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2012年8月の16件の記事

2012/08/29

岡田与好による「営業の自由」論争と関連して団結禁止体制・その変質について(1)

 1970年代に岡田与好教授(西洋経済史学)は、「営業の自由」は憲法二二条一項の「職業選択の自由」に含まれており人権として保障されているとする法律学の通説を批判し、学際的な「営業の自由」論争が展開された。
 この論争の成果は疑問視されているが、「歴史認識と法解釈との関係をどう把握するかというスケールの大きな論争」「戦後の本格的論争の一つ」とも評価されている。
 結論を先に言えば、政治経済史・法制史の裏打ちの乏しい法律学の通説への異議について、大筋において歴史認識においても岡田与好の主張が正しいと考える。というより、私は市民革命期から18~19世紀前半までが国によって違いがあるにせよ、初期独占が廃棄され、ギルド的独占が廃棄され、団結禁止による営業の自由の確立期といえるが、それは近代市民社会の成立、近代的個人主義的自由の確立、産業資本主義社会への移行と軌を一とするもので、19世紀後半以降の団体主義(コレクティビズム collectivism)の浸透により、本来の営業の自由が否定されるあり方に市民社会が変質したとはいえ、なお、その意義を失うものではないという観点で、岡田学説の意味を検討してみたいと考えるものである。
 

 岡田教授説の鷹巣信孝による要約【註1】

①「本来の営業の自由」は「国家からの自由」ではなく、私人間における営業独占や営業制限からの自由であって、このような自由が確保されることが「公序」であり、「公共の福祉」である。
②「営業制限の法理」よりも「契約自由の法理」が優遇され、株式会社の設立や団結が解禁されるに至って「本来の営業の自由」が「営業の自由一般」・「私的経済活動の自由一般」へと転化し、現代的独占が発生する。
③資本の集中・集積による現代的独占を規制して、自由競争の維持・促進を図る独占禁止法は、「本来の営業の自由」の原理に立脚した、独占資本主義段階における自由主義的反独占法である。それは「営業の自由」の原則の現代的具体化であって、「営業の自由」の対立物ではない。

 岡田教授説の矢島基美による要約【註2】(引用は何れも岡田与好「『営業の自由』と、『独占』および『団結』」東京大学社会科学研究所編『基本的人権5』東京大学出版会1969。『独占と営業の自由-ひとつの論争的研究-』木鐸社1975所収)

「『営業の自由』は、歴史的には、国家による営業・産業規制からの自由であるだけでなく、何よりも、営業の『独占』monopolies『制限』restraints of tradeからの自由であり、かかるものとして、それは誤解をおそれずにいえば、人権として追求されたものではなく、いわゆる公序public policyとして追求されたものであった」と説く‥‥要するに①「営業の自由」は、「社会関係の独自に資本制的な規制原理であっ」て、「私的独占や営業=取引の制限からの自由として把握すべき」である、それゆえ、②それは、「個人の性格や能力に適した職業を追求する自由」なる人権として「社会の全成員に平等に保障されうる」ところの「職業選択の自由」とは明らかに異なる。同時にまた③「公共の福祉」は「営業の自由」の制約原理ではなく、「経済的自由主義の本来の精神」からすれば「営業の自由」の保障こそが公共の福祉すなわち社会全体の利益である」

 私が岡田教授支持というのは、憲法が本来統治構造と国家権力の制限を規定するものだとすれば、「人権」というものも私人間効力が適用されないから「営業の自由」を「人権」として把握すべきではないという見方は大筋で正しいと考えるからである。この論争が成果をあげてないのは自由とか人権とか権利というものをどう概念規定するかで噛み合わない議論になっているためだ。国家からの自由と私法上の権利、私権とでは自由の意味が異なるからである。

 つまり岡田教授の言う、本来の「営業の自由」というものは「国家からの自由」に矮小化されるものでは全然ないというのが、正しい認識である。
 「本来の営業の自由」とは取引制限的結合を原則として違法とするものであり、売り手であれ、買い手であれ取引を制限する団結を禁止する体制であり、その理念型に近いあり方としては、イギリスでは小ピット政権による1799-1800年一般的団結禁止法の体制である。これは労働者だけでなく雇主の団結も禁止している。理念型そのものといえるのがフランスの1791年の団結禁止法であるル・シャプリエ法(恒常的な団体の結成はもちろん、集団的な協議、集団的な請願、寄り合いまで「営業の自由」「労働の自由」を犯す虞があるものとして禁止された)1810年のナポレオン刑法典(結社を厳格に制限、労使双方が密かに協議談合し価格に何らかの影響を及ぼそうとする行為、労働者の団結、雇主の賃下げのための団結も刑罰に処するものである)の体制である。【註3】私人間の取引制限を公権力的に排除することが本来の営業の自由なのだ。
 岡田教授は団結禁止について事業者の場合も、この用語を用い、その意義を次のように言う。
「事業者のカルテル的結合と、労働者の労働組合的結合とは、取引の制限=競争の制限を目的とする点において性格を同じくし‥‥(団結禁止は)取引の自由=競争の自由の促進を目的としている‥‥事業者のカルテル的結合が‥‥事業者相互間の競争の除去と、営業機会の排他的独占を目的とするものであることは明らかである。それ故、団結禁止法は、労働者に対しては、労働機会の組合的独占の否認=労働機会の一般的開放によって、労働者相互間の自由な競争を強制する機能を担うのと同様、事業者に対しては、営業機会の一般的開放によって、事業者相互の自由な競争を強制する」。【註4】
 人類は、どの時代においても、生活を営むために「取引」と言う名の競争を強いられてきたが、この競争は地球上の乏しい資源をいかに効果的に配分するかという難問を解決するための優れた手段である。【註5】
 従って「自由な競争の強制」は否定的なニュアンスで理解する必要はない。団結は取引を制限し競争を排除する共謀であり、それゆえコモン・ローでは共謀罪とされてきた。「各人が自己の最善の利益のために自己自身の裁量にしたがって自己の営業を遂行する権能を有する」(1871年イギリスのヒルトン対エッカースレイ事件判決)。【註6】
 つまり各人は他者の共謀によって制限されることのない営業=取引の自由を有し、自己自身の意思と裁量で契約し、自らの財産(労働力も商品となるので財産とみなす)を自由に処分することできる、勤勉な労働者が仲間労働者の多数より圧迫されることなく、取引制限をたくらむいかなる共謀からも解放されている個人の自由の制度保障が団結禁止である。
 言い換えれば、個人の自由な営業=取引に抑圧的な公的・私的結合ないし共謀(特許独占・同職組合・事業主のカルテル的結合・労働組合)を否認する体制が、本来の「営業の自由」ということである。
 もし、「営業の自由」が憲法学の通説のように国家からの自由にすぎないとするならば、カルテルの自由、取引制限的結合の自由ということになり、それは明らかに「営業の自由」の否定なのである。
つづく

【註1】鷹巣信孝「職業選択の自由・営業の自由・財産権の自由・連関性(四・完)『佐賀大学経済論集 』32(5)2000http://ci.nii.ac.jp/naid/110000451612〔*ネット公開〕
【註2】矢島基美「「営業の自由」についての覚書」『上智法学論集』38巻3号1995〔*ネット公開〕http://repository.cc.sophia.ac.jp/dspace/handle/123456789/33052 
【註3】 大森弘喜 書評「水町勇一郎『労働社会の変容と再生―フランス労働法制の歴史と理論―』『成城・経済研究』173 2006〔*ネット公開〕
【註4】岡田与好「市民革命と「経済民主化」-経済的自由の史的展開」岡田与好編『近代革命の研究 上』東京大学出版会1973所収
【註5】谷原 修身「コモン・ローにおける反独占思想-4-」『東洋法学』38巻2号1995
【註6】岡田与好前掲論文

入手資料整理81

1-100岡田与好編『近代革命の研究 上』東京大学出版会1973 岡田与好「市民革命と「経済民主化」」-経済的自由の史的展開-」
1-101岡田与好『独占と営業の自由』木鐸社1975
1-102岡田与好『経済的自由主義-資本主義と自由』東京大学出版会1987
-1-102東京大学社会科学研究所編『基本的人権2歴史1』東京大学出版会1968堀部政男「イギリス革命と人権-「営業の自由」の成立過程-」
9737樋口陽一「憲法にとっての経済秩序-規範形式と規範内容からみて-」『企業と法構造』6巻4号 2010 〔*ネット公開〕
9738楠井敏朗 「国家と市民社会-岡田与好編『現代国家の歴史的源流』をめぐる一考察」『横浜経営研究』4巻1号1983〔*ネット公開〕
9739鷹巣信孝「職業選択の自由・営業の自由・財産権の自由・連関性(一)(二)(三)(四完)」『佐賀大学経済論集 』32巻2・3・4・5号1999 2000〔*ネット公開〕
9740矢島基美「「営業の自由」についての覚書」『上智法学論集』38巻3号1995〔*ネット公開〕http://repository.cc.sophia.ac.jp/dspace/handle/123456789/33052

2012/08/25

ヘンリー王子の裸写真公開の感想

  米芸能情報サイトTMZがラスベガスのホテルでヘンリー王子(27)がバーでナンパした女密着する全裸姿の写真2枚を公開し、王室も王子本人であることを否定していないというニュースは23日発売の日刊ゲンダイで読んだ。ただ英国の各紙は倫理規定と王室の弁護士の警告により写真公開を自粛していたが、大衆紙サンが公開に踏み切った。この写真はピンぼけしているし、相手のブロンドで小柄な女性の顔も見えないのが残念だが、世界ですでに数百万が見ている写真だから、見なきゃしょうがない。http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/news/sun_says/4502239/Prince-Harry-Vegas-Pictures-The-Sun-publishes-photos-of-naked-Prince.html自分はこういう経験(素人女性を連れ込むという)は皆無であるのでうらやましく思った。後ろハグは笑えるが、サンの電子版は、はじめ載せていたにカットしているので別のサイト、ジャレドを見てくださいhttp://www.justjared.com/2012/08/21/prince-harry-nude-photos-from-las-vegas-party-weekend/。ユーチューブのTMZの動画は
http://www.youtube.com/watch?v=U-vPB-z_7nc&list=FLK7IIV6Q2junGSdYK3BmZMg&index=1&feature=plcp 。

私はケイト妃が嫌いだ。それは結婚式で女性差別的な説教をさせなかったことだが、それに比較すれば、たんにお遊びというだげで悪い印象はもたない。

2012/08/23

本日の尖閣購入啓発ポスターに関する「管理職対応」問題意見交換

 昨日8/22日にポスタ-は管理職によって、レジ近くの掲示板に移された。場所はよいとしても、本日は来客から質問があった場合の対応について管理職、課長補佐と意見交換した。
 「目に止まる場所に貼ったので質問される可能性があるので、その対応の仕方について、意見交換した。私としては組合がこのポスターについての質問を受ける業務を拒否しても、私は、尖閣購入に反対でないし、非組合員で組合の統制を受ける立場でないから、質問があれば、都のホームページにある程度のこと、たとえば、知事本局尖閣諸島寄附担当に電話すれば専用の振り込み用紙を送ってくれるので、ここに電話してみたらどうでしょうかとか、その程度の応対はやると言ったら、その範囲ならかまわない、管理職は、私に振っても同じことだ。それ以上の説明はできないとのことだった
 「管理職対応」というのは労組が、三六協定破棄超過勤務拒否闘争や、昼当番拒否闘争で、仕事を管理職におしつけ、やらせる時に使う言葉なのである。つまり実質、争議行為を意味するものである。管理職は雑務をやる立場では本来ないはず、したがって正常な業務の運営とはいえないのではないかとも意見を述べたが、この問題を追及しても経常業務の拒否ではないからあまり意味がないと判断し、きわめて曖昧だが、この問題にあまりエネルギーをさく時間と余裕がないので収拾を図ることとした。
 なお課長補佐から係内回覧では、所長対応が原則だが、必要に応じて、ホームページに記載されている寄附の方法について説明してよいという趣旨の文書が本日回された。
  

2012/08/21

本日の上司と尖閣購入啓発ポスターの貼り位置問題等に関する意見交換

 先週一週間所長不在のため、延び延びになっていたこの問題だが、日曜日に自宅のプリンターを壊してしまったので、意見を印刷できず、急遽昨日4000円のプリンターを購入し、本日下記の意見書(提出物そのものでなく若干誤字等を修正)を提出した。
 
 所長は、支所から指示されているのは、ポスターを貼ること。組合に通知すること。ポスターについては管理職対応ということだと言っていた。
 「管理職対応」というのは、三六協定拒否闘争などで、組合が管理職に仕事を押し付ける際に使われる言葉で、経常業務なら争議行為、若しくは正常な業務運営とはいえない性質のものである。本件は水道の本来業務ではないので争議行為とはいえないとするとしても問題がある。
 意図的に目立たない場所に貼ったのか、もしくは組合と折衝したうえで貼る位置を決めたのかについて、真偽不明だが、意図的ではなく、たまたまその場所に古い(昨年の交通安全日のカレンダーと思える)ポスターがあったので、不要のものを取って、そこに貼ったといういいわけをしていた。
 あなたのいう姑息な貼り方というのは誤解だなどと言っていた。
 本日、課長補佐が休みで、明日補佐と相談して、月曜日に補佐も貼り替えたいと言っているので、別の場所に移動したいと言っていた。
 ポスターの質問についての対応について伝達がないことについては、係員への伝達は係長にまかせてあることだから係長(課長補佐)からきいてくれと言っていた。
 この点は明日、確認しておく必要がある。
 
 
 
 
 平成24年8月21日

 上司へ

 
  ○○営業所内の尖閣購入啓発購入ポスターの掲出場所の移動もしくは撤去を求める意見具申

(要旨)

1 尖閣ポスターが男子トイレ前に貼付されているが、暗くてポスターとして意味をなさないだけでなく、尖閣防衛に関心のある都民に不快な心証を与えるおそれがあるのでエントランスホール等目立つ場所への移動、もしくは撤去のいずれかを求める。
 水道局が知事部局の政策に協力するという方針なら、きちんと要請どおり目の止まる場所にポスターを貼るべきだし、当局がこのポスターが庁舎の目的外利用であり意見広告として問題があるという認識ならきっぱりポスター掲出を拒否し、返還すべきである。
 現状のように、掲出しているが暗がりでトイレを使う来客しか通過しない目立たない場所でお茶を濁すアリバイづくりのような姑息な貼り方は、組合のメンツを立てるため施設管理権を掣肘されている悪しき前例となり、非常によくないので上記のどちらかの対応を求めるものである。

2 ポスターが貼ってあるのに、寄附をしたいなどの質問があったときの対応について、たんにポスターにある問い合わせ先に尋ねてくださいでよいのか、具体的に説明すべきか、何の指示もない。特に私は窓口対応を担当しており、全水道東水労とは違って対応拒否はしないし、できるだけ親切に対応したいと思うが、ポスター対応の要領について適切な指示を出すべきだ。

3 本件の意見具申について、労働条件は組合との集団取引で決定するから、職員個人には苦情も意見具申の権利もないし、地方公務員法55条11項の「職員は、職員団体に属していないという理由で、第一項に規定する事項に関し、不満を表明し、又は意見を申し出る自由を否定されてはならない」も適用されない、虫けら同然のぺいぺいの平だから相手にしないと言うかもしれないが、なにもスピークアップできない風通しの悪い企業風土こそ問われるべきである。
 この意見具申は、たぶん公式の苦情処理制度でも、局の公式の職員提案制度でも範疇から外れており許されないものとされるだろうから、たぶん100%無視されると思うが、それでも、総務部長・支所長に適切な命令を発出するよう意見具申する。それも無視されれば水道局長、最終的には今回、尖閣諸島洋上慰霊祭に参加した都議もしくは、その他の都議に当局の不明朗な態度に対して苦情を述べることを検討したいと考える。

(本文)

 東京都水道局○○営業所では、8月初旬(正確には把握してない)より尖閣購入啓発ポスターが男子トイレ(職員来客兼用)の向かい側の廊下の壁面にセロテープで貼付されているが、ここは通常、環境計画による温室効果ガス削減のため一日中照明が消されている場所で、暗がりであり、辛うじてポスターより目測で4~5m先に非常口誘導灯があるため、三つの島と海の写真により、関心のある人なら尖閣ポスターの存在がわかる程度である。キャッチコピーは目立たないし、下部にある寄付金口座や問い合わせ先は目をこらさないかぎりよく読めない。これではポスターとしての意味をなさない。

 このポスターは知事部局より、都民のよく目の止まる場所に掲出するよう要請されているはずである。このように目立たない場所にあえて掲出しているのは信義に反すると同時に、尖閣防衛に関心のある来客、もしくは尖閣購入計画を支持している来客がこれを目にしたとき、なぜこのような場所に貼ってあるのか不審に思うだけでなく、尖閣防衛をないがしろにしていると不快感をあたえかねないので、より目に止まりやすく比較的明るいエントランスホール(レジ・カウンター前の来客が通過、滞留する空間)の壁面、掲示板もしくは柱に開いている場所があるので移動すべきである。
 このように、目立たない場所に掲出している理由は全水道東水労がポスターに非協力の方針であることと関連していると私は考えている。8月13日に所長不在だったので、課長補佐に組合とのすりあわせ(事前折衝)でこの場所に決めたのか聴いたところ、そうではなく適当な場所がないからということだった。しかし、エントランスホールには後述するとおり貼れる場所が5カ所くらいあり不可解で納得できない。
 組合掲示板に貼られている「東水労ニュース」7月30日付によれば、東水労は尖閣ポスターに非協力の方針が記載されており、組合はポスターに協力せず、掲示も管理職が行い、都民からの苦情対応は管理職が対応するよう確認を願いますと記載されていた。
 組合が非協力でポスターについて質問に対応しないこととから、来客から質問があった場合、組合員が対応拒否すると失礼にあたるので、あえて目立たない場所に貼ったのか、もしくは、組合が反戦で都の尖閣購入計画についても反対の立場にある(全労協-社民党系組合であり、これまで辺野古移設反対、空母ジョージ・ワシントン入港反対、オスプレイ配備反対等集会の動員を行っている)ことから、目立ないころに貼って組合のメンツを重んじる同時に、一応、目だたなくても掲出していることにより形だけ石原都政に協力することとしたものと推測するものである。それが、営業所長個人の判断か、水道局管理職の組織的な対応なのかは不明だが、水道局長が石原都政のこの重要政策に協力する意思であるなら、このような姑息なポスターの貼り方をすべきではない。
 また、組合はポスターを貼付すること自体は認めているのだから、あえて目立たない場所に掲出することは、当局が施設管理権(庁舎管理権)を組合に掣肘されているとの心証を持つだけでなく、悪い前例になるので、その意味でも移動すべきである。

 もっとも、私は、水道局当局が、尖閣購入啓発ポスターの庁舎内の掲出を拒否してもそれ自体反対しないし、きっぱり知事部局に掲出拒否するのも一つの選択であったと考える。
 つまり地方自治法238条の4の7「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる。」とされており、水道局の庁舎は、水道事業の用途・目的のみに利用されることが原則であり、目的外利用を許容するか否かは庁舎管理者の判断によるものと考えるが、尖閣購入計画は都の重要政策であっても水道事業と無関係であり、目的外利用にあたるとして拒否することはできるし、その判断があってもよいと思う。
 とはいえ、エントランスホールには東京都の広報誌や都職員の募集要項等のパンフレットが置かれ、逆に水道局の広報誌等も知事部局その他で広範に置いてもらっていることから、このケースだけ別異とする理由はないとも見解もありうるが、このポスターは意見広告であり、あまり前例のないものである。都民のなかには反戦の立場などで、あるいは石原知事のタカ派的言動、対外姿勢に反対する人々もおられるだろう、あるいは日中友好、中国ビジネス重視の観点から好ましくないとされる方もおられるだろう。顧客第一主義、あらゆる顧客を区別することなくサービスするのが企業の基本方針であることから、あまり政治的な広告は好ましくないという判断もあってよいのである。それが口実で、仮に本音は別(目立つ場所に貼ると組合を抑える自信がない)にあるとしても、特殊なポスターであり、目的外利用にあたるので拒否してもよいと思う。
 
 なお水道局における施設管理権の重要な問題として、一般に正当な組合活動と評価されることのない組合活動を広範に黙認している問題、つまり、普通の企業にら目的外利用として不許可とし警告、中止命令を発すべき、労働組合の企業秩序を乱す、他の職員の注意力を散漫にして職務専念義務を妨げるおそれのある、もしくは能率低下のおそれのある、もしくは地公労法11条1項にあたる違法行為を慫慂する目的の演説、集会、示威運動を広範に黙認していることにあるが、この問題については、別途、こちらのほうがメインであるが、水道局長に建言書を提出する予定であり、庁舎の目的外利用については今後、厳格に対応するという含みで、尖閣ポスターの問題は、ポスターの貼り位置という小さな問題であるから、上記の趣旨で撤去するということなら私は賛成することにやぶさかではないのである。目的外利用を安易に認めない先例になるという意味でそれもひとつの判断として尊重する。

 ポスターのエントランスホール等目立つ場所への移動、もしくは撤去のいずれかを求める。つまり、水道局が知事部局の政策に協力するという方針なら、きちんと要請どおり目の止まる場所にポスターを貼るべきだし、当局が目的外利用として問題があるというならきっぱりポスター掲出を拒否しポスターを返還すべきである。
 現行のように、掲出しているが暗がりでトイレを使う来客しか通過しない目立たない場所でお茶を濁すアリバイづくりのような姑息な貼り方は、組合のメンツを立てるため施設管理権を掣肘されている悪しき前例となり、非常によくないので上記のどちらかの対応を求めるものである。

     以上 本文で各論の補足は以下のとおりである。

   ポスター掲出場所が適切でない理由

1 暗くて非常に見にくい場所であり、トイレに行く来客(中略)しか通過しない

 照明である本来の蛍光灯は環境計画による温室効果ガス節電のため一日中消されているが、4~5メートル先に非常口誘導灯があるので、関心のあるひとなら、その光でかろうじて三つの特徴のある形の島と海が見えるので尖閣ポスターとわかるだろうが、暗がりなので「日本の島を日本の領土だと言う勇気がいま、問われています」というキャッチコピーも読みにくく、特に寄付金口座や問い合わせ先等が記載されている下部は暗くて目をこらして見ないかぎりよくわからない。これではポスターとして意味をなさないという問題がある。
 またこの場所は基本的にはトイレに行く来客しか通過しない。(中略)それは来客の少数にとどまるのであり、よく目に止まる位置とはいえず、不適切である。
 (中略)

 2 周囲にあるのは職員向けのポスター等で、ここは来客向けのポスターを貼る場所ではない


 蛍光灯を常時消すようになったのは東日本大震災直後の計画停電実施時期からと記憶しているが、それまで明るかったので、その附近に、交通安全日10日、二輪・自転車安全18日日等の垂れ幕、労災防止の標語、建設労災協会の熱中症予防のポスターが貼ってあるが、これらは、職員向けの安全指導のためのものであり、もともとこの廊下は、来客はトイレに行く以外立ち入らない場所なので、来客向けの広報の場所ではないのである。

 3 目に止まりやすく比較的は明るいエントランスホールにはポスターを貼れる場所が何カ所もある。(別紙見取り図参照-略)

第一候補 レジ近くの掲示板

 局の広報がいくつか貼ってあるが開いているスペースがある。レジの前なので目に止まりやすい。

第二候補 エントランスホール中央の柱
 
 来客にとって目の止まる場所はエントランスホールの来客が滞留する空間(レジ・カウンター前)であり、よく目立つエントランスホール中央の柱は正面は窓口案内があるが、あとの3面にはポスターが貼れる。このうち二面に東京水を宣伝するの5年前と6年前と記憶している女性のモデルを使ったポスターが貼られている。私は前の職場で庶務担当だったので私自身がポスターを掲出したのでよく知っているが、これは毎年モデルを変えて更新されるのであり、貼り替えることになっているのに、この営業所では何年も前のものが貼られている。少なくとも最初に女性モデルを使った6年前のポスターは、直結切替見積もりサービスや学校フレッシュ水道診断の宣伝のない古いものなので、はずしてもよいはずである。

   古いポスターの移動、はりかえで別紙Aの位置に貼るのが第二候補、Bの位置は完全に開いており、ここでも現状より明るく目立つのでましである。私としては、別紙Cの位置にある6年前のポスターをはずし、Aの位置にある5年前の直結切替見積もりサービスや学校フレッシュ水道診断の宣伝のあるポスターに貼り替え、尖閣ポスターはAの位置に貼るのが良いと思う。
   
第三候補 階段の向かい側の壁面

 安全標語や、直結切替見積もりサービスの宣伝、貯水量グラフが雑然と貼られているが整理するとスペースができる。先に述べた6年前の女性のポスターは古いので外して良いと思う。ここは玄関を入って正面でないが斜め左の位置で見やすいから候補ら挙げた。
各水系の貯水量折れ線グラフが貼られているが、今年の貯水量の折れ線グラフが記入されてないのでダムの貯水量が全くわからず、ポスターとして全く意味をなしてない。私は前の職場ではこの折れ線グラフを担当者が忘れるので代役として記入していたのであるが、この営業所ではやってない。全く意味をなさないポスターが貼られているのに、もっともホットな尖閣ポスターが暗がりに追いやられているのは意図的な心証を与えている。

 以上のほかにも場所はあるかもしれない。目の止まりやすいポスター掲示場所があるのに、あえて、暗くて目立たない男子便所前に貼る理由はない。水道局長が知事部局の要請に応える方針なら信義に反すると思う。

 4 意図的に目立たない場所に貼ってあるとの心証をもたれ、尖閣防衛に関心のある来客に不快な心証を与えるおそれがある。

 このポスターのキャッチコピーはよく出来ているし、目立つ場所なら関心のある人は立ち止まって見るだろう。都の尖閣購入計画は大きく報道されているし、それさえ知らない人でも尖閣の事件は大抵の人は知っていると思う。7月17日に都の施設等で6000枚が貼りだされることは新聞やテレビで報道されており(別紙参照-略)、尖閣防衛に関心のある来客がこのポスターに気づいた場合、来客の心証を害する可能性が高いように思う。つまり意図的に暗くて目立たない場所に貼り出しているように見えるので、東京都の尖閣購入計画を支持している都民を愚弄するような心証を与えかねないと考える。とくに寄付金口座や問い合わせ先が暗くてよく読みにくいことは、不可解に思えるのではないか。見えない場所でも一応掲出しているアリバイづくりのような、いかにも小役人の保身根性丸出しのような姿勢が透けてみえる。見る人の視点に立っていないポスターの貼り方である。これは水道局の信用にかかわるので、掲出場所を移すべきである。
 
5 施設管理権を組合に掣肘されている心証が強い

 なぜ、この場所に掲出されているか所長・課長補佐から説明もないし、またポスターに関する質問の対応についてもどうするか周知されてないので不可解である。
 寄付したいがどうすればよいかと聴かれた場合、ただ、ポスターに書いたある電話番号におたずねくださいという回答でよいのか、もっと具体的な説明をすべきか、みてくださいといっても暗くてよくわからないから苦情を受ける可能性がある。そうしたことは何も指示されてない。
、廊下の組合掲示板で「東水労ニュース」7月30日付を読んだ。東水労は尖閣ポスターに非協力の方針が記載されており、組合はポスターに協力せず、掲示も管理職が行い、都民からの苦情対応は管理職が対応するよう確認を願いますと書かれていた。またエントランスで所長と分会書記長がなにごとか立ち話をしているのを見ているので、組合との折衝でこのような位置に貼ったものと推測している。
 ただし、8月13日に課長補佐に聴いたところ、組合とのすりあわせによるものではないとのことだった。それ以上のことは尋ねてもうんとはいわないだろうが、組合が非協力であることが、このような位置に貼る要因と私は考えている。
 ポスターをこういう位置に貼るのは施設管理権(庁舎管理権)を組合に掣肘されている心証が強く、悪い前例を残すことになるから、そのような意味でも移すべきである。

 私は、前回の知事選で東国原氏に投票しており、性コミック規制も反対なので石原都知事を好んでいないが、尖閣防衛には関心があり、ペイペイの平なので寄附金こそ出してないが、我が国固有の領土である歴史的経過をある程度知っている。反戦イデオロギーに染まった全労協系(社民党系)の全水道東水労と違って石原都知事の重要政策である尖閣購入計画に反対する理由もない。
 国が地権者に20億円を提示したという報道があり、まだ14億程度しか集まっておらず、寄付金を増やしたい都の事情もわかっている。したがって組合の方針に反対であり、組合の統制を受けない非組合員なので、私は窓口対応業務が担当となっており窓口に近い座席にいるから窓口でポスターの質問があれば、その組合のように仕事を拒否するようなことはしないことを上申しておく。仮定として外国人顧客から苦情があったとしても親切に対応し、日本人であれ外国人であれ、お客様を区別することはないし、どんな苦情であれ丁寧に対応してきたしそれに変わらない。
 都営地下鉄などでは7月17日から尖閣ポスターを貼っているが、外国人や反戦市民の苦情があったなどと言う情報はなく、都の施設である以上、組合が想定するほど苦情はないと思うし、蛍光灯を消してある暗がりにポスターがあるので逆に寄附金の問い合わせ先が見えにくいから、尖閣防衛をなんとこころえているのかとの苦情のおそれのほうが大きいのである。 
 組合はポスター対応が水道事業ではない業務を増やすと反対しているのか、そもそも反戦なので反対なのかはっきりしないが、水道事業とは直接関係ない来客との折衝も当然やっているし苦にしない。水道事業と無関係だが、水道局長が知事部局の重点政策に協力する方針であるなら、その職務も行うべきだと考える。
 つまり本来業務でない雑務もやるのも当然ことと心得ている。本来業務でない窓口対応はしばしばあるのである。組合のお客さん、労金とか社民党のお客さんがきても本来業務でないが、組合役員に取り次いでいる。そのほか弁当だの保険の勧誘をしたいだの商品の売り込みにきた場合も本来業務でないが応対している。この前は年寄りが警察署に用事があるというので、わざわざ道路まで出てこの信号を左に曲がって云々と親切に説明した。本来業務でなくても間違って道を教えると局の信用にかかわるからである。ポスターの質問についても同じことである。組合は掲示自体を反対するということではないのだから、知事部局の要請どおり目にとまりやすい場所に貼るべきだろう。

2012/08/19

入手資料整理80

9732 手塚壽郎「グルネーの経済思想(一)~(六)」『国民経済雑誌』42巻1号、2号、5号、6号、43巻1号、2号1927〔*ネット公開論文〕
9733津田匠「グルネーの生涯の不明な部分、そして辞表」『一橋大学社会科学古典資料センター年報』5 1985〔*ネット公開論文〕
9734 米田昇平「18世紀中葉におけるフランス経済学一動向 : グルネーとフォルボネを中心として」『経済学研究年報』22 1983〔*ネット公開論文〕
9735 大森弘喜 書評「水町勇一郎『労働社会の変容と再生―フランス労働法制の歴史と理論―』『成城・経済研究』173 2006〔*ネット公開〕
9736 米田昇平「グルネとフォルボネの自由と保護の経済学(上)(下)」『下関市立大学論集』44(2) 2000, 44(3) 2001

2012/08/16

大阪市労使関係適正化条例における組合活動に関する便宜供与の禁止の感想

 オリンピック報道で隠れていたが、7月27日に大阪市議会で職員が政治団体の機関紙を発行・配布することなど10項目を禁止した政治活動規制条例と、労使交渉の内容公表や便宜供与の廃止などを規定した労使関係の適正化条例などが可決成立した。http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120727/lcl12072721240008-n1.htm
 大阪市では関市長時代から労使関係の顕著な改革がなされており、平成17年(2005)9月に「ながら条例」改正による勤務時間内組合活動を規制する条例が改正されたこと。同時期に「庁舎使用にかかる組合支部に対する便宜供与の考え方」が発せられ「必要最小限のスペースに限ること」とされた。また同年12月に「市政改革マニフェスト」が提出され、マネジメント改革、コンプライアンス改革、ガバナンス改革があり、ガバナンス改革のなかに健全な労使関係の構築が挙げられており、時間内組合活動の適正化、交渉協議事項の整理、便宜供与の見直しなどが推進された。
 平松市長時代の平成20年(2008)3月28日に突如チェック・オフ廃止条例が提案され即日可決している。
 今回の労使関係適正化条例は、チェックオフ廃止条例に匹敵するインパクトの強いものと考える。
 
 大阪市労使関係に関する条例案
 PDFhttp://www7b.biglobe.ne.jp/~hotline-osaka/rousikannkeizyourei.pdf
(目的)
第1 条この条例は、労働組合等と本市の当局との交渉の対象となる事項の範囲、交渉内容
の公表等に関する事項等を定めることにより、適正かつ健全な労使関係の確保を図り、もって市政に対する市民の信頼を確保することを目的とする。
(定義)
第2 条この条例において「労働組合等」とは、地方公務員法(昭和25 年法律第261 号。以
下「法」という。)第52 条第1 項に規定する職員団体(以下「職員団体」という。)及び地方
公営企業等の労働関係に関する法律(昭和27 年法律第289 号。以下「地公労法」という。)
第5 条第2 項(地公労法附則第5 項において準用する場合を含む。)に規定する労働組合(以下「労働組合」という。)並びにこれらの連合体であって、本市の職員(法第3 条第2 項に規定する一般職に属する職員をいう。以下同じ。)をその構成員に含むものをいう。
(交渉事項)
第3条 労働組合等との交渉の対象となる事項は、次に掲げる事項とする。
(1) 給料その他の給与、勤務時間、休憩、休日及び休暇に関する事項
(2)懲戒処分、分限処分、転任、昇任及び昇格の基準に関する事項
(3)労働に関する安全、衛生及び災害補償に関する事項
(4) 霧員の福利厚生に関する事項
(5)前各号に掲げるもののほか、職員の勤務労働条件に関する事項
(6)交渉の手続その他の労働組合等と本市の当局との間の労使関係に関する事項
(管理運営事項)
第4 条法第55 条寮3 項又は地公労法第7 条ただし書(地公労法附則第5 項において準用する場合を含む。) の規定により労働組合等との交渉の対象とすることができない事項は、次に掲げる事項とする。
(1) 条例の企画、立案及び提案に関する事項
(2) 行政の企画、立案及び執行に関する事項
3)本市の組織に関する事項
(4)本市の職制の御定、改廃等に関する事項
(5)職員の定数及びその配置に関する事項
( 6) 懲戒処分、分限処分、磯員の採用、退職、転任、昇任、昇格その他の具体的な任命権
の行使に関する事項
(7)職務上の命令に関する事項
(8) 勤務成績の評定制度の企画、立案及び実施に関する事項
(9) 管理職員等(法第52 条第3 項ただし書に規定する管理職員等及び地方公営企業法(昭
和27 年法律第292 号)第39 粂第2 項の規定に基づき市長が定率を定める職にある者をいう。)
の範囲の決定に開する事項
(10) 本市又はその機関が当事者である不服申立て及び訴訟に関する事項
(11) 予算の編成に関する事項
(12) 本市の財産の取得、管理若しくは処分又は公の施設の設置、管理若しくは廃止に関する事項
(13) 市税、使用料、手数料等の賦課徴収に関する事項
(14) 前各号に掲げるもののほか、本市の機関がその職務又は権限として行う本市の事務の処理に関する事項であって、法令、条例、規則その他の規程又は本市の議会の議決に基づき専ら本市の機関の判断と責任において処理する事項2 前項各号に掲げる事項( 以下「管理運営事項」という。) については、本市の当局は、労働組合等と意見交換その他交渉に類する行為を行ってはならない。ただし、交渉において必要な範囲内において、決定されている管理運営事項( 転任、昇任、昇格その偽の具体的な任命権の行使に関する事項を除く。)について説明を行うことを妨げない。
(交渉方法)
第5 条交渉に当たっては、議題、時間、場所その他必要な事項をあらかじめ取り決めて行
うものとする。
2 前項の規定により交渉を行う場所について取決めを行うに際しては、効率的かつ効果的に交渉を行うことができる場所を選定するものとする。
(交渉内容の公表等)
第6 条本市の当局は、労働組合等と交渉( 当該交渉の対象となる事項のうち一部の事項に限定して行われる事前協議にあたるものとして市長が定める交渉を除く。次項において同じ。)を行う場合は、原則として2 日前までに、議題、時間及び場所を公表する。
2 交渉は、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む。)に対し公開する。
3 本市の当局は、交渉(前条第1 項の規定により交渉に必要な事項を取り決めるために行う協議等を含む。以下この項において同じ。) を行ったときは、速やかに議事録を作成し、当該交渉に係る労働組合等に当該議事録の内容の確認を求めた上、これを1 年間公表する。
4 任命権者は、職員が法第55 条第8 項の規定により適法な交渉を行う場合又は労働組合法(昭和24 年法律第174 号)第7 条第3 号ただし書の規定により協議若しくは交渉を行う場合において承認した職務に専念する義務の免除の回数及び時間を、毎年公表する。
(懲戒処分等)
第7 条任命権者は、この条例が適正に運用されるように努め、この条例に違反する行為があった場合は、公正かつ厳格に懲戒処分その他の必要な措置をとるものとする。
(適正かつ健全な労使関係の確保)
第8 条任命権者は、適正かつ健全な労使関係の確保に努めなければならない。
2 任命権者は、適正かつ健全な労使関係が確保されているかどうかを検証し、必要かつ適切な措置を講じなければならない。
(違法な組合活動を抑止する措置)
第9 条任命権者は、労働組合等に対し、当該労働組合等の構成員である職員による法第35
条の規定による職務に専念する義務又はこの条例に違反する組合活動(法第55 条の2 第1 項
本文に規定する職員団体の業務及び地公労法第6 条第1 項本文(地公労法附則第5 項におい
て準用する場合を含む。) に規定する組合の業務並びに職員団体及び労働組合の連合体の業務をいう。以下同じ。)を抑止するために必要な措置を講ずるよう求めることができる。
(収支報告書等の提出)
第10 条人事委員会は、法第53 条に定めるところにより登録を受けた職員団体が引き続き当該登録の要件に適合しているかどうかを確認するために必要と認められる限度において、法第8 条第6 項の規定に基づき、職員団体に対して収支報告善その他の必要な書類の提出を求めることができる。
(職員団体の登録の取消し等)
第11 条人事委員会は、法第53 条に定めるところにより登録を受けた職員団体が当該登録の要件に適合していないと認めるときは、同条第6 項の規定により、当該職員団体の登録の効力を停止し、又は当該職員団体の登録を取り消すことができる。
(便宜供与)
第12条労働組合等の組合活動に関する便宜の供与は行わないものとする。
(施行の細目)
第13条この条例の施行に関し必要な事項は、市規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成24 年8 月1 日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に締結されている労働協約( 労働組合法第1 4 条の労働協約をいう。)に基づき本市が行う便宜の供与については、当該労働協約が締結されている間に限り、第12 条の規定は適用しない。

 「第12条労働組合等の組合活動に関する便宜の供与は行わないものとする」というのは無休職免、その他就業時間外であれ組合の会議室などの利用をいっさい認めないという意味らしい。大きな改革だと思う。
 
 理念的には日本エヌ・シー・アール事件東京高裁昭和52年7月14日判決『労働判例』NO.281の組合活動は原則として就業時間外に事業場外においてなすべきことを明確に述べた考え方に近い。

 同判決は「一般に事業場は、当然に使用者の管理に属し、労働者は、自己の労働力を使用者に委ねるために事業場に出入りを許され、就業時間中は使用者の指揮命令に従い労務に服する義務を負うものであり、労働組合は労働者が団結により経済的地位の向上を図ることを目的として自主的に結成加入した団体であって、使用者から独立した別個の存在である。従って、労働者の労働組合活動は原則として就業時間外にしかも事業所外においてなすべきであって、労働者が事業上内で労働組合活動をすることは使用者の承認のない限り当然には許されず、この理は労働組合運動が就業時間中の休憩時間に行われても、就業時間外に行われても変わりがないと解すべきである」と説いた。

 あるいは有名な中川判決の大成観光(ホテルオークラ)事件東京地裁昭和50年3月11日判決『労働判例』221号「本来労働組合が自己の負担及び利益においてその時間及び場所を設営しておこなうべきもの」の考え方にも近い。
 
 それは究極目標だったので、一般行政職の部門とはいえあっさりと実現したことにある意味衝撃を受けている。
 私が今準備している、東京都水道局への提案は、これよりずっと穏健なもので、他の企業並に庁舎構内における無許可集会・演説・示威行為等を禁止する就業規則がないので設けること。企業秩序を乱すおそれのある、他者の職務専念義務を妨げるまたは能率を低下させるおそれのある集会・示威行為等が容認されている実態を改め警告・中止命令を発し、くり返した場合に訓告処分以上の軽微な懲戒を行うこと。ストライキを構えた闘争期間中の組合集会などの便宜供与は、地公労法11条に違反する違法行為を助長することになるので無許可とすること。
 したがって、闘争期間、ストなど違法行為を慫慂する組合活動、企業秩序を乱すおそれのある以外、組合活動は、これまでどおりたとえば正月の旗開きや、この前行われた暑気払いなど酒食を伴うものでも施設利用を認めるというもので、大阪ほど強力なものではない。
 基本的に、私の場合は、救済命令取消し訴訟などの判例に依拠し、まず判例からみて正当な組合活動とは評価されることはまずありえない態様の組合活動にしぼるつもりである。小役人なので安全無難な線でまとめる。しかしそれすら大きな抵抗を予測している。
 大阪にも注目はしておくが、こちらはこちらのペースであおられることなく、ある意味では大阪の改革はダシに使えるので有利だ。大阪市はチャックオフを禁止し、組合への便宜供与も禁止するなどすごい改革をやってるのに、東京では組合旗、横断幕、拡声器、幟、はちまき、ゼッケン着用で庁舎内で示威行為しても中止命令も出さない、このていたらくはなんだと追及しやすくなったといえるのである。
 

 

2012/08/13

尖閣購入啓発ポスターが蛍光灯が消された男子便所の向かい側の壁に掲出された問題は、一週間先送り

                                                   
   本日、尖閣購入啓発ポスターhttp://www.asahi.com/national/update/0712/TKY201207120510.htmlの掲出位置の問題で上司に意見を述べようとしたところ、きょうから管理職は一週間休みだというので、この問題は一週間先送りとする。私の意見を無視した場合は、上司の上司と庁舎管理の責任者である総務部長に以下のような要望を出す予定である。これはたんにポスターの貼り場所という小さな問題である。私が今、取り組んでいるのは正当な組合活動と評価されない組合活動に対する施設管理権の発動の意見具申であり、そちらがメインであるから、この問題にエネルギーをさくつもりはない。しかし何も言わないわけにはいかないのである。

準備している書面

 水道局総務部長 殿
 ○○支所長   殿
 
  ○○営業所内の尖閣購入啓発ポスターの掲出場所の移動もしくは撤去を求める意見具申(第一案)

 東京都水道局○○営業所では、8月初旬(正確には把握してない)より尖閣購入啓発ポスターが男子トイレ所の向かい側の廊下の壁面にセロテープで貼付されているが、ここは通常、環境計画による節電のため一日中蛍光灯が消されている場所で、暗がりであり、辛うじて非常出口誘導灯が照明の代用になっている場所である。

この掲出位置については以下の理由で適切でないと考える。

   1 暗くて非常に見にくい場所である

 本来の照明である蛍光灯は環境計画による節電のため消されているが、3~4メートル先に非常出口誘導灯があるので、関心のある人なら、その光でかろうじて三つの特徴のある形の島と海が見えるので尖閣ポスターとわかるだろうが、暗がりなので「日本の島を日本の領土だと言う勇気がいま、問われています」というキャッチコピーも読みにくく、特に寄付金口座や問い合わせ先等が記載されている下部は暗くて目をこらして見ないかぎりよくわからない。これではポスターとして意味をなさないという問題がある。
 
 2 トイレを使用する人しか立ち入らない場所である
 
 来客にとって目の止まる場所はエントランスの来客が滞留する空間(レジ・カウンター前)であり、応急給水槽が陳列しているポスター専用の掲示板もあり開いているし、よく目立つエントランス中央の柱には、東京水を宣伝する5年前と6年前と記憶している女性のモデルを使ったポスターが貼られている。私は前の職場で庶務担当だったので私自身がポスターを掲出したのでよく知っているが、これは毎年モデルを変えて更新されるのであり、貼り替えることになっているのに、この営業所では何年も前のものが貼られている。少なくとも最初に女性モデルを使ったポスターは、直結切替見積もりサービスや学校フレッシュ水道診断の宣伝のない古いものなので、はずしてもよいはずである。また2階の給水管事務所に向かう階段の向かい側の壁面も目立つ場所だが、ここに各水系の貯水量折れ線グラフが貼られているが、今年の貯水量の折れ線グラフが記入されてないのでダムの貯水量が全くわからず、ポスターとして全く意味をなしてない。私は前の職場ではこの折れ線グラフを担当者が忘れるので代役として記入していたのであるが、この営業所ではやってない。全く意味をなさないポスターが貼られているのに、もっともホットな尖閣ポスターが暗がりに追いやられているのは意図的な心証を与えている。
 もっとも、暗がりとはいえトイレは来客・職員兼用なので、とくに水道工事申請の業者や、料金支払い等の来客がしばしばトイレを使うし、誘導灯だけとはいえ、うっすらと見えるので、それに気づく可能性はある。しかし、尖閣購入啓発ポスターは、来客のよく目の止まる場所に掲出するよう要請されているはずであり、この位置は適切な場所とはいえない。水道局長が知事部局の要請に応える方針なら信義に反すると思う。

 3 周囲にあるのは職員向けのポスター等で、ここは来客向けのポスターを貼る場所ではない


 廊下の蛍光灯を常時消すようになったのは東日本大震災直後の計画停電実施時期からと記憶しているが、それまで明るかったで、その附近に、交通安全日10日、二輪・自転車安全18日日等の垂れ幕、労災防止の標語、建設労災協会の熱中症予防のポスターが貼ってあるが、これらは、職員向けの安全指導のためのものであり、もともとこの廊下分は、来客はトイレに行く以外立ち入らない場所なので、来客向けの広報の場所ではない。

4 意図的に目立たない場所に貼ってあるとの心証をもたれ、尖閣防衛に関心のある来客に不快な心証を与えるおそれがある

 このポスターのキャッチコピーはよく出来ているし、目立つ場所なら関心のある人は立ち止まって見るだろう。都の尖閣購入計画は大きく報道されているので、大抵の人は知っているし、7月17日に都の施設等で6000枚が貼りだされることは新聞やテレビで報道されておりhttp://news24.jp/articles/2012/07/17/07209670.html(別紙参照)、尖閣防衛に関心のある来客がこのポスターに気づいた場合、来客の心証を害する可能性が高いように思う。つまり意図的に暗くて目立たない場所に貼り出しているように見えるので、尖閣防衛に関心があり、あるいは東京都の尖閣購入計画を支持している都民を愚弄するような心証を与えかねないと考える。とくに寄付金口座や問い合わせ先が暗くて読めないことは、不可解に思えるのではないか。見る人の視点に立っていないポスターの貼り方である。これは水道局の信用にかかわるので、掲出場所を移すべきである。

 
    5 施設管理権を組合に掣肘されている心証が強い

 なぜ、この場所に掲出されているか所長・課長補佐から説明もないし、またポスターに関する質問の対応についても周知されてないので不可解に思っていたところ、廊下の組合掲示板で「東水労ニュース」7月30日付を読んだ。東水労は尖閣ポスターに非協力の方針が記載されており、組合はポスターに協力せず、掲示も管理職が行い、都民からの苦情対応は管理職が対応するよう確認を願いますと書かれていた。またエントランスで所長と分会書記長がなにごとか立ち話をしているのを見ているので、組合との折衝でこのような位置に貼ったものと推測している。
 ただし、8月13日に課長補佐に聴いたところ、組合とのすりあわせによるものではないとの話だった。それ以上のことは尋ねてもうんとはいわないだろうが、組合が非協力であることが、このような位置に貼る要因と私は考えている。
 ポスターをこういう位置に貼るのは施設管理権(庁舎管理権)を組合に掣肘されている心証が強く、悪い前例を残すことになるから、そのような意味でも移すべきである。

 もっとも、私は当局がポスター掲出拒否であっても、それを支持する。つまり地方自治法238条で行政財産はその事業の用途・目的(局施設なら水道事業)のために利用されるべきもので、目的外利用は認める必要はなく、尖閣購入啓発は、目的外としてこのポスターが意見広告の性格が強いという理由で拒否するのも見識である。(もっとも東京都の広報誌や職員の募集要項がエントランスに置いてあるし、過去にもオリンピック招致の幟など知事部局に協力してきた経緯からすれば今回だけ目的外利用として格別拒否する理由がないともいえるが)
 組合の非協力方針にもすりよったうえで、見えない場所でも一応掲出しているアリバイづくりのような、いかにも小役人の保身根性丸出しのような姿勢が透けてみえる、○○営業所のようなポスターの掲出の仕方はきわめて不愉快でふざけているように思えるし、尖閣防衛に関心のある都民を愚弄するような心証を与えるおそれがあるから、組合に気兼ねして目がとまる場所に出したくないなら、きっぱり知事部局の要請をを拒否して、掲示を取り外すか、要請に応じるならきちんと目立つ場所に移すかどちらかの対応をとるべきである。中途半端なのが一番よくない。

 
 私は、前回の知事選で東国原氏に投票しており、性コミック規制も反対なので石原都知事を好んでいないが、尖閣防衛には関心があり、ペイペイの平なので寄付金こそ出してないが、我が国固有の領土である歴史的経過をある程度知っている。反戦イデオロギーに染まった全労協系(社民党系)の全水道東水労と違って石原都知事の重要政策である尖閣購入計画に反対する理由もない。
 国が地権者に20億円を提示したという報道があり、まだ14億程度しか集まっておらず、寄付金を増やしたい都の事情もわかっている。したがって組合の方針に反対であり、組合の統制を受けない非組合員なので、私は窓口対応業務が担当となっており窓口に近い座席にいるから窓口でポスターの質問があれば、その組合のように仕事を拒否するようなことはしないことを上申しておく。仮定として外国人顧客から苦情があったとしても親切に対応し、日本人であれ外国人であれ、お客様を区別することはないし、どんな苦情であれ丁寧に対応してきたしそれに変わらない。
 都営地下鉄などでは7月17日から尖閣ポスターを貼っているが、外国人や反戦市民の苦情があったなどと言う情報はなく、都の施設である以上、組合が想定するほど苦情はないと思うし、蛍光灯を消してある暗がりにポスターがあるので逆に寄附の仕方、問い合わせ先が見えない、尖閣防衛をなんとこころえているのかとの苦情のおそれのほうが大きいのである。 
 組合はポスター対応が水道事業ではない業務を増やすと反対しているのか、そもそも反戦なので反対なのかはっきりしないが、水道事業とは直接関係ない来客との折衝も当然やっているし苦にしない。水道事業と無関係だが、水道局長が知事部局の重点政策に協力する方針であるなら、その職務も行うべきだと考える。
 つまり本来業務でない雑務もやるのも当然ことと心得ている。本来業務でない窓口対応はしばしばあるのである。〈中略〉道を聞かれることもしばじばある。この前は年寄りが警察署に用事があるというので、わざわざ道路まで出てこの信号を左に曲がって云々と親切に説明した。本来業務でなくても間違って道を教えると局の信用にかかわるからである。ポスターの質問についても同じことである。組合は掲示自体を反対するということではないのだから、知事部局の要請どおり目にとまりやすい場所に貼るべきだろう。

 ○○営業所長に、ポスターの掲出場所を目立つ場所に代えるよう命令を出してください。
 
 最後にひとこと。労働条件は集団取引で決定するから、あなたには苦情も意見具申の権利もないし、地方公務員法55条11項の「職員は、職員団体に属していないという理由で、第一項に規定する事項に関し、不満を表明し、又は意見を申し出る自由を否定されてはならない」も適用されない、虫けら同然のぺいぺいの平だから相手にしないと言うかもしれないが、なにもスピークアップしてはいけないみたいな風通しの悪い企業風土こそ問われるべきである。
  

2012/08/12

入手資料整理79

1-97吉野 孝・ 前嶋 和弘編著 『「オバマ政権と過渡期のアメリカ社会―選挙、政党、制度、メディア、対外援助 』東信堂2012
前嶋は保守派の代表的な政治ブログとしてミッシェル・マルキンhttp://michellemalkin.com/をを挙げている。

1-98ロン・ポール著副島隆彦監訳解説佐藤訳『他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ ―リバータリアン政治宣言』成甲書房2012

1-99柴田三千雄 『フランス革命はなぜおこったか-革命歴史』山川出版社2012

 フランスにおける労働の自由の理念の提唱者が自由主義的な重農主義経済学のグルネーやテュルゴ(チュルゴ)である。
 この本はグルネーに言及してないが、テュルゴ財務総監(1774~76)の改革と罷免された理由に言及している。ルイ16世は自由主義的改革に好意的でなかったが、後見人の国務大臣モールパの推薦により、テュルゴを財務総監に起用した。財務総監は財政、金融、農業、商工業、貿易、公共事業、地方行政を監督し、州政府の主要な官吏は、財務総監の推薦により任命されていたので、総理大臣級の要職といえる。徴税請負制の監督強化、穀物流通規制の廃止、道路補修賦役の金納化、同職組合の廃止といった大きな改革を行った。不運なことに1774年は小麦が凶作で、大都市でパンが値上がりし、パリ周辺一帯で暴動が起き軍隊を出動させる騒ぎとなった。高等法院は不作よりもテュルゴの規制撤廃のせいにした。テュルゴの改革は独占や特権の享受者に警戒心を強めさせたのであり、国璽尚書ミロニエルが高等法院を通じ改革阻止に暗躍し、王妃マリー・アントワネットが寵臣のギョエヌ伯が駐英大使を罷免されたことでテュルゴを恨み、その失脚を策動した。さらに国務大臣モールパが危険なライバルとなることをおそれテュルゴの排斥に動いたことで孤立し、ルイ16世が罷免を決断したということあるが、結局、テュルゴ罷免により、王権主導で自由主義改革をなしとげるチャンスをみすみす失ったことになる。
 
9731 水町勇一郎『労働社会の変容と再生 : フランス労働法制の歴史と理論』有斐閣2001
 プロレイバーの著作だが、フランスの労働の自由の理念に言及しており必要な本。アマゾンで古本を買うと8600円なので、けちって図書館で部分コピーにした。
 労働の自由の前提は、労働が富の源泉であるという思想だと思うが、この本ではロックとアダム・スミス、重農主義思想に簡単に言及しているが、フランスでは富とは金銀財宝の集積ではなく、土地と労働によって産み出されるという18世紀中葉のグルネ-の思想が重要ではないかと思う。
 前近代社会では労働は共同体的階層的内部関係、権威的規制というか、社会的な規制や束縛のなかで労働が行われた。同職組合の入職規制、職業独占がそうであるが、著者がいうには束縛されていた労働概念に革命的変化がおこり「自由」で「抽象化」された労働概念が誕生するに至ったという。
 団結禁止立法であるル・シャプリエ法(1791)が労働者や使用者は集団を形成することなく自由で独立した個人として一対一で取引し契約するという個人主義を法律上明確にしたものだが、著者がとくに重視しているのは法学者ポチエの1764年の著作『賃貸契約概論』であり、「労働」を個人が自由に取引の対象とできる「物」として労働を「契約」という観点から分析し、労働は役務の賃貸借契約の対象と位置づけたことである。
 ポチエの業績は、1804年のナポレオン法典(民法典)で実定法化され、1780条で「役務の提供は、時間でまたは一定の事業のためにしか義務づけられない。期間の定めなくなされる役務の賃貸借は、契約当事者の一方の意思により何時でも終了されうる」1781条で「給金の額、過年度の賃金の支払いおよび本年度に支払われた前払い金については使用者の申立が信用される」と規定するのみであり、報酬、労働条件等契約の内容については当事者の自由意志による合意に全面的に委ねられるもののされた。労働関係は契約関係とされ、意思自治、契約自由の原作の下に置かれた。
 解雇自由の原則は今日のアメリカのコモンローでも同じことである。
 18世紀イギリスでは産業別の主従法あるいは産業別の団結禁止法により仕事を完成する前、あるいは契約期間満了前に、途中で離職、仕事を放棄することは、損害賠償、離脱相当期間の労働、懲治監での重労働といった処罰を定めていた。この点フランスではどうだったのかというと、著者によるとアンシャンレジーム期の労働者手帳が1804年に復活したのである。労働者はこの制度が廃止される、1890年まで必ず労働者手帳を所持し、雇傭される場合には必ず前使用者から手帳に契約の義務を果たし離職している証明の記載がなければならなかった。これによって契約を遵守させていたのである。書評を読むと労働者手帳の歴史をこの本で初めて知ったと言う専門家もおり、これに言及したのは著者の業績である。
 イギリスでは1886年に主従法が廃止されてはじめて、労働はマスター・サーバント関係でなく近代的な対等な雇傭契約を意味する使用者-被用者概念にとってかわられた。
 この点では、ナポレオン法典が労働関係を個人の自由意思による役務賃貸借契約と位置づけていたことから、フランスの方が先進的な側面もあるとみてもよい。
 著者は個人の自由、労働の自由、同職組合の集団的階層的規制の撤廃は、構成員の保護、安定を失わせ、工場労働者の貧困化をもたらしたと否定的に評価するが、私はそのように考えない。団結禁止体制から団結法認体制の転換の意味については別途取り上げることとする。

夏休職免5日間の弊害

 8月10日は係で5人休んだ。都労連と当局の協定による夏休職免5日間消化奨励の弊害は再三言っているが、休んだ分のコストを吸収しなければならない構造である。民間企業は13日から盆休みが多いので、業者への問い合わせは金曜までにすませなければならないから、それなりに忙しかった。13日から数日は窓口の来客は少ないとしても、その時期にやる机上の仕事があるのである。休む人も多いだろうから、なんだかんだと仕事が回ってくるし、ノー残業ウィークとかバカなことやっているから、仕事をその日のうちにかたづけることもできないから、非能率な仕事のやりかたを強要されているのである。私は過去7年夏休みは1日もとってない8年前も隣の女性がうるさくいうから1日休んだだけで、それ以前も何年も休んでない。次世代育成支援時短政策のコスト転嫁の受け皿となっていた等の事情によるものである。
 有給休暇+夏休み職免で25日、女性は有給生理休暇込みで37日さらに、有給子供の看護休暇だなんだかんだ次世代育成支援でさまざまな時短制度があるし、ほかにもいろいろあって事実上の有給休暇が多すぎる。そのうえにノー残業あり、組合の超過勤務拒否闘争あり。
 大阪府では夏休職免を3日に減らし、都では見直しもされたない慶弔休暇、ボランティア休暇、リフレッシュ休暇も廃止というのを何年か前にネットで見たが、明らかに東京都は休みが多すぎるわけである。その分は結局、他人にコストが転嫁され、あるいは手抜きになると考えられる。
 そもそも時短は、1984年ドイツ金属産業労組(IGメタル)とゲザムトメタルの労働時間協約交渉において戦後最大規模のストライキが打たれ、特別仲裁委員会の合意提案を双方が受け容れ協約上の週労働時間を38.5時間としたことが始まりであるが、80年代の時短はドイツが持続的に経済成長し生産性が向上していたことを背景としている。つまりドイツの賃金構造が集権的労使交渉制度により平等的であり、賃金の低い低生産性部門の雇用創出を抑えた。又、早期退職制度や寛大な失業保険により、低生産性部門のコストが外部化が行われたことにより生産性が当時は向上していたのである。http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/49362/48533/57874605?page=2
 ところが生産性が向上していないのに、ワークライフバランスという働かない主義が喧伝され休みを増やすのは馬鹿げている。民主党のプロジェクトチーム休暇のあり方検討PTが、有給休暇義務的付与の政策を打ち出したとしたと産経7/17で読んだが、イタリアが憲法で有給休暇を放棄してはならないと規定している。それと同じだ。日本もイタリア人並みの働き方にしようなどいうのはばかげてる(だいだいイタリアは債務危機でせめて日本並みに解雇しやすくするよう労働市場改革に着手したばかり)、それをやると外資系企業の誘致だって難しくなると思う。休みを増やすのは新成長戦略の柱の観光、約20 兆円規模の国内旅行市場の内需拡大というかもしれないが、観光内需のために働かない主義を蔓延させる発想は本末転倒している。
 アメリカは法定有給休暇はない。フリンジベネフィットは国が義務づけるようなことではないと考えられている。エンジニアの天国といわれ従業員福祉が充実しファミリーフレンドリー政策で有名なSASインスティチュートでも有給休暇は9日とクリスマスシーズンぐらいじゃないですか。EU労働時間指令は4週間の有給休暇を定めているから、少なくともこの点日本やEUよりアメリカに競争力があるといえるのである。
 そもそも有給休暇はコダックのような組合不在企業が組合組織化予防策として従業員福祉を重視した企業の政策(ウェルフェアキャピタリズム)としてはじまったもので、自由企業体制の観点では政府が関与すべきものではないのである。
 イギリスがリーマンショックまで16年景気拡大した理由は、欧州労働指令のEU労働時間指令http://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2005_5/eu_01.htmをブレア政権が受容し1998年労働時間規則を制定したものの適用除外(オプト・アウト)を個々の労働者が選択できる制度をとっているので、労働者の3割が法定労働時間適用除外にサインしており。事実上労働時間規制はない。
 このためEU15カ国において週48時間以上働いているフルタイム雇用者は5%以下であるが、イギリスはその数字が20%を超えている。http://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2005_5/eu_01.htm
 
 (なおEU労働時間指令とは、1993年に制定され、2000年に改正された。指令は、1)24時間につき最低連続11時間の休息期間を付与、2)6時間を超える労働日につき休憩時間を付与(付与条件は加盟国の国内法や労使協定で規定)、3)7日毎に最低連続24時間の週休及び11時間(1日の休息期間)の休息期間を付与、4)1週間の労働時間について、時間外労働を含め、平均週48時間以内の上限を設定(算定期間は4カ月)、5)最低4週間の年次有給休暇を付与を規定する)
 もともとイギリスでは労働時間規制が成年男子には安全上規制が必要な業種に限定されていたこともあるが、前回の保守党政権では児童年少者法以外の一切の労働時間規制を廃止したし、共通通貨ユーロとEU労働時間指令にも反対し、オプトアウトの権利を勝ち取ったのである。
 フジテレビの日曜の番組のロンドンオリンピック特集で、イギリスはリーマンショック以降景気拡大が止まったとはいえ、外資系誘致に成功している国と紹介されていたが、オプトアウト制度で労働時間規制のない働き方ができることが、大陸諸国より競争力でせ優位にあり投資の呼び水となってると考えられるのである。
 オーストラリアは現在労働党政権だが、経済が好調な理由は自由党ハワード政権時代の労働政策あるいは、2004年以前の州レベルの自由党の政策の成果だろう。とくに従来の団体協約からオーストラリア職場協定という個別契約に切り替える政策を推進したことである。これは完全な契約自由ではなく、所定労働時間週38時間と、有給休暇4週間を定めているが、それ以外の所定時間外労働、休日労働については個別契約で自由に労働条件を決定できるもので、割り増し賃金を義務化してないので、割増しなしでも、被用者個人の労働意欲いかんで自由に可能とした「革新的」な政策が背景にあったとみるべきである。
 したがって経済成長のためにはワークライフバランス政策の廃棄と、労働者保護法制のオーバーホールこそ必要で、それに逆行する労働、労務政策は国の経済力を衰退させ、個人の労働の自由を縛るものとして糾弾されていくべきものと考える。
 

2012/08/08

本日は頭上報告なし

 本日午後、国の人事院勧告(地方なので直接関係ない)についての15時以降の職場報告を各分会に指図する組合本部からのファックスを見た。
 国家公務員労使関係4法案で人事院は廃止されると決まってるのに最後っ屁のように必要のないことをやっているなどと演説があるのかと思ったが、15時25分頃東水労ニュースが配布されただけで、頭上報告はなかった。

2012/08/05

フランスにおける団結禁止「営業の自由」と「労働の自由」(1)

 近代市民社会と前近代を分かつ指標とは「営業の自由」の確立であり、それは団結禁止と密接不可分な関係にあり、イギリスであれ、フランスであれ、ドイツであれ、その歴史的経緯に差異があるものの、近代市民社会成立にともない団結は違法と評価され、禁止されたのである。
 イデオロギー的にいうと団結による営業=取引・制限の除去が、18世紀の営業の自由の精髄であり、フランスでは革命後の1791年ル・シャプリエ法による団結禁止体制がそうであり、この体制は実質93年も継続したのである。つまり第二帝政期1868年の一時的団結法認体制(個人の算術的総和としての団結の法認)において労働組合は自由競争「労働の自由」を阻害するものとして非合法であった。ル・シャプリエ法を全面的に廃止して「労働の自由」が否認され、労働組合が法認されたのは第三共和制の1884年のことである。

1 アンシャン・レジーム末期

 1776年2月に重農主義者のチュルゴ財務総監の改革(チュルゴ勅令)により、同職組合(コルポラシオン)、団結体である仲間職人制度(コンパニオナージュ)を消滅させ廃止し、「親方、仲間職人、労働者および徒弟」のあらゆる結社・集会が禁止された。
 同職組合とは、都市を範囲とする地域的市場独占の制度であって、競争を排除し親方たちの集団的特権を維持することを目的として、仕事場、店舗の数、価格、品質、生産量、労働日数等労働条件を制限するものである。親方身分取得には莫大な出費を要するため、18世紀には閉鎖的カースト化していた。仲間職人になるには徒弟期間を終えた後、加入税を支払い、親方と雇傭契約を結ばなければならないが、同職組合が仲間職人の雇い入れを規制したほか、仲間職人が自己の計算で仕事をすることは禁止された。都市の独占市場を守るため入市税を取り立て、結果、社会の安定を破る技術の進歩に対する敵意が支配し、経済と技術を沈滞させる要因となっていた。【註1】
 一方、農村は同職組合の産業規制が及ばないため、事実上の産業資本家である卸売商が原材料・生産用具を提供して繊維工業等が勃興し、競合する都市の手職を没落させた。1762年の勅令は農村の営業の自由を確立させたものであるが、既成事実を承認したものだった。
 この産業構造の変化を背景としてレッセフェール(自由放任主義)を最初に用いた経済学者ヴァンサン・ド・グルネー(Vincent de Gournay、1712~1759年)が、1751年に同業組合の廃止、産業規制の撤廃、商品流通の自由と取引の自由のために猛烈な宣伝を行った。これによりフランスでは急速に重農主義経済思想が広まったのである。
 ルイ16世は1974年グルネーの弟子であるジャック・チュルゴhttp://cruel.org/econthought/profiles/turgot.htmlを財務総監に抜擢した。チュルゴは同職組合の廃止のほか、穀物取引の自由、税制改革等の自由主義政策を打ち出した。

 
  
悪の根源は団結であるとし、団結禁止による個人の労働の自由を宣言

○1776年2月勅令 (チュルゴ勅令)

チュルゴ財務総監(Anne-Robert-Jacques Turgot, Baron de Laune)の改革(同業組合の廃止・団結禁止)
 前文に基本的理念が述べられている「‥‥すべての人にとって、わが全王国において、またとくにわがよきパリ市において、自由にそのよいと思われる種類の営業および手工業の職業に就き、かつ従事すること、数個の職業を兼業することもできる。そのために、われわれは、商人および職人のすべての同業団体および宣誓親方組合を消滅させ、かつ、廃止したのであり‥‥同業組合に与えられたすべての特権、規約、規則は廃止される。‥‥」
 同業組合の職業独占を否定するは「その労働と勤労以外の所有を持たない故に、生存するために有するこの資源をその全面にわたって使用する必要と権利をいっそう多く有している人びと」が被害者となることを強調し「悪の根源は、同職の職人に認められた、集合し一つの団体として結合する権能それ自体にある」と主張、それは「自然の共通の権利」の実現として次のように位置づけられた。
「神は人に欲求を与え、人にとって労働による収入を必然のものとすることによって、労働による収入を必然のものとすることによって、労働する権利をすべての人の所有とした。そして、この所有は、すべての所有のなかで第一の、そしてもっとも神聖でもっとも不滅のものである」その帰結としていっさいの結社・集会が「親方、仲間職人、労働者および徒弟」のすべての間で禁止されるとした。【註2】
 勅令により「自己の計算において働き、かつ公衆に販売する商人および職人は警察への届出と営業登録簿への登録を経ることによって、自由に営業に従事することができる。警察への届出でと営業登録簿への登録を経ることによって自由に営業に従事できる。ただし営業の安全等の警察規制が留保されるとしたのである。

○1778年8月勅令

 
 チュルゴの改革に抵抗したのは国王に建言権を有している高等法院(Parlemen)であり、勅令の登録が拒否された。高等法院は貴族の牙城であり、官職売買の特権もいずれ廃止されることが示唆されていたからである。イギリスではコモンローヤーが営業の自由を推進し、1563年エリザベス1世治世の職人規制条例を骨抜きにしたのとは対照的である。テュルゴは単一地租の導入などの改革も提案したため諸方面から非難され、1778年5月財務総監を解任され失脚する。後任のネッケルによってパリの同業組合の再建復活を認める八月勅令が発せられた。【註3】
 ただし、八月勅令はテュルゴ改革を全否定しておらず、仲間職人の団結体であるコンパニオナージュの復活は認めていない。職人徒弟の結社の禁止は継続された。

 
2 革命期

○1791年3月ダラルド法(アラルド法)

 営業免許税設定法案に組み入れる形で同職組合を廃止した。営業は、あらたに設定される営業鑑札制度以外の租税以外のすべての束縛から解放するというものである。しかしこのデクレは職人の結社・集会を明文で禁止していない片手落ちの立法であった。結果、1790年8月法により集会・結社の自由が保障されたために仲間職人制度の承認がなされたと考えられるようになり、職人が友愛団体との口実により団結し旧親方に労賃の増額を強制するようになったことである。ル・シャプリエ法はこの欠陥を是正するものだった。

○1791年6月ル・シャプリエ法

 労使双方の団結禁止立法であるが罰則規定が労働者側のみとする。
 第1条 あらゆるコルポラシオン(職団)の禁止の再確認。
 第2条 労使双方の団体内部の組織、申し合せ等の禁止。この禁止は、同じ身分あるいは職業にある市民、企業主、店舗を有する者、何らかの技術を持つ労働者及び職工に及び、彼等が集合する場合、彼等のいわゆる共通利益に基づく規則を作成することは出来ず、長、書記、委員を任命すること決定、決議をなすことは禁止される。
 第6条 事業主、職人、労働者に対し、あるいは低い賃金で満足している者に対して、前述諸条項の内容を強制する脅迫がなされた場合には、一〇〇〇リーヴルの罰金、三ケ月の禁錮。
 第7条 憲法により労働及び産業に承認される自由を行う労働者に対して、脅迫あるいは暴力を用いる者は、刑事手続により、公共の安寧の妨害者として処罰。
 第8条 職人、労働者、職工、日雇労働者により構成され、且つ、彼等によって煽動されて労働及び産業の自由なる行使に反対して集合した団体は暴徒とみなし解散せしめられる。右の主謀者、煽動者、指導者、暴力行為をなした者は、暴徒として処罰される。

 第三階級の代議士ル・シャプリエによる1791年6月14日の法案提案理由報告書では「各労働者につき日当を決定するのは、個人と個人の自由な取り決めである。次に、労働者が彼を雇う者となした取り決めを守る者は労働者である」と述べ、雇傭契約は個人と個人の取り決めであるべきこと。個人の行動に基づく社会的関係の原則論を述べている。【註4】
 また同じ年に国家公務員や農業労働者の団結禁止諸法が制定される。

3 ナポレオン第一執政-第一帝政期

○1803年4月法 サン・ジェン・ダンジェリーの報告に基づいて集団的な労働の停止・阻害・賃金引上のための団結をすべて禁止し、団結する労働者が同じ仕事に従事していない場合も禁止とした。また賃金を引き下げるための使用者の団結も禁止の対象とし、罰則規定も設けた。

○1810年刑法典も労使双方の団結を禁止し、労働者の場合、違反者を1~3ヶ月の禁錮と首謀者は2~5年警察に監視され、使用者の場合は罰金、禁錮を科すというものである。【註5】

4 第二共和制

 労働者主体の革命とされる二月革命後の1848年11月憲法においても団結権は見送られ、結社の自由は明文をもって否定されていた。
刑法は次のように改正され、団結禁止体制は継続している。

○刑法414条-六日乃至三ヶ月の禁錮乃至三〇〇〇フランの罰金に処せられるもの一、労働者を働かせる者の間の、賃金の値下げを強制しようとする団結。その試みあるいは実行の開始ある場合を含む。
 二、仕事を同時に休止せしめ、作業場における仕事を禁止し、一定の時刻前または後に工場に立入ることを妨害し、且つ、一般的に労働を中止し、妨害するための労働者側の全ゆる団結。その試みあるいは実行の開始ある場合を含む。前二号に該当する場合、首謀者あるいは煽動者は、二年乃至五年の禁鋼に処せられる。
 415条-作業場の管理者あるいは事業者及び労働者で、協同して作業場の内部規律を対象にしたものとは別の制裁金、制裁という名目でまたはその名目がいかなる種類のものであっても禁制や禁止を云い渡す者は、作業場の管理者あるいは事業者側から労働者に対する場合も、労働者側から作業場の管理者あるいは事業者に対する場合も、相互に行う場合も、何ら区別なく、前条に定られる刑を科されるものとする。
 416条-前二条に定められる場合において、首謀者あるいは煽動者は、刑の満期後、少くとも二年問最高五年間、高等警察の監視下に置かれるものとする。【註6】
 この法改正を提案した報告者がヴァチメニルであるが、労働の価格は商品のそれと同様に自由な競争のもとにおかれなければならないという思想をもとに、団結が労働の自由、労働力取引の自由競争を侵害するものとして禁止されなければならないという理論的な言及を行っていることが注目される。
「勤労と営業の規則的かつ正常な状態においては、労働を含むすべての価格は二つの要素によって決定される。二つの要素の第一は、供給と需要の均衡であり、第二は、一方では供給する者の間での他方は需要する者のあいだでの競争である。価格を決定するこれらの要素が障害なく機能するとき、勤労、営業、労働は自由であり、かつ、諸価格は、公正かつ真実に決定される。反対の場合には、勤労、営業、労働の自由は歪曲され、諸価格は人為的なものとなってしまう。つまりコアリシォンは、明白な効果として、競争と、需要供給の均衡による諸効果を破壊し、あるいは歪曲する。したがってそれは勤労、営業および労働の自由に背馳し、その結果、第一三条でこの自由を保障した憲法に反する‥‥‥雇主および労働者が、彼ら固有の利益において振舞い、約定し、他のものとの違法な協定を結ばないかぎり、賃金の条件を取り扱う自由は完全である。なぜなら、その自由は、他のいかなる合法的権利も侵害しないからである。しかしながら、圧力を加えるためのコアリシォンがつくられるならば、それは‥‥‥競争の自由、したがって労働の憲法上の自由は、このコアリシォンによって窒息させられるのである。」【註7】
 団結による圧力は労働力取引の自由=労働の自由という合法的権利を侵害するゆえに禁止されなければならないと述べている。
つづく

【註1】中村紘一「ル・シャプリエ法研究試論」『早稲田法学会誌』20巻1969〔※ネット公開〕 http://hdl.handle.net/2065/6281
【註2】稲本洋之助「フランス革命と「営業の自由」」高柳信一, 藤田勇 編『資本主義法の形成と展開. 1 (資本主義と営業の自由) 』東京大学出版会1972所収
【註3】高村正人「フランス革命期における反結社法の社会像 : ル・シャプリエによる諸立法を中心に」『早稲田法学会誌』48 1998〔※ネット公開〕
http://hdl.handle.net/2065/6520
【註4】菊谷達彌「フランス労働争議権の史的発展と理論形成(一)」鹿児島大学法学論集 Vol.26 no.1 1990 〔※ネット公開〕http://hdl.handle.net/10232/14024
【註5】前掲論文
【註6】前掲論文
【註7】田端博邦「フランスにおける「労働の自由」と団結」高柳信一, 藤田勇 編『資本主義法の形成と展開. 2 (行政・労働と営業の自由)』東京大学出版会1972所収

ばかばかしい棚ぼた銀メダル-バドミントン女子ダブルス

 無気力試合で失格の世界ランキング1位の王暁理-于洋組(中国)に同情する。女子サッカーは日本の某監督が引き分け狙いを公言しているのに不問とされているのに比べると失格は厳しすぎる。予選のリーグ戦は捨て試合があっても戦略的には当然と思うし、オリンピックがナショナリズムやメダル獲得競争をあおっている側面があるのだから、中国同士が対戦してつぶし合いにあらないよう、わざと負けるのは道理である。サッカーのワールドカップでは消化試合は終盤にパス回しするような試合を見せられても観客は文句いわないし、たんに興業じゃないんだから、リーグ戦は捨て試合もあるという前提だから、文句をいう観客のほうに問題があるんじゃないか。
 世界で最高レベルの試合を見せるのがオリンピックなのに、実力NO.1の選手がトーナメントに残らないので意味がない。たぶんフジカキに苦戦した田卿-趙ウン蕾http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120804-00000068-dal-spoより王暁理-于洋のほうが強いと思うが、王暁理-于洋組と田卿-趙ウン蕾組で決勝戦をやるべきだった。

2012/08/04

反戦キャンプの募集って

 昨日、登庁したところ500mlの缶ビールや混成酒の缶、ぱっとみて12~13個のゴミが袋詰めされているのをカードリーダー前ゴミ箱前で見た。またファックスで組合青年婦人部から各支部長・分会長あての9月の定期大会、反戦キャンプの参加者募集通知(出席者を書いて送り返すようになっている)がついたのを見た。
 こんなのに参加したら、左翼思想に洗脳されるだけだろう。活動家の育成のためのものと思われる。
 なお、ファックス利用については労働協約上どういう取り決めがあるのかは不明である。

2012/08/02

本日は暑気払い

  本日は13時35分頃東水労ニュースと新聞が配られる。所長在席。16時50分頃、寿司とオードブルが配達される。暑気払いをやることはふれまわってたので事前に知ってたが、飲み屋でなく、事業所内でやるのか。17時半頃から休憩室で組合分会主催の暑気払い。ときおり拍手がされているので、オルグ演説でもやってるのか。狙いは新入職員の取り込みだと思う。7時15分すぎまで仕事してたが、酔っ払いにからまくないので早めに帰宅することとした。

2012/08/01

なにがオスプレイ配備阻止集会だ

 月・火・水と係で4人休んでる。有給休暇が多い上に、夏休み職免も5日もあるから、休む人の分も若干カバーしないとならないから、仕事がたまっているのに、そのうえにノー残業デーとかばかなことやってるから、どうしようもない。
 民主党の休暇のあり方検討PTが、有給休暇義務的付与り政策を打ち出したとしたと産経7/17で読んだが、ユーロ危機なのに今更EU諸国なみに休むなどいうのばかげている。逆の政策にすべきだ、アメリカ合衆国のように法定有給休暇をなくす。なんだかんだいってもアメリカ経済が強いのは民間部門の労働組合の組織率の低さ6.9%http://www.bls.gov/news.release/union2.nr0.htmと法定有給休暇がなく、アメリカ人はよく働くようになったということである。
 労働者保護法制の規制撤廃こそ必要だ。
 ところで、月曜日に職場(東京都水道局)で原水禁大会派遣カンパ袋をみたが、きょうは8月5日のオスプレイ配備阻止10万人沖縄県民大会に呼応する8・5首都圏集会(日本教育会館)と8月12日の脱原発社会をめざす労働者集会(原水禁主催)小出裕章が講演の参加を促す分会の回状が回っているのをみた。
 誰がいくのか知らないが、私はオスプレイについては池田信夫と同意見だね。http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51801126.htmlいわく「2007年に実戦配備されてからの事故率は10万時間あたり1.93回。いま使われているヘリコプターCH-53Dの4.15回より少ない。古いヘリをオスプレイに代えることで、安全性は上がる」。そもそも「兵器に『ゼロリスク』を求めるのはナンセンス」。とりわけ中国が尖閣について強硬発言を繰り返している以上http://sankei.jp.msn.com/world/news/120731/chn12073120570009-n1.htm抑止力としてオスプレイは必要。

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