第9巡回区連邦控訴裁判所、同性婚禁止を違憲判断との報道
第9巡回区連邦控訴裁判所は、プロポジション8(2008年のカリフォルニア州の住民投票で承認された同姓婚を禁止する提案)を合衆国憲法修正14条の平等保護条項に反するとの判決を下したとの報道がある。http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012020800256 http://www.latimes.com/news/local/la-me-prop8-20120208,0,7729505.story
詳細は調べてないが、私の意見を簡単に述べておく。
1923年連邦最高裁Meyer v. Nebraska, 262U.S. 390 (1923)マックレイノルズ法廷違憲は傍論で結婚し家庭を築き、子供を育てる権利が幸福追求の核心的価値と述べた。
1 967年連邦最高裁LOVING v. VIRGINIA, 388 U.S. 1http://caselaw.lp.findlaw.com/scripts/getcase.pl?court=us&vol=388&invol=1 ウォーレン首席判事の法廷意見は、異人種間の婚姻を禁止するヴァージニア州法に違憲判断を下し、結婚を「最も基本的な市民的自由の1つ」と呼び、結婚の禁止や、禁止に相当する不当な負担は、厳格な審査が適用されるとした。結婚する自由が憲法によって保護されることに全く異論はないし正しい判決である。
黒人と白人の結婚の禁止は平等保護条項に反するということだ。
1978年連邦最高裁ZABLOCKI v. REDHAIL, 434 U.S.374 http://caselaw.lp.findlaw.com/cgi-bin/getcase.pl?court=us&vol=434&invol=374 マーシャル法廷意見は、前婚等の子どもの扶養料を支払わないまま、新たに結婚しようするのを禁ずるウィスコンシン州法は平等保護条項に反し違憲としたものだが、これも結婚する自由を擁護する判断で支持できる。
一方、連邦最高裁は重婚の禁止を支持した。1878年Reynolds v. United States, 98 U.S. 145 http://supreme.justia.com/cases/federal/us/98/145/case.html は連邦議会が発令した一夫多妻制の禁止令に反対してモルモン教徒には信教の権利とともに信教を実践する権利があるとの理由で提訴したものだが、「社会の安寧と秩序を紊乱する行動を禁止する権限は連邦議会にある」と判決し、一夫多妻婚の禁止を支持しているのである。
この判断は、西洋文明(ユダヤ・キリスト教)の単婚制を国の基本的秩序とするもので、宗教上の少数派と多数派を平等に扱っていないし、文化的多様性も否認するものである。
同姓婚は、西洋文明二千年の価値観に著しく反するものであることは、重婚と同様であり、同姓婚禁止を違憲とするならば、近親婚の禁止、重婚の禁止、再婚のための待婚期間、法定婚姻年齢これらもすべて違憲の疑いがあることになり、社会の規範、秩序は著しく混乱する事となる。
男女の合衾は花婿キリストと花嫁教会の一致を意味するものとして秘蹟となる神聖な意義があるという、文化的価値を基本として成り立っているのが西洋文明社会である。結婚相手が異性でないなどというのは秘蹟となり得ない。同性婚を受け入れる余地など全くない。
同性婚を認めた欧州諸国は堕落しているのであって、この点まだアメリカのほうが文化的に優位にある。至福千年の道徳的教訓を棄てさる事があってはならない。
2003年のLawrence v. Texas, 539 U.S. 558 (2003)によって、私的空間において成人が合意の上で男色行為、アナルセックスをやる自由が憲法上保護され、その行為によって刑罰に処される事はなくなった。同性愛者はそれで満足すべきであって、文明秩序を破壊する出過ぎた事はやめるべきである。
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