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2012/07/22

入手資料整理76

9713全逓横浜中央郵便局事件・東京高裁〔差戻審〕判決昭47・10・20 『労働判例』822号
 公企体職員の争議を可罰的違法性なしとしながら、ピッティングは相当限度を越えた違法があるとして威力業務妨害罪の成立を認めた例
 
9714東洋ガラス解雇事件 横浜地裁川崎支部決定昭43・2・27 『労働関係民事裁判例集』19巻1号161頁
休憩時間中に従業員及び下請け従業員に署名を依頼したことが就業規則所定の解雇理由である「やむを得ない会社の都合によるとき」に当たるとした解雇が、権利濫用として無効とされた例(具体的危険説であるが署名活動禁止の明文の就業規則がなかったことが会社側に不利な判断となっている)

問題とされた行為とは(1)、自己の休憩時間中、同僚のYに対しに交通料金値上げ及び国鉄による米軍ジェット燃料輸送反対の署名を依頼し、署名用紙を同人のポケットに差し入れたが、その際Yは検品作業中だったなど。(2)と(3)は略。

「被申請会社は、危険防止上、ビラ配付、署名活動等の行為は、工場内では時と所を問わず、これを行わないことが不文の職場規律とされていた、旨主張するが、使用者は元来労働者に休憩時間を自由に利用させなければならない(労働基準法第三四条)ものであるから、職場規律保持上これに制限を加えるのはやむを得ないとしても必要の限度内にとどめるべきは当然であり‥‥‥‥仮りに休憩時間中におる従業員の行動に職場規律違反があったとしても、右休憩時間自由利用の原則を尊重し、実害の有無等諸般の事情を適正に評価して対処すべきものである‥‥‥‥前記のような性質の文書の署名活動を休憩時間中にもしてはならない旨の不文の規律が職場に確立されていたと認められる疎明はなく、文書の性質いかんを問わず署名活動を許さない職場規律があったとすれば、休憩時間自由利用の原則からみてもその当否は甚だ疑わしい‥‥‥‥してみると申請人が自己の休憩時間中に、休憩中の他の従業員に対して、署名を求めた‥‥行為はなんら咎むべきものではない‥‥‥‥(1)の行為については、申請人が作業中の吉田に対して行ったものであるから、職場規律違反といえようが、申請人は、単にYに声をかけ、署名用紙をポケットに差し入れたにすぎず、そのことによってYの業務が妨害され、実害が生じたとは認め難いから、比較的警備な違反行為というべきである。‥‥‥‥単にこの一時をもって解雇するのは‥‥‥‥苛酷な処置といわなければならず、到底これに被申請者主張の「やむを得ない会社の都合」があるとはみられない」

9715間谷製作所解雇事件 東京地裁決定昭42・7・28 『労働関係民事裁判例集』18巻4号 846頁 (政治活動を理由とする解雇を無効とした。抽象的危険説とされている)

「就業規則五九条、三九条九号に触れる債権者の政治行動を通観すると、債権者は参議院議員選挙の投票日(七月四日)をひかえた五月下旬から六月下旬にかけ、同僚等に対してベトナム戦争反対の署名活動及び日韓会談反対のデモへの参加勧誘をしたほか,日本共産党の政策を宣伝し、また同党候補者野坂参三への投票を依頼したに尽き‥‥‥‥いずれも単独に大げさな形でなく行ったものにすぎずぎないのみでなく、これによって従業員の休憩時間の自由利用を害し、作業能率を低下させ,会社の施設管理を妨げる結果をきたす等、著しい実害があったものではないから、会社職制の注意にかかわらず行ったものである点を考慮しても、なお懲戒処分として解雇をもって臨むのはあまりにも酷にすぎる」

9716三菱電機静岡製作所事件・静岡地裁判決昭51・10・28『労働法律旬報』921 1977(休憩時間中に人目につかない更衣室内で行われた健康保険改悪反対・国鉄運賃値上げ反対等の請願書への署名活動に対する譴責処分を無効とした例)

「一般に報道・宣伝・募金・署名運動等は、不特定多数の従業員を対象として行われることが予想され、就業時間中であると休憩時間中であるとを問わず、これらの行動が会社の管理する企業施設によって行われるときは、その管理を妨げる虞れがあり、就業時間中に行われるときはその労働者のみならず他の労働者の労働義務の履行を妨げ、ひいては作業能率を低下させる虞れがあり、更に、これらの行動が特定の主義・主張・信条・宗教等にもとづいて無制限に行われるとすれば、従業員間で不必要な緊張や反目を生じさせる虞れがあり、ときには、これが原因で、従業員間の融和の崩壊や勤労意欲の減退を招き、ひいては会社内における秩序維持や生産性の向上にまで支障をきたす虞れがある。従って、このような事態を避けるためにも、被告は、自己の有する施設管理権及び構内秩序維持権に基き、会社構内における署名活動等の規模・態様・場所・時間・期間等を事前にチェックする権利を留保する必要があるのであり‥‥‥‥許可制という形で会社の判断権を留保するに留めることは社会通念上も許容される」
 ここまでは良いと思うが、結論として譴責処分は懲戒権の濫用で無効とした。特徴的なことは、会社が休憩時間中に同じ資本系列の保険会社外交員による保険勧誘を許可し迷惑と思っている従業員もいる、また企業ぐるみ選挙運動もやっているのに、ことさら本件の署名活動を譴責処分というのは相当性を欠くという理由が付け加えられていることである。職場秩序維持という観点から、一方で署名・募金活動を許可制としながら保険勧誘などを容認したりしていると、無許可署名活動等を理由とする処分がやりにくくなるという点でも問題があることを示唆しているといえるだろう。
 「本件署名運動によって、他の労働者の休憩時間の自由利用を妨げたり、作業能率を低下させることはなかったことは勿論、企業内の秩序を乱したり、従業員間に不必要な対立抗争を生じさせたり、融和の崩壊や勤労意欲の減退を招いたりすることは全くなく、本件署名運動自体によって、署名を求められた従業員は勿論のこと、被告自身も、何ら具体的な実害を蒙らなかったことは明らかである。‥‥被告は、従前より、同じ三菱系の生命保険会社である明治生命の外交員が、休憩時間中に、被告会社の従業員に対して、生命保険の勧誘行為をなすことを許可しているのであるが、右外交員が、一度断れても執擁に何回にもわたって勧誘行為を続けることがあり、従業員のなかの一部に、右のような勧誘行為は迷惑だと感じている者もいる事実が認められる。‥‥休憩時間の尊重を説く被告自らが、同じ資本系列の外交員に、休憩時間中に被告会社の従業員に対して保険の勧誘をなすことを許可し‥‥迷惑だと感じている者もいることを考えれば‥‥本件譴責処分をなしている被告の態度には、何か割り切れないものを感じる‥‥本件署名運動が、被告が日頃共産党系の積極的な活動家としてマークしていたUらの影響のもとでなされたものであるため、会社にとって不都合な署名活動であるとして、本件譴責処分をなしたのではないかとの疑問も拭いきれない。‥‥被告は、昭和四九年六月に実施された参議院議員選挙において、選挙運動期間中、他の三菱系各社と協力のうえ、自由民主党の候補者Sを当選させる目的で企業ぐるみで支援し‥‥静岡製作所では、昭和五〇年四月に実施された静岡市議会議員選挙に際し、選挙運動期間中、同選挙に立候補した三菱電機労働組合静岡支部執行委員長Wを当選させる目的で、静岡製作所ぐるみで支援し、‥‥人事担当者は就業時間中に、会社に無許可でW後援会の入会のしおりが配布されているのを知っていたにも拘わらず、関係者になんの処分もしないで放任していたばかりでなく‥‥職制も、自己の部下に対して、右選挙事務所へ応援に行くよう要請した‥‥右のような諸事実を総合すれば、本件譴責処分は、社会通念上、処分の相当性を逸脱しているものというべく、懲戒権の濫用として無効と解すべきである」
 
 9717 竹下英男「休憩時間の署名活動の自由-三菱電機静岡製作所事件を中心に-」『労働法律旬報』921

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