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2012/09/30

入手資料整理83

9800小貫幸浩 「Verfassungsstaat の今日的条件 : D・グリムの比較憲法史研究に寄せる再論」『高岡法学』11(1) 1999〔※ネット公開〕
ドイツの雇用も19世紀は個人主義的契約主義だったが、ワイマール体制は団体主義への転換をはかったものという流れを説明している。
9801金山正信 「私法原理の思想的基盤についてー序考ー」『 同志社法學』 7 1951〔※ネット公開〕
金山正信氏は民法学者だが、アメリカ植民地時代の法やピュータニズムの研究もやった人。近代私法の基本原則、自由と平等だが、自己責任とはいかなることかコモンローによって説明している。

9802天川潤次郎「20世紀初頭のアメリカ南部における家父長における工場村の実態」『經濟學論究』 35(3) 1981〔※ネット公開〕
9803天川潤次郎「アメリカ南部, 北カロライナ州の綿工業企業家の社会的系譜について」『經濟學論究』 36(2) 1982〔※ネット公開〕
9804天川潤次郎 「アメリカ南部の経営理念」竹中・宮本監修『経営理念の系譜-その国際的比較』東洋文化社1979所収
1-105豊原治郎『アメリカの産業革命史序説』1962
1-106富澤修身『アメリカ南部の工業化-南部綿業の展開(1865‐1930年)を基軸にして -』創風社1991

 合衆国労働省2012年1月27日プレスリリースによる2011年の労働組合組織率はhttp://www.bls.gov/news.release/union2.nr0.htm11.8%で、前年の11.9%と横ばいだった。民間部門は6.9%、公共部門は37.0%。組織率の低い順での州別ランキングは下記のとおりである。
1位 North Carolina 2.9% 
2位 South Carolina 3.4% 
3位 Georgia 3.9% 
4位 Arkansas 4.2% 
5位 Louisiana 4.5% 
6位 Virginia 4.6% 
6位 Tennessee 4.6% 
8位 Mississippi 5.0% 
9位 Idaho 5.1% 
9位 South Dakota 5.1% 
11位 Texas 5.2% 
 8位まで南部であるが、ノースカロライナが突出して低いのは州公務員の団体交渉が違法なため、州従業員協会が労働組合にカウントされないためだと思うが、南北カロライナの労働組合組織率が低いのは伝統的なものである。
 なぜそのような地域的特色になるのか、その理由について天川潤次郎や富澤修身などの経済史・経営史が参考になった。
 ノースカロライナは今日ではリサーチトライアングルパークのハイテク産業やバンカメ本社のある金融都市シャーロットなどで知られているが、元々地場産業は、繊維、家具・室内装飾、タバコであり、ミルタウンの州だった。しかし近年、繊維や家具の雇用は工場の外国移転や中国などの安価な輸入品の流通で大きく減らしている。とはいえ、合成繊維、家具、靴下はなお同州でクラスターを形成する重要な産業である。
 天川の「アメリカ南部の経営理念」「20世紀初頭のアメリカ南部における家父長における工場村の実態」によれば、日本的経営の特色とされていた経営家族主義は我が国特有のものではないし、江戸時代の、商家の経営とも違うのであって、むしろ外国の工業パターナリズムをモデルとしており、その一つがアメリカ南部の綿工業であることが示唆されている。
 「20世紀初頭のアメリカ南部における家父長における工場村の実態」によると、経営者は職工の名前を呼び一々親しく声をかける。年功序列で中間管理職は正式の学校教員を受けておらず、工場の現場で実際教育された叩き上げである。
 ノースカロライナの綿工業の多くはミルビレッジとかミルタウンを形成するのが特徴である。職工には社宅が供給され、職長・監督層も社宅に住み、家族ぐるみの雇用なので身の上相談に乗ったりもするのである。雇用主と従業員のパーソナルタッチの多い環境である。学校や運動施設も造り、教会を建て牧師の俸給も会社が支払う。教会により禁酒運動がなされ風紀・規律維持に貢献した。「会社荘園制」のような様相と言ってよいだろう。
 組合の組織化が難しかった要因として工業パターナリズムによる従業員の経営者に対する尊敬や親近感のほか職工が職長・監督層とともに社宅で集住するため監視が行き届いていたこともある。
 とはいえカロライナ綿工業とて、大恐慌の時代には北部からきた労働組合運動によりストライキが起きたが、会社側は、組合を承認せず、レイバーインジャンクションで警察や州兵が動員された。スト破りが導入されピケ参加者には厳しい判決があり、組合員は解雇、ミルビレッジより放逐されたと富澤修身の著書で述べている。
 戦後の産業別組合会議(CIO)による南部への組織化攻勢(オペレーション・ディキシー)が失敗した要因もミルビレッジ、ミルタウンという「会社荘園制」的経営手法によるところが大きいとは思う。
 しかし、経営家族主義だけでは、カロライナの組織率の低さは説明できない。労働者のエートス、メンタリティ、柔順で低賃金でも熱心に仕事をする労働力の特徴や南部特有の気質も重要な要因だろう。
 綿工業の労働者の出自について天川の「20世紀初頭のアメリカ南部における家父長制的工場村の実態」によると「「クラッカー」「サンド・キラー」「ヒルビリー」「ホワイト・トラッシュ」という綽名の下に白人プランターは勿論、黒人にも馬鹿にされたアパラチア山麓、ピードモント地方などの山地農民と「貧困白人」」と言っている。
 天川の「アメリカ南部の経営理念」によるとかれら山地農民「貧困白人」は「堕落」した白人、「貧困と無知と疫病の悪循環」による哀れな犠牲者という評価の反面、ヨーマン階級(独立自営農民)「ダニエル・ブーンやリンカーン型の農民」と誉められる二つの側面があったとする。
 組合の組織化が難しかったのは、かれらの個人主義的性格もあるし、仮にストが起きても、スト反対の労働者を糾合してスト破りを導入することは容易だったし、綿工業は白人を雇用したのであって、ストを起こせば黒人に代用されるリスクもあったことも指摘されている。
 工業パターナリズムは北部でもあったことである。しかし北部の綿工業では南欧・東欧移民の増加により経営家族主義の維持が困難になったのに対し、南部は移民がほとんどなく、アングロサクソンの純粋度が高かったことも要因として挙げられている。
 南北カロライナの公立学校では他の地域ではやってないクリスマスパーティーをやるということをネットで読んだことがある。一般論からすればクリスマスはキリスト教であり、ユダヤ教ではハヌカーの祭であるから、ユダヤ教徒など少数派に配慮すると国教樹立禁止条項との兼ね合いでも問題のように思える。にもかかわらずやるということは、伝統的にミルタウンでは工場ぐるみでクリスマスパーティーをやっていたことと関連しているものと思われる。
 
9805 石井三記「フランス民法典の運命」大川四郎「アンシャンレジームの法伝統」波多野敏「フランス民法典:多様な読解と柔軟性」石井三記編『コード・シヴィルの200年: 法制史と民法からのまなざし』創文社2007

9806函館交通事件 最高裁三小昭61・11・18判『労働判例』486号(休憩時間のアンケート)
9807JR西日本(国労広島地本)事件 広島高裁平10・4・30判『労働判例』749号
(組合バッジ着用)

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