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2013/09/08

非嫡出子相続分規定違憲決定は悪しき「裁判官立法」として非難されるべきものなので、法改正は最小限にとどめ、もうこれ以上の家族法の変更を欲しない旨の政府・与党への要望の下書きその二

 
 非嫡出子を「疑わしい区分」(原則違憲となる区分)とみなすことはありえないというのが私の考えである。サーグッド・マーシャルが言うようにアメリカ人は目の色の青い人と茶色の人の違いをほとんど意識しないで生活している。肌の色は意識せざるをえないとしても目の色同様ほとんど意識しないで生活できる社会はありうるだろう。法は体色を区別しないというのは理想論でなく、ほぼ現実のものとなりそれ自体を否定しない。
 しかし婚姻制度がある限り、嫡出子と庶子は区別されなければならない。嫡出子と庶子の区別のない社会というのはもはや文明規範の否定された野蛮な対偶婚社会への後退である。従って「疑わしい区分」たりえないのである。
 
 
 文明史的にみて、嫡出子と庶子の区分は重要であり、聖職者と世俗権力が衝突するような深刻な事態にもなった。西欧では11世紀頃までに婚姻は教会の霊的裁治権とされ教会裁判所の管轄権となった。しかし、相続に関しては世俗権力と抗争になった12世紀の古典カノン法は、むろん嫡出子と庶子を区別するが、ローマ法を継受し結婚以前に生まれた子どもも嫡出子として扱った(嫡出子の准正)。イギリスは、13世紀にジョン王がイングランド・アイルランドの領土を教皇に献上したため、教皇と国王の共同統治国家(国王は受封料を教皇に支払ってイギリスを統治していた)であったが、インノケンティウス4世の時代、国王・諸侯は「われわれはイングランド法の変更を欲せず」という断固たる意思を示し、教会法の嫡出子の准正を受け容れず、大司教ら聖職者と厳しく対立した(直江眞人一「我々はイングランド法を変更することを欲せず」(Nolumus legs Anglie mutare)法学 54(3),) 。古典カノン法は合意主義婚姻理論なので、婚姻の成立要件に挙式は不要である(カトリックが挙式を要件としたのは16世紀中葉のトレント公会議以降)。教会の前の挙式を要求したのはむしろ世俗裁判所であって、寡婦産の確定のために必要だった。バロンの婚姻戦略において、誰が相続人となるかは重大な問題なのである。このために教会法の嫡出子の准正を嫌った。結局、イギリスでは婚姻の成否や別居問題などと、遺言による動産処分の範疇が教会裁判所の管轄となり、その他土地の相続は世俗裁判所の管轄権であるから、教会法の嫡出子の准正は実効性のない法となった。イギリスは大陸よりもむしろ教会法に忠実な地域なのであり遺言を管轄権とするなど教会裁判所の権威は高かったが、それでも嫡出子の准正で世俗権力に勝ることはできなかったのである。リンカーン司教ロバート・グロステストという超大物が論陣を張ったが、国王・諸侯を説得できなかった。それほど「嫡出子」の画定は妥協できない事柄だった。
 
 そういう文明史の脈絡からして、非嫡出子について妥協する必要はない。
 非嫡出子は疑わしい区分ではない以上、違憲をただちに推定されるものではない。立法目的が時代状況にあわなくなったという裁判官の主観的判断で違憲とされるようなものではないのである。
 
 今回の決定では違憲判断の根拠の一つとして国連の児童の権利委員会の勧告などに言及されているが、そもそもこういう条約は、社会改革を促す目的があるにせよ、締約国の主権に干渉するものではない。いかなる差別も受けないという条文の解釈権は締約国にあるはずであるにもかかわらず、憲法判断の根拠(法源)として挙げるのは適切ではない。民法改正に慎重だった国会よりもそちらの委員会の勝手に出した意見表明を尊重するというのは議会制民主主義の政治過程を歪めるものだ。児童の権利委員会がなんぼのもんじゃいと言いたい。NPOや市民団体が、国連の委員会にたきつけて、勧告を出させる。国会議員を素通りした形の司法救済により社会変革を図るという裁判官立法の悪しき前例となったと思う。。
 最高裁判事は国家の命運を背負うような重い仕事だと思う。社会的威信、名誉においても顕職である。それなら「我々は日本法を変更することを欲せず」と断固表明するくらいのことは言ってみろ。そういう裁判官が14人のうち1人もいないというのは情けない・

 仮に私が非嫡出子であったとしても、民法900条4号に不満を持つことなど絶対あり得ないのである。なぜならば、私は都立園芸高校で「シベリアの鬼」と綽名される造園科の教師から「知足安分」の道徳を教えられているからだ。公教育でそのように教えられた。分際をわきまえて謙虚であるべきというものである。婚姻家族の保護に重要な公益と価値がある以上、制度には従うへきだし、エゴは慎むべきと考えるからであり。もし私が裁判官なら、そのように諭し、長文の反対意見を記して抵抗することになっただろう。(つづく)
 

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