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2012/11/13

本日、上司に非公式意見書を提出

 本日組合掲示板をみたところ、本日付けの日付で組合による所長への要請文が掲示され、賃金確定、退職手当削減撤回の要請として、退職手当、住居手当の見直し、55歳以上定昇ストップ、一時金成績率導入等の提案撤回などとかかれていた。7日の職場大会決議によりと書かれていたので、私は3ヶ月前から病院で心エコー検査等が決まっていたため、休暇を8月に申請しており不本意ながら休んだ日(医者が決めたことであり争議行為期間中だがわざわざ予約日をかえるという判断はとらなかった)だが、29分職大は決行されたもようだ。8日のスト権批准投票は、分会は1人の棄権のほか100%賛成と書かれていた。
 そうしたことで、あす14日が職場離脱3割動員決起集会、15日が1時間ストが予定されている。だいたい都労連はボジョレ・ヌーボーの前後にストを構えるのが毎年の慣例となっている。
 そこで、所長がかわったため、ストライキが決行されても就労する方針であることを伝えるとともに、現在の上司に前所長の就労妨害ともいえる違法な命令についてそのような方針には従わないことを非公式に文書で提出した。

  下記は若干誤字訂正し推敲したが、本日ほぼ上司に提出した内容である。

                                24年11月13日

 

上司へ(意見書)

 

                             川西正彦

 ピケット態勢時、ストに反対し就労を申し出ている職員を締め出す、入庁拒否という方針を前営業所長がとっていたが、それは地公労法11条2項に反する重大な違法行為であり、なによりも非組合員の就労の義務及び権利、団体行動に参加しない権利を侵害するものとして強く抗議する。

(上申の要点)
 
●就労申し出者に対し、ストライキ参加に誘導するピケライン尊重等の命令はしないこと。事故扱いを前提として登庁させないことは、職員の就労する権利と団体行動に参加しない権利を侵害するものとして認められない。

 

●事故扱いを前提としての登庁締め出しは地公労法11条2項に違反する疑いがある。
  
●管理職が非組合員や新入職員に対し、ストライキ実施時に庁舎内の立ち入りを禁止し、戸外で待機させたり、ピケを横断して入庁をさせない命令を出すなどのあしき慣行をやめるべきこと。
 
●登庁できない場合は事故扱いにはしないで賃金カットすること。
  
●庁舎構内での通行妨害、つきまとい、包囲は庁内管理規程違反として中止解散命令を出し、事前に許可しないこと。
 
●狭い場所での構内ピケを認めず、公道に排除すべきこと。

●ストライカーの前日から一晩中の庁舎滞留を認めないこと。

●ストライキ当日、構内での集会、示威行為、拡声器・横断幕・幟・旗の持ち込み、ゼッケン、はちまきの着用等については秩序維持と混乱を防ぐために適宜、解散命令、禁止命令を発出し、従わない者を処罰する方針を示すこと。
 
 組合が実力行使の構えである場合でも、ピケ通過を認めない命令により、もみ合いを回避するようなことはしないこと。就労の権利が正当であり就労妨害が不当なのであるからその逆の対応があってはならない

 

(本文)
 
周知のとおり、東京都水道局においては、全水道東水労によるストライキを構えたスケジュール化された闘争(組合員のストライキに賛同する批准投票も行われる)が最低年間三回あり(11月、12月、3月)、近年では、12月に決着しないと1~2月、春闘が決着しないと7月に闘争も行われている。平成23年は春闘の闘争期間中に東日本大震災が発生し、組合が当局の計画停電等対応の協力要請に応じて、職場離脱本庁敷地内決起集会、超過勤務拒否闘争を、時限ストライキが中止された。しかし、その代替として7月に3日間の超過勤務拒否闘争と29分ストを構えて闘争を行っているので、事実上闘争の延期だったのである。
 スケジュール化された闘争は過去20~30年間、年によって戦術の違いがあるせよ繰り返し行われている。
 そして、東京都水道局においては、まともな企業であるなら労務提供義務に反する、もしくは企業秩序遵守義務に反する行為、就業規則ないし協約に反する行為として警告や中止命令がなされるべき行為に対しても、なにもなされず広範な組合活動が許容黙認されてきたという実態がある。それらの組合活動は救済命令取消請求訴訟の諸判例からみても労組法7条によって保護される、正当な行為と評価されることのない類型のものがほとんどであるが、管理職は意味のある警告(違法行為もしくは就業規則違反を明らかにして繰り返した場合は懲戒となる旨示唆する)、中止・解散命令を発することがないのである。つまり施設管理権の発動を行わない、組合と馴れ合いのような労務管理が展開されている。
 カタログ的に羅列すれば、出入口で取り囲むかたちの半強制的なビラ配布、勤務時間内ビラ配布、壁面、什器、天井、扉、ガラス、万国旗型に吊り下げるなどビラ貼り(ステッカー闘争)、勤務時間内事務室内の頭上報告(事務室内でありながら拡声器が持ち込まれることもある)、勤務時間中事務室内オルグ演説や職場大会、勤務時間中所長席前で大衆団交スタイルで多数が集結し管理職を怒鳴りつけて騒ぐ所長要請行動、屋外勤務時間内、本庁や支所の構内で行われる決起集会、組合旗掲揚、立て看板設置、幟、横断幕、車両の持ち込み、鉢巻、ゼッケン着用、旗を持ち込んで庁舎内に集団でなだれこむデモ行進も何回か見ている。昼当番拒否闘争(管理職に昼当番を押しつける)勤務時間中の赤腕章・春闘ワッペンの着用、闘争課題等の書かれたシール貼り、グッズ、プレートの配布、デスク上に笹の枝を立て要求項目を書いたの短冊を吊り下げた七夕飾り闘争(煙突闘争類似)、ながら条例でも職免とされていない組合活動のための職場離脱、勤務時間中の午後3時以降組合活動のため離席自由慣行、勤務時間中の団結味噌汁調理当番、赤旗に団結寄せ書きの事務室内飾り付け、「闘争宣言」「ストライキで戦うぞ」等の違法行為をあおる掲示物などいろんな態様の組合活動を見てきた。またストライキ時には、ピケッティングやパトロールが行われ(私は5~6人に包囲され罵声を浴びせられた)、組合旗が掲揚され、立て看、横断幕等が設置された状況での来客用駐車場や通路等を占拠して集会が行われ、屋外のみならず庁舎内になだれこんでデモ行進が行われるのも見た。 
 とくに評判が悪かったものは「所長要請行動」である(ながら条例改正期以前は勤務時間中に闘争行われることが結構多く、1時間におよぶこともしばしばある。役員が号令をかけてこれから所長要請行動を開始するから集まれと召集すると役員を中心に多数の職員が自席を離脱し、所長席の前に多数陣取って、大衆団交をやり、所長は怒鳴りつけれ、一方的に聞き役となると言う茶番劇のようなことが行われるのであるが、その際、所長席机の側面や周囲の什器、天井にビラが貼られることもあり、来客から見える場所でも行われていたのである。そもそも一営業所長は交渉当事者ではないが、現場の意見を本局に届けて中央の交渉に影響を与えるという戦術である。)や頭上報告(勤務時間内の演説行為、ストライキの慫慂など、勤務時間内の職場大会についても特に中止命令・解散命令もなされず、報告を聞きたい組合員のためと称して是認されていた実態があった。
 これらのことは水道局を長くつとめている人なら大抵知っていることである。
 しかし、そうした組合活動について近年見直される契機となったのが、第1に平成14年のながら条例による有給組合活動の批判とその改正により勤務時間内の組合活動の職務専念義務免除基準の改正されたことである。
 これは「石原三羽ガラス」と呼ばれる保守系議員、古賀俊昭都議会議員(自民党・日野市選出)の代表質問、土屋たかゆき都議会議員(当時民主党現日本創新党・板橋区選出)による一般質問において厳しく追及されたもので この条例は、昭和41年ILO第八十七号条約批准にともなう地方公務員法改正により条例化されもので、正式には「職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例」(職員が給与を受けながら職員団体のための業務を行うこと等を認めるため一般に「ながら条例」とよぶ)という。
 この条例は条文に「適法な交渉」に加えて「交渉の準備行為」を認める文言を盛り込んだため、結果的に部会や支部委員会、職場交渉など頻繁に行われる組合の会合等が勤務時間中時間中に職務専念義務免除として合法化されている実態にあった。このことが問題視され、都議によって厳しく追及された。都当局も重い腰をあげることとなり、条例改正が昭和14年に行われ、平成15年度より施行されている。議会主導の改革例である。都当局に自浄作用があったわけではない。この点厳しく追及した都議の業績を評価し、敬意を表さなければならないだろう。もっともこの問題の発端は、教職員の組合活動だった。したがって水道局が問題とされたわけではなかったが、企業局においても知事部局と横並びで職免基準を改正せざるをえなくなったわけである。
 その後、水道局においても、ながら条例改正に准じて職免基準が逐次、改正され、有給で広範に是認されていた勤務時間内の組合の会合が無給あるいは認められなくなったことは周知のとおりである。
 もっとも、所長要請行動も頭上報告もながら条例改正以前から職免として認められたものでは全くない。私が知る範囲では条例改正以前の江東営業所において、午後3時以降の組合活動の離席自由であったから、勝手に離席して集会が行われていたし、団結味噌汁という、組合員が輪番で昼食用の調理を勤務時間中に行うなどの行為がみられた。いわゆるヤミ慣行が広範に黙認されていたのであるが、直接水道局ではないにせよ、東京都はながら条例により有給で組合活動をしていると都議会から厳しく指弾されたために、それまで野放図に勤務時間中に行われていた組合活動を組合側もある程度の範囲で自粛していかざるをえなくなったのである。
 第2は平成16年3月17日の都議会の公営企業委員会http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/kouei/d3080073.htmlで行革110番で知られている後藤雄一都議(無所属・前回の選挙で落選)が東京都水道局北部支所の所長要請行動で机に穴を開けたと言う事件や頭上報告等について追及したことが挙げられる。これは直接水道局の問題に向けられたわけで、たんに質問だけでもそれなりに効いているとはいえる。
 
 そうしたことで、ながら条例施行以降とくに後藤都議の質問以降、所長要請行動等は勤務時間中に行われなくなるなど、ひどい状況は少し良くなったいえ、なお問題点は多い。庁舎管理規程・就業規則の不備も含めて、別途包括的な建言を行う予定であるが、ここではさしあたり、11月15日にストライキが予定されているので、ストライキ時の管理職の対応について問題点について非公式的に意見を上申することとする。
 
 私は過去8~9回ぐらいストライキに遭遇している。そのうち2回はストをやらない保安要員職場でだったので、実質ストを破ったのは6~7回だが、すべて出勤簿を押して出勤し、電話をとるなど管理職とともに仕事を行っている。
 管理職は不快に思っており、仕事をしないようにと指図する人もいたが、こちらには正当な就労の権利と義務があるのであるから、譲ることはありえない。
 (中略) 
 これまで、管理職が組合に加わってない新入社員に対して、スト集会に加わらずとも、就労しないで戸外での待機を強要したり、管理職のストに協力するやり方を見てきたが、明確にスト反対の私に対し、8時半まで入庁させない。出勤簿に相当するカードリーダーに触れてはならないことを命じ、執拗にスト協力をする管理職は前所長だけだった。
 前所長は、IDカードリーダー(IDカードを通して出勤時間を記録し、遅刻欠勤等を判定する装置)は通してはならない。8時半までは入ってはいけないし、入れさせない。ピケット態勢の場合は入庁させない方針を明確にし、ピケを破ってはいけないこと、説得拒否を認めない。入庁させないことを明言した。まるで管理職自身が組合の手先となりピケッターのような行動をとる。
 説得拒否者の通行の自由を否定することは、後述する比較的組合に有利な判例の趣旨(例えば全逓横浜中郵事件差戻控訴審判決東京高判昭47・10・20『労働法律旬法』822号、国労広島地本組合費請求事件最三小判昭和50・11・28等)にも反しており、重大な問題といえる。
 前所長の方針は非組合員もスト反対者も全員組合の統制に柔順に従いストに参加してもらいたい。そうでないと人間関係に軋轢が生じてよくないというものだった。
 ただ来客用入口はピケを張らないよう組合に指示しているので、八時半以降なら来客にまぎれて入庁することを妨げはしないというものだった。課長補佐も同じ方針を述べていた。
 もっとも重要なことは、出勤簿に相当するIDカードリーダーを通してはいけないとすることである。これはかつてないことである。
 
 そして事故扱いを強要しようとするのだ。あなたは事故扱いにしますと明言し、それは職員部長とも調整された水道局の組織的方針であるかのようににおわせた。
 遅刻した場合は賃金カットされて当然なのであり、事故扱いで賃金を支払ったのでは就労しないことを奨励することになり、これも違法行為を助長する方針といえる。
 つまり、これは就労の権利の重大な侵害であり、不当な命令である。のみならず、地公行法11条1項の違法行為を助長するものでコンプライアンスに反する。のみならず、出勤簿に相当するIDカードリーダーを通してはいけないというのは、実質的に地公労法11条2項の作業所閉鎖に等しいので違法の疑いが濃い。さらに問題なのが、前所長は、組合に対し敷地内の職員通用口の狭い場所、そこを封鎖されると通行不能となる場所でピケッティングを認めていること。敷地内の組合活動は規制できるのにそれをやらないこと。
 さらに敷地内でのビケッティングでもみあいになった場合、もしくは通行妨害があったとき庁内管理規程の第5条の禁止規定「集団により正常な通行を妨げるような状態で練り歩くこと。前号に定めるもののほか、正常な通行を妨げること」に違反しないか問い糺しても、違反にはならないと明言した。
 さらに重大なことは、スト待機を是認していることである。これはどこの事業所でも同じことだが、スト待機と称して前日の夕方から一晩中朝まで、数人の組合が居残ってストライキの準備と、ストライキの態様、決行か中止かを組合員に伝えるために職場に滞留、又は出入りをするのである。
 ストの準備としてはビラ貼りや、集会の準備がある。事業所によって立て看、横断幕、拡声器等が用意される、ストを決行した場合IDカードリーダーを紙でふさいでしまうような工作をするところもある。そうした工作物を準備することを当局は黙認しているのである。
 他企業では全く違った対応になる。たとえばJR東海であるが、基本協約に「争議行為中、当該争議行為に関係する組合員は、会社の施設、構内、車両への立ち入り及び物品の使用をすることしができない」とあり、ストをやる組合員は締め出されることになっている。JR東海大阪第三車両所(現在は大阪台車検査車両所と改称いわゆる新幹線鳥飼基地)事件 大阪地裁平成12年3月29日判決『労働判例』790号http://www.zenkiren.com/jinji/hannrei/shoshi/07533.htmlは平成五年三月の事件だが、争議行為中の会社施設への立入等を禁止した労働協約及び、および、会社施設での組合活動を禁じた就業規則が存在する本件においては JR東海労(旧動労系)組合員らの会社施設内への入構及び右施設における滞留は、右施設管理権を違法に侵害する行為であるとされ、また、組合員らの入構を拒否した等の会社側被告の措置は右施設施設管理権の濫用にも当たらないと判決されている。
 もちろん公営企業ではロックアウトは問題があるかもしれない。しかし、就労したい真面目な職員を締め出そうとする一方で、ストライカーは出入り自由としてスト準備の便宜供与もさせるというのは本末転倒だといわなければならない。

 私が強調したいことは、私は局長の服務の示達に従うのであって、当然就業時間より前に登庁し、IDカードリーダーを通して、就業時間にはスタンバイして仕事にとりかれるように出勤することは義務であり、また権利である。私は外部の人間例えば保険の勧誘員等ではなく、正規の職員であるから、自己自身の労務提供のために局営業所の入所を排除される正当な理由はない。排除されるとすれば出勤停止処分、停職処分のケースであり、事実上の出勤停止処分となる。これは正当な上司の命令とは到底言えない。
 組合に好意的な人はピケラインを尊重することはあるかもしれないが、それは他者から強要されることではない。万一、説得拒否でもみあいになっても、こちらの通行に正当性があるから恐る理由はなにもなく、むしろ組合の恐喝や威嚇に屈することが恥である。
 もみあいを防ぐためとか言っているが、ストライキとなればなんでもありうるのであり、スト・反ストの労労抗争で死者が出ることもあるし、管理職が労労対立でスト側に加担するのはおかしい。
 もっとも、我が国の労働法制では、消極的団結権(註参照)、団体行動に加わらない被用者の権利について明文規定はない(米国の全国労使関係法には団体行動をとらない被用者の権利が明文化されており、イギリスの1980雇用法の行為準則において、説得拒否者の通行は妨げられないとし、1988法では組合員であれストに加わらない権利が法定化されていので、平和的説得はあっても就労の妨害はできないことになっているが我が国にはそうした消極的団結権を規定した制定法はない)。しかしながら労働組合が市民法原理をこえて他者に行動を強要する権力を有するものではない。
 労働基本権は市民法秩序を超える他者の権利(財産権、所有権等)を侵害する権利であり、使用者は権利侵害の受忍義務があると言っているのは悪質なプロレイバー法学で、判例はそのような立場をとっていないのである。(例えば施設管理権と指導判例である国労札幌地本ビラ貼り事件・最三小判昭54・10・30民集33巻6号647頁『労働判例』329号)

 この点について国営企業や公営企業のピケット判例を検討してみると、札幌地労連事件・最三小決昭和45・6・23は、市電の運転をしようとした組合員の翻意を促すため、40分市電の前に立ちふさがりをした行為を正当としている。全逓横浜中郵事件最大判昭45・9・16は郵便局前の約200名の組合員のピケに対し、実力排除にあたった警察官の抵抗が公務執行妨害として起訴された事件で、ピケをただちに違法とみるべきでなく、威力業務妨害罪として排除行為正当性を疑問視した。この昭和40年代の2判例は組合側に有利なものであるといえる。
 しかし、国労久留米駅事件最高裁大法廷判決昭48・4・25は組合役員がストライキを説得させるためのピケット・オルグ活動のため無断で信号所に立ち入り、これを排除するための鉄道公安員の実力排除に抵抗したことが住居侵入罪、公務執行妨害罪にあたるかが争われた事件で、刑法上の違法性を欠くものではないとして、ピケ・オルグ活動に対して厳しい判決を下したほか、これ判決に先立つ全逓横浜中郵事件差戻控訴審判決東京高判昭47・10・20『労働法律旬報』822号が、「争議行為に加わらない権利」を明言した。
 この判決は、全逓中郵事件判決に従い、公労法17条に違反する争議行為は当然に可罰的違法ではないとし、ピケッティングにも労組法1条2項の適用があるとした点で組合に有利な判断といえるが、しかしながら、公労法17条により組合も組合員も争議行為を行ってはならない義務を負っているとし、組合員は就労の義務を負い権利を有する。したがって組合の争議決議は「民間企業の組合のように組合員に対し法的拘束力をもつものではなく、組合員はその決議に従わず就業しても、特段の事由がない限り組合の統制に対する違反ないし裏切りの問題は生じない」とし、平和的勧誘または説得を越える「実力またはこれに準ずる方法は許されない」とした。
 この判例法理は、最高裁でも採用され、、国労広島地本組合費請求事件最三小判昭和50・11・28『労働判例』240において、公労法違反の争議行為に対する直接の効力(争議行為の参加)については、これを組合員に強制することはできないとし、「組合員が一市民として法律の尊重遵守の立場をとることは是認されるべきであり、多数決によって違法行為の実行を強制されるいわれはない」と判示した。
 しかし、私は管理職によって違法行為の実行を強制されようとしたのである。
 動労鳥栖駅事件最三小決昭50・11・21『労働判例』カード239は、ピケットにかかわる刑事事件で有罪としたものだが、昭和38年の動労の2時間ストにおいて機関車前面に約100名の組合員がスクラムを組み10分間列車の運行を阻止したというもの。控訴審福岡高判昭49・5・25『判例タイムズ』311は一審無罪を破棄した、公労法に違反する争議行為の決議は、民間企業労組のそれのように法的拘束力をもつものではなく、組合員としては組合の決議、指令いかんにかかわらず同盟罷業に参加することなく就労の自由を有し、これに参加を促す勧誘・説得を受忍する義務はない。平和的に勧誘説得することは、公労法上の評価はともかく、刑法上はピケッティングとして相当だが、、「その程度を越え実力又はこれに準ずる方法での説得拒否の自由を与えず組合員の就業を阻止することは」許されないと結論した。
 上記の判例では公労法上のビケッティングの扱いと、一般私企業の場合とどう違うのかをあいまいとしながら、少なくとも公労法が争議行為を禁止している以上、説得拒否の自由を与えない就労阻止は許されないとするのである。最高裁も福岡高裁の判断を支持している。 (上記判例の引用は角田邦重「最近の最高裁におけるピケット論の動向(上)-日本鉄工労組、光文社、動労鳥栖駅事件を契機として-」『労働判例』245)
 イギリスの場合、私企業であれ公共部門であれ「他の者を説明を聞くようににおしとどめ、強制し、自分達が求めている通り行動するよう要求してはなない。人がどうしてもピケットラインを越えようとする場合には、それを認めなければならない。」と行為準則で明文化されているのであるが、我が国にはそういう規定はない。しかし公労法17条は、地公労法11条と同じ規定であるから、地公労法も同じことである。判例は水道局のような公営企業においても、説得拒否の自由を与えないピケットは許されないことを示唆している。
 なお、ここで検討した判例は三公社五現業の争議行為の全面禁止規定を合憲とし争議行為は労組法1条2項は適用されないとした昭和52年の最高裁大法廷名古屋中郵判決より前のものである。名古屋中郵判決の趣旨からすれば就労の自由を阻害するピケットはより違法性の強いものと理解しなければならない。

 したがってピケットを地公労法上どう評価するかにかかわらず、ピケットの説得拒否を認めない上司の指示は明らかに違法なのであり、というか上司の指示が就労の自由を侵害しているから、ストライキ防衛に著しく加担していることになり、私は絶対に許すことができないのである。管理職が局長の服務の示達違反であるから、懲戒処分相当と考える。少なくとも著しいいやがらせといえるだろう。
 
  いずれにせよ、私は「スト破り」と罵声を浴びても当然就労する。いかなる場合であれ地公労法11条を尊重遵守する。1984年のイギリスの炭鉱ストでは、18万人組合員の4万人がスト反対で、脅迫にもめげず、ピケを通過して就労した。そのことをサッチャー首相はたたえているし、1985年の印刷工ストでも、新規雇用された労働者がスト破りし、六千人のスト参加者は全員解雇されたように、時代は個人の就労の権利を重視するものになっている。

(註)消極的団結権について

 まず地方公務員法52条2項において、職員に組合に加入しない自由を保障しており、団体に加入していない非組合員である私は、労働組合のストライキ指令の統制機能に従う理由はない。 にもかかわらず前所長は職員は全員でストに参加しなければならないとしているが、全く不当である。
 市民法上の団体には認められない強度の組織強制手段であるユニオンショップ制のように行動しなければならない根拠は全くない。またわが国ではユ・シ協定というが認められているから消極的団結自由は否定されているという見解もあるが不当なものである。プロレイバー学者でさえ、団結権が市民的自由に優越することに否定的何見解がある(林和彦「ショップ条項」現労6 1981 )

 欧米先進国では消極的団結自由やスト(団体行動)に参加しない権利を明文化している。(わが国では外国のように労働協約改定期の長期ストをやることが少ないため、これまであまり議論されていないも事柄だが、来年通常国会での労働基本権付与法案提出が政治日程となっている以上、長期ストを想定とした対策という観点からも立法化が望ましいとあると考え、この後、私が議員に提案する予定である)。
 合衆国では1947年タフト・ハートレー法が民間企業の団体交渉権を認めた1935年ワグナー法の「団結する権利、労働団体を結成・加入・支援する権利、自ら選んだ代表者を通じて団体交渉を行う権利、および、団体交渉またはその他の相互扶助ないし相互保護のために、その他の団体行動を行う権利」に対し、「それらの行動のいずれかを、またはいずれも行わない権利を有する」(7条) と定め消極的団結権、団体行動を行わない権利を労働者に付与し、強要すれば不当労働行為となる。
 英国では、1988年雇用法において1984年労組法および88年雇用法のの規定している厳しい投票実施要件を適正にクリヤーして多数の賛成を取得し、ストに入ろうとするとき、そのストに参加することを拒否する組合員がいても、彼らを統制違反として制裁の対象としてはいけないとした。この立法の思想は、それに参加するか、しないかの決定権は労働組合によりも組合員にあると考えるべきである。つまり労働組合の団結する権利よりも個人の自由な決定権が優越的価値をもつものだというもので、団結とは個人の権利の総和であるとの考え方による。(渡辺章「イギリスの労働法制とその変遷(講苑)」『中央労働時報』804号 1990 )

 ピケッティングはコモンロー上,契約違反誘致等不法行為を構成するが一定の範囲で免責される。大量動員ピケッティング、その職場でない者の参加等を禁止しており、行為準則において出入口6人以下とし「平和的に情報を得または伝播し人を説得することは、合法的ピケッティングの唯一の目的である。例えば、暴力的、脅迫的、妨害的行為を伴うピケッティングは違法である。ピケッティング参加者はできるだけ説得的に自己の行為について説明しなければならない。他の者を説明を聞くようににおしとどめ、強制し、自分達が求めている通り行動するよう要求してはなない。人がどうしてもピケットラインを越えようとする場合には、それを認めなければならない。」(小島弘信「海外労働事情 イギリス 雇用法の成立とその周辺-二つの行為準則と労働界の反応を中心として」『日本労働協会雑誌』22巻11号 1980.11)と規定し、非組合員であれ、組合員であれピケラインを越える自由を明文化している。違法ピケットは差止請求と損害賠償請求ができ、大量動員ピケや「脅し」(intimidation)や契約違反誘因(Inducement)の存在が有る場合に警察介入、差止命令の対象となることは1984年の炭鉱スト以来確立している。
 フランスにおいても消極的団結自由は認められてるし、ドイツはナチスの組織強制の反省から、消極的団結自由は当然のものとされている。
 わが国でも、労使関係の先進化のために消極的団結自由の権利を明文化したタフト・ハートレー法型立法が望まれる。

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