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2013年3月の13件の記事

2013/03/31

入手資料整理104

1-121 法学協会『註解日本国憲法』有斐閣1948(古書)
以下プロレイバーの著作・翻訳など
1-122 片岡昇・本多淳亮・窪田隼人・西村幸雄『ピケッティングの研究』有斐閣1955(古書)
1-123 野村平爾教授還暦記念『団結活動の法理』日本評論社1962(古書)
1-125 イーリアス・リーバーマン 近藤享一・佐等進訳『労働組合と裁判所』弘文堂 1958(古書)米国の主要な労働事件・判例を網羅しているので買ったが、著者は組合側の弁護士なので、解説はイデオロギー的に偏っている。
1-126 野村平爾『日本労働法の形成過程と理論』岩波書店1957(古書)。中身を批判する目的で買った本。
1-127平野義太郎・戎能通孝・川島武宣編 末広博士還暦記念論文集『団結権の研究』日本評論社1950(古書)
1-128野村平爾『労働基本権の展開』岩波書店1975(古書)批判するために買った本。
1-129渡辺賢『公務員労働基本権の再構築』北海道大学出版会2006
1-130遠藤昇三『労働保護法論』日本評論社2012
9988『フライデー』2013.4.12切り取り「石原伸晃「鎌倉教育長推薦文」‥‥」
9989『週刊朝日』2012.3.19「悩めるプリンス皇太子様52歳」
「更なる研鑽を積む」という殿下の会見を批判している。殿下と同学年の著名人の一例という表が載っているが世間ではもう社会の中核に担う年齢だから、研鑽というよりもっとリーダーシップを発揮してもよいのではないかという趣旨の記事である。
実は自分も同じ学年なので興味をもった。中学校一年生で初めて集合論を取り入れた現代化学習指導要領世代。
世間では部長クラスの年代だが私はいまだにぺいぺいの平である。以下のような人物が同世代の著名人である。
石田衣良(直木賞作家)
岩田聡(任天堂社長)
大村秀章(愛知県知事)
川島隆太(脳科学者)
芹沢信雄(プロゴルファー)
田中耕一(ノーベル化学賞受賞者)
西村徳文(当時の千葉ロッテ監督)
原口一博(元総務大臣)
村上世彰(元村上ファンド代表)
渡辺謙(俳優)
渡辺美樹(ワタミ会長)
 谷間の世代なので地味な人が多い感じ。うざい全共闘世代の連中が退職したこれから真価が問われる世代といえる。
9990週刊ポスト切り抜き2012.3.16「国家公務員給与7.8%カットは大嘘だった」
9991週刊ポスト切り抜き2013.3.29「安倍「玉ネギ問答」の詐術」
9992週刊ポスト切り抜き2012.2.24「橋下市長が掘り起こす大阪「水商売」の埋蔵金1800億円
9993週刊新潮切り抜き2012.3.9「大阪市バス運転手「給与4割カット」攻防」

入手資料整理103 同性婚禁止、結婚防衛法の連邦最高裁審理について

  年度末に桜吹雪はあまり記憶がないが今年は冬が寒くて四年ぶりに風邪もひいたしこたえた。
  9983読売2013.3.25夕刊「大阪市の職員調査「不当」府労委認定「組合への支配介入」
  9984読売2013.3.29「パナソニック大坪会長辞任へ」
  9985読売2013.3.29「福岡高裁セブン元店主逆転敗訴 値引き制限」
  9986読売2013.3.29ワシントン発「「同性婚の税優遇なし」違憲判断へ」
  9987産経2013.3.29ワシントン発「連邦最高裁 米同性婚 審理が佳境 メディアは「容認の可能性」http://sankei.jp.msn.com/world/news/130328/amr13032822090003-n1.htm
 
  関連
  「米最高裁で同性婚訴訟の審理始まる、全米が注目」http://www.cnn.co.jp/usa/35030043.html
  「米最高裁、明確な結論出さぬ構え―加州の同性婚禁止法を審理」http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324559504578385433795912830.html http://edition.cnn.com/2013/03/26/politics/same-sex-marriage-court/?hpt=us_c1 http://edition.cnn.com/2013/03/26/politics/five-things-same-sex-court?iref=obinsite
  3/26と3/27連邦最高裁で口頭弁論があり、たぶん開廷期末に判決が下される(6月末か7月初めとABCナイトラインのモラン記者は言っていた)  アメリカ合衆国では、州によって婚姻法が異なるが、9つの州で同性婚が可能で、30の州で結婚の定義を男女間のものとして同性婚を禁止している。読売も産経も少しわかりにくい記事だ。
  わかりにくいのは州憲法の事案と連邦法の2つの事件が係属していためで、一つは2008年カリフォルニアでプロポジション8により52%の州民の支持で可決した結婚を男女間に限定する州憲法の修正条項の合憲性であり、約半年前に州裁判所は同性カップルにも認められなければならないとした。
  もう一つが、1996年に成立した同性婚カップルの配偶者控除や相続税の優遇を否定する連邦法「結婚防衛法」の合憲性である。
  連邦法は、決定票となるとみられるケネディ判事(レーガン任命穏健保守)が州権を侵害していると述べたため、違憲判断が予想されている。
  一方、加州のプロポジション8については80分の口頭弁論では明確な予想はできないと報道である。鍵となるケネディ判事が平等保護条項の判断は回避したい意向のようで、他の州に影響を及ぼす判決は出したくないらしい。報道によるとカリフォルニアではプロポジション8が結局つぶされ、同性婚が支持者が勝つ。それは遺憾なことである。つまり同性愛禁止立法の連邦法は叩き潰す、州法については州の判断にまかすということになると、同性愛者にとって前進となることが予想されており、非常に心配している。
 
  私なら、同性婚を禁止する州憲法は、合衆国憲法の平等保護条項に反しないので合憲、同性婚禁止連邦法も合憲とする。
  結婚し家庭を築くことが基本的権利であることは1967年のラビング対バージニア判決で確立していることであり異論はない。(1923年のマイヤー判決でも傍論で示唆されていた)。これはバージニア州の異人種間結婚禁止法を違憲としたもので黒人と白人の男女の結婚を妨げることが平等保護条項に反するとされた。 修正第14条の趣旨からそれは当然のものとし受け容れることができる。
 
  なぜならば結婚は幸福追求の核心的価値として、秩序ある自由であり、われわれ同胞の良識と伝統に基づいた価値と認めるからである。カードーゾ判事は1938年のパルコ対コネティカット判決で、合衆国憲法における基本的権利とは何か次のように説明している「それら権利が否定されたなら自由も正義も存在しないだろうという信念」「秩序ある自由というまさに精髄」「基本的と位置づけられるほど、われわれ同胞の伝統と良識に基づいている正義の大原則」「他のほとんどの自由の基盤であり、また欠くことのできない条件」。結婚の自由はそれに値する。
   しかし一方で連邦最高裁はReynolds v. United States - 98 U.S. 145 (1878)でモルモン教徒の重婚罪処罰を支持した。 レイノルズはそれが可能であれば一夫多妻制を実践する教会の男性メンバーとして彼の宗教的義務であると主張していたが、、連邦最高裁は「宗教的信念に基づくという理由で、(重罪禁止法を犯す)実践を行ってもよいのであろうか。これを認めることは国法よりも宗教的原理が優越すること になる」として宗教的信念に基づく行為も他の動機に基づく行為と同様に州のポリス・パワーによる制約に服するとした。
  重婚が権利として認められないのは当然である。それは西洋文明の脈絡からいっても公序良俗に反し、「秩序ある自由というまさに精髄」「基本的と位置づけられるほど、われわれ同胞の伝統と良識に基づいている正義の大原則」とはいえないからである。
で「同性婚」もそれと同じ脈絡で権利として認めるわけにはいかない。
 繰り返すが黒人と白人の男女の結婚を禁止する州法は平等保護条項に反するというラビング判決は認める。なぜならば結婚相手が異性であるからだ。異性たる結婚相手が黒人であれ白人であれそれは自由であるべきだし、政府が干渉すべきではない。しかし、そもそも結婚の定義に値しない同性婚なるものを、1967年ラビング判決と同列に論じることが間違いなのだ。
 同性愛に対する軽蔑ないし嫌悪をむき出しにしていた、かつてのホワイト判事やバーガー最高裁長官のような人物が少ない点今の最高裁は少し心配している。もし同性婚を禁止する結婚防衛立法が平等保護条項に反し憲法違反とすれば、大変な騒ぎとなるだろう。伝統的な結婚の定義が覆るので、重婚罪も違憲としなければならないかもしれない。社会秩序を乱すこととなる。そのような判決を望まないのである。
 ただ報道で予測されているのは平等保護条項の判断回避である。それは最悪のものではないが、私なら、同性婚を禁止する連邦法も州憲法も合憲として決着をつけたい。
 
  さらにいうならば、私は、西洋文明の規範を重んじる。とくにキリスト教は、結婚による男女の合衾の意義を、花嫁教会と花婿キリストの一致を象徴するものとて秘蹟とされるのである。したがって花嫁教会は、花婿キリストに従うのである。それは花嫁と花婿の聖なる結合であって、花婿と花婿、花嫁と花嫁の結合はありえないし、論理矛盾も甚だしい。
  そして、10世紀頃、婚姻は教会の霊的裁治権として教会裁判所の管轄となり、何が正当な婚姻かは教会裁判所が裁定した。今日においてもこの文明の規範提示者は、12世紀のグラティアヌスであり、合意主義婚姻理論を説いたロンバルトゥスと法律の天才教皇アレくサンデル三世といえるのだ。
  恋愛結婚の擁護者も教会だった。教会法は男女の当事者の合意により結婚が容易に可能だった。2人の証人さえいればよかった。近代個人主義的友愛結婚とロンバルトゥスとの隔たりはほとんどないのである。教会法は当事者の自己決定を重視するため自由なのである。それが西洋文明の根幹的価値となった。教会挙式はトレント公会議以降義務化されたのであって、古典カノン法はそうでなく挙式がなくても婚姻が成立する理論である。
  もっともフランスで、父母の結婚承諾を無視した教会婚姻法への不満から16世紀から世俗王権が婚姻法が制定したことをかわきりとして、プロテスタントは秘蹟であることを否定したこともあり、世俗権力が婚姻法を制定するようになる。
  しかし、もっとも古典カノン法の婚姻に忠実だったのはイギリスだった。婚姻と動産の遺言相続が教会裁判所、不動産相続は世俗裁判所の管轄権であった。宗教改革後も教会婚姻法(ロンバルトゥスや教皇アレクサンデル三世が説いた理論そのもの)が古き婚姻約束の法(コモンローマリッジ)として生ける法であったのであり、18世紀中葉まで、イングランドの法だったのだ。
  イギリスの庶民の伝統的な結婚は親の同意を要しない握手結婚だった。居酒屋で男女が握手し汝を妻とする汝を夫とすると約束し、コインを割って、片割れを双方受け取るだけでも教会裁判所で正当な結婚とされた。握手結婚ほどロマンチックなものはない。握手はローマ法、コインのやりとりはゲルマン法に由来するが、親の同意を要せず婚姻約束で結婚が成立するというのが古典カノン法の理論によるものである。イングランドでは18世紀中葉のハードウィック卿法(Lord Hardwicke's Marriage Act)1753年により、握手結婚を無効としたが、イングランド・スコットランドの協定で、イングランド人がスコットランドの法(なお古典カノン法だった)で結婚が可能だった。このため駆け落ちした男女は国境の手前の町、カーライルで四頭立ての馬車に乗り、自由な結婚を求めて、スコットランドの結婚媒介所に向かった(グレトナ・グリーン結婚)。
 つまり、自由の象徴は古典カノン法の婚姻であり、これほど意義のある価値は人類史上そうないことであるから、キリスト教の結婚モデルを無視した新奇な思想に与することは到底できないのである。
 近代の自由主義的価値観、意思自治や契約自由なども教会法の理論の影響があるされているから、因果関係でいえば、それを否定するのはわれわれの自由社会の基盤を崩すこととなるのである。肛門性交を禁止する州法を合憲とする1986年のバウアーズ対ハードウィック事件(2003年に判例変更)におけるバーガー最高裁長官の同意意見は「至福千年の道徳的教訓を棄て去ることはできない」というものだった。
 西洋文明の伝統無視は容認しがたいということだ。結婚は男女の結合であるから秘蹟である。男女の握手が結婚の象徴でそれはローマ以来の西洋文明の伝統だ。したがって同性婚を否定したいのである。

2013/03/24

争議権は人権であるという異常な思想(1)下書き

1 戦後プロレイバー労働法学の何が悪質であるか

 およそ私は日弁連をはじめとして法律家を嫌悪し信用してないが、とくに労働法学者を嫌悪する。
 我が国の思想状況で世界的にみても極めて悪質なもの一つに戦後プロレイバー労働法学があるからである。これは戦闘的・階級的な労働組合運動を支援し、労働基本権を確立するための理論であるが、イデオロギー的偏向が顕著なのである。
 蓼沼謙一(一橋大)の『戦後労働法学の思い出』労働開発研究会2010年で学会の仲間内として記されているメンツ(思想性に濃淡こそあれプロレイバーとみてよい)を挙げると、第一世代として吾妻光俊(一橋大)、団藤重光(東大・最高裁判事)、有泉亨(東大)、松岡三郎(明大)、沼田稲次郎(学芸大・都立大)、野村平爾(早大)、峯村光郎(慶大)、熊倉武(静岡大)、色川幸太郎(弁護士・最高裁判事)、後藤清(和歌山大)、石井照久(東大)など。一・五世代として林迪廣(九大)の諸氏。
 第二世代として蓼沼自身のほか久保敬治(神戸大)、三島宗彦(金沢大・立命館大)、正田彬(慶大・上智大)、青木宗也(法大)、阿久沢亀夫(慶大)、日外喜八郎(岡山大)、木村慎一(阪大)、楢崎二郎(学芸大)、荒木誠之(九大)、瀬元美知男(成蹊大)、萩原清彦(成蹊大)、横井芳弘(中大)、片岡曻(京大)、佐藤進(金沢大・日本女子大)、島田信義(早大)、外尾健一(東北大)、本多淳亮(大阪市立大)、秋田成就(法大)、窪田隼人(立命館大・京都学園大)、近藤正三(島根大・岡山商大)、角田豊(同志社大)、安屋和人(関西学院大)、宮島尚史(学習院大)といった諸氏であるが、今日でもこうした系統の弟子筋に当たるプロレイバーが労働法学者の多数を占めるとみてよいだろう。 
 私は個人主義的自由主義を信奉するから、プロレイバーはイデオロギー上の明確な敵である。

 上記の諸氏の著書をすべて読んでいるわけではないが、かれらの主張は社会的基本権により近代市民法原理による法秩序は質的に転換されたと説き、労働基本権が他者の財産権・所有権を制約し、労働の自由(個人の雇用契約・労働力取引の自由)の侵害を正当化する権利として強調し、労働組合に不当な権力を付与しようとする傾向があり、この思想は、近代市民革命期の人権・自由主義理念とは正反対のものであり、まさに市民法秩序を否定し、組合の恐喝、威圧力を増大させる理論を説き、企業秩序を混乱させ大きな害毒と被害をもたらした元凶なのである。
  例えば片岡曻・大沼邦宏『労働団体法』青林書院1991年 p263は経営内(企業施設内)組合活動の受認義務説(この主張は昭和54年最高裁国労札幌地本判決で明確に否定されている)の根拠としてつぎのようにいう。
「労働組合は‥‥‥労働力の取引過程の取引過程に介入し‥‥企業の内部にまで踏み込んで集団的な規制力を及ぼそうとする‥‥それは不可避的に使用者の取引を制約することになるし‥‥市民法上の権利や自由を侵害せざるをえないのであってそれゆえ現実に久しく違法評価を受けてきたのである‥‥にもかかわらず、むしろ、それを歴史的かつ社会的所与としつつ、生存権の理念に基づいて団結権に高度の法価値を認め、積極的な法的保護を与えることを意味している。要するに団結権(広義)は、その性格上、団結活動と対立する使用者の権利の自由の譲歩なくしてありえないものである」と説き「かくして、団結権(広義)は『市民法上の諸権利に対抗しそれを制約するあらたな権利として登場してきたものであり、それを基本権として憲法上保障することじたい、全法体系を貫く価値観の転換をともなわずにはいない‥‥』(籾井常喜『組合活動の法理』からの引用)ということができよう」と述べ、団結権(広義)とは他者の市民法の諸権利を制約する権利、全法体系の価値観の転換をともなうものである断言している。
 それゆえ、組合活動のため使用者の所有権、施設管理権は侵害されて当然であり、無許可組合活動が容認されるという理屈になるわけであるが、非常に厚かましく傲慢な思想である。
 1793年フランス人権宣言第4条は「自由」の定義と権利の限界を次のように定義する。
「他人を害しないすべてのことをなしうることにある。したがって、各人の自然的諸権利の行使は、社会の他の構成員にこれらと同一の権利の享受を確保すること以外の限界をもたない」。
 従って、かれらの主張する他人の権利を侵害(制約)する権利なるものが人権、基本権であると称するのは論理矛盾である。労働基本権なるものが、人権に値しないのは明白だろう。 
 それは近代市民社会(自由企業体制=資本主義)の核心的価値たる、所有権・財産権・自由な取引(営業)・私的自治・自己責任に敵対する思想だといわなければならない。
 
 労働法学とは悪質なものであるし信用できない。そもそも戦後労働法学は私有財産制の否定である生産管理闘争合法論から始まったという性格からそれは当然のことなのである。
 わが国では終戦直後から昭和24年の労働組合法改正以前、「生産管理闘争」のような経営権を否定する悪質な争議行為がさかんに行われたが、末広厳太郎の合法論により赤い進駐軍経済科学局(ESS)労働課が黙認したことが混乱に拍車をかけた。しかし進駐軍の地方軍政部は昭和23年5月、生産管理の中心に共産主義分子がいることに注目し、非合法化の勧告を行った。山田鋼業事件最高裁大法廷昭和25年11月15日最高裁判所刑事判例集4巻11号2257頁は生産管理について「わが国現行の法律秩序は私有財産制度を基幹として成り立つており、企業の利益と損失とは資本家に帰する。従つて企業の経営、生産行程の指揮命令は、資本家又はその代理人たる経営担当者の権限に属する。勞働者が所論のように企業者と並んで企業の担当者であるとしても、その故に当然に勞働者が企業の使用収益権を有するのでもなく、経営権に対する権限を有するのでもない。従つて労働者側が企業者側の私有財産の基幹を搖がすような争議手段は許されない」と判示したが、今日ではあたりまえの論理をかれらは否定していたのである。

(註) プロレイバー労働法学が害毒というのは、実際、私が重大な被害を受けているということでもある。東京都水道局に長年勤務しているが、毎年、大衆行動と称するスケジュール化された職場闘争が組まれている。
 勤務時間内事務室内において所長要請行動、書記長会議報告、部会報告、中央委員報告等と称する頭上報告と呼ばれる演説行為、オルグ演説等が行われ、当局がそれを容認してきたために職務への専念を妨げる騒々しい威圧的、恐喝的、敵対的、虐待的環境で長年仕事をしてきた。これは重大な被害である。 
 このような組合活動は地方自治法上の庁舎管理権(行政財産の目的外利用)、昭和54年以降判例で確立されている企業秩序定立維持権にもとづく施設管理権の発動によって、中止命令を発し懲戒処分に付することが可能だが、それはやらない。
 態様だけでなく演説内容においてもストライキや大衆行動と称する決起集会への参加、超過勤務拒否闘争等の争議行為を慫慂・使唆する内容であるから地公労法11条違反としても中止命令が可能であるはずだが、もちろんそれはやらないし、管理職は、頭上報告等組合活動が、正常な業務運営を阻害するとは口が腐っても言わなかった。
 ながら条例以前のことであるが局長級の支所長は、頭上報告は聞きたい人がいるから認めるんだと明確に述べた。職務専念義務の否定である。副支所長(部長級)は組合の闘争課題を記したステッカーが目に入って職務に集中できないという苦情を述べたところ、そういう考えは間違いであり、ステッカーをみても気にならず仕事ができるよう思想を変えなさいと内心の自由を否定した。ある営業所長は、演説の騒音が気になるなら、宿直室で仕事をしてもらうしかない、私はあなたにどこで仕事をするか、極端なことをいえば喫茶店で仕事せよと命ずることもできるからと言った。さらに、力関係で頭上報告は認めざるを得ないと言った。
 またある副支所長級は、受忍義務があるので勤務時間中の組合活動は認めざるをえないと言った。明らかに、判例で否定されているプロレイバー学説の影響を受けている。
 私が思うに、頭上報告者はたんに就業時間中であるから、労務提供義務、職務専念義務に反しているだけでなく、実際に声を張り上げ、こちらに注目せよなどと言っているのであるから、他者の職務への専念を妨げる、少なくとも気を散らして、職務への集中を妨げる行為を行っており、正常な業務運営を阻害するものともいえるし、少なくとも企業秩序を乱すもの行為であるといえる。
 民法第一条二項「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」とあるが、これは我が国に限らずどのような国でもおなじことである。忠実労働義務とか誠実労働義務というものは社会主義のソ連にもあった。世の東西を問わず同じである。
 職務専念義務は、一般私企業でも基本的には同じことであり、相当な技術と注意力をもって職務に専念することが、勤務時間中求められるのである。 雇用契約における使用者・労働者それぞれの債務は、互いに依存する相関的債務であるから、使用者が職務専念を求める以上、労働者は、聴きたくもないアジ演説によって、顧客との電話のやりとりを妨害されたり、相当な注意力をもって職務に専念すべきところ、業務に集中できない環境の是正を要求することは不当でないし、それに応じることが信義則であると考える。
 たんなる騒音ではない。違法行為である争議行為の慫慂や、非組合員は利敵行為だというような私自身に対する攻撃も許容されているからね怒りがこみあげるし、その後味の悪さは、仕事の能率に明らかに影響する。
 使用者が職務専念義務と職務の精励を求め、労働者はそれに答える義務がある以上、職務に専念できない敵対的職場環境にさらしたままて、それを受忍せよというのは信義則に反するものと考える。
 したがって管理職の態度は雇用の相関的債務としての性格、市民法原理を無視し、法外的な力関係に従えというだけなのは、管理職本来の職務を放棄しているに等しいが、そのような労務管理は、東京都の管理職が判例法理を無視しプロレイバー労働法学の受忍義務説を信奉している状況によって起きているといってもよい。
 したがって、明らかにこのように不愉快で敵対的、虐待ともいえる職場環境で仕事をさせられたということで私はプロレイバー労働法学の被害者といえる。
 もっとも近年では組合が勤務時間内所長要請行動等を自粛している。それに平成14年のながら条例(「「職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例」)による有給組合活動の批判とその改正により勤務時間内の組合活動の職務専念義務免除基準の改正されたことである。
 これは「石原三羽ガラス」と呼ばれる保守系議員、古賀俊昭都議の代表質問、土屋たかゆき都議による一般質問において厳しく追及したことにより当局が重い腰を上げて実現した。
 もっとも、所長要請行動も頭上報告もながら条例改正以前から職免として認められたものでは全くない。いわゆるヤミ慣行が広範に黙認されていたのであるが、東京都はながら条例により有給で組合活動をしていると都議会から厳しく指弾されたために、それまで野放図に勤務時間中に行われていた組合活動(とくに所長席に集団でおしかけ団交するスタイル)を組合側がある程度の範囲で自粛していかざるをえなくなったのである。
 また平成16年3月17日の都議会の公営企業委員会
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/kouei/d3080073.htmlで後藤雄一都議(無所属・前回の選挙で落選)が東京都水道局北部支所の所長要請行動で机に穴を開けたと言う事件や頭上報告等について追及したことがも重要である。
 しかし、その後、就業規則で無許可演説行為の禁止規程が設けられたわけではない。都議が質問によって局長からやめさせると言質をとった頭上報告や構内での勤務時間内組合集会もおこなわれ、繰り返せば処分を示唆するような意味のある警告は発していないので、事実上、賃金カットはされても中止命令されていない。問題の本質は何も解決していないのである。

  
 

2013/03/20

カード 定番表現1

○慫慂・使唆

「職場大会に参加するよう慫慂・使唆した」しょうよう・しそうした

使嗾という書き方もある。

○信託に叛き 

「国家公務員は、国民の信託により、全体の奉仕者として国政に干与するものであつて、その使用者である国民大衆に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなすことは、国民の信託に叛き、国政の活動を停廃せしめ、国民生活に重大な障害をもたらし、公共の福祉に反する」都教祖事件奥野ほか5判事反対意見

○禁遏(きんあつ)の実

「煽動者等に対しては刑事制裁を科し、もつて違法な争議行為の禁遏の実を挙げようとしている」

 禁止してやめささせること

禁遏の実の挙げるためにあらゆる手段をとるべきだ。

○誘発・指導・助成

「法が違法な争議行為に対する誘発、指導、助成の原動力となるものとして処罰せんとする「あおり」についていえば、「あおり」の概念は、「違法行為を実行させる目的をもつて、他人に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめるような、またはすでに生じている決意を助長させるような勢のある刺激を与えること(昭和三三年(あ)第一四一三号同三七年二月二一日大法廷判決、刑集六巻二号一〇七頁参照)」をいうものと解するのが相当」

WBC評論家等の敗因分析

 前回・前々回は仕事も忙しかったしビデオもとらなかったので、ほとんど記憶がないが、
 今回はビデオをとったので昨晩、準決勝の得点回など衣笠と桑田の解説を見たけどAT&Tパークで試合が終了するとカモメの群れがいつせいに飛来してくるのが一番面白かったよ。
 敗因については王貞治ソフトバンク球団会長は、プエルトリコの投手が予想以上に良かったというだけの甘いコメント。http://www.nikkansports.com/baseball/wbc/2013/news/f-bb-tp0-20130318-1099596.html
 サンスポ3・19担当記者の桜木理は、山本監督は当初、確率の悪い盗塁を重視しないとして、大島、聖沢という両リーグの盗塁王を選手から外したのに、方針が変化して、Wスチールという奇策に打って出るなど走る野球を重視する戦術になったのちぐはぐという指摘。
 野村克也は中途半端なサイン、準決勝前の準備に問題があったなどと指摘。
 江本孟紀は中南米の選手はウィンターリーグがあるのでコンディションが良い状態で大会に参加しているが、日本はそうでないので不利、そもそも現場を離れていた人を監督にしたのが間違いとの指摘。、
 

2013/03/16

「処女顔」と言われても判別不能

「おかあさんといっしょ」は知ってるが、男女共同参画思想で「おとうさんといっしょ」(NHKBSプレミアム4月7日日曜午前8時スタート)という番組になっちゃったのかな。タイトルは不愉快ですが、それに出演する歌のおねえさん安藤奈保子が「処女顔すぎる」とネットで評判で、ヤフー人物名検索今週の第4位という記事を15日発売の日刊ゲンダイで読んだので、早速写真http://www.oricon.co.jp/news/photo/2022351/2/を見てみたが、なるほど少女っぽい髪型と、大きなリボンしてますが、判別は不能ですね。国立音楽大学卒23歳ということですが、幼児向け番組なのに、おじさんから興味をもたれているという現象。録画はしておきたいと思います。

東横線渋谷(地上ターミナル駅)最後の日

カマボコ型屋根で親しまれた櫛形プラットフォーム最終日の記録。
現場には行かなかったがyoutubeで盛り上がりを見た。
 終電元住吉行き発車
 http://www.youtube.com/watch?v=wbMA_tLJqWs
 渋谷到着最終列車
 http://www.youtube.com/watch?v=pMwTpE-d7us&list=UUoLiZRtnYK7lmXY0c7j3A4A&index=1
 正面口で営業が終了しても構内に滞留する鉄道ファンを締め出す警備員
 http://www.youtube.com/watch?v=kV9aKnzWL4U
 正面口の警備員と鉄道ファンのにらみあい 日比谷線直通残せ、ダイヤ改悪、不便の野次が飛ぶ
 http://www.youtube.com/watch?v=OHEDGDFC7Lk&NR=1&feature=endscreen
 駅長による地上駅廃止の挨拶
 http://www.youtube.com/watch?v=JLiYRxLVvH4
 シャッター閉めまで見守る徹夜の鉄道ファン
 http://www.youtube.com/watch?v=NEDeegMalMU
 さよなら東横線渋谷駅記念きっぷ
 http://www.youtube.com/watch?v=x7bEuR_jzTo

 東横線は園芸高校通学や都立大事務局に勤務した30年前に通勤で利用したが別にこれが潰されてもなんとも思わないね。日比谷線直通残せ、ダイヤ改悪の野次があったが、六本木・銀座直通をやめて、沿線住民の都心への通勤利便より、池袋・川越方面と結んだほうが乗客が増え、JR湘南新宿ラインと競合でも有利という判断なのか。それとも山手線の混雑緩和という国土交通省の意図が絡んでるのが詳しいことは知らない。

昨日のスト中止・中央委員報告と、3月11日職場における震災犠牲者追悼の黙祷不実施について

○3月15日の1時間スト中止と中央委員職場報告

 昨日3月15日は全水道東水労の1時間ストが予定されていたので、襲撃に対応できるよう鞄をもたず手ぶらで登庁した。通常2時間ストを構えるが今回の春闘は局内闘争課題に目立ったものがなかったので緊張感はなく、通常は夜遅くか朝方までかかるところが、14日の午後7時台にはあっさり妥結しスト中止され、14日0時から破棄されていた三六協定締結となった。
 昨日3月15日組合中央の妥結後の指示は職場報告なしということだが、実際には分会の判断で、中央委員による職場報告の演説(いわゆる頭上報告)が8時31分から約15分あった。事務所中央より少し奥まった場所で、闘争課題、交渉経過、回答、東水労の判断といったことを棒読みで読んでいた。所長は在席していた。その間料金を支払う来客が5~6人いて、私は、レジで客と対応していた。なお、通常この時間に係のショートミーティングが行われるが、頭上報告が優先され、ショートミーティングは50分過ぎになっている。コメントせず事実だけ記録しておく。
 
 頭上報告では触れていなかったが地方公務員給与を7月から国家公務員に準じて(震災復興財源とするため平均7,8%カット)削減する政府の方針に反対するリーフレットが3月11日午後(公務員労働組合連絡会地公部会のもの)勤務時間中(所長在席)で配布されている。来年度はその闘争を準備していると思われる。
 私は、自民党の給与削減の方針がわかっていながら、国家公務員労働基本権付与等の法案を衆議院解散で廃案にしたという実績による消極的支持で自民党に投票してますから、削減に賛成ですよ。
 公務員改革は参議院選挙まで安全運転で大きな動きはなさそう。行革担当大臣は5月まで勉強会をやると報道されてるから、一服している状態だ。
 しかし公務員改革は福田内閣の平成20年国家公務員制度改革基本法において、政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとされている(第12条)。また、地方公務員の労働基本権の在り方についても、国家公務員の労使関係制度に係る措置に併せ、これと整合性をもって検討するとされており(附則第2条)、平成24年に、地方公務員法等の一部 を改正する法律案、地方公務員の労働関係に関する法律案(第181回国会閣法第9~10号)が提出されたが、衆議院の解散に伴い廃案となったのである。
 以上の経緯から、労働基本権付与に警戒感なく協約締結権付与の路線で政治が動いてきたのであって、渡辺喜美元行革担当大臣とそのブレーンの脱藩官僚にいたっては争議権付与に積極的だった経緯もある。したがって私は自民党も信用してないし、また民主党の法案に似たものが蒸し返される可能性がかなりあるからこの問題についても立ち向かう準備をします。9回ツーアウト、崖っぷちに追い詰められた状況は全く変わってないが、土壇場にふみとどまっているので反撃していきたいという考えだ。

 
 
○3月11日震災犠牲者追悼の黙祷不実施

 
 政府が3月11日の14時46分に東日本震災2周年にあたり黙祷を捧げるよう国民に呼びかけhttp://www8.cao.go.jp/tsuitou/danwa.htmlていたが、私の職場では不実施だった。
 朝の係のショートミーティングで係長が伝達事項として、政府から協力が求められているので、庁内放送はしないが各自黙祷してくださいと言っていた。
 ふつうこういう場合、庁内放送なり、合図で起立を求め行うのであって、各自が勝手にやれといっても実際には誰もやらない。事実上の不実施だが、黙祷を自発的にやることを認めているという口実で協力はしているというむちゃくちゃな理屈としか思えない。
 私は水道局の出先しか勤務したことがなく、本庁は知らないが、30年近く勤務していて、政府より黙祷を要請されているのに、8月15日の戦没者追悼であれ、今は求められてないが1月17日の阪神大震災の追悼であれ、起立を求められたことは一度もなく、すべて不実施である。政府の黙祷方針に協力しないのが、組合分会レベルとのすりあわせだと思うが職場の慣例なのである。これは業務指揮権の干渉として些末な事柄かもしれないが問題ではある。私自身多忙だったので抗議はしてないが事実のみ記録しておく。
 特に酷いと思ったのは、香淳皇后斂葬の儀当日の平成12年7月25日、この年の6月16日に崩御になられ本葬にあたる斂葬の儀が豊島岡墓地にて行われた日である。当時私は皇居周辺の千代田区と中央区という首都中枢部を管轄している千代田営業所に勤務していた。ここは本庁の庁内放送が入るところだが、斂葬の儀の式次第にあわせ10時だったと思うが政府より黙祷が要請されていた。所長は組合分会としめしあわせて、10時の少し前から退室、ずらかってしまった。職場離脱して業務指揮権、施設管理権を放棄したのである。
 黙祷すべき時間の前後、赤腕章をした分会役員が空席の所長席前に立って、組合の反天皇制の趣旨から黙祷の強制に反対の演説を行い。黙祷をさせないようにした。管理職はアジ演説をみないことにして責任を逃れようとする、非常に汚い身の処し方に思える。組合の仕切った演説が終了すると、そそくさと所長は自席にもどってきたのである。
 もちろん反天皇制の組合の掣肘で施設管理権すら発動しないので弔旗の掲出なし。近くの金融機関は弔旗を掲出していたにもかかわらず、都税との合同庁舎では掲出なし。
 今の私の職場ですが、平成21年11月12日今上陛下の御即位二十年奉祝記念日ももちろん国旗掲出なし。組合が反天皇制で施設管理権を掣肘しているので国旗すら掲出できない実態にある。
 
 知り合いもいない阪神大震災はともかく、私は宮城県に被災した親族もいるし、東日本大震災を追悼したい気持ちはある。しかし職場で黙祷をやらなかったのは遺憾だ。追悼式典を欠席した中国・韓国と大差ないといえる。犠牲者に冷淡だと非難されてもやむをえないだろう。私は組織の一員として業務指揮権や施設管理権の不当な干渉や侵害の問題は、この問題も含めこれから取り組んで早急に改善したいと考えますのでご容赦いただきたいと思います。

2013/03/09

昨日の「服務の示達」のインチキと、昼休み組合役員による抗議文朗読

1 春闘について


 現在、全水道東水労のスケジュール化された春闘の最中である。すでに3月5日に午後二割動員決起集会が行われ(IОC評価委員が来日している最中でも違法行為を慫慂する都庁構内集会を禁止できないのがいまの都庁の態勢)、今後の予定は3月11日午後3時半より三割動員決起集会が都庁第2庁舎前で、14日と15日が保安要員以外の三六協定破棄超勤拒否闘争、15日に1時間ストを構えている。
 仮に14日未明か晩に突発災害が起きるとします。当局が急遽保安要員以外の職員を召集したいとしても三六協定が破棄されているから組合役員のお許しを得ないと、勤務が命じられないのではないかと思います。初動が迅速に対応できない危機管理上も問題があります。
 
 3月1日にスト権一票投票が行われた。これは、闘争課題が羅列して書かれ、組合の指令に従うことを表明するに○か×をつけるものであるが、私の職場では休憩室だったが、これまで私が知っている過去の例では図面室や宿直室が投票場として事実上、黙認で便宜供与されて行われるのである。
 
 掲示板の東水労ニュースによると、93.71%の高率で批准されている。毎回9割を超えている。ちなみに、英国では合法的なストライキであるためには、ストライキ賛成投票では郵便秘密投票で第三者の監査を義務づけている。この投票は組合員以外の第三者の監査もないし、組合役員が見張っている圧力の中で投票が行われるので秘密投票とはいいがたく公正なものとはいえないが、額面どおりうけとめれば、東京都水道局職員の大多数が、地公労法11条1項の違法行為を組合の指令に従って実行するという表明を行っている。
 組合は高率批准を背景に組合の統制によって、組合員に大衆行動やスト参加を強制する権利を得たというのであろうが、判例は、公労法17条1項(地公労法11条1項も同じ)適用職場において、スト権投票による多数決によって違法行為を強要する統制権を否定しており、組合員に協力義務もないとしている。以下のような判例である。

○全逓横浜中郵事件差戻控訴審判決東京高判昭47・10・20『労働法律旬報』822

 公労法17条により組合も組合員も争議行為を行ってはならない義務を負っているとし、組合員は就労の義務を負い権利を有する。したがって組合の争議決議は「民間企業の組合のように組合員に対し法的拘束力をもつものではなく、組合員はその決議に従わず就業しても、特段の事由がない限り組合の統制に対する違反ないし裏切りの問題は生じない」としている。

○国労広島地本事件最高裁三小昭50・11・28判決『労働判例』NO.420

「公労法に違反して行われる争議行為とこれに対する組合員の協力義務関係について考察する。
 まず、同法違反の争議行為に対する直接の効力(争議行為の参加)については、これを組合員に強制することはできないと解すべきである。禁止違反の争議行為の実行に対して刑罰や解雇等の不利益な法的効果が結びつけられている場合に、その不利益を受忍すべきことを強いるのが不当であることはいうまでもなく、また、右のような不利益を受ける可能性がない場合でも、法律は公共の利益のために争議行為を禁止しているのであるから、組合員が一市民として法律の尊重遵守の立場をとることは是認されるべきであり、多数決によって違法行為の実行を強制されるいわれはない。」としている。

○動労鳥栖駅事件控訴審福岡高裁昭49・5・14第二刑事部判列『判例タイムズ』NO.311
「組合としては、組合員に対して、公労法上違法とされ、しかも解雇等という民事責任を負わされるような同盟罷業に参加を強制することはできない筋合であって、組合がたとえ同盟罷業を決議しても、それは公労法上違反であり、民間企業の組合の場合のように法的拘束力をもつものではなく、組合員としては、組合の決議、指令にかかわらず同盟罷業に参加することなく就業する自由を有するのであって、これに参加を促す勧誘説得を受忍すべき義務はないのである」としている。

 労働組合も組合員も地公労法11条1項を遵守する義務があるから、争議行為に関して統制権を否定しているのである。しかし私の職場ではそういうまっとうな議論は口にするのも憚られるムードがある。
 私は労働組合が争議行為を慫慂する権利性はないことについて当局が明確な対抗言論をなすべきであることを提案したい。動きが鈍くて申し訳ないが、北朝鮮のようにまだ「戦争準備」が整ってないので予定が遅れている。準備というのは反論に対する反論の用意も行ったうえで攻めるということである。
 つまり現在判例は、公務員の争議行為一律禁止合憲論である。昭和48年全農林警職法判決、昭和51年岩教祖判決、昭和52年名古屋中郵判決であるが、世論も公務員のストに対して肯定的でない。
 しかしながら昭和40年代に公務員の争議行為について、違法性の強い行為と、そうでない争議行為を分け、前者のみに刑事罰が適用されるとした争議行為に好意的な判例が相次いだ時期があった。昭和41年東京中郵判決、昭和44年都教祖判決、昭和44年全司法仙台判決であるが、 その流れをつくったワースト判決として佐教組事件第一審判決 佐賀地裁昭37.8.27『判例時報』310号が挙げられる。
「地方公務員の争議行為を一切禁止するならば、住民の利益を不当に重視し、地方公務員の勤労者としての利益を軽視することになって、かえって公共の福祉に反する場合が生じるから、かかる法規があるとすれば、それは憲法二十八条に違反するものというほかはない。」としていたのである。
 もちろんこれらは判例変更されているのであるから、根拠は失われているわけであるが、しかしながら、いまだに判例変更前の思想を信奉し、争議行為を許容したい、赤いイデオロギーに染まっている輩が都庁内の多くを占め、管理職の多くも組合員上がりなので、いまだに東京中郵判決や佐教組判決が正しいんだと思い込んでいる人が多いのでないかと考えるのである。それゆえ都庁では庁舎構内で争議行為を慫慂する集会に意味のある中止命令を出さず、施設管理権も発動しないし、そもそも庁内管理規則もゆるい。問題の多い労務管理を続けている。水道局でいえば事実上の争議行為である組合側の三六協定破棄が自由に行える労働協約を締結していることなどもそうである。
 したがって、プロレーバー労働基本権思想に染まっている支配者たちを論破しない限り勝利はない。「戦争」する以上勝たなければならないので、二の矢、三の矢を射つ準備に時間をかけているということである。プロレーバー労働基本権思想を駆逐して、労働の自由を復権することが私の人生目的となっている以上、成果をあげたいためである。

2服務の示達のインチキ


 以上はいいわけだが、本論に戻ると、昨日3月8日午前に、営業所長による「服務の示達」が庁内放送で行われた。毎回同じ内容と思える。スト予定日間際には掲示で「職員のみなさまへ」と示達より多めの文章でほぼ類似した内容の掲示物が貼られるというのが、職員部が管理職に指示している対抗言論である。
 しかし、これが実質争議行為を許容していると読めるのであって、職員部は組合ともすりあわせて、このようにインチキなものになっているのではないかと私は疑っている。
 昨年の11月闘争時に貼られたものをメモしておいたが、水道局長名の「職員のみなさまへ」は以下のような文章である。

「皆さんは都民全体の奉仕者として公共の利益のため全力を挙げて職務を行う立場にあります。とりわけ今日都民が都政に寄せる関心と期待はさらに高まりつつありこの期待に応えるため皆さん一人一人の自覚と職務の精励が従来にまして必要な時期にあります。ところで全水道東水労は11月15日8時30分から1時間ストライキを計画しているもようです。‥‥皆さんが職場を一斉に離れることは都民の生活に大きな影響を与えるだけでなく都民の都政に対する信頼を裏切ることになります。皆さんが公務員の本分をわきまえ都民の非難を招くことがないよう良識のある行動をとられることを求めます」

 メモなので句読点抜きで誤字があるかもしれないが、おおよそこういう文章が毎回定番として貼られることとなつている。(実際には管理職がさぼつて貼らないこともあるが)
 一見もっともなことが書かれているようだが、肝心なことが欠落しており事実上争議行為を容認しているのである。明らかに欠陥があると指摘しておく。

第1 地公労法11条1項違反の違法行為と言っていない。
(地公労法抜粋
第十一条  職員及び組合は、地方公営企業等に対して同盟罷業、怠業その他の業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。また、職員並びに組合の組合員及び役員は、このような禁止された行為を共謀し、唆し、又はあおつてはならない。
2  地方公営企業等は、作業所閉鎖をしてはならない。
第十二条  地方公共団体及び特定地方独立行政法人は、前条の規定に違反する行為をした職員を解雇することができる。)

第2 労組も組合員も、地公労法11条1項を遵守する義務があり、労組にスト参加を強制する統制権は認められず、組合員に就労の義務と権利があることを言ってない。


第3 良識の行動を求めるとしているだけで、就労を命令していない。

 つまりこれは職務命令とは言ってない。組合に反論の余地を十分に故意に与えている。つまり都民生活の影響云々は1時間スト程度であればさほどなくそれは主観的なものとかたづけられるし、良識がある行動を求めるというのは、公共の利益を著しく損なわないよう争議行為を行うことを許容しているという組合に有利な解釈もできるものとなっている。良識とはストをしないことではなく、公共の利益を著しく損なわない態様のストを求めると言い換えることが可能なのだ。
したがってほとんど意味のないもののように思える。

 なお、当局は3割動員集会と時限ストに関してこれも形式的な組合委員長宛の中止申し入れを行うのが恒例で今回もやると思うが、水道局長名で3割動員集会と時限ストについて地公労法違反、庁内管理規程違反であることは記されている。過去の例では2010年12月10日の1時間スト決行と17日の29分職場大会決行について、本部中闘に最大16日の停職と、支部長に訓告処分を下しているが、それは違法行為ということを明文で示していることと関連があると考える。

 地公労法違反であるから当局が就労命令をするのは正当な行為なのにそれをやらない。それは懲戒処分の網にかかることを避けるためだろう。
 もし組合員各自に地公労法違反として職務命令を発していれば、正当な命令なので従わなければ少なくとも民事責任は問えるのに組合との軋轢を回避する(それは怠慢である)ためあえて職務命令はしないということである。
 単純スト参加職員はともかく、当局がきちんとし監視態勢をとれば(実際にはやらない)、違法行為を慫慂する演説を行ったり、同様のビラをまいたり、ピケ隊として就労を阻止したならば組合本部役員でなくても懲戒処分にできるはず。
 実際、福岡県職労(43・44・46年闘争事件)福岡高裁平3・9・18『労働判例』601号1992 昭和43年、44年、46年の1時間の時限ストにつき、争議の指導・決定・参加等を理由になされた停職、減給、戒告323名の大量処分を有効とした判決だが、昭和46年の7月15日の1時間ストについては、3600名の単純参加組合員のうち20名が戒告処分とされている。それは恣意的選定ではなく腕章や鉢巻をして外来者に争議行為の情宣を内容とするビラを配布していたことから合理的理由があるとして、この戒告処分も有効としているのである。
 昭和46年7月15日1時間ストライキの福岡県庁の対応をみると7月13日総務部長名により本庁各課長・各出先機関の長あてに、ストライキに参加することは違法行為であるので、所属職員にかかることがないように、十分指導するよう通達するとともに、所属長から各所属職員に対し、7月15日は午前8時30分までに出勤して職務に従事することを命ずる職務命令を発するよう指示した。
 つまり福岡県のように職務命令を発すると大量処分が可能なのである。しかしそれはあえてやらない。当局は組合と馴れ合ってるといわざるをえない。当局は組合の争議行為に好意的なため、あえて地公労法11条違反とは言わず、職務命令もせず、このていどの毒にも薬にもならない掲示や示達で御茶を濁していると推察するのである。単なるアリバイづくりである。
 2010年の12月ストの処分で初めて支部長が訓告という軽微な処分を受けたときいているから、分会レベルの役員は、職務命令が出されない現行のやりかたでは、処分を警戒することなく、違法行為を慫慂するさまざまな行為が可能となっているのである。だからインチキだと申し上げている。 、

 昨日の「服務の示達」も引っかかるところがあつた。最後の良識ある行動をお願いします。結んでいることだ。これは原稿を確認してないが、命令しますとは言わない。求めますとすら言わない。地公労法11条違反なのだから、「お願いします」とへりくだる筋合いはないはずだ。
 命令でないということで組合に過剰に配慮しているといわざるをえないし、職務規律の維持という管理職の基本的任務に背馳している。
 私が水道局長なら、地公労法11条違反行為はすべて職務命令(就労命令、中止命令、解散命令)を発出するよう職員部長に命令するが、何十年間それをやっていないというのは、非常によろしくない企業風土といえるだろう。

3 昨日昼休みの組合の抗議行動

 昨日3月8日、分会の組合役員ら5人が昼休みの12時45分過ぎから10分未満だと思うが、所長席前に集合し抗議活動を行った。分会書記長が立ちながら抗議文を朗読した。集会ではないので張り上げた声ではなく、淡々と朗読しただけで、内容は聞き取れなかったが、たぶん掲示板の組合ニュースにあった2月18日に昨年11月7日に決行された29分職場集会(態様は頭上報告型で、事務室内での演説)についての懲戒処分、全水道東水労では本部中闘争3人が停職1日、4人が戒告という軽微な処分への抗議であると考える。

2013/03/06

入手資料整理102

9976 畑安次「18世紀フランス憲法思想の一潮流-ケネー、シェイエス、そして1789年人権宣言」『金沢大学教養部論集、人文科学篇』24(1)1986〔※ネット公開〕
9977 中村睦男「社会権再考」『企業と法創造』 6(4), 64-79, 2010 〔※ネット公開〕フランスの労働基本権の歴史について要約的な説明は使える。もちろん私は社会権を解体駆逐、クラス立法の駆逐により古典的自由主義の復権という思想なのでこの人の論旨には批判的な見方。
9978 中村睦男「社会権の法理」『北大法学論集』52(3)2001〔※ネット公開〕
9979 中村睦男「フランス憲法における社会権の進展(1)」北大法学論集14(2)1963〔※ネット公開〕 この論文は社会権が出現する前の革命期から19世紀前半の「労働の自由」を考察したもので基本的に読んでおく必要がある。
9980 浦田賢治「公務員労働者の争議権-その憲法規範と憲法関係の分析」『早稲田法学』 42(1・2), 33-77, 1966 〔※ネット公開〕
9981 遠藤啓之「フランス第二共和制における労働権生成」『共愛学園前橋国際大学論集』 (8), 23-44, 2008 〔※ネット公開〕
9982 衆憲資第22号Ver.2「労働基本権に関する基礎資料-公務員制度改革及び男女共同参画の視点から」平成15年3月衆議院憲法調査会事務局 〔※ネット公開〕

2013/03/05

入手資料整理101

9971長谷川成海「法の社会化と社会の近代化--メキシコの場合{」『早稲田法学 』  62(4) 1987 〔※ネット公開〕
世界初の社会権を規定した1917年メキシコ憲法に影響を与えた法思想としてレオン・デュギーを挙げている。

9972池田実「比較のなかのスペイン憲法史 京都イスパニア学研究会第17回大会平成20年報告〔※ネット公開〕
9973岡部史信「スペイン年次有給休暇制度の基本構造について」『大宮ローレビュー』 5,  2009
9974國島弘行「グローバル化のなかで「社会と企業」-新自由主義との関連で-『創価経営論集』 33(2),  2009
新自由主義を社会権解体運動としてとらえる。
9975畑安次「デュギーの法理論に関する若干の考察」『法哲学年報 』(1974年), p136-146, 1975
デュギーの思想は、形而上学的権利概念から実証主義的権利概念への転換、個人権から社会権への移行であるが、相当なくせものである

2013/03/03

入手整理資料100

1-120『フランク・ナイト社会哲学を語る-講義録 知性と民主的行動』黒木亮訳ミネルヴァ書房2012
 新刊書。シカゴ学派の創始者で難解な議論で知られる保守的自由主義の尊敬すべき経済学者だが、この本は一般人でも読めるので買った。
 1959年の公開講座講義録だが「資本主義」は非難を帯びた蔑称であるから、「自由企業」フリーエンタープライズと言うべきだ。96頁 自由とはしたいと思ったことをやることではなく、いかなる他人からも干渉されるなく自己の意志通り行動する権利 178頁といった説明は使える。組織労働者が恣意的な権力を手にしつつあることは、社会福祉や経済的安寧の脅威241頁と指摘し、賛同できる見解だ。

 
 
 「ワイマール憲法 159条」で検索によってプリントアウト

9967西修 「世界の憲法制度(4)」『駒沢法学』10(1) (通号 37) 2010.10〔PDFネット公開〕
9968中内哲 書評「鈴木芳明著『組織強制の論理』-ドイツにおける史的展開」『日本労働研究雑誌』 (476) 77-80 2000年3月〔PDFネット公開〕熊大リポジトリ
9969西谷敏「日本労働法の形成・発展過程における外国法の影響--古いヨーロッパ,新しいアメリカ?」『
近畿大学法科大学院論集』近畿大学法科大学院論集 (5), 1-27, 2009-03〔PDFネット公開〕
9970堀越芳昭「先駆的憲法における経済規定と協同組合規定 : メキシコ、ワイマール、スペイン、キューバ 」『社会科学研究』山梨学院大学 31, 3-46, 2011-02-15  [〔PDFネット公開〕

 「パルコ対コネチカット」Palko v. Connecticutの検索でプリントアウト

9971大島佳代子「プラグマティズム法学とアメリカ合衆国憲法」『同志社政策研究』(3)  87 - 110 ,2009-03-15 〔PDFネット公開〕 
 

2013/03/01

本日春闘スト権投票

 本日、登庁すると、就業時間前に全水道東水労分会が休憩室でスト権投票をやっていた。結果は掲示板で発表され、分会は96.43%で批准と発表され、今夜、中央委員会が開かれたようだ。さしあたり、3月5日に都庁第2本庁舎前16時15分~職場離脱2割の決起集会が予定されている。これは当局も容認しており、有給休暇で参加でき、庁舎構内での集会が事実上便宜供与される、毎回同じパターンだ。
 組合は、高率で批准されれば、組合の指揮の統制にしたがって、大衆行動と称する示威、圧力行為に動員を強制するのは当然のものとして、組合員をあごで使おうとするが、地公労法11条で争議行為が禁止されている以上、民間の労働組合と違ってスト参加を強要する統制権はないというのが判例であり、組合も組合員も11条を遵守する義務があるのであるが、それは誰も言わないというのがおかしいと私は思っている。
 
 

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