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2014/03/16

入手資料整理130

10112-1★★総理府統計局事件 東京地裁昭50.12.24 判時806
10113-1★★電電公社長岡局事件 新潟地裁昭44.11.25労民20-6-1553
10405★★ 岡野行雄「公安労働事件裁判例をめぐる可罰的違法性論」『警察学論集』27(9)  1974 可罰的違法性論を援用した下級審判例の具体的な批判を行っている点で価値のある論文だ。可罰的違法性論とは、学説によって提唱するところは異なるが、「構成要件に該当に該当すると認められる行為のうち、当該行為の予想する可罰的程度に達しない行為は犯罪でないとし刑事責任を否定する見解」と説明、「実質的違法性論・社会的相当性論を前提とするの理論」「違法性の相対性・段階性を前提とする理論」であり、この理論に適用に消極的になった昭和48年国労久留米駅大法廷判決以前に多くの下級審判例がある。
 下級審で援用されているのは、藤木英雄の学説であり、藤木説は、構成要件該当性が阻却されるとし、佐伯説は違法性が可罰的程度に達しないところの違法性阻却であると説明している。

 著者は、東京中郵事件は姦通の違法性と同じ論理を適用したという可罰的違法性論の見解を批判している。姦通は民法上違法でも刑法上違法でないというのだが、それと同じようにストライキとして郵政職員が郵便物を取り扱わなかった郵便法79条1項違反の行為を正当化した。この点について著者は姦通は刑法上も違法であるが、立法政策として構成要件を設けていないから処罰されないにすぎないとする。
 可罰的違法性理論をとった下級審判例についてまず光文社事件昭和48.4.26東京高裁判決について犯罪構成要件の判断を縮小し構成要件を曲解する傾向があるとして厳しく批判している。これは第二組合員が通勤途上の路上で6人に包囲され両腕をつかまえられ、引っ張り、押されるなどして腰を低く落として抵抗するのもかまわず、音羽通りを横切り、約30メートル引きずられたあと、さらに両脇下に手をさしいれたまま、引っ張り押すなどして、お茶の水女子大裏門を経て、200メートル余り自由を拘束され連行されたにもかかわらず、実質的違法性はないとして無罪としたものである(最高裁で有罪)。(光文社事件の詳細http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-2995.html)「集団による暴力事犯について、各個の行為主体では軽微にみえても、被害者には大きな圧力となり、恐怖心を与えて軽微ではないのに、これを看過している」との指摘は妥当である。
 軽微とは認められない事犯に対して適用したものとし、昭45.12.17横浜地裁滝野川自動車事件判決も批判している。
 事案は、滝野川自動車の第一組合員6名および全自交の労組員合計7名は 、第一組合員約百数十名と共謀のうえ、昭40.6.8午前10時から午後1時までの間、第二組合員十名が就労のためタクシー10台を運転して車庫通路より進発しようとするのを阻止するため、通路に乗入れた宣伝用自動車の車輪を取りはずし、貨物自動車の前車輪を横溝を掘って落し込んだうえ、百数十名がスクラムを組んで労働歌を高唱し、坐りこむ等して会社の運送業務を妨害したにもかかわらず、威力業務妨害罪に当たらないとしたものであるが、本件は大量動員の実力ピケで、しかも車輪を外したり、溝を掘って車輪を落し込んだりしている以上、この威力行使を無罪としたることについて著者の批判は妥当だろう。
10406 高島良一「労働法律関係と労働契約(一)」『独協法学』20号1983年
10407★松浦繁(法務省刑事局付検事)「判例を中心とした争議行為のあおり罪をめぐる諸問題(一)」『警察学論集』27巻9号1974
10408★★大久保太郎 昭48.4.25大法廷判決国労久留米駅事件調査官解説 『最高裁判所判例解説昭和48年刑事篇』
10409伊達秋雄「三友事件判決の法理-可罰的違法・責任性の欠缺-」『犯罪と刑罰 : 佐伯千仭博士還暦祝賀. 上.』 有斐閣1968年
10410大野平吉「いわゆる可罰的違法性の理論について-序論的考察-『犯罪と刑罰 : 佐伯千仭博士還暦祝賀. 上.』 有斐閣1968年
10411近石康宏「諸外国における公務員の争議権の制限-主に刑事罰事件について-」『警察学論集』27巻9号1974
10412香川孝「文献研究・日本の労働法学(14)順法闘争の法理論」『季刊労働法』95号       三
10413国鉄糸崎駅事件最一小昭51.4.1判決 刑事裁判資料230号215頁
10414★★★★国鉄糸崎駅事件 広島高裁昭48.9.13判決 刑事裁判月報5-9-1958、判タ301、労判187、判時727

 本件は、昭和48.4.25久留米駅事件大法廷判決を引用して、列車運行業務を妨害した行為は、正当な争議行為として違法性を阻却されるとした原判決を破棄し、ピケッティングとしての相当性を超えたものとし威力業務妨害罪を認め、国労岡山地本執行委員長Aに懲役8月執行猶予3年、同書記長Bに懲役6月執行猶予3年、同執行委員Cに懲役3月執行猶予2年の判決を下したものである。久留米事件方式を採用としてピケッティングを有罪とした判例は多いが、本件は公労法適用職場におけるピケッティングの限界について詳細に判示している点、重要な判例に思える。

 公労法適用の国鉄においては、ストライキの決議は違法であり、法的拘束力はなく、非組合員はもとより、組合員に対してもストライキの参加という違法な行動に従うことを強制できないと判示した。同趣旨の判断を下した判例として○全逓横浜中郵事件差戻控訴審判決東京高判昭47・10・20判タ283『労働法律旬報』822○国労広島地本事件最高裁三小昭50・11・28判決『労働判例』NO.420○動労鳥栖駅事件控訴審福岡高裁昭49・5・14第二刑事部判決 判タ311http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4206.html参照、類似事件としての動労鳥栖駅事件についてhttp://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3704.html参照。
事案は大略次のとおりである。 
 昭和三七年年二月国労は期末手当基準内賃金の0.5ブラス3000円をを昭和37年3月23日に支給することを要求し、当局は3月23日0.4ヶ月分の支給を回答したが、国労はこれを不満とし、その後当局は動労など少数組合と0.436ヶ月分支給で妥結したが、国労は少数組合と一方的に妥結し、規定事実として多数組合に押しつけるのは団交権の否認として抗議し、指令24号を発して各地方本部は3月30日午後10時以降3月31日午前8時までの間に運輸運転職場を指定し勤務時間内二時間の時限ストを実施することを指示した。
○岡山操車場事件
 当時の岡山操車場駅(現在は西岡山駅に併合)には下り4番線から午後11時15分に発車する糸崎駅行き73貨物列車があり、同列車が4番線に到着すると、機関車が外され、機関区から機関車が出区し、同駅構内機待2番線に引き上げられ、操車掛が誘導して列車に連結することとなっていた。昭和37年3月29日、午後10時55分頃、操車掛が平常どおり機待2番線に引き上げられた73列車の発機を連結すべく誘導しようとしたところ、突然組合員ら約20名が機関車の進行方向直前の線路上あるいはその横に立ち塞がったり、坐り込んだりとした。被告人A・Bがかけつけ。坐り込みを容認した上、発機を押さえる旨告げた。同駅助役及び岡山鉄道管理局運輸長がA・Bに対しピケを解除するよう要請したが拒否。結局被告人両名は午後11時55分頃ピケを解除、このため列車は定刻より53分遅れで発車した。
○糸崎駅(山陽本線)事件
 当時、糸崎駅では6番線から、下り393貨物列車が午後11時13分に、2番線から上り48貨物列車が午後11時26分に、5番線から下り急行列車が11時38分に、同駅に到着、機関車を取り替た上、発車することになっていた。
(1)393列車のピケ
 昭和37年3月30日、393列車の発機(機関車)を誘導する操車掛を説得する任務を負った同地本執行委員Kが動員者約30名とともに待機していたところ、同日午後11時11分頃、本件ストライキに備え予め同駅下り方面の着駅操車掛としての業務命令を受けていた同駅予備助役Sが抗議を聞き入れず、発機は列車に連結され、ただちに発車できる状態となった。このためK執行委員は引率の動員者30名とともに同列車進行方向約2メートル前方の線路上あるいは機関車の横に坐り込みあるいは坐り込む等してピケッティングをはるに及んだ。そのころ同駅西構内を視察のため歩いていた被告人BがさしかかりK執行委員から報告を受け、やむをえないと判断して了承し、統一ある行動をとるよう指示した。このピケッティングにより同列車は1時間50分遅れで発車した。
(2)48列車のピケ
  48列車は到着後機関車(着機)を列車から切り離して機関区に入区させ、機関区から機関車(発機)を出区させて、一旦停止線まで運転し、そこから先は操車掛の誘導によって同列車に連結することになっていたが、発機を誘導する操車掛がいなかったため、同日午後11時15分頃本件ストライキに備え、あらかじめ上り方面の着受操車掛としての業務命令を受けていた同駅輸送助役Tが一旦停止線で停止していた発機を誘導すべく合図灯をもって発機に近づいた。その頃発機に近づいていた被告人Aが同助役の合図灯を認め、同助役を呼びとめ抗議すると同時に、附近の動員者に知らせるべく大声で呼びかけたところ、附近に待機していた地本執行委員Kが同被告人の呼び声を聞き約20名の動員者とともに駆けつけてきたので同人にに発機の至近前方線路外側附近、あるいは発機の横に立つなどのピケッティングをはらせるに及んだ。同助役はなおも発機前部のステップに立ち誘導しようと試みたが、ピケッティングのためそれも困難となり、同列車は約1時間48分遅れて同駅を発車した。
(3)31列車のピケ
 31列車は同日11時31.2分頃、同駅4番線に到着したが、同列車の機関車(着機)を切り離し、機関区まで誘導して入区させる操車掛がいなかったため、前記S助役が誘導しようとして着機に近づいた。その際約2.30名を引率して4番線ホーム西寄り線路附近に待機していた被告人Cが同助役の姿を認めるや、動員者約10名と一緒に同助役を取り囲んで抗議し、続いて引率していた動員者とともに発機前方5.6メートルの線路上に立ち、あるいは坐り込むなどしてピケッティングをはるに至った。そこへ被告Aが通りかかり、被告人Cからピケッティングの理由について詳細な報告を受け、これをやむをえないてものとして了承し、みずからも同列車の乗客の状況を調べるなどしたが、当局との話合いの結果ピケを解除した。同列車は定刻より4、50分遅れて発車した。
 
 判決は次のようにいう。
「ところで原判決はピケッティングの正当性の限界について『ストライキの本質は労働者が労働契約上負担する労務提供義務を提供しないことにあり、その手段方法は労働者が団結してその持つ労働力を使用者側に使わせないことにある、』ことを一応認めながら、『しかしこのことはあくまで原則であって、争議行為がいかなる意味でも実力的であってはならないと解すべきではない。蓋し労働組合の紐帯がそれ程強固ではなく、組合員に対する使用者の働きかけがしばしば組合指令より強い影響力のある我が国の労働事情では、ストライキの行われた場合使用者側は往々職員その他の者によって操業を継続したり、スキャップを使ってピケ破りをしようとしたりとして容易に組合側の説得などは聞き入れないのが通常であるから、ピケッティング本来の防衛的、消極的性格は否定し難いが、その限界を単なる平和的或は穏和な説得以外に出ることができないとすれば組合は手をつかねてストライキの失敗を待たなければならないことになるからである。‥‥労組法一条二項但書は暴力の行使を労働組合の正当な行為とは解してはならない旨規定しているが、それは前述の如くピケッティングの正当な目的を達成するため必要最小限度の実力的行動をも禁ずるものとして解してはならない』として使用者側が非組合員などを就業させて操業を継続する場合においては、ストライキの効果が減殺されるのを防止するため、説得活動としてある程度の実力を行使してこれを阻止することも容認されるという見解を示し、さらにピケッティングが同じ組合員に属しながら争議に参加しないで就業しようとする組合員を対象とする場合については『一応就業の自由を有するが、その自由は組合の団結に優先されるから組合の団結の維持に必要な場合は、これに対するピケッティングは就業を翻意さすべく単なる平和的説得にとどまらず、説得に必要な適切な程度では自由意思を一時制圧するような威力を用いることも容認されるべきものと解すべきである。』と判示した。
 しかしながら、国鉄職員は、公共企業体労働関係法(以下公労法という)一七条一項により争議行為を禁止されているのであるから、国労の組合員も争議行為を行ってはならない義務を負っていることはいうまでもない。それゆえ国労としては、ピケッティングの対象が国鉄職員である以上、非組合員はもとより、たとえそれが組合員に対する場合であっても、ストライキへの参加と言う違法な行動を強制することのできない筋合のものであって、組合がなしたストライキ決議は違法であり、組合員に対して法的拘束力をもつものではない。したがって、国労としては、ストライキの決議に従わず就労しようとする組合員に対し、ストライキに参加するよう平和的に勧誘、説得し、あるいは就労しようとする非組合員に対しても就労を翻意させるべく平和的に勧誘、説得することは、ピケッティングの相当な範囲内のものとして許されるけれども、その程度を超えて実力またはこれに準ずる方法を用いてその就業を阻止することは、他にこれを相当ならしめる特段の事由り存在しないかぎり、相当な限度を超えるものとして許されないといわなければならない。
 してみれば、ストライキの実効性の確保や組合の統制権を理由として、右の特段の事由の有無にかかわらず、一般的に実力の行使によるピケッティングを是認する原判決の判断は、国労のように公労法の適用を受ける組合に関する限り正当ではなく、原判決は‥‥公労法ならびに労働組合法一条二項の解釈適用を誤ったものといわなければならない。」

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