入手資料整理107
1-137寺村武 平尾武久編著『現代企業の管理と人事』中央経済社1995(古書)
約20年前の本であるが、寺村武の「第8章女性労働」179頁にこうある。労働省の『働く女性の実情』(1993年)「1人平均産前産後休業日数」産前38.5日(多胎52.4日)、産後58.1日(多胎58.8日)で、10年前(つまり1983年)と比較して産前はほとんど代わらないが、産後は10日ほど伸び8週間余となったと説明している。
つまり日本では1993年に産前産後休業は平均して11週である。1983年は9週だった。
『ワーキングマザー』誌のキャロス・エバンスCEOによれば仕事を持つ母親は、米国では平均で出産後11週で職場に復帰するという。 日本と1993年の水準と同じである。『日刊ゲンダイ』2013年5/16号(5/15)「米国には育休制度そのものがない「育児休業3年」の安倍政策、それで働く女性が喜ぶと思ったらアホ」という記事で経済ジャーナリスと名リスト栗原昇氏は、出産後10週程度で即時復帰が世界の常識と言っているが、1983年の日本が9週であるとすれば、世界の常識が10週というのもうなづける。
そうすると、アメリカでは連邦法では、法定有給休暇もなく、複合目的休暇制度無給12週の家族医療休暇だけ(適用対象者は50人以上の被用者を雇用する企業で、12か月以上1250時間以上勤務した者である。2000年のレポートでは私企業部門の82.2%が適用を免れている。使用者は出産、里子の受け入れ、子・配偶者・親の重大な疾病、本人の重大な疾病のために1年間に12週の無給休暇を被用者が取得することを認めなければならないとするもの)しかないといっても、それで十分だともいえるのである。
そもそも従業員福祉に政府が干渉するのがまちがい。たとえばマイクロソフトではソフトドリンクは無料で飲める。クァルコムは夜食やクリーニングが提供され、グーグルに至っては社内食堂が無料だが、生産性が高いから、それができるのであって、生産性の低い企業に福祉を無理強いするのが間違いというのと同じ。
1年半の育児休業でも長すぎるのに3年にしたいなんて安倍は馬鹿じゃないか。公務員は3年だが、長すぎるからやめるよう意見書を出す。
TPP推進なら、アメリカ並に無給12週にしろ。ビジネスで女性がばりばり働く環境にするというなら、それが当然だ。自民党は世界で最も投資しやすい環境にするなんて夢みたいな公約があったら、だったら育児休業制度はコストを強要するから廃止すべきなのだ。
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