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2013/07/06

入手資料整理 117


  地方自治法244条2項、238条の4第4項を争点とする事件

10019 京都府立勤労福祉会館使用承認取消事件 京都地裁平2・2・20決定 判時1369号 

本件は、平成元年12月日本教職員組合から分裂した全日本教職員組合協議会(全教)が初めて開く教育の研究集会であったため 、右翼団体の関心は高く、抗議行動が行われると予測されるところ、本件会館は、京都市街地の繁華な場所にあるので、混乱が生じた場合、一般市民にまで多大の迷惑を及ぼすとして会場使用取消処分に対し、申立人京都教職員組合委員長が処分の効力の停止を求め、申立てが認容されたものである。
  「‥‥京都府が設置し、被申立人が管理する会館は、条例上、勤労者の福祉の増進を図る目的設立されているが(条例1条)、その設備の状況、主として広く住民に対する会議場の貸与をその業務としている現実の利用形態に照らすと、その実質は、一般に行われている集会等の表現活動に密接にむすび付いた施設として設立、運営されているもので、その性質は、公会堂に準ずる機能を有するもの(いわゆるセミ・パブリック・フォーラム)と認められ、地方自治法244条2項による公の施設に当たるというべきであって、被申立人は、正当が理由がない限り、申立人の利用を拒むことができない。
 被申立人は、申立人の思想、行動を敵視する右翼団体の妨害行動により会館の周辺での混乱は避けられない、とくに、当日近隣の学校の入学試験があること等を主張するが、およそ表現の自由ないしその一つである集会の自由は、日本国憲法のとる民主主義の根幹をなし、民主主義社会の基礎をなすものであって、公権力はもとより、他の個々人又は集団から憎まれ、排撃される言論ないし集会を保障することにこそ表現の自由を保障する意義がある。もし、反対勢力ないし団体の違法な妨害行為を規制することの困難さやそのための出費を理由として安易に集会や言論の自由を許すならば、結局それは間接的にせよ集会やそこで行われる言論の右反対勢力に嫌悪されていることによる規制を行う途を拓くことになり、憲法の保障する集会ないし言論の自由の趣旨に反する。このような場合、国又は地方公共団体が右の反対勢力による違法な実力行使を規制し、治安を維持して、集会、言論が平穏理に行われるようにすることが、集会、言論が保障された民主制社会の治安を維持すべき国又は地方団体の責務でもある。したがって‥‥地方自治法二四四条二項の公の施設の利用を拒むことができる正当な理由に当たらない」

10020 福岡県鞍手町立小学校分会会議使用不許可事件 福岡高裁平16・1.20判決 判タ1159号

 本件は分会会議の開催という組合活動の使用不許可事件でありながら、不当労働行為にあたるか否かで争われたものではなく、地方自治法第238条の4第4項(行政財産は、その用途、目的を妨げない限度においてその使用を許可できる)の裁量権の逸脱か否かを争点としたもので特徴的である。
 福岡県教職員組合鞍手直方支部のZ小学校分会が、平成12年11月17日 にオルグ活動のための分会会議を鞍手町立小学校で開催すべく小学校長に対して求めた学校施設の使用許可の拒否が、裁量権を逸脱した違法なもので、損害賠償を求めた事案で、一審福岡地裁は使用不許可が裁量権を逸脱した違法なものとはいえないとしても原告の請求を棄却したが控訴審は、その判断が合理性を有するか否か、合理性を有しないとしてその合理性の欠如が社会通念、条理、公平等の観点に照らして著しく妥当性を欠くものか否かを総合的に検討して決せられるべきとしたうえで、県内の公立学校では分会会議の内容が組合加入勧誘の活動をある場合と否であるとにかかわらず、特段の事情がない限り許可する運用がなされていたこと。当該小学校に所属しない職員の参加は、警備上の抽象的な危険にすぎず重視できない。非組合員の組合加入勧誘という分会会議の目的や内容によって使用許可申請の拒否の判断を異にすべき性質のものではない。管理運営上特段の支障が生じる具体的事情はないとして、本件不許可は不合理で、社会通念上著しく妥当性を欠くとして、違法性を認め、損害賠償も認めた。

10021 芦屋ルナホール使用許可取消事件  神戸地裁尼崎支部昭55・4・25判決 判時979号

  本件は、集会開催当日になって突然市長が行った市民会館(通称ルナホール)の使用許可取消処分について、地方自治法244条2項に違反した違法な処分であり、市長に過失があったとして責任を認め、損害賠償を認めたもの。原告の市民団体「暴力に反対し教育と地方自治、人権と民主主義を守る芦屋市民の会」で部落解放同盟の活動に批判的な(すなわち、同盟が昭和46年頃から、同和対策事業のいわゆる窓口一本化を通じて、市の同和行政を独占的に管理しまた市教育長に対する糾弾等を通じて、市の教育行政をゆがめるなど、市の行政に不当に介入してこれを不公正かつ非民主的なものにしていると考え、このような状態では真の部落解放はありえないと判断した)市の行政を公正かつ民主的なみのとするため市民らによって昭和50年に結成した。
 原告は昭和51年2月14日午後1時から市民会館(通称ルナホール)において総会と「部落解放運動と同和行政の正しいあり方」をテーマにした記念講演を企画し、使用料を納入し許可を得た。その後原告は一般市民を対象としたものに企画を変更し、講演ほ「真の部落解放への道」と題し映画「八鹿高校事件」の上映を行うこととし2月7日市長に対し会場使用の目的の変更申請をし同日承認を得た。
 ところが、市長は本件集会当日になって原告が同和行政に混乱を持ち込み、差別を助長拡大するものであることを理由とし付随的に使用を認めた場合不測の事態が予想されたことも考慮して使用不許可処分とし、当日の11時30分に通告された。
 一方、部落解放同盟は一月にこの集会の企画を知り、開催を阻止する方針を決め、市長、市当局に数次にわたって市民会館を使用しないよう申入れを行ったが、市当局は明確な回答をしなかった。そこで部落解放同盟芦屋支部は動員指令を出した。しかして、本件当日の10時頃ろから動員された同盟員、教師、市職員、市議会議員200名以上が集まり、機動隊や警官も出動した。四か所の入り口には何人かの同盟員らが立ち入場を阻止する態勢をとった。
 11時30分に使用許可取消が通告された。そのさい、口論やこぜりあいなどがあったもののそれ以上の事態には発展しなかった。
判決の要所は以下のとおり。
  「‥‥本件取消処分が条例一三条九号(その他管理上必要と認めるとき。)に該当するとする第一の理由は、本件集会の内容それ自体に不当性ないし違法性が存するというものであるが、‥‥本件集会は、同和行政、同和教育に関する被告の施策に批判的な原告がその見解を広く訴えるために企画したものであるから、このような集会の自由は、民主政治を支える最も重要な基本的人権の一つとしてと憲法二一条により保障されるところであり、市民会館の管理者である市長が、このような集会に対し、その内容の当否を理由に市民会館の使用を拒否するためには、右集会の目的、態様等が一見して公序良俗に反するとか、公益を害することなどの特段の事情の存することが必要であり、このような事情のない場合は、右使用を拒否すべき正当な理由はないものと解すべきである。本件の場合‥‥原告と被告及び同盟との間に部落解放を実現するにあたっての理論ないしは方法論の相違かにくる対立の存することが認められるが、右見解の相違ゆえに一方の当事者である原告の目的や活動、したがって原告の主催する本件集会の目的や態様が一見して公序良俗に反するとか、公益を害するとかいうものであるとは到底みとめられないから、市長が一方の見解のみむを是とし、これに対する批判の機会を封じるごとき処分をなすことは、民主政治の基本理念に照らし到底許されるものではない。してみれば、本件取消処分の第一の理由は市長がその管理の必要上市民会館の使用を拒否しうる正当な理由に該当しないものだというほかはない。
 また、右処分は、本件集会が開かれた場合、混乱等の重大な事態の発生するおそれがあったことを条例一三条九号に該当する第二の理由とするものである‥が、‥‥当日の市民会館の状況は、右集会の開催に反対する多数の同盟員らが右集会阻止のため会場である市民会館周辺に集まり、不穏な状態にあったことはうかがえるものの、原告の準備、当日の警察による警備の対応、同盟員らの対応等に照らし、右集会が予定どおり開催されたとしても、会場内外なおいて、当時会場近くに待機していた警察力をもってしても対処しえないような不測の事態が生じたものとは到底認められない。‥‥本件取消処分の第二の理由も、市長がその管理の必要上市民会館の使用を拒否しうる正当な理由には該当しないものだといわなければならない。‥‥」

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