入手資料整理94
9877 小笠原浩一「19世紀イギリスにおける労使関係の「組織化」」『土地制度史学』127 1990
9878廣田明「フランス革命以後おける中間集団の再建」『土地制度史学』127 1990
9879荘子邦雄「団体交渉応諾義務と逮捕・監禁事件-大阪高裁昭和五八年五月一〇日を機縁として」『判例時報』1101号148頁
小野田レミコン神戸工場事件 公訴事実要旨 昭和48年11月20日午後3時40分頃「小野レミコン代表取締役Sの『前後左右からその両手足つまんで持ち上げ、同人の身体の自由を拘束して逮捕し、同所から同工場小野レミコン事務所まで二〇メートル連行したうえ、同所で右組合員とともに、同人を取り囲み、同人の着用しているネクタイを引っ張って首を締め、あるいは、同人の頭部、前額部を小突くなどの暴行を加え、『組合つぶしについて釈明しろ』『そろばんの上に座らせるぞ』などこもごも怒号し、さらに三人を同所応接室内に連れ込み、被告人三名において、『社長出荷減らしをしないと約束しろ。』『他へ流ししている注文を○○○に戻せ』と執拗に申し向けるなどし、もって同人を威圧し続け、よって、同日午後七時ころまでの間、約三時間二〇分にわたり、多衆の包囲と威圧により同人の脱出を不能ならしめてその自由を拘束し、同人を不法に監禁した」
神戸地裁、大阪高裁ともに無罪であり、著者も無罪と言っている。
神戸地裁(原審)は「連行するについて行使した有形力も‥‥比較的弱い程度のものであり、連行した距離も一二メートルにすぎない」し「この機会を逃せば団体交渉を求めることが著しく困難になるという緊急事態のもので偶発的に発生したやむを得ないものと認められる‥‥労働組合の活動として相当性の範囲を逸脱したものではない」とし大阪高裁は「逮捕罪の構成要件に該当しないことが明白」とする。
労働法の世界ではこの程度の軽微な有形力の行使は罪にならないようだ。労働基本権とは、逮捕監禁あたりまえの世界。刑事免責だから。公務員に労働基本権付与とは官公労にこのようにして暴れることを認めることになるのである。教職員組合も暴れることになるだろう
安倍政権は前政権で公務員に争議権付与が持論の渡辺喜美氏を行革担当大臣に起用したこで警戒している。保守派といってもむかしの倉石忠雄元労相みたいに労働組合の言い分をよくきく政治家もいたわけだし。維新のブレーンになっている脱藩官僚も争議権付与したいらしいが、日教組批判をして争議権は付与というのはおかしい。
9880荘子邦雄「公務員の争議行為と違法性-都教組事件および仙台高裁ピケ事件に関する最高裁判決をめぐって-」『判例時報』560
著者はプロレイバー労働法ほどイデオロギー的でないが多数意見に賛同としているので本件に関する限りプロレイバーとみなす。
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