「平清盛」第9回の感想
今回も疑問の多い内容だった。
橋本義彦『平安の宮廷と貴族』吉川弘文館平成8年の「第四章美福門院藤原得子」によると、藤原得子は上皇の寵を得て保延2年従三位、三位殿と称されたが、正式に女御宣旨を蒙ったのは保延5年八月二七日体仁親王立太子の後のことである。藤原得子の善勝寺流藤原氏は、宮廷社会で「諸大夫」の範疇にある門地の低い家柄であったから、そもそも女御宣旨を蒙ることのできる家格ではない。
従って、国母であり后位に勝るとも劣らない顕位であり女院であるところの待賢門院より「諸大夫の女」が上座にいるのは疑問だし、あのようにあからさまに女院に対して罵倒するなど考えられない。宮廷をまるで庶民の家庭のいざこざのように下品に描いているように思える。
皇子は五月一八日誕生、七月十六日親王となり体仁と命名、八月十七日立太子、同月二十七日に崇徳后藤原聖子(関白忠通女)を養母として、中宮藤原聖子が同輿し、内裏に入御した。
したがって、ドラマで描かれていた宴席は、親王宣下と立太子の間の期間ということになる。なぜなら、体仁親王は、立太子後、崇徳后を養母として育てられるので、生母の手元から離れるからである。つまり女御にもなっていない時点なのである。
そもそも、女御とになれる家格ではないが、皇太子の生母が女御でもないのはまずいということでそうなっただけだ。
ドラマでは崇徳天皇が女形のようなポーズをしていたが、あれはなんなんだ。藤原頼長や後白河の男色行為(ホモではなく両刀使い)は知られているが、専門家にそういう資料があるのか聞いてみたいところだ。
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コメント
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こんにちわ、私の情報だと、
石原さんは、入庁時からは天下りを推進する立場を一環してるっぽいです。
今の風土からそれを逸脱したいのも確からしいですが。
とにかく、次期交代辺りから天下りが批判される時代がきます。
そうしたら現在の組合は委託対応に対し、適応しにくくなるというのは解りますでしょうか?
このロジックは組合員・非組合員という小さな枠ではなく、水道事業の委託制度がお金を産むが為に、
末端職員を飼いならしているのです、そうです貴方は失礼ですが、飼いならされています。
根本からして大きなヒエラルキーが見えていませんね。大事なトコが見えていません。
当面はTVの話がいいと思いますよ。職場の愚痴をネットに書いてもねぇ・・・
投稿: 知る者 | 2012/03/05 18:32