カード 動労甲府支部ビラ貼り事件
ビラ貼りの事案で動労甲府支部事件東京地裁昭和50年7月15日『判例時報』784号は受忍義務説を明確に否定したリーディングケースである。
> 使用者の所有権や施設管理権-「管理及び運営の目的に背馳し、業務の能率的正常な運営を一切排除する権能」-を強調する一方、たとえ企業内組合の場合であっても組合活動のために企業施設を利用する「権限」を当然有するものではないとし、それが認められない以上、使用者が無断ビラ貼りを「受忍」すべきいわれはなく、当該のビラ貼りは使用者の所有権ないし施設管理権の侵害にあたるとして、労働組合及び組合員に不法行為に基づく損害賠償責任を認めビラはがし代142,300円の支払いを動労側に命じた。
国鉄ビラはり損害賠償 - 東京地方裁判所昭和46(ワ)8842:労働 http://thoz.org/hanrei/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80/%E6%98%AD%E5%92%8C46(%E3%83%AF)8842
労働関係民事裁判例集26巻4号567頁 判例タイムズ324号157頁 判例時報784号25頁 労働判例229号35頁
下井隆史「労働組合のビラ貼り活動と民事上の責任--動労甲府支部事件を中心に」『判例タイムズ』26(14)1975
9631竹下英男「ビラ貼りの法的評価と損害賠償ー動労甲府ビラ貼り事件をめぐってー」『ジュリスト』NO.595〔1975〕
9635角田邦重「リボン闘争・ビラ貼り-中川判決の法理と問題点-ホテル・オークラ事件・動労甲府事件」討論 籾井・角田・雪入・山本「企業内組合活動の自由と東京地裁労働部中川判決批判」『労働法律旬報』888号〔1975〕
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