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2012/02/24

大阪市役所 橋下アンケートの疑問

 市労連の救済申立に対し大阪府労働委員会が、組合活動等に関するアンケート調査の中止を勧告したというニュースhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120223-00000003-mai-soci http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201202230058.htmlがあるが、先ほど報道ステーションでこのニュースを見たので、アンケートのやりかたで疑問に思った点を簡単に述べたい。
 真実を正確に回答せよということが橋下市長名で書かれていたが疑問に思った。というのは富士重工業事件を思い出したからである。
 富士重工業事件(最高裁昭和52年12月13日第三小法廷判決、民集31巻1037頁)   この事件は、ある従業員の違反行為の調査に別の従業員が応ずる義務の有無に関するもので、結論は調査に応じない従業員の懲戒処分を違法無効とするものである。
 この判例は「企業秩序」の一般論を述べていることで重要とされている。「企業秩序」の根拠として「企業」という存在にとって不可欠を挙げ、「企業秩序」の維持確保のために「企業」に求められる権能として、(1)規則制定権(2)業務命令権(3)企業秩序回復指示・命令権(4)懲戒権を当然のこととして列挙し、このような「企業」体制を前提とした労働契約を媒介に労働者の「企業秩序遵守義務」を演繹している。(池田恒男「国労札幌ビラ貼り事件」最高裁判決の「画期的」意義--現代日本法の一断面」『社會科學研究』33(5) 1981) 「労働者は、労働契約を締結して企業に雇用されることによつて、企業に対し、労務提供義務を負うとともに、これに付随して、企業秩序遵守義務その他の義務を負うが、企業の一般的な支配に服するものということはできない」と述べた。

 事案は、昭和44年7~8月、電話交換手Aと経理部財務課勤務社員Bが就業時間中上司に無断で職場を離脱し、就業中の他の従業員に対し原水爆禁止の署名を求めたり、の資金調達のために販売するハンカチの作成を依頼したり、あるいはこれを販売したりする就業違反行為があったが、上告人は産機部業務課に勤務しており、別の社員の事情聴取によりハンカチ作成を依頼されたことがわかったので、人事部人事課長らが、8月25日主としてAの就業規則違反の事実関係を更に明確に把握することを目的として、上告人に対して事情聴取を行つた。上告人は、ハンカチの作成の有無及び作成依頼者の氏名、その作成枚数、原水爆禁止の署名の依頼及びハンカチの作成、販売に関する行為者の氏名、その時間、場所等のほか、第一五回原水爆禁止世界大会富士重工本社内実行委員会のメンバー、資金カンパと署名の集計状況について尋ねられたが、Aに頼まれてハンカチを作成した旨を答えたほか、「何枚、作りましたか。」との問いに対しては「わかりません。」と述べ、「原水禁富士重工内実行委員会とはどういうものですか。」との質問に対しては、「どうして、そういうことを聞くのですか。」、「答える必要がありません。」と、反問し、あるいは返答を拒否し、その後は、答えるように説得されても、ほとんど答えなかつた。また、上告人は、その際、別人に対するハンカチ作成依頼の有無についても尋ねられたが、被上告会社では既に右事実のあつたこと及び上告人が右の依頼をしたのが休憩時間中であることもわかつているとのことであつたので、「なんで、そのようなことを聞く必要があるのですか。」と反問して答えなかつた。 そこで、被上告会社は、上告人が右調査に協力しなかつたことは、「従業員は上長の指示に従い上長の人格を尊重して互に協力して職場の秩序を守り、明朗な職場を維持して作業能率の向上に努めなければならない。」と定める就業規則一七条及び「従業員は秩序を維持し業務の運行を円滑にするため次の事項を守らなければならない。1 会社の諸規則、命令を守ること」と定める同一八条一号に違反し、同七〇条が譴責又は減給の懲戒事由として定める同条一号所定の「会社の諸規則通達等に違反したとき」に該当するとともに、上告人の右行為は、同条三号所定の「他人の不都合な行為を故意にかくしたとき」に準ずる不都合な行為であつて、同条九号所定の「その他前各号に準ずる程度の不都合な行為があつたとき」にも該当するとして、同年一〇月七日上告人を懲戒譴責処分とした。
 
 (判旨)
 
 企業が‥‥企業秩序違反事件について調査をすることができるということから直ちに、労働者が、これに対応して、いつ、いかなる場合にも、当然に、企業の行う右調査に協力すべき義務を負つているものと解することはできない。けだし、労働者は、労働契約を締結して企業に雇用されることによつて、企業に対し、労務提供義務を負うとともに、これに付随して、企業秩序遵守義務その他の義務を負うが、企業の一般的な支配に服するものということはできないからである。そして、右の観点に立つて考れば、当該労働者が他の労働者に対する指導、監督ないし企業秩序の維持などを職責とする者であつて、右調査に協力することがその職務の内容となつている場合には、右調査に協力することは労働契約上の基本的義務である労務提供義務の履行そのものであるから、右調査に協力すべき義務を負うものといわなければならないが、右以外の場合には、調査対象である違反行為の性質、内容、当該労働者の右違反行為見聞の機会と職務執行との関連性、より適切な調査方法の有無等諸般の事情から総合的に判断して、右調査に協力することが労務提供義務を履行する上で必要かつ合理的であると認められない限り、右調査協力義務を負うことはないものと解するのが、相当である。
   
  要するにこの事件は会社が原水禁運動にかかわっている社員を調査しようとしたが、社員は知っていることを全てはき出さなくてはいけないとするならば、会社に人格的に従属してしまうことになる。そこまで社員を強要することはできないということである。
 
  従って、アンケートもそこまでやる趣旨だったらやりすぎとの心証をもった。

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