労働基準法で定められた基本的な労使協定で、この協定がないと時間外労働と休日労働を命じることができない。我が国の労働法制に特有のものであり、国労や動労は春闘や合理化反対闘争のときには一定期間わざと、三六協定を締結せず、長時間勤務や休日出勤を駅長・区長・助役の管理職にしわ寄せさせるもので、合法的な闘争として行った。
 升田嘉夫は国鉄末期に職場規律の乱れの元凶とされた「現場協議制」の始まりが三六協定現場締結による「職場団交権確立」要求からはじまったものであることを明らかにしている。
 これこそ国鉄現場労使の陰湿な内戦状態に陥れ、職場規律を根底から掘り崩す要因だった。つまり三六協定の現場締結こそ現場の分会長の力が増し現場の組合が強くなるきっかけになったとのことである。
 水道局では、鉄道とは違うので国鉄のように区長や助役に、長時間勤務や休日勤務をおしつけるいうことはしないが、三六拒否闘争時は組合分会に対して管理職は完全に下手にでることになる。通常、営業時間前に門扉をあけたり準備は係長か一般職員がやるのだが、三六拒否のときは監理職におしつける。知事部局からきてこの慣行になじんでない管理職が些末なことで就業時間前に仕事をさせたとして、組合から糾弾されるようなことがあるように仄聞している。。
 東京都水道局では、超過勤務及び週休日の変更に関する労働協約を4月1日より1年間の有効期間で締結しており、途中で切れることはないのだが、第九条に、「この協約は、あらかじめ乙が指定する日については、保安のために必要な要員に限定して適用する」という条項があって、組合側が随時、勝手に保安要員以外の大多数の職員について協約を破棄できるようになつている。
 つまり、協約のなかに三六協定拒否闘争によっていつでも当局に脅しをかけ闘争を仕掛けることができる体制となっている。
 私はこの労働協約自体が地公労法11条1項の趣旨に反していることを問題として提議する予定。
 

2012/02/12

そんなバカな「平清盛」の感想(3)

 第6回は保延元年(1135年)の海賊討伐が主なストーリーとなっていたが、待賢門院が、まだ女御にもなっていないたんなる中級貴族の女にすぎない藤原得子と廊下で遭遇し道を譲ると言う絶対にありえないシーンがあった。前回も述べたように、得子は保延元年に皇女を出産するが、女御に立てられるのは保延5年のことであり、皇后に立てられたのは永治元年(1141年)の近衛即位と同時である。
 鉢合わせすることが考えにくいし、待賢門院は国母(天皇生母)である。女院制度は摂関期に一条生母の皇太后藤原詮子に東三条院という女院号の宣下がはじまりであり、当時の女院は后位に勝るとも劣らない上皇に准ずる身位であった。
 女院号は当初、天皇生母に限られていたが、その後天皇生母でない三后が后位を退いた後の身位ともなり、院政期以降は后位に上せられない非婚内親王を厚遇するための身位にもなって性格が変化する。しかし、待賢門院は中宮(后位)から皇太后を経ることなく院号宣下されたが、これは上皇と並び立つ身位であつて、たんに中級貴族にすぎない得子とは格が全然違うから、道を譲らせるということは、いかに権力志向の女性であれそんな馬鹿なことは絶対にありえない。
 なお、待賢門院は出自においても摂関家に次ぐ上流貴族となった閑院流藤原氏の出身、藤原公実女である。中級貴族の善勝寺流藤原氏である得子とは格が違うというべきである。

2012/02/11

美男美女(赤西-メイサ)カップルにやっかみとしか思えない

 美男美女の結婚は道理なのに、バッシング報道が続いている。一昨日発売の『日刊ゲンタイ』が「肉食婚」との見出し。昨日発売(2月11日付)の『東スポ』は、「赤西に身内が激怒」「東山も苦言『大人のルール守れ』」「後輩の教育係タッキーのメンツ潰した」という見出しで、「周囲を無視した暴走の代償」として「水面下で動いている赤西主演ドラマは頓挫するのは確実だ」などと報道している。 最新のニュースでも「ジャニー社長も苦言」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120211-00000004-dal-entと報道されている。
 事務所・スポンサーに事後報告となったことがルール違反とのことだが、仮に仕事で干されるとしても、黒木メイサは申し分のない美女であるから、多少痛手になろうと美女と結婚したことに圧倒的な価値があるので、この選択は正しい。先輩のメンツを潰そうとやったもん勝ちでいいんじゃないの。
 黒木メイサは、バッシングされるほどのことではない。というのは『東スポ』によれば10社以上とのCMの契約は大半が終了しているとのこと。 

2012/02/10

同性婚が悪であると言う根拠

 それは旧約聖書のレビ記20章13節である。
 「女と寝るように男と寝るのは、ふたりとも憎むべきことをしたので、必ず殺されなければならない。その血は彼らに帰することになるであろう」

 今回の連邦控訴裁判所の判決は、カリフォルニア州のプロポジション8による同姓婚の禁止について判断したのであって、他の州に関して同姓婚禁止一般に関する判断ではないと報道されている。
 ワシントンポストの記事はで最高裁で決定票を持っているケネディ判事が書いた1996年のローマー対エバンス判決に言及している。ケネディ判事は「政治的に支持を得ていないグループを害するむきだしの欲望は、正当な政府利益を構成しない」と述べ、同性愛者の解雇、雇用の拒否を実質的に認めるコロラド州の憲法修正を違憲としたのものだが、この判例をどう評価すべきか、時間があれば検討したいと思う。

2012/02/08

第9巡回区連邦控訴裁判所、同性婚禁止を違憲判断との報道

第9巡回区連邦控訴裁判所は、プロポジション8(2008年のカリフォルニア州の住民投票で承認された同姓婚を禁止する提案)を合衆国憲法修正14条の平等保護条項に反するとの判決を下したとの報道がある。http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012020800256 http://www.latimes.com/news/local/la-me-prop8-20120208,0,7729505.story
 詳細は調べてないが、私の意見を簡単に述べておく。
 1923年連邦最高裁Meyer v. Nebraska, 262U.S. 390 (1923)マックレイノルズ法廷違憲は傍論で結婚し家庭を築き、子供を育てる権利が幸福追求の核心的価値と述べた。
1 967年連邦最高裁LOVING v. VIRGINIA, 388 U.S. 1http://caselaw.lp.findlaw.com/scripts/getcase.pl?court=us&vol=388&invol=1 ウォーレン首席判事の法廷意見は、異人種間の婚姻を禁止するヴァージニア州法に違憲判断を下し、結婚を「最も基本的な市民的自由の1つ」と呼び、結婚の禁止や、禁止に相当する不当な負担は、厳格な審査が適用されるとした。結婚する自由が憲法によって保護されることに全く異論はないし正しい判決である。
 黒人と白人の結婚の禁止は平等保護条項に反するということだ。
 1978年連邦最高裁ZABLOCKI v. REDHAIL, 434 U.S.374 http://caselaw.lp.findlaw.com/cgi-bin/getcase.pl?court=us&vol=434&invol=374  マーシャル法廷意見は、前婚等の子どもの扶養料を支払わないまま、新たに結婚しようするのを禁ずるウィスコンシン州法は平等保護条項に反し違憲としたものだが、これも結婚する自由を擁護する判断で支持できる。
 一方、連邦最高裁は重婚の禁止を支持した。1878年Reynolds v. United States, 98 U.S. 145  http://supreme.justia.com/cases/federal/us/98/145/case.html は連邦議会が発令した一夫多妻制の禁止令に反対してモルモン教徒には信教の権利とともに信教を実践する権利があるとの理由で提訴したものだが、「社会の安寧と秩序を紊乱する行動を禁止する権限は連邦議会にある」と判決し、一夫多妻婚の禁止を支持しているのである。
 この判断は、西洋文明(ユダヤ・キリスト教)の単婚制を国の基本的秩序とするもので、宗教上の少数派と多数派を平等に扱っていないし、文化的多様性も否認するものである。
 同姓婚は、西洋文明二千年の価値観に著しく反するものであることは、重婚と同様であり、同姓婚禁止を違憲とするならば、近親婚の禁止、重婚の禁止、再婚のための待婚期間、法定婚姻年齢これらもすべて違憲の疑いがあることになり、社会の規範、秩序は著しく混乱する事となる。
 男女の合衾は花婿キリストと花嫁教会の一致を意味するものとして秘蹟となる神聖な意義があるという、文化的価値を基本として成り立っているのが西洋文明社会である。結婚相手が異性でないなどというのは秘蹟となり得ない。同性婚を受け入れる余地など全くない。
 同性婚を認めた欧州諸国は堕落しているのであって、この点まだアメリカのほうが文化的に優位にある。至福千年の道徳的教訓を棄てさる事があってはならない。
 2003年のLawrence v. Texas, 539 U.S. 558 (2003)によって、私的空間において成人が合意の上で男色行為、アナルセックスをやる自由が憲法上保護され、その行為によって刑罰に処される事はなくなった。同性愛者はそれで満足すべきであって、文明秩序を破壊する出過ぎた事はやめるべきである。

 
 

インディアナ州Right to Work lawに抗議する労働組合のラリー

 労働権法Right to Work lawが制定されたインディアナ州。http://www.usatoday.com/news/nation/story/2012-02-01/indiana-right-to-work-bill/52916356/1南部が中心だった労働権州のエリアはついにラストベルトに進出しました。雇用条件として労働者に組合加入と組合費の支払いを義務づける組合保障協定を定めた労働協約の交渉を禁止するもので、たとえ、組合が排他的交渉代表権を得ている職場でも、被用者は組合費を支払わない選択ができます。ダニエルズ州知事はインディアナ州がビジネスを行うための最高の州の一つとされる評判を向上させ、若者のために雇用機会を提供したいと立法趣旨を述べてます。
 労働組合が組合費を強制的に収奪できなくするもので、被用者個人の権利を保障するものです。これによって組合費強制収奪の既得権を失なう組合員が抗議のラリーを議事堂などでやってます。インディアナポリスはスーパーボウルウィークでした。
 ユーチューブにラリー等の映像が多数あるので、組合員の集団示威を見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=VxsJiNduFa0&feature http://www.youtube.com/watch?v=J5h_76tJ6hE&feature http://www.youtube.com/watch?v=oCzwQRN3MBI&feature
http://www.youtube.com/watch?v=zDI2wLfuvew&feature http://www.youtube.com/watch?v=uz8iUCEsGX4&feature

2012/02/07

本日のビラ配り

 本日、昼休み組合分会の役員がほぼ執務室にいて、分会書記長が29分ごろ節電中の電気をつけたので不穏な気配を感じたが、職場集会ではなく、役員だけが打ち合わせ室に集まって会合だった。13時3分に「営業委員会」と「東水労ニュース」2種類のビラが配られた。所長は今日も休み。これと別に、狭山事件集会の報告で、石川さんは無罪だ云々という冊子が組合員に回覧されていた。
 ビラ配りについては、時間と態様と記事の内容によって規制すべきで、具体的には勤務時間中と、就業時間前であっても、通路の両脇に数人が並んで次から次へとビラを出す半強制的なビラ配りの態様と、構内の狭い通路や2人3人であれ人を取り囲むような態様、雨の日に傘をたたむスペースなどは規制すべきであり、その根拠について現在、判例を引いて整理しているのでいずれ成案を提示できると思う。

昨日のビラ配り

 帰りが遅かったので、昨日6日の事を書く。所長は休み。16時12分ごろ、黄色いビラと、東水労ニュース(内容は3月2日の春闘スト権投票の呼びかけ)、東水労という新聞が配られた。
 黄色いビラは2月10日16時から第二庁舎正面玄関前都労連第一波総決起集会の呼びかけ。昨年暮れに当局が提案した全職員への勤勉手当の成績率拡大、55歳昇給停止を撤回させるというもの。民間では55歳昇給停止は90年代後半にやったことである。成績率といってもたいした加算額ではないからたいした改革にはならない。
 いずれにせよ、ストライキの呼びかけは違法行為の慫慂となるビラといえる。

2012/02/05

「平清盛」の感想(2)

 第4回まで見て、よく言われるように、平忠盛が「富巨万を累ね、奴僕国に満つ」と評されたほど富裕なのに、なんで清盛がみすぼらしい衣服を着ているのかわからない。それに「王家の犬になりたくない」とか過激なことをほざいている馬鹿のようにみえるし、鳥羽院の側近である忠盛でさえそんなことを言ってるのは理解できない。
 橋本義彦「保元の乱前史考」『平安貴族社会の研究』所収によると、平忠盛・清盛父子は「鳥羽上皇の側近にあって、院近臣グループと共に上皇の政治権力を構成していた」「院政権力の有力分子」と記されている。
 近衛朝の久安3年に日吉・祇園両社神人が忠盛・清盛父子の流罪を強訴した祇園社頭乱闘事件があり、ドラマでもやると思うが、鳥羽院の裁定により、頼長の「春秋左氏伝」を引いて糾弾する忠盛有罪論は斥けられた。それは忠盛が院の側近なので断固庇護されたということである。
 久安5年から平忠盛は内蔵頭に任ぜられているが、もともと内蔵頭は金銀・珠玉・宝器・錦綾や天皇・皇后の御服等を掌るので、天皇と親昵の上流貴族が補されていた官職だが、院政期には院に近侍する富裕な受領が任用されるようになった。しかし院への忠誠心がなければ任用されない官職といえる。

 
 第5回に藤原得子(松雪泰子)が登場した。崇徳天皇が激怒するという場面は見せ場だと思っていたが今回はその場面はなかった。得子は後にキサキとなったとナレーションがあったが、そう簡単にキサキになれたわけではない。
 上皇であっても正式に上皇の宮に入侍していない女性に手を出したために政治問題となったのである。
 長承三年頃藤原得子は鳥羽上皇の殊寵を蒙り、懐妊にまでいたり、翌年保延元年に皇女を出産するが、藤原得子の母が左大臣源俊房女とはいえ、善勝寺流藤原氏は中級貴族で、女御として立てられるような家格ではない。女御に立てられるのは上流貴族に限定されるのであって、今回の場面の六年後の保延五年に得子所生の体仁親王が誕生し、崇徳后藤原聖子の猶子とされることにより関白忠通が体仁親王(のちの近衛)の後見となって皇太子に立てられたことによって、皇太子の実母が女御でもないのはまずいという口実で、正式に上皇のキサキとしての地位を得たのである。
 后位にのぼせられたのも中級貴族としては異例のことで、近衛の即位と同時に皇后に立てられたのである。藤原頼長は得子が国母にして后位にあるにもかかわらず拝礼したくないと『台記』に記している。。中級貴族に頭を下げたくないからであった。この点では、本来は、崇徳后藤原聖子の実父であるから、崇徳帝を外戚として支える立場にあった関白忠通が藤原得子に宮廷での求心力があると見てすり寄って権力を維持した処世術が長けていたといえる。
 角田文衛『待賢門院藤原璋子の生涯』朝日選書1985 208頁以下によると、上皇による得子の溺愛、痴態に関する情報は逐一天皇に報されていたらしい。長承三年16歳と若く純粋な崇徳天皇は、上皇をかえりみることもなく、母后(待賢門院)の名誉を傷つけるものとして激怒され、得子の親族や、鳥羽上皇近臣に厳しい勅処分を下したのであるといったことが書かれているが、これが天皇と上皇との対立が表面化した事件であるから、ドラマとして描くとおもしろいと思ったが、政治的背景が複雑なためか、このドラマではこの場面はやらないのかもしれない。
 ネットで上皇を演じる三上博史の演技は評判になっているが、体仁親王誕生時は狂喜するのだろう。しかし、中高年になってから寵愛したキサキ所生の皇子を皇位継承者とすることはしばしばあることでそれ自体は異例なこととはいえない。例えば亀山法皇が末子である西園寺実兼女娘昭訓門院瑛子所生の恒明親王を愛され、すでに直系の孫にあたる後二条天皇が即位しているにもかかわらず、後宇多上皇の子孫の皇位継承をあきらめさせ、遺詔により皇位継承者に指名した例などがある。

それでも米コダックは偉大な企業として称賛されるべき

 合衆国労働省は1月27日のプレスリリースで、2011年の労働組合組織率を発表した。http://www.bls.gov/news.release/union2.nr0.htm
 組織率は11.8%で、前年の11.9%と横ばいだった。民間部門は6.9%、公共部門は37.0%。
 組織率が最も低い職種は販売職で3.0%だった。http://www.bls.gov/news.release/union2.nr0.htm
 アメリカでは グローサリーストアから発展したスーパーマーケットの一部(クローガーなど)が組織化しているが、リテーラー・外食産業は概して反労働組合である。ウォルマート、ホームデポ、ターゲットみな組合不在である。昨年6月に「ターゲット」(本社ミネアポリス、小売全米売上げ第5位)の、ニューヨーク郊外ロングアイランドにあるバレーストリーム店における、国際食品商業労働組合(UFCW)の申請による組合代表選挙が実施されたが、85対135で組合が敗北した。http://www.startribune.com/business/124120324.html http://la-consulting.com/wordpress/?p=7438 http://newyork.cbslocal.com/2011/06/18/valley-stream-target-store-workers-reject-unionization/ターゲットの従業員は組合のない環境で働くことを選択しており、もしこれが成功していたら大事件になるところだった。

 州別の組織率は以下のとおりである。http://www.bls.gov/news.release/union2.t05.htm
 組織率の低い州のランキング(前回大統領選挙結果)
1位 North Carolina 2.9% 労働権州(オバマ)
2位 South Carolina 3.4% 労働権州(マケイン)
3位 Georgia 3.9% 労働権州(マケイン)
4位 Arkansas 4.2% 労働権州(マケイン)
5位 Louisiana 4.5% 労働権州(マケイン)
6位 Virginia 4.6% 労働権州(オバマ)
6位 Tennessee 4.6% 労働権州(マケイン)
8位 Mississippi 5.0% 労働権州(マケイン)
9位 Idaho 5.1% 労働権州(マケイン)
9位 South Dakota 5.1% 労働権州(マケイン)
11位 Texas 5.2% 労働権州(マケイン)
 一般に南部は戦後CIOのオペレーション・ディキシーという組織化攻勢をはねつけたように反労働組合的な風土であり、組織率が低い。労働権法(Right to Work law)とは労働組合に加入せず、又、組合費を徴収されないで雇用される被用者の権利を定めたもので、端的に言えばユニオンショップ、エージェンシーショップを禁止するものである。州憲法か州法で規定しているのは南部など23州とグァム準州である。なお最新のニュースで2012年2月1日にインディアナ州で労働権法が成立した。
 ノースカロライナ州の組織率の突出して低い要因は、たぶん州法で州公務員は任意の団体交渉も禁止されており労働組合が否認されているため。但し州従業員協会という職員及び退職者の団体があり、議会への陳情などの活動を行っているが労働組合員にカウントされないためと思われる。 

組織率の高い州 
1位 New York 24.1% (オバマ)
2位 Alaska 22.1% (マケイン)
3位 Hawaii 21.5% (オバマ)
4位 Washington 19.0% (オバマ)
5位 Michigan 17.5% (オバマ)
6位 Rhode Island 17.4% (オバマ)
7位 California 17.1% (オバマ)
7位 Oregon 17.1% (オバマ)
9位 Connecticut 16.8% (オバマ)
10位 Illinois 16.2% (オバマ)

 労働法制が異なるため単純に比較はできないが、2009年の日本の組織率が18.5%であるから、我が国よりも組織率の高い州は4州しかない。
 もとより労働権州と非労働権州の地域差を過大評価することはない。組織率の高い州、例えばニューヨーク州においてもIBMやコダックといった著名な組合不在企業が存在するし、ワシントン州も組織率が高いが、マイクロソフトやスターバックスといった有名企業は組合不在である。非労働権州も組織率は低下傾向にある。
 しかし過少評価も正しくない。多くの企業がサンベルトに工場を移動させたのは、労働権法が呼び水になっているし、経済発展の一要因といえるのである。
 また、選挙結果にも現れるように、労働組合の政治的影響力がとぼしい南部と比較して、北部では影響力を有しているとみるべきである。
 例えば、アメリカでは南部を中心として勤務条件法定主義を墨守する州も少なくなく、ノースカロライナのように任意の団体交渉も禁止している州もあるが、1959年のウイスコンシンを嚆矢として、リベラルな州で60年代以降団体交渉制度が導入された。しかし、2011年は共和党知事によって公務員労組の力を弱める法改正が進められた。オハイオ、ウィスコンシン、インディアナ、ペンシルベニアなどであるが、ここにきて労働組合も巻き返しを図っている。 1983年から導入されたオハイオ州の公務員労組の団体交渉権を制限する州法について、州民投票が2011年11月8日に実施され、廃止61%、存続39%の大差で、廃止が決まった。
 とても遺憾な結果であるが、AFL-CIOが実施した調査では民主党支持層の90%、無党派層の57%、共和党支持層でも30%が法律廃止に賛成であった。巻き返しが成功した要因として、悪いのは1%の富裕層で、公務員ではないという、中間層が連帯するキャンペーンを行ったことにあるといわれているhttp://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2011_12/america_01.htmが、北部において、労働組合がなお侮れない政治力を有しているといえる。 
 もうひとつ、残念なこととしては、先日、ニューヨーク州ロチェスターを本拠とする米コダック本社が連邦破産法チャプター11の適用を申請したというニュースである。米コダックは1990年代にもリエンジニアリングでそれまで行ったことのないレイオフを実施したが、近年のフィルム需要の急減で経営が悪化したと報道されている。が、それでもコダックは偉大な企業だと称賛しておきたい。コダックは、アメリカを代表する組合不在企業の一つであるということは、S・M・ジャコービィの名著、内田・中本・鈴木・平尾・森訳『会社荘園制-アメリカ型ウェルフェアキャピタリズムの軌跡』北海道大学図書刊行会1999 に詳しく書かれている。
 コダックの技術による映像・写真文化への貢献は絶大である。私自身、子供の頃ポケットインスタマチックで写真を撮っていた。しかしそれだけではなく、社会にたいする最大の貢献は、組合不在企業文化のモデルを提示したことにあると私は考える。集約的な大量生産と大量流通と「あなたはボタンを押すだけ」という冴えた宣伝によって、大恐慌時代においても成長し、1937年には1929年の40%を上回る過去最高の利益を出した。そのように安定した経営基盤のみならず、創業者の個人資産も投入されて、コダックは従業員福祉制度の先駆として、温情主義的経営、ウェルフェアキャピタリズムの鑑、として知られている。従業員提案制度、食堂、喫煙室、読書室、レクリエーション、コンサート、ダンス、会社専用のテニスコート、野球場、競技場、退職ボーナス、障害・災害保険・疾病給付、ストックオプション、利益分配制、企業年金、有給休暇など、厚い従業員福祉と内部昇進制度、終身雇用で会社へ忠誠心を高める手法によって組織化を防止してきた古くからの組合不在企業であった。
 もちろん、気前のよい賃金や従業員福祉はコストとなり、デジタル・イキップメントのようにそれによって失敗した例も少なくなく戒めとしなければいけないし、コダックの身内主義的経営体質の問題点も指摘されているが、本当に従業員を大切にしているのは組合不在企業であるということを世間に知らせたことは大きな意義があったと考える。

 しかし、コダックが始めた制度で、最も意義があるのは今日組合不在企業に普及し「オープンドアポリシー」であると考える。
 創業者のジョージ・イーストマンが1932年に自殺した(病苦による)後、コダックはフランク・ラヴジョイが率いることとなった。1934~41年の社長であるが、オープン・ドアーとして知られる異議申し立て制を社内労使関係規程の核心にすえたのが、ラヴジョイの業績である(前掲ジャコービィ著153頁以下参照)。
 職長は従業員の苦情に対し親身に接し、不満の解決に善意と共感をもってあたることが基本とされた。その意味は職場の不満について注意を惹いたり、行動を起こすのに集団行動が必要でないことを明確にするためのもので、明らかに、労働組合組織化阻止のために労務管理なのである。
 のみならず、職長を迂回して苦情を部門管理者や工場管理者に直接苦情をもっていくことも許された。
 この制度は組合不在企業に普及して、今日ではアメリカの非組合セクターや日本でも外資系はあたりまえの文化になっている。この労務管理手法の先駆者であるコダックのラヴジョイを高く評価するのはそのためだ。
 非組合セクターでは、オープンドアーポリシーがあって直属の上司を飛び越えて、会社のトップや上層部、人事部に直接意見が出せる制度があるのはふつうだといわれている。風通しが良く、官僚主義的でなく、従業員に公正でフレンドリーな職場環境とすることに心がけている。360度評価もそうした脈絡で説明できる業績評価制度なのである。
 例えば典型的な組合不在企業ウォルマートでは会社のトップが時給労働者に店長に不満があるならどしどし言ってくださいと語りかける。実際、会社は丁寧に一つ一つの苦情に応えるし、組合の制限的就業規則で横並びで競争を排除される環境より、会社に献身的に働ければ認められて、昇進でき、経営者と敵対的でない環境で仕事をしたい人は労働協約などない方が良い。ショップスチュワードに職務統制されるより、働きがいのある仕事ができる方が良いわけで、オープンドアーポリシーは組合不在企業が従業員に対して公正でフレンドリーだという良いイメージを世間に与えることとなった。組合のない職場の方がトップダウンでなく従業員参加を促す経営になるので働きがいがあり、雇い主と労働者双方のニーズに敏感な作業環境となるのは、そうした脈絡で理解することができる。

 インテルのホームページにはこう書かれている「オープン・ドア・ポリシー」とは「 「意見はどこの誰にでも、役職にとらわれずに、伝えることが許されていますよ」という意味です。社員全員が親しみを込めて「○○さん」と名前で呼びます。この文化も官僚主義または上下関係にとらわれずにオープンな関係が築くインテル流のやりかたです」
 しかしそれはインテルに限らず先進企業に共通していえることである。インテルのCEOアンディ・グローブのアフォリズムに「パラノイアだけが生き残る」というのがあるが、経営者は病的なほど心配性であってよい。だから耳の痛い情報こそ求めるのだ。そのためには上司のメンツをつぶすからなどと遠慮があってはいけない。上下にとらわれず提案し、異議を述べ、疑問をぶつける、風通しのよい企業文化が優れているということだ。
 日本マイクロソフトの樋口泰行社長の著書『マイクロソフトで学んだこと、マイクロソフトだからできること』東洋経済新報社2011年67頁以下によると、「課題や問題に真正面から向き合って、自分を改善していくという姿勢がきわめて強いのだ。スティーブ・バルマーはじめ経営陣も全員がそうなのである。何か気になることがあったらいってくれ、経営に関しても、私個人に対しても、マイクロソフトの経営陣は、誰もがこの姿勢なのである」とのこと。一流企業とはそういうものかと感心したわけである。

インディアナ州が23番目の労働権法(Right to Work law)州となる

 報道によると、2月1日ダニエルズ州知事は、雇用条件として労働者に組合加入と組合費の支払いを義務づける組合保障協定を定めた労働協約の交渉を禁止する労働権法案に署名した。共和党の支配する州上院が28対22で可決したためだが、議事堂には三千人の労働組合員がおしかけ抗議行動を行った。http://www.politico.com/news/stories/0212/72304.html http://www.csmonitor.com/USA/Politics/2012/0126/With-Indiana-right-to-work-vote-a-GOP-thumb-in-the-eye-to-unions http://www.foxnews.com/opinion/2012/01/30/what-indianas-right-to-work-bill-means-for-obama-big-labor-and-us/労働権とは「労働基本権」とは全く逆の意味で、被用者が労働組合に加入せず、組合費を払うことなく雇用される権利を明文化する反労働組合的な権利を意味するので間違えないでください。端的に言えばユニオンショップとエージェンシーショップ協定の禁止である。知事と共和党議員は低迷する経済を好転させ、雇用を増やすための立法と説明している。
 インディアナ州はオクラホマ州が10年前に労働権法(Right to Work law)州となって以来の23番目の労働権法州となった(グァム準州も労働権法を制定してる。なおインディアナ州は、1957年から1965年まで同様の法律を持っていたので正確に言えば労働権州に戻ったことになる)。既得権が奪われる労働組合はインディアナポリスでのスーパーボウルウィークにデモを行うという。
 この意義は大きい。労働権州は地域的に南部に偏っていた。地図を見てください。http://www.nrtw.org/rtws.htmいわゆるレッドステートとほぼ重なる。しかしインディアナはラストベルトの製造業州なのである。ミシガン州を含む9つの州でも労働権法を制定しようとする動きがあるので他の州への波及を促すことになるかもしれない。
 インディアナは2011年最新のデータで労働組合組織率11.2%、労働協約適用労働者12.4%。ラストベルトではプロビジネス、保守的な州とのイメージで好感がもたれているためか、日系企業も多く進出している。
 州駐日事務所のホームページによれば「トヨタ、ホンダ、スバルなどの自動車組み立て工場をはじめ、三菱重工、ソニー、日立など日本を代表する企業260社以上がインディアナ州に拠点を置いています。インディアナ州は、アメリカ製造業の中心地に位置し、ビジネスフレンドリーな環境で、信頼できる熟練労働力が得られるため、世界中からのさまざまなビジネス・ベンチャーが成功しています。」として投資環境の良さを説明しているが、労働権州となったことでよりプロビジネスな州を宣伝できるメリットがあるのである。

 1935年ニューディール政策の一つとして制定された全国労使関係法では排他的交渉代表制がとられ、適正な交渉単位において3割以上の署名を得て組合代表選挙により過半数の労働者の支持を得た労働組合のみが団体交渉権を取得できるシステムである。これは従業員のすべてを代表して交渉する独占権を労働組合に与えるから、組合を支持していなくても個別の従業員の交渉は禁止される。つまりこの制度で、個人の雇用契約の自由、自己自身の労働力という財産の処分権が否定され奪われることになる。
 ただし、1947年タフト・ハートレー法は強くなりすぎた労働組合の権力を削ぐ法改正を行った。クローズドショップを否定、ユニオンショップ協定の内容に制限を加え、使用者のみならず労働組合にも不当労働行為を適用し、被用者に団体行動に加わらない消極的権利を規定した。しかし、組合を承認された職場では協約適用労働者に組合加入、団体行動の支持いかんにかかわらず、組合費の徴収は認めている。
 つまり雇用条件として労働者に組合加入と組合費の支払いを義務づける組合保障協定を定めることがきる。労働組合が排他的交渉代表権を有している職場では、強制的に組合費が徴収されることになるのだ。ユニオンショップ協定がとられらない場合でも、組合に加入していなくても団体交渉の経費としての組合費を徴収できるエージェンシーショップが採用できる。

 しかしながら一方でタフトハートレー法はセクション14(b)によって、雇用条件として労働者に組合加入と組合費の支払いを義務づける組合保障協定を定めた労働協約の交渉を禁止することを州の権限として認めた。
 労働権法とは、この規定にもとづいて組合保障協定を定めた労働協約の交渉を禁止する州法をさす。
 本来Right to Work は非組合員の権利、非組合員が自らの労働力処分において自由に雇用契約し、労働組合から妨害されない権利をさすと考えられるが、全国労使関係法のもとでいう労働権法(Right to Work law)とは組合に加入しない権利と強制的に組合費を徴収されない権利。つまり組合を財政上支持しない勤労者の権利にすぎないのであって、自己自身の労働力取引から労働組合の影響から逃れられる権利ではない。
 しかし、組合を財政上支持しない勤労者の権利は、それだけでも労働組合の力をそぐ意義があるのだ。

 
 労働権州が経済発展のために有利だということは2年前の私のブログで書いてきたことなので再掲します。
http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/right-to-work-s.html
 強制的組合費徴収の論理は「ただ乗り」防止ということです。つまりあなたは組合を支持していなくても排他的交渉代表制度により協約適用労働者であり、団体交渉の成果の受益者であるから、団体交渉にかかった費用の負担を求めるというものです。フリーライダーを認めず団結するという論理ですが、労働権(Right to Work law)はこの論理を否定します。
  この点についてミシガン州の自由主義シンクタンク Mackinac Center for Public Policy のウイリアム.T.ウイルソン博士の論文 「The Effect of Right-to-Work Laws on Economic Development」 http://www.mackinac.org/article.aspx?ID=4293を見てください。ウイルソン博士は「囚われた乗客」といってます。「ただ乗り」するのではなく「囚われた乗客」となる不利益です。
 すべての従業員が団体協約の受益者ということはあり得ません。組合のある職場では組合就業規則により従業員の競争が排除され、業務遂行方法が統制されますが、若い人が能力を発揮し熟練するために良い環境とは言えません。
 これは、ウイルソン博士も言っていることですが、団体協約は横並びで競争を排除するので、より生産的でない従業員に手厚く所得を補償する一方、より生産的な労働者の賃金は抑制されます。先任権制度により、若い人の不利益もあるでしょう。実際、UAWの職場は横並びでレイオフされても手厚い所得保障があり、30年勤務で年金が支給されることが利益と考える人もいるでしょうが、昇進の機会に乏しい。組合不在の日系企業の工場では能力を発揮することによって昇進のチャンスがあります。何がその人の利益であるかは違います。
 職場環境でいえば、非組合セクターでは大抵、オープンドアーポリシーがあって直属の上司を飛び越えて、会社のトップや上層部、人事部に直接苦情が出せる制度があり風通しが良く、従業員にフレンドリーな環境があります。例えば典型的な組合不在企業ウォルマートでは会社のトップが時給労働者に店長に不満があるならどしどし言ってくださいと語りかけます。実際、会社は丁寧に一つ一つの苦情に応えますし、横並びで競争を排除される環境より、会社に献身的に働ければ認められて、昇進でき、経営者と敵対的でない環境で仕事をしたい人は労働協約などない方が良いわけです。ショップスチュワードに統制されるより、働きがいのある仕事ができた方が良いわけです。
  そもそも、排他的交渉制度による団体協約で個別の雇用契約の自由、自己自身の労働力を処分する自由が組合に奪われること自体が、契約自由の侵害であり、それ自体が不利益だと私は考えますからフリーライダーただ乗り論には反対であります。
 従って私は、フリーライダー論を否認したことに労働権法の重要な意義があると考えます。

 さらに重要なことは経済発展のためにも労働権州が有利であるということです。ウイルソン博士は次のようなことを言ってます。
   一般論でいえば組合のない職場が作業環境がフレキシブルで、単位労働コストは低い。高い生産性とビジネスの成長を促します。組合のない職場の方がトップダウンでなく従業員参加を促す経営になるので働きがいがあり、雇い主と労働者双方のニーズに敏感な作業環境を支持します。労働権法は組合の組織化を抑制する効果は当然認められます。
  でも名目所得は非労働権州が10%高いのです。しかし可処分所得で労働権州が0.2%有利です。つまり物価が安いと言うことです。
  「 311の米国都市エリアを調べて、ジェームス・ベネット(1994)は、非労働権州に生活する家族が、より高い平均した名目所得を持っていますが、労働権法州の普通のアーバンファミリーには1年あたりの税引後の購買力における以上が同じ家族が非労働権州に持っているだろうより2,852ドルあるのがわかります。」とウィルソン博士の論文にあります。                               
 1970年から2000年のデータの分析です。http://www.mackinac.org/article.aspx?ID=4291
 労働権州は143万の製造業の雇用を増やしましたが、非労働権州は218万の製造業の雇用者数を 失いました。1978年から2000年まで、平均して失業率は労働権法州が0.5パーセントより低かったです。労働権州の貧困家庭の割合は1969年と2000年の間に18.3パーセントから11.6パーセントまで低下しました。
 又ウィルソン博士は組合のある職場でも組合財政を支持するか否かの自己決定を与えている労働権法州のほうが、より労働者のニーズに敏感な職場になると言ってます。

2012/02/01

本日の頭上報告

 31日午前11時53分新聞『全水道』が配布される。13時半頃連合東京ニュースが回覧が回される。所長の目の前で。
 本日は所長休み。9時5分頃から約10分の書記長会議報告があった。内容は4点で
1 小委員会の交渉報告。監理団体に業務委託された板橋営業所の執行態勢うんぬん、派遣職員の割合がどうのと言っていたが、お客様と電話対応のため詳しくはきいてない。
2 小委員会で、当局は2016年までの全営業所業務委託を断念するという計画の変更を行ったので、足立営業所の業務委託の協議に入りたいと宣言し、12月に謝罪したはずの10月末の提案を再びむしかえし、1月30日足立営業所の今年4月の業務委託を再び提案してきたが、12月局内闘争の妥結を反故にしたもので断じて容認できないので、2月上旬までに撤回しない場合は、三六協定破棄闘争(超勤拒否)に入るうんぬん。
3 都労連の闘争は3日か10日か知らないが、金曜日に方針が決まるので大衆行動に協力せよ、2割動員うんぬん
4 3月2日に春闘のスト権投票を行う。

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